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卵白蛋白質の熱処理による分子構造の変化と食品物性発現に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

卵白蛋白質の熱処理による分子構造の変化と食品物性発現

に関する研究( 内容の要旨 )

Author(s)

徐, 金泉

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 甲第157号

Issue Date

1999-03-15

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/2498

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏 名(匡=括) 学 位 の 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及 び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 貞 徐 金 泉 (中華人民共和国) 博士(農学) 農博甲第157号 平成11年3月15日 学位規則第4条第1項該当 連合農学研究科 生物資源科学専攻 岐阜大学 卵白蛋白質の熱処理による分子構造の変化と食 品物性発現に関する研究 主査 岐 阜 大 学 副査 岐 阜 大 学 副査 信 州 大 学 副査 静 岡 大 学 教教 授授授授 二 治義市 乾宏 明泰 邁二藤野氷 渡 加 細堆 論 文 の 内 容 の 要 旨 卵白は食品加工において重要な役割を果たしている。特に、卵白の11%を占める主要な 成分である卵白蛋白質は、卵白が呈する泡立ち性、乳化牲、ゲル化性と#固牲等の食品物 性発動こ大きく関与している。主要な卵白質であるオボアルプミン(0†A)とオボトランス フェリン(OT)等が食品加工工程において特異的に変性し、高分子可溶性凝集体、或いは 凝固物を形成して物性の発熱こいたる。そこで、本論文では卵白、或いは単離した0†Aと OTを用いて、それらのものの加熱(溶液状態での熱処理)及び乾熟(乾短状態での熱処理) による分子構造の変化と凝固性、ゲル形成性及び保水性等の食品物性発現との関係を明ら かにし、卵白の食品素材としての、さらには乾熱処理技術の食品加工における高度利用を 目指したものである。 本論文は5章から構成されている。 第一章では、乾燥卵白のゲル形成特性について検討した。乾燥貯蔵(乾熱殺菌)した乾 燥卵白(DEI、55-65℃、3日)を溶液とし、前加熱・貯蔵後、さらに再加熱処理を施す と、硬質或いは軟質のゲルが調製できるとした。この現象は、新鮮卵白を処理した場合に は見られないものであり、乾熱処理による蛋白質の分子構造の変化によるものとした。

