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高レベル放射性廃液ガラス固化体の長期健全性に関 する研究

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

高レベル放射性廃液ガラス固化体の長期健全性に関 する研究

稲垣, 八穂広

https://doi.org/10.11501/3080214

出版情報:Kyushu University, 1994, 博士(工学), 論文博士 バージョン:

(2)
(3)

高レベル放射性廃液ガラス固化体の長期健全性 に関する研究

稲垣 八穂広

(4)

目 次

ページ

第1章 序論 1

1.1.高レベル放射性廃棄物処理処分の概要 1

1ユ高レベル放射性廃液固化体の研究開発 2

1.3.高レベル放射性廃液ガラス由化体の組成 5

1.4.高レベル放射性廃液ガラス固化体の製造方法 6 1.5高レベル放射性廃液ガラス固化体の長期健全性評価 9

1.6.本論文の目的と概要 13

参考文献 14

第2章 α照射によるガラス固化体の体積変化に関する研究 17

2.1.緒言 17

2.2.実験方法 20

2.2.1.試料 20

2.2.2.密度測定 22

2.2.3. 焼鈍 23

2.3.実験結果 23

2.4.考察 28

2.4.1. 照射欠陥生成による体積変化 28

2.4.2. ヘリウムバブルによる体積変化 31

2.5. まとめ 40

参考文献 41

第3章 α照射によるガラス固化体の微細構造の変化に関する研究 43

3.1.緒言 43

3.2.実験方法 44

3.2.1.試料 44

3.3.2. 焼鈍 44

3.2.3. マイクロストラクチャの観察 45

3.3.実験結果 46

3.4.考察 48

3.4.1. 照射後焼鈍時のバブ、ルの挙動 48

3.4.2. ガラス固化体の体積変化に及ぼすパブ、ル生成の影響 52

(5)

3.5.まとめ 55

参考文献 56

第4章 α照射によるガラス固化体の機械的性質の変化に関する研究 58

4.1.緒言 58

4.2.実験方法 59

4ユ1.試料 59

4.2.2. 機械的性質の測定 60

4.2.3. 焼鈍 63

4.3.実験結果 63

4.3.1.機械的性質変化の照射線量依存性 63

4.3.2.照射後焼鈍時の機械的性質の変化 65

4.4.考察 68

4.4.1.ガラス固化体の照射損傷と物性変化 68

4.4.2.機械的性質変化の照射線量依存性の解析 69 4.4.3. 照射後焼鈍時の機械的性質の変化の解析 72

4.4.4.機械的性質変化のメカニズムの検討 75

4.5. まとめ 77

参考文献 77

第5章 脱イオン水中でのガラス固化体の浸出挙動に関する研究 79

5.1.緒言 79

5.2.実験方法 81

5.2.1.試料 81

5.2.2.浸出試験 82

5.3.実験結果 83

5.4.考察 85

5.4.1. 溶解析出モデル(Reaction Path Model )による解析 85

5.4.2. 拡散モデルと溶解析出モデルを組み合わせた浸出モデルによる解析91

5.4.3. 長期浸出挙動の検討 97

5.5. まとめ 参考文献

第6章 緩衝材共存下でのガラス固化体の浸出挙動に関する研究 6.1.緒言

99 99

102 102

(6)

司圃a・・

6.2.1.試料

104 6.2ユ浸出試験

105 6.2.3.浸出試験後の操作および分析

106 6.3.実験結果

107

6.3.1. 規格化浸出量および、浸出液のpH 107

6.3ユベントナイトへのCsの収着量 110

6.4.考察

112 6.4.1. ベントナイトのイオン交換を考慮した浸出モデルによる解析 112 6.4.2. ドロマイト溶解/セピオライト析出を考慮した浸出モデルによる

解析 117

6.4.3.浸出モデルおよび長期浸出挙動の検討 120

6.5. まとめ

121

参考文献 122

第7章 結論 124

謝辞

(7)

ー司冒-

第1章 序論

1.1.高レベル放射性廃棄物の処理処分の概要

日本の総発電量に占める原子力発電の割合は現在300/0近くに達し(1・1)、 原子力は安定な エネルギー供給源として確立されてきている。 原子力は石油、 石炭等のエネルギー源に比 べて、 炭酸ガス等を排出しない、 中長期にわたって安定な供給が期待で、きる等の利点があ るが、 一方、 その安全性や使用済み燃料の再処理に伴う放射性廃棄物の処理処分に関する 問題について、 今後更に検討する必要がある。 特に放射性廃棄物の処理処分に関しては、

明確な結論が出されていないのが現状であり、 その方法や安全評価に関する研究が活発に 行われている。

原子力発電で発生する使用済み核燃料は再処理によって、 燃料として再利用できるウラ ン(u)、 プルトニウム(Pu)が抽出される。 この再処理過程では、 約107GBq/m3という 極めて高い放射能強度を有する高レベル放射性廃液が発生する。 この放射性廃液の中には 核分裂生成核種(F.P.)とともに、 再処理で抽出できなかったPU、 U等を含むアクチノイ ド元素が含まれる。 再処理直後の高レベル放射性廃液についてはその放射能の大部分は

137CS (半減期30.2年)、90Sr(半減期28.1年)等の半減期が比較的短い核分裂生成核種か

ら発生するもので、 数百から千年間管理すればその放射能は減衰する。 しかし、 高レベル 放射性廃液中にはU、 Np、 PU、 Am、 Cm等の半減期が非常に長い(例えば�39pUの半減期 は2.41x104年)アクチノイド元素が含まれるため、 これを数万年の長期間にわたって生物 圏から安全に隔離する必要がある。

液体は飛散、 分散し易いこと、収納容器を腐食させること等の理由から、 高レベル放射 性廃液は蒸発、 濃縮により滅容し、 更に一定期間貯蔵して放射能強度を低減させた後、 ガ ラス等の安定な媒体中に固化することが必要となる。 更に、 この固化体を地下数百mの安 定な深地層中に処分する方法(地層処分)が、 高レベル放射性廃液を長期間にわたって生 物圏から安全に隔離する方法として検討されている(1-2)。 地層処分の概念図を図1-1に示す。 この地層処分ではガラス固化体、 それを封入する金属キャニスタ及びそれを取り囲むオー

(8)

.. ・h

ノてーパック、 緩衝材等の人工バリアと、 この人工バリアを取り囲む岩盤等の天然バリアを

組み合わせた多重バリアの概念に基づいて、 放射性核種の生物圏への漏出を防御する効果 が期待されている。

人工バリア 天然バリア

図1-1 地層処分の概念図

1.2.高レベル放射性廃液固化体の研究開発

多重バリアの概念に基づく地層処分体系の中で、 固化体は放射性核種漏出の第一障壁と

して機能するため、 処分環境での放射性核種漏出が最小となるような固化媒体を選択する 必要がある。 更に体系的な高レベル放射性廃棄物管理の観点から、 一次貯蔵、 輸送、 処分 に適切であること、 適切な経済性を有すること、 等も固化体に必要な条件となる。固化体 の製造技術開発、 性能評価に関する研究は1960年代より始まり、 各国政府関連研究所が中 心となって現在も活発な研究が進められている。

