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ニホンイシガメの生態と現状 小菅康弘 (

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Academic year: 2021

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亀楽(7) 5

ニホンイシガメMauremys japonica(以下,イシガメ)は,基礎的な生態について研究され,メスが体サイ ズでオスより大きくなることや,雌雄それぞれの性成熟サイズ,また,河川における越冬場所,季節的な移 動や行動圏などが明らとされてきた.発表者らの研究からは,房総半島の一河川流域において,流呈分 布に季節的な偏りがみられることや,上流域から下流域に広範囲に分布することが明らかとされてきた.

しかし,近年では,河川改修や水田や溜池の放棄などの生息環境の悪化に加え,外来ガメの侵入による 競合などにより,全国各地で生息数の減少が指摘されている.

発表者らが1990年代より,カメ類の調査を実施してきた房総半島の小河川において,2008年に,例年に ない105個体というイシガメを含めたカメ類の大量死体,および四肢等欠損個体が発見された.これらの現 状を踏まえ,他の流域を含め被害調査を拡大して実施したところ,四肢等欠損個体が広範囲で確認され た.原因について,周囲で発見された哺乳類の足跡の状況から,タヌキNyctereutes procyonoides等の 在来哺乳類と外来種アライグマProcyon lotorが一因とみられたが,最近大きな環境改変がなかったことと,

アライグマの生息確認とカメ類の深刻な被害の時期は一致したところから,アライグマが最も関係している と示唆された.

その後,2013年まで継続して調査をしたところ,個体数で,クサガメMauremys reevesiiが徐々に復活す る傾向がみられたが,イシガメには復活の兆しがみられない.今後もイシガメが復活できなければ,イシガ メは同種の雌雄が出会う確率がさらに低下する.2種間では雑種化がさらに浸透し,外部形態上,雑種と みられる個体と,クサガメと判定されるカメと集団となってしまい,純粋なイシガメが存在しなくなる恐れが あり,たいへん危惧される.外的要因によって,個体数が減少した場合,2種が同所的に生存している地 点において,イシガメの復活は難しく,クサガメがより優占する傾向がみられた.今後,アライグマとクサガ メを防除し,イシガメが復活していくための計画を早急に実践する必要がある.

カメセミナーS-3

ニホンイシガメの生態と現状

小菅康弘 (NPO法人カメネットワークジャパン)

Current status and ecology of the Jpanese pond turtle,Mauremys japonica.

Yasuhiro KOSUGE (Freshwater Turtle Network of Japan)

参照

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