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第三章では、乾燥卵白の製造工程をモデルとして、透析・凍結乾燥した卵白(FDEI)を 乾熟し、その試料(D肥I)の凝固性と凝固抑制作用につき検討した。乾熱処理は卵白の溶解 性に影響せず、130℃にて3時間乾熟しても水に完全に溶解すること、乾熱処理によって 部分変性した0†AとOTが分子間相互作用してOTの凝固性を抑制すると示した。このように、 乾熱処理により魚非凝固性卵白が製造できることを明らかにした。 第四章では、乾熱卵白(Ⅰ川EI,120℃)と透析・凍結乾燥卵白(FDEI)の混合溶液を60 ℃、5分加熱した後、濁度とキ固蛋白質(重量法)を謝定し、熱凝固性の変化から、乾魚 卵白の熱凝固抑制作用を検討した。乾熟時間を長くすればするほど、D且Elがそれだけ混合 割合の多いFDEIの熱凝固性を抑制すると明らかにした。 乾熟過程において、水分の蒸発に基づき二次構造上はとんど変化のない状態下にて、三 次構造の変化による可溶性凝集体(OYl-0†l:主として疎水性等の分子間相互作用;OT-OT: 乾無暗間が長いはど、疎水性等の分子間相互作用の割合が高い)が形成されること と、OYA可溶性キ集体がFI)EI中のOTと複合体(疎水性等の分子間相互作用)を形成するこ とを示した。 第玉章では、乾熱殺菌していない乾燥卵白 川DEI)を120℃にて乾熱し、その試料 (DDEI)の機能特性を検討した。DDEIにおいても、DEI、D肛Iと同様に加熱しても凝固す ることなく、乾熱時間が長いはど強くて透明度の高いゲルが得られた。さらに予備加熱す るとより強いゲルが形成された。結局、卵白のゲル形成機構をまとめると次のようになる。 卵白を加熱するとOTがまず変性し、SS結合して凝固する。続いて0VAが変性し、分子同志 間にて凝集体を形成する。先に形成したOT#固物により0血のネットワークが十分形成さ れず、柔らかい白市ゲルとなる。乾熟卵白の場合には、乾為による部分変性した0†Aの線 状凝集体が、OTとの凝集化によって加熱時にOTの凝固を抑制し、保水性の良い透明ゲルと なる。乾燥卵白溶液由来の硬質のゲルは、異種蛋白質間相互作用に大きく依存していると 明らかにした。 卵白の乾燥下での加熱処理は溶解性にははとんど影曹せず、溶液としての加熱の場合と 大きく異なった。乾燥下での為による蛋白質の変性は高水分下での場合と違って変性が遅 く、部分変性した分子の配列ができ、疎水性等分子間相互作用の割合が増加したと考察し た。乾熱が非凝固性卵白の調製及び卵白の殺菌を可能にし、卵白の一層の食品素材として の利用向上につながるものと明らかにした。乾熱処理を基礎的・応用的な食品加工技術と 位置づけ、発展させるべきであると提案した。 以上の結果は、乾熟による部分変性した0VAの線状可溶性凝集体が、加熱時にOTの凝固 を抑制し、卵白の凝固性、ゲル化性に大きく関与すると証明したものであり、乾燥卵白と 新鮮卵白の加熱物性の違いは、主として乾熟殺菌による卵白蛋白質の部分変性によるもの と示した。

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審 査 結 果 の 要 旨 本審査委員会は論文の構成、内容ならびに基礎となる学術論文等について慎重に審 議し、その内容が貴手な知見であり、学術的にも価値のあるものと評価した。その結 果、審査香貝全員一致をもって本論文が岐阜大学大学院連合農学研究科の博士の学位 を授与されるに値すると判定した。 審査結果の要旨は別紙に記載した。 Ⅰ.研究の目的 卵白は食品加エにおいて重要な役割を果たしている。特に、卵白の11Xを占める主要な 成分である卵白蛋白質は卵白が呈する泡立ち性、乳化性、ゲル化蛙と凝固性等の食品物性 発熱こ大きく関与している。本研究は卵白、或いは単離したオポアルプミン(OY人)とオ ポトランスフェリン(OT)を用いて、それらのものの加熱(溶液状態での熱処理)及び乾 熟(乾燥状態での熱処理)による分子構造の変化と凝固性、ゲル形成性及び保水性等の食 品物性発現を明らかにすることを目的とした。 ⅠⅠ.研究成果と審査概要 本論は5牽から構成されている。 第一章では乾娯卵白のゲル形成特性を検討した。乾煉貯蔑(乾熟殺菌)した乾娯卵白 (DEI)を溶解し、60℃にて予備加熱した後、80℃にて再加熱すると強いゲルとなったが、 予備加熱後凍結し、同様に再加熱すると柔らかいゲルとなるとした。ゲル強度は一般的に 蛋白質濃度の影響を受けるが、蛋白質の分子形態或いはゲル化時の凝集体の分子立とその 形態がゲル強度と直接関係すると明らかにした。卵白の凍結ゲルの形成は新知見であり、 卵白の食品素材としての利用範囲がさらに拡大され、またそれらの処理法が新規食品の加 工法の確立ともなると期待される。 第二章では、DEI溶液を加熱・冷凍処理した場合の蛋白質分子の構造変化を換討した。 DEIを溶液として加熱する・と新鮮卵白を用いた場合と大きく異なった性状となった。その 要因は、乾燥卵白の乾熟殺菌工程中に生じる卵白蛋白質の変化にあると示した。ゲルの形 成過程において、疎水性相互作用が大きく関与するが、SS結合はほとんど関与していない とした。 第三章では、乾娯卵白の製造工程をモデルにして、透析・凍結乾煉した卵白(FDE†)を 乾熱し、その乾熟卵白(p肥I)の熟凝集性とキ固抑制作用につき検討した。何等凝固物を形 成することなく濁度(540n血による測定)の低い溶液とするには、乾熟の温度が高ければ 高いほど、乾熟時間はそれだけ短かくて良いと示した。120℃にて乾熱したD‡E▼を加熱す ると、乾熟時間に応じてその溶液の性状が異なった。すなわち、凝固性沈殿物、濁度のあ