放射性廃棄物の固化媒体としては、 これまでに数十種類の固化体がその研究対象となっ た。 アメリカでは、 放射性廃棄物の管理に責任を持つエネルギー省(∞E)の主導で、 可 能性のある全ての固化技術を実験的に検討し、 広い視野から固化体の比較評価が行われた (1・M・4)。∞Eは放射性廃棄物選択因子に関する関連機関検討部会(rwG;Interface Working Group)を設置し、 これまでの様々な固化体を有効指数(FOM; Figure-of-merit)法という 評価方法を用いて厳密な比較評価を行った。 この有効指数による評価方法は、 原子力分野 以外の問題にも広く用いられている階層分校体系(hierarchy)による評価方法である。 有

(9)

冨田圃』

効指数(FOM)は、価値関数V伊i)と重要度比率Wiを用いて次のように表される。

問=エ[V(町WJ=エ[即(i) Wi]

ここでも、Xiはそれぞれ評価項目iにおいて評価対象となる全固化体中で、最良の値及び評 価しようとする固化体の値である。IWGの評価では有効指数(FOM)を用いて固化体性 能と製造容易性に関してそれぞれ比較評価を行い、2つの評価結果を組み合わせて総合評 価を行った。評価を行った固化体の種類及び比較評価項目と重要度比率をそれぞれ表1-1、

表1-2に示し、その評価結果を図1-2に示す。この総合評価結果をまとめると次の様な結論 となる。

(1)ホウケイ酸ガラスは固化体性能としてはセラミックス固化体に比べ多少劣るが最も製 造し易く総合的に最も良い固化体である。

(2)セラミクス固化体(シンロック)は最良の固化体性能を示すが製造が難しく今後の研 究開発が必要である。

(3)その他の固化体はいずれも総合的な評価点が低い。

この様な総合的な評価から、現在の固化体の研究開発の中心はガラス固化体であり、その 他セラミックス、シンロック(SY1恨OC)等も研究が続けられている。特にホウケイ酸ガ ラスを母相とするガラス固化体は、放射性核種保持性能が比較的高いこと、様々な組成の 廃棄物を容易に固化できること、これまでのガラス工業の豊富な製造技術及びその評価結 果を利用でき、かつ経済的であることから、世界の大多数の国が最優先の研究開発対象と している固化体であり、その長期健全性を評価する研究も世界各国で活発に行われている。

(10)

評価の対象となった固化体の種類 表1-1

(Borosilicate Olass) (High-Silica Olass) (SYNROC)

(1)ホウケイ酸ガラス (2)高シリカガラス (3)シンロック (4)Tailored Ceramics

(5)高温高圧プレスコンクリート (6)01ぉs in Meta1 Matrix

(Fl厄TAPコンクリート)

(01ぉsM訂b1es in a Lead Matrix) (7)Coatβd So1-Gel Particles

固化体の性能及ぴ製造容易性についての評価項目 表1・2

製造容易性(Process Factor) 操作の複雑性信頼性: 400/0

( Complexity-Reliab出ty) 固化体性能(Product Performance)

廃棄物含有量: 450/0 (Was民Lρading)

: 200/0 性勾

全凶安打の叩員削業hm伝r

,4l ft・、、 耐衝撃性: 150/0

(Mech泊calS助出。r)

品質管理品質保証 : 150/0 (Quality Control and Assurance) 浸出特性: 400/0

以ac凶g)

経済性 : 250/0

(Reso町ce Requirements)

固化体性能(Product Performance) 製造プロセス(Process Factor) 総合評価(Combined)

ロ図・

BSG:ホウケイ酸ガラス SYN :シンロック

TC : Tailored Ceramics HSG:高シリカガラス FUE: FUETAPコンクリート

CP : Coated Particle

Pb-M : Glass Marbles in a Lead Matrix 1∞

(ECL)

傾向思肱 50

Pb-M TC HSG FUE CP

固化体種類

BSG SYN

固化体の総合評価結果 図1-2

(11)

1.3.高レベル放射性廃液ガラス固化体の組成

ホウケイ酸ガラスの一般的な組成はSi02 : 35 --55wt%、 B2Ü3 : 7 --200/0、 アルカリ金属 酸化物: 10--20wt%で、あり、 これらの組成範囲内で種々のホウケイ酸ガラス固化体が開発 されてきた。 フロリダ大学のHecchらは、 これら種々の組成のホウケイ酸ガラス固化体に ついてその組成と浸出特性の関係に着目して比較検討を行った(1・5),(ト6)。 彼らは世界各国 で開発されたガラス固化体の中から22種類のガラス固化体を選択し、 脱イオン水中、 900C、

ガラス固化体表面積に対する浸出液体積の比(SAN)がl臼n-1、 28日間の静的浸出試験 (MCC-1)を行い、 その結果からガラス固化体の組成と浸出量を比較検討した。 彼らはま ず組成の比較をわかり易くするために22種類のガラス固化体の組成を(Si02)、

(B2Ü3+Na20)、 (Al2Ü3+Fe203+ WP)の3つに分け三元状態図で表した。 ここでWPは高 レベル放射性廃棄物成分(Waste Products)を示す。 そして、 この三元状態図の中にそれ ぞれのガラス固化体の浸出量(浸出速度)を書き入れた。 その結果の一例を図1-3に示す。

図中で45.0、 0.2、 0.1、 0.02と示される等高線はSiの浸出速度がそれぞれ45.0、 0.2、 0.1、

0.02g1m2/dayであることを示す。 これらの結果より、 Siの浸出速度が最も小さい値を示す ガラス固化体の組成は(Si02): 51 --53 wt%、 (B2Ü3 +N(20) : 24--28wt%、

(Al2α+Fe2α+wp) : 21--25wt%の範囲にあり、 特に(Al203+Fe2Ü3+WP)の割合をある 範囲内に抑えることが浸出速度を小さくする上で重要であると考えられる。

(12)

Si

WP= SIMULA TED W ASTE PRODUCTS CONTA別ING ALL ELEÞ-伍NTS NOT

Al, Fe, WP

Glass Composition (weight 0/0) for Glasses with Leach Rates at 28 Days of not More Than : 45.0, 0.2, 0.1, 0.02 g / m 2

/ day for Element Si at a Temperature of 900C and SNV of 10m-1

図1-3 ガラス固化体の浸出特性を示す3元状態図

1.4.高レベル放射性廃液ガラス固化体の製造方法

B,Na

高レベル放射性廃液のガラス固化に関する最初の研究は、 1950年代後半、 カナダにおい てネフェリンサイアナイトガラスの製造を基礎として行われた(1-7)。 その後、 1960年代初

めに英国においてホウケイ酸ガラスによる固化プロセスの開発が始まった。 このプロセス はFINGALと呼ばれ(1・7)、 貯蔵に使用されるステンレス銅製の容器内で廃液を仮焼、 溶融 するポット溶融法であり、 実廃液での試験後、 大型の固化プラント礼状VESTにスケール

