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道徳性の発達に関する研究(9)

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Academic year: 2021

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道徳性の発達に関する研究(9)

── セクハラ問題のまとめ ──

(教育心理学教室)

(平成15年10月23日受理)

Study on the Moral Development (9)

Kimiyo SATOU

(問題と目的)

佐藤(2002,2003)は,「道徳性の発達に関する研究(6,7,8)」において,「セクハラ,

ストーカー問題に対する大学生の意識について」,「セクハラ防止のために」,「大学生における セクハラのイメージについて」研究してきた。今回は,それらからわかったことをまとめてみ ることにした。

仮説は次の通りである。

(1)男子学生と女子学生との比較において,女子学生の方が問題を厳しくとらえているであ ろう。

(2)新聞記事の違いによって,読み方の感想の違いもあらわれるだろう。

(3)セクハラ不祥事について,メデイアとしてのテレビや口コミの伝わり方は最も多いであ ろう。

(4)知ったときの気持ちは,激しい怒りに満ちたものであろう。

(5)大学教官に対して,信頼関係を築けなくなるであろう。

(6)セクハラと聞いてのイメージは,「暗い,いやらしい,不潔な,しつこい」などの否定 的な印象があげられるであろう。

(7)セクハラにあわないための注意点として,「距離間を持った対人関係,信頼関係,いじ めの構造との類似性」などがあげられるであろう。

(8)セクハラをする人の心理として,「しつこい性格,性の商品化に対して関心がある,大 脳の旧皮質が優位である。」などがあげられるであろう。

愛媛大学教育学部紀要 教育科学 第50巻 第2号 41〜43 2

(2)

(方 法)

1)対象者:E 大学生合計303名(男子148名,女子155名)

2)調査時期:2002年,2003年

3)手続き:新聞記事,週刊誌記事を読ませて回答してもらう方式,自作の調査用紙を用い て,5段階評定と SD法で回答してもらう方式を用いた。

(結果と考察)

今回は,データの掲載を省略する。理由は,データの重複を避けるためである。結果と今後 の研究に結びつく課題を掲載する。

{1}男女とも,セクハラ,ストーカー問題を批判的にとらえている。特に,女子学生は,問 題を厳しくとらえている。よって,仮説(1)は支持される。

{2}新聞記事の違いによって,読み方の感想の違いもあらわれた。よって,仮説(2)は支 持される。

{3}セクハラ不祥事について,メデイアとしてのテレビや口コミの伝わり方は大きいものだ ということがわかった。よって,仮説(3)は支持される。

{4}セクハラ不祥事を知ったときの気持ちは,激しい怒りに満ちたものであった。よって,

仮説(4)は支持される。

{5}大学教官に対しての信頼関係は築けなくなった。よって,仮説(5)は支持される。

{6}セクハラと聞いてのイメージは,「暗い,いやらしい,不潔な,しつこい」などの否定 的な印象があげられた。よって,仮説(6)は支持される。

{7}セクハラにあわないための注意点として,「距離間を持った対人関係,信頼関係,いじ めの構造との類似性」などがあげられた。よって,仮説(7)は支持される。

{8}セクハラをする人の心理として,「しつこい性格,性の商品化に対して関心がある,大 脳の旧皮質が優位である。」などがあげられた。よって,仮説(8)は支持される。

以上,「道徳性の発達に関する研究(6)(7)(8)」において,セクハラ問題をとりあげ た。なぜ,道徳性の発達の文脈でセクハラ問題をとりあげたかというと,たまたま,その時期 にセクハラ問題が発生して,道徳の問題として何とか解決したかったという現実問題から問題 意識を掘り起こしたからである。今回の一連の研究を通して,本研究に参加して下さった大学 生はまともな反応をしていることがわかった。当然といえば当然なのであるが,道徳性という 理論と実践との関係でいえば,他人に対しての批判はできても,自分の行動に対しての見直し はできているのかどうかのチェックはしていない。たとえば,ゴミを捨てることに対しての行 動と考え方とのズレにどれだけの一致,不一致があるのかどうかなど今後の課題であろう。い ずれ,ゴミのポイ捨て問題については,「大学生におけるゴミのポイ捨て問題について」とい うテーマで研究を披露したい。

「心は脳の働きである」という前提にたって,セクハラ問題は解決されるものと考えられ る。前頭葉を活発に動かし,大脳辺縁系の扁桃体を破壊しないようにしなければならないだろ う。本研究にでてくる加害者に対しては,性格,モラルの問題として説明されるのかも知れな

(3)

い。今回,その点の追究はしないで大学生の反応を調べたものである。何事も起こってからで は遅い。予防医学のように未然に防ぐ手だてを考えなければならないだろう。

(引用文献)

佐藤公代 22 道徳性の発達に関する研究(6)−セクハラ,ストーカー問題に対する大学生の意識につい て− 愛媛大学教育学部紀要 第1部 教育科学 第49巻 第1号 83−8

佐藤公代 23 道徳性の発達に関する研究(7)−セクハラ防止のために− 愛媛大学教育学部紀要 第1 教育科学 第49巻 第2号 45−4

佐藤公代 23 道徳性の発達に関する研究(8)−大学生におけるセクハラのイメージについて− 愛媛大 学教育学部紀要 第1部 教育科学 第50巻 第2号 37−4

道徳性の発達に関する研究(9)

(4)

参照

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