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乾熟・過程において、水分の未発に基づき二次構造上ほとんど変化のない状態下にて、三 次構造の変化によって生成された可溶性凝集体(OYl-OYA‥主として疎水性などの分子間相 互作用;0トOT:乾熟時間が長いはど、疎水性等の分子間相互作用の割合が高い)が形成さ れるとした。DⅡEI中の0Vlの可溶性凝集体がDⅡEI及びFDEI中のOTと複合体を形成(SS結合 は関与しない)して、OTの鞋固(主としてSS結合)を抑制すると示した。0V▲とOTを用い ての実験からもそれらの推察を実証した。乾熟した0VlのみにOTの擬箇抑制作用があり、 加熱時に乾熟による部分変性したOYlがOTの凝固を抑制すると証明している○ 第玉章では、乾熱殺菌していない乾燥卵白印DE†)を乾燥下の種々の加熱条件のもとで 前述のFDEIのように乾熟し、その乾熟乾燥卵白(DDEl)の熱凝集性と熟ゲル化性を検討した。 pEI、DⅥE†と同様に溶液として加熱しても葦回することなく、乾熱時間が長いほど強くて 透明度の高いゲルが得られ、さらに予備加熱するとより強いゲルが形成されると明らかに した。 卵白の乾娯条件下にての加熱は溶劇世にははとんど影響せず、卵白(或いは卵白蛋白質 溶液)としての加熱の場合と大きく異なった。乾旗下での削こよる蛋白質の変性は、高水 分下での場合と違って変性が葺く、部分変性した分子の配列ができ、疎水性等分子間相互 作用の割合が増加したと推測した。乾熱が非凝固性卵白の調製及び卵白の殺菌を可能にし、 卵白の一層の食品素材としての利用向上につながるものと提案している。 以上の結果を総合して、乾削こよる部分変性した0†Aの線状可溶性凝集体が、加熱時に OTの凝固を抑制し、卵白の凝固性、ゲル化性に大きく関与するとし、乾燥卵白と新鮮卵白 の加熱物性の遠いは主として乾熱殺菌による卵白蛋白質の部分変性によるものと確認して いる。また乾熱処理を基礎的・応用的な食品加工技術と位置づけ、発展させるべきである と結論した。 審査委員会において、以上の内容の論文に対して、いくつかの疑問点、まとめ方及び考 察への要望が出された。しかしながら、審査委鼻会は、研究の成果が、蛋白質の溶液状態 と乾燥下での変性過程に関する新規な知見であり、さらに卵白の食品素材としての高度利 用及び乾熱処理技術の食品加エへの導入に導くことを示した貴重な内容であり、評価でき ると判定した。 ⅠⅠⅠ.基礎となる学術論文の発表雑誌名: ①J.Q.Xu,X.Shimoya皿adaandK・Tatanabe・GelationofeggYhiteproteinsas affectedbyco山binedheatingand freezing・J・FoodSci・・62・963-966(1997) ②J.Q.Xu.X.Shi皿OyaDadaand K・Tatanabe・Ⅱeataggregationofdry-heatedegg

Yhiteanditsinhibiting effect on heat coagulation of fresh egg Yhite・J・ 1gric.Food Chem.,46,3027-3032(1998)

参照

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