アップされた。 アメリカのPNLで開発されたIn-c加法(1-7)はFINGALプロセスの変形である が、 廃液の仮焼を別に行う点でF別GALプロセスと異なる。 ガラス固化技術におけるもう 一つの重要な足跡は、 1969年から1973年にフランス、 マルクールで実施されたPIVERプロ セスである(1・7)。 これは耐食性のNi基合金であるインコネル製容器にガラス固化原料と廃 液を入れ、 溶融した後、 容器底部のフリーズバルブを通してキャニスターへ流し出す方式

(13)

である。 この方式は日本(日本原子力研究所)を含むいくつかの国でも研究された。

以上のガラス固化技術開発の初期段階の研究は、 いずれもその目的を達成したが、 実規 模施設へのスケールアップにいくつかの間題があることがわかった。 現在ではこの問題を 克服したA刑法(A凶erVi甘ification de Marcoule) (1-8)とLFCM法(Liquid Fed Ceramic Melter) (1・9)が実用化の段階にある。

AVM法の概要を図1-4に示す。 この方法は廃液を仮焼するロータリーキルンとガラスを 溶融する誘導加熱式金属メルターを結び付けた連続固化プロセスである。 毎時約401で、供 給される廃液は最高温度6000Cのキルン内で仮焼された後、 メルターに送られ、 同時に供 給されるガラス材料と共に約11500Cで溶融される。 溶融ガラスはメルター底部のフリーズ バルブから8時間間隔でキヤニスターに注入され、 キャニスター蓋は自動溶接で密封され る。 この方式による固化施設の操業は1978年からフランスのマルクールにおいて行われて おり(1・10)、 現在はフランスのラアーグおよび英国のセラフィールドにおいても同方式の固 化施設が稼働している。 一方、 LFCM法は廃液を直接耐火煉瓦製の溶融炉に供給し、 蒸

発、 仮焼、 溶融を同時に行うものである。 溶融は高温におけるガラスの良導電性を利用し てガラス自体を発熱させるジ、ユール加熱で行い、 電力は溶融炉内に設置された金属(イン コネル690等)電極を通してガラスに投入される。 溶融ガラスは底部のドレインまたはオ ーノてーフロー取り出し口からキャニスターに注入される。 この方式の固化施設には旧西ド イツとベルギーが共同でベルギーのモルに建設したP必但λがあり、 1985年から1988年ま でに1381本のガラス固化体を製造した実績がある(ト10)0 PAMELAのガラス固化プラントの 概要を図1-5に示す。 また、 旧ソ連およびアメリカのサバナリバー、 ウエストバレーにお いても同方式のガラス固化施設が建設もしくは試験中である。 日本においても動力炉核燃 料開発事業団が同方式の技術開発を進めており、 現在、 東海ガラス固化施設(TVF)(1・11) を建設、 試験中である。

現在考えられている工業規模での連続式ガラス固化方法は、 上記の2つの方法であるが、

今後は、 これらの方法で製造されるガラス固化体が、 地層処分の安全性評価の観点から要 求される固化体性能を満たすかどうかについて検討してゆく必要がある。

(14)

Iガラス固化用添加物

図1-4 マルクールガラス固化施設の概要

スタック

セラミック メJレター

ガラスビーズ 供給系

HWA 廃液計量容器

An中ノpルruJ・Hフ

ゆ〆ウ去イヨ除フ

一一パタ

スイル

-フアイガフフ

ガラス溶融系 オフガス処理系

図1-5 PAMELAガラス固化施設の概要

(15)

1.5.高レベル放射性廃液ガラス固化体の長期健全性評価

ガラス固化体の地層処分の安全性を評価するためには、 まず第一に、 放射性核種が生物 圏へ漏出する過程(シナリオ)を考える必要がある。 ガラス固化体の地層処分において、

放射性核種が生物圏へ漏出するシナリオとしては、 唯一、 次のものが考えられる(1・12)。 ま ず、 地下水が緩衝材を透過し、 オーバーパック、 キャニスタを腐食した後、 ガラス固化体 に到達する。 次に、 ガラス固化体から核種が地下水に溶出(浸出)し、 核種はこの地下水 と共に移行する。 ガラス固化体から地下水に浸出した核種の、 人工バリア、 天然バリア中 の透過速度は極めて遅いため、 核種が生物圏へ漏出するまでには極めて長い時聞がかかる ものと予想される(図1-6)。 この様なシナリオに基づいて、 地層処分の安全性を評価す るためには、 それぞれのバリアの性能評価及び処分体系全体の性能評価手法を確立し、 実 験室データやモデルシミュレーション、 地質学的事象との比較等を用いてその性能を検証 することが重要な課題となる。

々/

オーバーパック

. 岩盤

図1・6 地層処分における核種漏出のシナリオ

多重バリアから成る地層処分体系において、 放射性核種の生物圏への漏出に対する第一 障壁として機能するガラス固化体に求められる性能は、 ガラス固化体から地下水への核種 の浸出を最小に抑えることである。 また、 このようなガラス固化体の性能を評価するにあ たり、 最も重要な事項は、 数万から数十万年という長期にわたる、 ガラス固化体から地下

(16)

水への放射性核種の浸出挙動を正確に予測評価することである。 この浸出挙動の予測評価 では、ガラス固化体の処分環境(地下水の組成、pH、Eh、 温度、 流速等)や、ガラス固 化体の周囲に配置されるオーバーパック、緩衝材との相互作用等の影響も評価する必要が ある。 加えて、固化した放射性核穫の崩壊による照射や発熱がガラス固化体の諸特性に及 ぼす影響(照射効果)も間接的に固化体の浸出挙動に影響を及ぼすため、 その長期健全性 評価にとって重要な項目となる。 このようなことから、ガラス固化体の照射効果、 浸出挙 動に関しては、これまでにアメリカ、 ヨーロッパ諸国を中心に数多くの研究、評価が行わ れている。

ガラス固化体の照射効果に関しては、 短期間で高線量の照射を行う加速照射を用いて、

これまでに多くの研究が行われている(1・13...ト20)。 α崩壊による照射を模擬する方法とし ては、 短半減期のアクチノイド元素(238pU, 244Cm等)をドープ(添加)して照射する方 法、中性子照射によるガラス中のほう素、 ウランの核反応を用いて照射する方法、加速器 によるイオン照射があり、 p、γ崩壊による照射を模擬する方法としては、加速器による 電子線照射、60COによるγ線照射がある。 このような加速照射を用いて、様々なガラス固 化体の体積、 蓄積エネルギ一、 機械的性質、 浸出特性等の変化が測定、 評価されている。

ガラス固化体の体積変化に関して、Pacific Northwest Laboratory (PNL)のWeberらは、 短 半減期のアクチノイド元素を模擬ガラス固化体にドープし、 実際のガラス固化体で処理後 数十万年の照射線量に対応するα照射を行った場合でも、 その体積変化量の絶対値は最大 +1.2%以下と極めて小さいものであることを報告している(1・14,1・16,1-17)。 しかし、これら の結果は、 短期間で高線量を得る加速照射を行ったときの結果であり、 低い線量率で長期 間の照射を受ける実際のガラス固化体の場合では、 異なった挙動を示す可能性が高い。 そ れゆえ、 実際のガラス固化体の照射による体積変化を正確に予測するためには、照射によ る体積変化の機構(メカニズム)を明かにし、 それを基に予測評価する必要がある。 しか し、これまでの研究では、 そのメカニズムにまで言及しているものは極めて少なく、 実際 のガラス固化体の体積変化を正確に予測評価できているとはいえない。 また、 ガラス固化 体の機械的性質に関して、Matzkeらは、模擬ガラス固化体にα照射を行った時の、硬度、

