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(1)福岡県における現状と対策

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Academic year: 2021

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(1)福岡県における現状と対策. 81. キウイフルーツかいよう病(Psa3 系統). 福岡県における現状と対策 福岡県農林業総合試験場病害虫部. は. じ. め. に. 福岡県におけるキウイフルーツ(Actinidia chinensis,A.. 菊. 原. 賢. 次. に褐色斑と枝に赤褐色の樹液の漏出が確認された。葉の 病斑から定法により分離された細菌は Api20 による簡易 生理試験で Psa の特徴を示し,すべての biovar が検出. deliciosa)の栽培面積は 2018 年現在 292 ha で,全国 2. される PsaF1/R2 プライマーセットを用いた PCR 法で. 位である(農林水産省,2018 b) 。近年,価格が安定し. 反応したが,Psa1 が検出される OCTF/R プライマーセ. ていることから,栽培意欲が高く,本県の果樹栽培の重. ットでは反応しなかった。Psa の可能性が高いものの疑. 要品目の一つとなっている。. 義が生じたため,農研機構遺伝資源センターに分離菌株. キウイフルーツかいよう病は Pseudomonas syringae pv.. の同定を依頼した結果,Psa3 であることが判明した。. actinidiae(以下 Psa)によって引き起こされる細菌性の. その後,現地から本試験場に多くの診断が依頼される. 病害で,1980 年代に静岡県で初めて発見された。本病. ようになった。2014 年は定法による細菌の分離後,PsaF1/. は福岡県でも 1987 年に確認されたが,発生園地が独立. R2 プライマーセットと Psa3 が検出される China・F/R. した立地で,伐採などの対策が実施されたことから,根. プライマーセットを用いたコロニーダイレクト PCR 法で. 絶された。一方,他県では本病の発生が続き,2010 年. 検定を実施した。本県では誤診断を防ぐため,2 種類の. ころから海外で日本の生態型 Pseudomonas syringae pv.. プライマーで同時に検出されたときに陽性としている。. actinidiae biovar1(以下 Psa1)と異なる生理型の Pseu-. この方法では細菌分離に時間がかかり,数日を要した。. domonas syringae pv. actinidiae biovar3(以下 Psa3)の大. 2015 年は県内全圃場を対象とした巡回調査が実施さ. 。本県では,2012 年に本 流行が始まった(CUNTY, 2015). れ,前年を大幅に上回るサンプル数を診断した。2014 年. 病の対策について協議が行われ,侵入警戒と生産者への. の診断法では時間がかかるため, 「キウイフルーツかい. 植物防疫. 注意喚起が実施された。ところが,本県で 2014 年 4 月. よう病の Psa3 系統の当面の防除対策マニュアル(暫定. 末に愛媛県に次いで全国 2 例目の Psa3 が発見された。. 版) (農林水産省,2015 a) 」の方法で行った。この方法. 本稿では,本県におけるキウイフルーツかいよう病の防. では,病斑部を滅菌水に浮かべ,漏出する細菌を鋳型に. 除対策について紹介する。. した特異プライマー(PsaF1/R2 プライマーセットおよび. I 診. 断. ―R2 プライマーセット)を用い P0 (hopA)―F1/P3(hopA) た PCR 法で判別する。細菌分離が必要なく,時間短縮. 細菌性病害である本病は,キウイフルーツ栽培で一般. になった。現在ではこの方法に若干の改良を加え,サン. 的に防除される灰色かび病や軟腐病のような糸状菌性病. プルを滅菌水中で破砕し,増幅酵素には阻害物質を含む. 害と防除薬剤や耕種的防除法が異なり,特別な対策を必. 鋳型であっても反応性が高い KOD FX NEO(TOYOBO). 要とする。このため,正確な診断は防除対策決定に不可. を用いている。. 欠な情報である。本試験場では特異プライマー(表―1) を用いた PCR 法で遺伝子検定を実施し,誤診断を防い でいる。 1. 葉の遺伝子診断. 2014 年 4 月末日に主要産地の 1 園地の品種 ʻ紅妃ʼ の葉. 2. 枝の遺伝子診断. 2015 年のサンプルは赤褐色の樹液の漏出が見られる枝 枯れ症状が多かった。枝枯れ症状のサンプルは腐敗が進 んでおり,生菌分離が困難で,葉と同様な診断ができな かった。そこで,Psa3 の検出は以下の手順で行った。枝 の表皮を薄く剥ぎ,0.01〜0.1 g の褐変組織を採取し,磁. Current Status and Control of Kiwifruit Bacterial Canker in Fukuoka Prefecture. By Kenji KIKUHARA (キーワード:Pseudomonas syringae pv. actinidiae,診断,PCR, 防除対策,福岡県). 性ビーズを用いたキット(MagExtractor―Pant Genome― (TOYOBO))で DNA を抽出した。PCR 法には葉の遺 伝子診断と同様のプライマー(PsaF1/R2 プライマーセ. 植物防疫. 第 73 巻第 2 号(2019 年). 11.

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