ヤング率、破壊靭性の変化を測定し、 ガラス固化体はα照射によって軟らかく割れ難くな

(17)

-・�

ることを報告している(1・18,1-19,1-20)。 しかし、 この結果は、 ガラス表面からα線を照射し

たときの結果であり、 実際のガラス固化体が封じ込めた核種の崩壊によって受ける内部照 射の効果を正確に評価しているとは言えない。 つまり、 ガラス表面からの照射では、 ガラ ス表面近傍の入射粒子の飛程付近にのみ照射欠陥が形成されるのに対し、 内部照射ではガ ラス全体に一様に照射欠陥が形成されることから、 両者で機械的性質の変化挙動が異なる ことが考えられる。 一方、 α照射によるガラス固化体の機械的性質の変化の原因としては、

弾性衝突による原子のはじき出し、 反跳核の飛程に沿った応力の発生、 ガスバブル生成等 のマイクロストラクチャ変化等の効果が考えられているが、 これらの現象がガラス固化体 の機械的性質にどのように影響するかというメカニズムの詳細についてはまだ明かにされ ていない部分が多い。 また、 ガラス固化体の他の物性変化についても、 照射による性能劣 化について問題は無いと考えられていが(1・14,1-16)、 それら物性変化のメカニズムについて はまだ明かにされていない部分が多い。 低い線量率で、長期間の照射を受ける実際のガラス

固化体の照射による諸物性変化を正確に予測するためには、 短期間で高線量を得る加速照 射の結果に加えて、 諸物性変化のメカニズムを明かにし、 それを基に予測評価する必要が ある。 しかし、 これまでの研究では、 そのメカニズムにまで言及しているものは極めて少 なく、 実際のガラス固化体の照射効果を正確に予測評価できているとはいえない。

一方、 ガラス固化体の浸出挙動に関しては、 これまでに数多くの様々な浸出試験が行わ れており、 それらの結果からいくつかの浸出モデルが提案され、 長期浸出挙動の予測評価 に適用されている(ト21 1・34)。 それらの浸出モデルを大別すると、 2つの考え方に分ける ことができる。 その1つは、 浸出時にガラス表面に形成される変質層中の元素の拡散がガ ラスの浸出速度を律速するというモデル(拡散律速モデル) (1-22)であり、 単純な組成をも

っガラスの短期間の浸出挙動を良く説明することができる。 もう1つは、 ガラス表面での Si02の溶解反応がガラスの浸出速度を律速し、 各元素の浸出量はその溶解度によって決定 されるというモデル(溶解度律速モデル) (1・23,1・24,1・25,1-28,1・29)であり、 組成の複雑なガラ ス固化体の浸出挙動ではこの溶解度律速モデルが多く用いられている。 Grambowら(1・24,1・

25,1-26)はこの溶解度律速モデルの考え方を基にした浸出モデル(Reaction Path Model)を開

(18)

--.

発し、 これまでのガラス固化体の浸出試験結果の解析を行っている。 このReaction Path

Mωelは、 ガラスの浸出形態を次のようにモデル化し、 ガラスマトリックスの溶解反応の 速度論的計算と、 各元素の溶解析出反応の熱力学的計算から、 各元素の浸出量を浸出時間 の関数として計算するものである。

(1)ガラス構成元素は、 その組成比に比例して表面から均一に溶解し (Congruent溶解)、

その溶解速度はガラスマトリックスの主要構成物であるSi02の溶解反応に律速される。

(2)ガラスの溶解が進行すると、 溶解した元素の中で溶解度の低い元素 (Fe、b等)か らガラス表面に析出してくる。

Reaction Path Modelでは、 ガラスの溶解速度は、 Si02の溶解反応に律速されることより、

浸出液中のSi濃度に比例して小さくなり (1次溶解反応則)、 また、 各元素の溶解析出反 応は平衡化学反応計算コードを用いて計算されるo Reaction Path Modelは、 これまでの短 期間のガラス固化体の浸出試験結果を非常に良く説明でき、 長期浸出挙動の評価にも多く 用いられている。 しかし、 最近、 ガラスの溶解速度を速めて短期間で、長期間の反応を模擬 するために、 表面積の大きな粉末状のガラス固化体を用いた浸出試験が多く行われており、

それらの結果は、 Reaction Path Model ではうまく説明できないことが指摘されている(1・

31,1・32)。 表面積の大きな粉末状のガラス固化体を用いた浸出試験では、 Reaction Path Model で仮定したCongruent溶解および1次溶解反応則の考え方とは異なり、溶解度の高い元素(B、

U、 Na等)の浸出量は、 浸出液中のSi濃度が飽和に達した後も増加し続け、 そのときの 浸出量は時間の平方根に比例するという結果が得られている。 浸出量は時間の平方根に比 例するという試験結果より、 浸出は拡散に律速される反応であると予想されているが、 こ の様な浸出挙動を、 その物理化学的メカニズムからうまく説明できる浸出モデルは、 現在 まだ十分開発されているとは言えない。 また、 オーバーパックや緩衝材といった共存物質 がガラス固化体の浸出挙動に及ぼす影響についても、 現在はまだ充分評価されておらず、

極少数のモデルが提案されている段階である。

ガラス固化体の長期浸出挙動の予測評価に関して、 これまでに数多くの研究が行われて いるにもかかわらず、 今だ明確な評価が得られていない理由としては、 次の様な要因が挙

げられる。

(19)

(1)実際の処分環境が非常に複雑な系であること。

(2)数万年という非常に長期の浸出挙動を評価しなければならないこと。

(1)に関しては、 ガラス固化体の浸出挙動は、 ガラス固化体の性状(組成、 表面積等)の みならず、 地下水の性状(組成、 温度、 流速、 pH、 Eh等)やオーバーパック、 緩衝材、

岩石といった共存物質の存在等の多くの因子に影響を受けるため、 それぞれの因子の影響 および全ての因子を考慮した体系での予測評価を行う必要がある。 しかし、 その複雑性か ら、 現在は個々の因子の影響が評価されている段階であり、 全ての因子を組み合わせた体 系での評価には至っていない。 また、(2)に関しては、 ガラス固化体の長期浸出挙動は、

短期間の浸出試験結果の単純な外挿ではなく、 反応の物理化学的メカニズムを明かにし、

それを基にした浸出モデルを用いて予測評価を行う必要がある。 しかし、(1)で述べた浸 出体系および反応の複雑さから、 現在は、 単純な体系での浸出モデルについての評価が行 われている段階であり、 今後、 実際の処分体系における長期浸出モデルを開発してゆく必 要がある。

この様なガラス固化体の長期健全性評価に関して最も重要な課題は、 照射効果、 浸出挙 動のいずれについても、 短期間の試験結果の単純な外挿ではなく、 それぞれの現象の物理 化学的メカニズムを明かにし、 その上で長期の挙動を正確に予測評価することである。 こ の様な意味で、 現在までのガラス固化体の性能評価に関する研究はまだ充分とはいえず、

現在も尚、 世界各国で、活発な研究評価が行われている。

1.6.本論文の目的と概要

本論文では、 高レベル放射性廃液ガラス固化体の長期健全性を正確に予測評価すること を目的とし、 ガラス固化体の照射効果およびガラス固化体からの核種の浸出挙動について、

実験的、 解析的な研究を行った。 また、 照射効果および浸出挙動の評価に当つては、 それ ぞれの現象の物理化学的メカニズムを明かにすることを目的とした。

本論文は高レベル放射性廃液ガラス固化体の長期健全性評価に関する研究を中心に7章 から構成される。

第2章から第4章では、 高レベル放射性廃液ガラス固化体の照射効果に関する研究とし

(20)

て、 ガラス固化体の諸物性に最も大きな影響を及ぼすと考えられるα崩壊の影響について 述べる。 これらの章では模擬ガラス固化体に短半減期のアクチニド元素を添加(ドープ) してα加速照射を行い、 照射によるガラス固化体の諸物性の変化について検討した。 第2 章ではガラス固化体の体積変化、 第3章ではガラス固化体の微細構造の変化、 第4章では

ガラス固化体の機械的性質の変化を実験的、 解析的に検討した。 また、 これらの結果から、

照射によるガラス固化体の諸物性変化のメカニズムについて検討し、 その長期健全性につ いて評価を行った。

第5章から第6章では、 高レベル放射性廃液ガラス固化体の浸出挙動に関する研究につ いて述べる。 第5章では、 模擬ガラス固化体を用いて脱イオン水中での浸出試験を行った。

その浸出結果を解析するために、 新しい浸出モデルを提案し、 浸出の物理化学的メカニズ ムについて検討した。 第6章では、 緩衝材であるベントナイトが共存する系での浸出試験 を行った。 その浸出結果を、 5章で提案した浸出モデルを基に解析し、 ベントナイトが存 在する系でのガラス面化体の浸出の物理化学的メカニズムについて検討した。 これらの解 析結果から、 ガラス固化体の長期の浸出挙動について評価を行った。

第7章の結論では、 各章毎の結論をまとめ、 本研究の要約を記した。

参考文献

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1-34 V.M.Oversby and D.L.Phinney, Mat.Res.Soc.Symp.Proc.257(1992)99.

(23)

第2章 α照射によるガラス固化体の体積変化に関する研究

2.1.緒言

高レベル放射性廃液ガラス固化体は、 貯蔵、 輸送および地層処分期間中に、 封じ込めた 放射性核種の崩壊により照射を受け諸特性が変化する。 特に、 照射によるガラス固化体の 体積、 機械的性質の変化は、 ガラス固化体の破損による放射性核種保持能力の低下に直接 関係し、ガラス固化体の長期健全性評価において重要な評価項目となる。

ここではまず初めに、 ガラス固化体が受ける照射の特徴について述べるo ガラス固化体 が受ける照射は主に20�30年の半減期を持つ核分裂生成物(FP; 90Sr、 137CS等)のF崩壊 によるものと、 l万年以上の半減期を持つアクチノイド元素(u、 Np、 Pu、均九 Cm等) のα崩壊によるものに分けられる。 核分裂生成物のF崩壊による集積照射線量は、 固化後 5∞年程度までは急激に増加するが、 その後はほとんど増加しない。 一方、 アクチノイド 元素のα崩壊による集積照射線量は、 固化後1000年を経過しでもなお増加し続ける。 ガラ ス固化体が受ける照射の一例として、 WeberC2-1)らによって評価されたガラス固化体の集

積崩壊毅と固化後の年数の関係を図2-1に示す。

f E

Ut n 33

0 1C戸0

‘ー。-

E 、旬 1019

c) φ

1018

U

2 3

1017

。> 1び6

E

1015

10 102 103 104 105 106 Storage Time, years

図2-1ガラス固化体の集積崩壊数と固化後の年数(3.3% enriched U02 fuel. bumuD of 33,000 MWd/tonne HM, cooled 5 yr before reprocessing釦d solidification) (2・1) マ

(24)

...

核分裂生成物のF崩壊では高エネルギーのF線、 γ線が放出され、 主に非弾性的なプロ セスでガラス固化体と相互作用する。 F線は電子励起、 イオン化を引き起こし、 また、 非 常に小さい確立ではあるが原子のはじき出しを引き起こす。 y線は電子励起、 イオン化の みを引き起こすが、 その飛程が長いことからガラス固化体の周囲に存在する人工パリヤや 地下水にも影響を及ぼす。 図2-1に示すように、 F崩壊の崩壊数はα崩壊に比較しでかな り多いが、 p崩壊ではα崩壊に比べて弾性的な原子のはじき出しが極めて少なく(1崩壊

当り0.1--0.15個のはじき出し原子が生成)、 その照射効果は非常に小さいと考えられる。

しかし、 ガラスのような絶縁材料では非弾性的なプロセスでも原子結合やガラス網目構造 の変化が起こり、 その結果、 ガラス固化体の諸特性が変化する可能性があることも報告さ れている(2-2),(2・3)。 一方、 アクチニド元素のα崩壊では、 4--6 MeVのエネルギーを持つα 粒子と約O.lMeVのエネルギーを持つ反跳核およびα崩壊に伴って放出されるγ線によっ て照射を受ける。 このγ線による吸収線量は核分裂生成物の戸崩壊による吸収線量に比べ 極めて小さいので、 その影響は無視することができ、 α粒子と反跳核による照射が評価の 対象となる。 α粒子はそのエネルギーの約95%を非弾性的な相互作用(イオン化、 電子励 起)で、 残りの約5%をガラス構成原子との弾性衝突で失う。 また、 反跳核はそのエネル ギーのほとんど全てをガラス構成原子との弾性衝突で失う。 その結果、 1崩壊当り1500-- 2∞凶固のはじき出し原子(フレンケル対)が生成される(2-4)0 原子のはじき出しはガラス の特性に大きな影響を及ぼすことから、 ガラス固化体の照射効果ではα崩壊の影響が最も 重要であると考えられる(2・5),(2-6)。 また、 α崩壊ではα粒子、 反跳核により照射を受ける と共に、 1崩壊当りlイ固のヘリウム(He)が生成されガラス固化体中に蓄積されてゆく。

処理後数千年以上経過するとこのHeの量はガラス固化体中の溶解度の数百から数千倍に 達し(2-7)、 He気泡(バブル)生成等によってガラス固化体のマイクロストラクチヤ

(rnicrostructure)が変化し、 体積や機械的性質に大きな影響を与える可能性があることも 指摘されている(2-8),(2-9)。

ガラス固化体の照射効果については、 前述のようにα崩壊の影響が最も重要であると考 えられ、 α照射による体積変化に関しては、 これまでに様々な種類のガラス固化体につい

(25)

て報告されている。 その一例として、 Pacific Northwest Laboratory (PNL)が行ったα照射に この結果は、 ガラス固

よるガラス固化体の体積変化の測定結果を図2・2に示す(2・5),(2-10)。

してα加速照射(内部照 化体に短半減期のアクチノイド元素(244Cm)を添加(ドープ)

を行ったものである。 ガラス固化体の組成、 作製条件により体積変化は正あるいは負 射)

の値を示すが、 いづれの場合も集積線量が約1018 a -decayjg (数万年の照射に対応)に達 この値は体積変化が最大 +60/0にも達するセラミックス固化体(2・11)に比べて非常に小さい値である。

すると、 その絶対値は1.20/0以下の値で飽和するようになる。

3

PNL 77・260

(LARGE CRYSTALS)

ALPHA IONIZATION, 1011 rad 2 1.2

恥'-...PNL77・260

(SMALL CRYSTALS) 0.8

0.4

PNL77・260

(VITREOUS)

PNL 72・68・a 0.0

-0.4 ー0.8 eruoZ〈工O凶三コJO〉

PNL 72・68・b

'‘

3 CUMULATIVE DOSE, 1018 ALPHA DECA YS / 9 -1.2 2

0

α崩壊によるガラス固化体の体積変化(244Cm-doped PNLwaste glasses) (2・5) 図 2-2

α照射によるガラス固化体の体積変化については、 前述の様に様々な種類のガラス国 化体について測定されており、 その値はいずれも最大+ 1.20/0以下と極めて小さいもので

これらの結果は短期間で高線量を得る加速照射を行ったときの結果であり、

ある。 しかし、

低い線量率で長期間の照射を受ける実際のガラス固化体の場合では、 異なった挙動を示す 可能性が高い。 それゆえ、 実際のガラス固化体の照射効果を正確に予測するためには、 照

(26)

射によるガラス固化体の諸特性変化のメカニズムを明かにし、 それを基に予測評価する必 要があるo しかし、 これまでの研究では、 そのメカニズムにまで言及しているものは極め て少なく、 実際のガラス固化体の照射効果を正確に予測評価できているとはいえない。

そこで本章では、 α崩壊によるガラス固化体の体積変化のメカニズムを明かにすること を目的とし、 実験的、 解析的な研究を行った。 まず、 短半減期のアクチノイド元素をドー プしてα加速照射(内部照射)した模擬ガラス固化体を用いて、 いくつかの条件で照射後 焼鈍を行い、 そのときのガラス固化体の密度変化(体積変化)を測定した。 それらの結果 を、照射欠陥の生成と回復および照射によるガラス固化体のマイクロストラクチヤ変化 (Heバブル生成)とその回復を考慮したモデルを用いて解析し、 α崩壊によるガラス固 化体の体積変化のメカニズムについて検討した。

2.2.実験方法 2.2.1.試料

本実験では日本原子力研究所WASTEFで作製されたα加速試験用の模擬ガラス固化体 (JW-D)をガラス試料として用いた。 このガラス固化体はα加速照射(内部照射)を行

つために非放射性のガラス固化体に短半減期のアクチノイド元素(244Cm,半減期18.1y、

238pU,半減期87.7y)をドープしたもので、 ドープした短半減期のアクチノイド元素のα崩 壊により、 ガラス試料は4---6MeVのエネルギーを持つα粒子と約O.lMeVのエネルギーを 持つ反跳核によって照射を受ける。 その組成を表2-1に示す。 また、 ガラス固化体の作製 条件を次に示す。

(1)非放射性の模擬ガラス固化体粉末とCm及ぴPU酸化物粉末の混合 (2)白金るつぼ中で11500C、 2時間の溶融

(3)1∞OOCまでは1500C/hr で、 5∞。Cまでは400C/hrで冷却 (4)5000Cで2時間保持

(5)2000Cまでは200C/hrで、冷却、 2∞℃から室温までは自然放冷

ガラス固化体作製時(1983年8月5日)のCm及ぴPu酸化物の同位体組成を表2ム表2-3に 示す。 これらの値から計算した実験時(溶融固化後約4年経過)におけるガラス固化体の

(27)

照射線量は1.7x1()25α-decay/m3となった。 この照射線量は実際のガラス固化体(330WD

爪灯Uの燃焼度の使用済み燃料再処理廃液ガラス固化体)に換算して、 処理後約10万年の 照射線量に相当する(2・1),(2・5)。 このガラス固化体を超音波カッター(0瓜m社製、mode1601)

をもちいて3.0mm併x1.0mm及び、3.0mm併x2.0mmの形状に成形したものをガラス試料とし て用いた。

表2・1 模擬ガラス固化体試料の組成(JAE則 JW-D glass) Component wt 0/0

Additives Mn02 0.26 Se02 0.02

Si02 45.15 Ag20 0.03 RU02 0.80

B2Ü3 13.90 CdO 0.03 Fe2Ü3 2.90

Al2Ü3 4.89 Sn02 0.02 NiO 0.40

li20 2.∞ Sb2Ü3 0.01 C03 0.50

Na20 9.78 Te02 0.23 P2Û5 0.30

Cao 4.∞ CS20 0.97 Ru 0.12

Zno 2.47 BaO 0.62 Rh 0.15

μ203 0.14 Pd 0.43

Wastes α02 0.28 Cm Oxides 3.04

Rb20 0.12 Pr6011 0.14 pu Oxides 0.96

srO 0.34 Nd2Ü3 0.45

Y2Û3 0.06 Sm303 0.09 Total 100.∞

Zz02 2.64 日1203 0.02

Mo03 1.73 Od2Û3 0.01

表2-2 ガラス固化体作製時(1983年8月5日)のCm酸化物の同位体組成

Compnent Content (wt%)

244Cm02 56.70

245Cm02 0.73

246Cm02 4.05

247Cm02 0.05

248Cm02 0.05

238Pu02 0.05

24ヤU02 38.37

Total 100.00

Activity(x 1 012Bq/g) 1.50

<0.01

<0.01

<0.01

<0.01

<0.01

<0.01 1.50

(28)

表2・3 ガラス固化体作製時(1983年8月5日)のPU酸化物の同位体組成

Compnent 238Pu02 239Pu02 24ヤU02 241Pu02 234U02

Total

2.2.2.密度測定

Content (wt%)

84.88 8.33 0.62 0.15 6.02 100.00

Activity (x 1 011 Bq/g)

4.77

<0.01

<0.01

<0.01

<0.01

4.77

本実験で用いたガラス試料はその放射能強度が極めて高いため、 密度測定は原研 WASTEFのグローブボックス内で重液を用いた浮沈法(sink-f1oat method) (2・12)により行つ

た。密度測定法の概略を図2-3に示す。 この方法では、 まず、 ガラス試料と同程度の密度 をもっ液体(重液)中にガラス試料を入れ、 重液の温度を変化させて重液中でガラス試料 を浮き沈みさせる。

G lobe box

i協Z�)>

-

(A) Specimen (0) Water

(8) Heavy liquid (E) Cooling tube (C) Thermistor (F) Heating unit 図2-3 浮沈法による密度測定

(29)

最終的に、 重液中でガラス試料がつり合うように温度を制御し、 その温度から重液密度を 求め、 その密度をガラス試料の密度とする。 重液には1.1.2.2・テトラープロモエタンと十ブ ロモ・ナフタレンの混合液を用いた。 重液密度の温度依存性は20t--35tの温度範囲で、

ピクノメータ一法により決定した。 重液密度と温度の関係を次式に示す。

p = 2.8177・2.089 x 10・3T [glcm3] (2-1)

ここで、 ρは重液の密度、 Tは重液の温度[OC]である。 密度測定時の重液の温度はサーミ スタにより測定した。

2.2.3.焼鈍

照射後のガラス試料の焼鈍はWASTEFホットセル内で行った。 焼鈍は一定温度に保った 電気炉内に試料を投入し、 電気炉内で所定の時間保持した後、 炉外に取り出し、 室温まで 急冷する方法で行った。

まず初めに、 照射後ガラス試料の密度測定を行った後、 2000C --500oCの温度範囲で1時 間の等時焼鈍を行った。 焼鈍後、 ガラス試料の密度測定を行い、 密度変化の焼鈍温度依存 性を調べた。

次に、 3∞℃、 4∞℃、 450t、 5∞。Cの各温度で、等温焼鈍を行った。 焼鈍時間は最大24時 間であった。 焼鈍後、 ガラス試料の密度測定を行い、 密度変化の時間依存性を調べた。

2.3.実験結果

1時間等時焼鈍時の密度変化の測定結果を図2-4に示す。 焼鈍温度の上昇と共に密度は 徐々に増加する(収縮)傾向を示した。 また、 2∞oC--450oCの温度範囲では明確な回復ピ ークは見られなかった。 よって、 この温度範囲では金属試料によく見られる様な特別な回 復段階(回復ステージ)(2・13)は存在しないものと考えられる。 しかし、 4500C以上の温度

では密度は急激に減少(膨張)した。 この急激な密度減少は未照射のガラス試料(本実験 ー謝ヰとほぼ同じ組成を持つガラス固化体)の焼鈍でも観察されており、 これは焼鈍温度が ガラス転移温度に近付いたためと考えられる。 また、 試料サイズの違いによる密度変化挙 動の違いは小さいものであった。

(30)

Isochronal

(

1 h

)

2.770

ε ω

- , .

2.760

L

0

と、

o c

2.750

8 8

e

Specimen size

3mm併x2mm

o 3mm似lmm

100 200 300 Temp.

(OC)

8 ち

@

400 500

図2-4 等時焼鈍(1時間)によるガラス固化体の体積変化

次に、 等温焼鈍時の密度変化の測定結果を図2ろから図2-7に示す。 焼鈍温度3000C、 400

℃、 4500Cでは焼鈍初期の数時間で密度は急激に増加し、 その後緩やかに増加した。 一方、

焼鈍温度5∞℃ではガラス転移温度に近いため、 試料表面が軟化によって変形する現象が 観察され、 密度測定に再現性のある結果が得られなかった。 また、 ガラス固化体の密度に ついては、 同じ照射、 焼鈍条件のものであっても、 試料によって多少の個体差(最大 O.Olg1m3程度)が観察された。 これは、 作製したガラス固化体が析出物等を含み、 組成、

微細組織が完全に均ーではないために生じるものと考えられる。

(31)

2.785

lsothermal ( 3000C)

SDecimen size

・3mmれ2mm 3mm併 xlmm

2.780 2.775

2.770 2.765 (伺Eω\窃)と一ωcoo

10 20 30

Annealing time ( hr ) 2.760

0

等温焼鈍(3000C)によるガラス固化体の密度変化 図2・5

2.785

Isothermal ( 4000C)

SDecimen size

・3mm 併x2mm 3mm似lmm

ぞう

2.780

2.775

2.765 2.770

(伺Eω\窃)hzmcoo

30

10 20

Annealing time ( hr ) 2.760

0

によるガラス固化体の密度変化 等温焼鈍(4000C)

図2-6

(32)

2.785

Isothermal ( 4500C)

a 8 8 •

8

SD..ecimen size

・3mm �x2mm

o 3mm似1mm

2.780 2.775 2.no 2.765

("Eυ~。)と一ωzoo

2.760

0 10 20 30

Annealing time ( hr )

等温焼鈍(4500C)によるガラス固化体の密度変化 図2-7

この等温焼鈍による密度変化の測定結果を体積変化率(ムVNo)に換算した結果 次に、

を図2-8から図2・10に示す。 体積変化率(ムVNo)は密度変化から次の様に求められる。

ムVNo = (Vl・Vo)/ Vo

=ー(pl-pO)/pl

(2-2) キ ー( P 1 - P 0) / P 0 =ームp/ p 0

Vo :照射前のガラス試料の体積 ここで、

Vl :照射及び焼鈍後のガラス試料の体積

p 0 :照射前のガラス試料の密度

ρ1 :照射及び焼鈍後のガラス試料の密度

本実験では照射前のガラス試料の密度(ρ0)は測定していないため、 焼鈍温度4500Cで焼 鈍時間を十分長く取った時(24時間)、 照射による密度変化は全て回復しているとして、

この仮定をもとに、 焼鈍前、 すなわち照射による体積変化 そのときの密度をpoとした。

このガラス固化体は照射に 率(ムVNo)を計算すると+0.5%�+0.55%となった。 つまり、

よって0.5% "-'0.55 0/0膨張していることになる。 焼鈍温度3∞℃では、 焼鈍初期の約10時間 で、ムVNoは+0.25 "-'+0.35 0/0に減少するが、 その後はほとんど変化しない。 一方、 焼鈍温度

(33)

また、 焼鈍温度450 4∞℃では、 焼鈍初期の約10時間でムVNoは+0.1---+0.150/0に減少し、

℃では、 焼鈍初期の数時間でムVNoは0---+0.1%に減少し、 照射前の値にほぼ回復してい ることがわかった。

SDecimen size

・3mm似2mm 3mm �x 1mm

+0.006

+0.004

。〉\〉 司

8

トー

+0.002

10

0.000

30

20

Annealing time ( hr )

によるガラス固化体の体積変化 等温焼鈍(3000C)

図2-8

SDecimen size

・3mm併x2mm 3mmれ1mm

Isothermal ( 4000C) +0.006

ぞう

0

0

ト LllrEl← nJ-

nu nu

+ nu

+0.004

。〉\〉 司

30

10 20

Annealing time ( hr )

0.000

によるガラス固化体の体積変化 等温焼鈍(4000C)

図2・9

(34)

+0.006

Isothermal ( 4500C)

+0.004ト

Sre_cimen size

・3mmれ2mm

o 3mm似1mm

。〉\ ト・

+0.002

@

@

0.000 e

10 20

Annealing time ( hr )

30

図2-10 等温焼鈍(4500C)によるガラス固化体の体積変化

2.4.考察

ここでは、 照射後焼鈍時のガラス固化体の体積変化を解析し、 照射による体積変化のメ カニズムについて考察する。 照射によるガラス固化体の体積変化の原因としては、 次の様 なものが考えられる。 1.弾性的な原子のはじき出しあるいは非弾性的な相互作用(イオン 化、 電子励起等)による照射欠陥の生成とガラス網目構造の変化、 2.ヘリウムバブル生成 等のマイクロストラクチャ(rnicrostructure)の変化。 ここでは、 ガラス固化体の体積変化 に大きく影響すると考えられるこれら2つの原因についてそれぞれ検討し、 照射による体 積変化のメカニズムについて考察する。

2.4.1.照射欠陥生成による体積変化

照射によるガラス固化体の諸物性変化の多くは、 照射線量に対し指数関数的に変化し、

飽和傾向を示すo Marples<2・14)は、 この様な照射によるガラス固化体の物性変化挙動を、

照射による原子のはじき出し等によって形成される損傷領域(damaged zones)の生成と回 復を基にしたモデルを用いてうまく説明できることを示している。 ここではMarplesのモ

デルを用いて、 ガラス固化体の照射による体積変化挙動を解析する。 Marplesのモデルは、

(35)

入射粒子またははじき出し原子の軌跡付近に3次元的な損傷領域が形成され、 ガラス固化 体の物性変化はこの損傷領域の体積割合(volume合action of damaged zones)に比例すると いうものである。照射後焼鈍時の損傷領域の体積割合(F)は損傷領域の熱的回復を一次 反応(街st order)として、次のように表される(2・14),(2・15)。

ここで、

dF = _ kT F

dt (2-3)

kT:温度Tで、の損傷領域回復の速度定数[sec-1]

t :焼鈍時間[sec]

ここで、初期条件t = 0, F = Foとして(2・3)式を積分すれば、Fはtの関数として次のように

表されるo

F = Fo exA: -kT tJ (2-4)

また、 体積変化率(IJ.VNo)は損傷領域の体積割合(F)に比例するとして、次のように

表される。

IJ.VNo = αF = αFo exA: -kT tJ (2-5) ここで、 α:比例定数

また、(2-5)式でαFoはt=Oつまり焼鈍前の体積変化率(ðVNo)を表す。(2-5)式を用いて照 射後焼鈍時のIJ.VNoの測定値を解析した結果を、 図2・11から図2・13に実線で示す。

(36)

L

‘-

、-

0.008

Isothermal(3000C)

I �幽 邸n

0.006

L

0.004

1-

0.002

I

0.000

0.008

0.006

L

苦、

0.004

0.002

0.000

measured 3mm<t>x1mm 一一calculated

I

kT = 3.3x1ひ5 sec-1 (defects)

、、

、、

10 20 30

図2-11等温焼鈍によるガラス固化体の体積変化 (M紅plesのモデルによる計算、 3000C)

Specimen size Isothermal( 4000C)

measured 3mm<t>x1mm 一一calculated

I

kT = 5.6xlひ5 sec-1

(defects)

司、 、J

\、、ー

10 20 30

Annealing time (hr)

図2-12等温焼鈍によるガラス固化体の体積変化 (Marplesのモデルによる計算、 4000C)

(37)

Soecimen size 3mm<t>x1mm

kT = 1.4x1ひ4 sec-1 measured

一一一calculated (defects)

Isothermal(4500C)

0.008

0.006

0.004

0.002

。〉~〉司

0.000

30 20

Annealing time (hr) 10

図2・13等温焼鈍によるガラス固化体の体積変化 (M訂plesのモデルによる計算、 4500C)

このモデルで実験結果を比較的良く説明できること これより、 焼鈍温度4500Cの場合は、

しかし、 焼鈍温度が400t:、 3000Cと低い場合、 焼鈍初期の数時間ではこのモデ がわかる。

ルによる計算値と実験値は比較的良く一致するが、 それ以降では計算値と実験値に大きな このことより、 照射によるガラス固化体の体積変化は、 単純な 差ができることがわかる。

照射欠陥の生成回復を基にしたMarplesのモデルだけでは説明できないことがわかる。 よ ヘリウムバフ守ル生成等のマイクロストラクチャ変化がガラス固化体の体積 変化に及ぼす影響について検討する。

って次節では、

2.4.2. ヘリウムパプルによる体積変化

α照射によってガラス固化体中に生成されるヘリウムはバフゃルとして析出し、 ガラス固

化体の諸物性に大きな影響を及ぼす可能性があることが報告されている(2・5),(2・8),(2-16)。 ヘ ガラス固化体中 ここではまず初めに、

リウムバブルによる体積変化を検討するにあたり、

これまでに行った照射後ガラス固化体からのヘリウ ム放出実験(2・17)及びTur∞tteらが行ったガラス固化体中のヘリウムの挙動に関する研究(2・8) のヘリウムの挙動について検討する。

(38)

より、 ヘリウムはガラスマトリックス中を拡散するとともに、 照射欠陥等へ捕獲(トラッ プ)されてヘリウムバブルを生成すると考えられる。 そこで、 照射後焼鈍時のガラス固化 体中のヘリウムの挙動を、 図2-14に示す様な、 トラップ、 再固溶を考慮したヘリウム拡散 モデル(2-8),(2-18)を用いて検討する。 ここで、 Dはヘリウムの拡散係数、 g、 bはそれぞれヘ リウムがトラップされる過程およびトラップされたヘリウムがガラスマトリックスに再固 溶する過程の速度定数である。 このモデルではヘリウムの挙動を次のようにモデル化する。

(1)照射によってガラス中に生成されたヘリウム原子はガラス表面へ拡散し、 放出され る。

(2)ヘリウム原子はガラス中を拡散する過程でトラップサイトに捕獲(トラップ)され、

ヘリウムバブルが形成、 成長する。

(3)トラップされたヘリウム原子はガラスマトリックス中に再固溶する。

o

Trap site ( He bubble )

。 He atom

o diffusion coefficient 9 trapping rate constant b re-solution rate constant

図2-14 トラップ再固溶を考慮したヘリウム拡散モデル

このモデルを用いて照射後焼鈍時のガラス固化体中のヘリウムの挙動は、 次のような拡散 方程式で表すことができる(円柱状試料の場合)。

ここで、

ac _

{

a2c 1 ac a2c

\

一一= D トー+ム一一+一一卜2:C+bM dt

\

ðr2 r ðr dz2

J

U

c:ガラスマトリックス中のヘリウム濃度

(2-6)

(39)

t :焼鈍時間

M:ガラス単位体積中のトラップされたヘリウム原子数 D:ガラス中のヘリウムの拡散係数

g :トラップの速度定数 b :再国溶の速度定数

r、 z .試料の半径、 高さ方向の位置

また、 トラップされたヘリウム原子数M'立、 捕獲と再固溶のつりあいから次の様に表され る。

aM 一一=gC-bM dt

また、 初期条件、 境界条件は次のようになる。

初期条件

C( r, z, t) = ( 1 -Y ) CO , M( r, z, t) = y CO , 境界条件

q弘z, t) = 0,

qr,Lβ,t) = 0,

(5L

=o,

(芸L

=o,

o r < a, 0 z < L/2, t = 0 o :::; r < a, 0 :::; z < L/2, t = 0

o z < L/2, t 2:: 0 O:::;r<a,t2::0 o z < L/2, t 2:: 0

o :::; r < a, t 2:: 0

,.,.. ,.,.. -""'-

Lーにーに、 a、L:試料の半径、 高さ

Co :焼鈍前の試料中のヘリウム濃度

(2-7)

y:焼鈍前に既にトラップされているヘリウムの割合 (2・8) (2-9)

(2-10) (2-11) (2-12)

(2-13)

また、 計算の簡略化のためにM(r,z,t)の平均値を次のように仮定する。

参照

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