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  医療事故シンポジウム

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(1)

医療事故シンポジウム

「医療版事故調を検証する ~ 広尾病院事件から10年」

【資 料】

[第1部] 医療問題弁護団からの報告

①10年前広尾病院で何が起きたのか

②その後の医療安全を巡る動向

③院内事故調査の現状

(2)

都立広尾病院薬剤取違え事故とその調査

2009.3.1

石川順子

事故の概要

広尾病院事件の事故調査とその後

(1) 事故要因と対策の検証

事故の要因 緊急対策 1 同型の注射器で静脈注射用薬剤と外 外用薬を計量する場合には,注射器を 用消毒薬を準備したこと(外用消毒薬の 用いず,メスシリンダーや計量カップ等 計量を注射器で行ったこと) を用いることとした。 2 静脈注射用薬剤と外用消毒薬を,同 ①複数の患者の薬品を同時に準備すると じ処置台の上で同時に準備したこと きは,患者ごとのトレイに入れて混同し ないようにした。 ②注射薬とそれ以外の薬品を準備すると きは,ワゴンを利用するなどして同時に 同じ作業台で準備をしないようにした。 3 「洗浄用ヒビグル」と書いたメモ用 薬品名は,直接注射器に油性のサインペ 紙を貼ったこと ンで記入することとした。 記入できない場合は,確実に患者別のト レイに入れることとした。 4 注射器の準備者と実施者が異なって このような状況においても事故が起こら いたこと ないような工夫,たとえば単に申送りを 受けるだけでなく,自らの目で必ず再確 認をする事を徹底する等の方法により, 事故発生の危険をカバーすべきである。 5 床頭台に,薬剤を入れた注射器を置 ヘパリン生食,消毒剤等についても,一 いたままにしたこと 般の注射薬における「3回の確認」の原 則に基づいて確認の徹底を図ることとし 6 床頭台に持ち込んだ際に,注射器を た。 確認しなかったこと 処置に必要なものは,その都度トレイに 7 床頭台に置いてあった注射器を確認 入れてもっていくこととし,床頭台に置 しなかったこと いたままにしないこととした。 8 病棟で消毒薬の希釈作業を行ってい 消毒薬の希釈作業は病棟では行わず,薬 たこと 剤科が供給することとした。 9 延長チューブ内の消毒薬が,救急救 誤薬の可能性がある事を念頭において, 命処置の際に体内に注入されたこと 別ルートから補液等を開始する事を考慮 すべき

(2) 都立病院における医療事故予防対策のあり方についての提言

医療事故予防対策組織の見直し:予防対策と医事紛争対策を分ける,コメ

ディカルの参加,病院委員会と職場委員会の連携強化,定期的な活動の実施

等の提言をおこなった。

リスクマネジメントの実現:情報の収集・分析・活用,職員の研修・教育,

医療事故発生時の対応の点検と再整備の提言をおこなった。

医療事故防止対策推進週間の制度化:2月11日前後の1週間

(3)

(3) 横浜市立大学附属病院事件の事故調査およびその後と比較して

広尾 横浜 院内調査 通称「対策委員会」院長を委員長とする病 事故対策委員会(病院長を長とする) 院幹部による 結果の公表 衛生局病院事業部長宛報告のみ 中間とりまとめを3月24日に発表 公表せず 警察に届けたあとは,捜査の結果を待つと して調査を続行しなかった。 院外調査 都立病産院医療事故予防対策推進委員会 事故調査委員会(市助役が委員長) (医療事故の予防対策を推進していくこと (本件病院以外の県内の病院の医師,看護 を目的として,衛生局病院事業部長から委 師,弁護士,医事評論家,市立大学医学部 嘱を受けた委員によって構成された,病院 長) 事業部に常設の委員会) メンバー 委員:都立病院勤務医師9名,前多摩南部 第3回目以降は,市立大学関係の委員を置 地域病院長1名 かないこととし,事務局を市立大学から市 顧問:衛生局顧問弁護士1名,民間病院長 衛生局・総務局に変更した。専門的な医療 1名,看護協会役員1名( 事故から5ヶ月 領域の問題に関しては,心臓血管外科及び 後の7月6日第3回委員会から外部委員と 呼吸器外科の専門医を特別委員として委嘱 して民間病院長1名が顧問に参加)。 し,調査,検討を行った。 調査の方法 病院からの報告書(公表されていない)等 事故対策委員会の中間とりまとめにおいて をもとに事実経過について検討し,不明な 作成した詳細な事実関係の資料が事故調査 点や疑問点については病院事業部の担当者 委員会に提出された(HPで公表されてい および広尾病院の管理者を通じて関係者に る) 事情をきく 結果の公表 8月「都立広尾病院の医療事故に関する報告 報告書公表3月22日(事故後2ヶ月11日後) 書-検証と提言-」公表(事故後半年後) その後の状況 *2000.7.18「都立病院における注射器等の *病院改革委員会設置(4月に,医学部長 取扱要綱」制定 を委員長とし,病院長,看護短大部長,独 *医療事故予防マニュアル作成 立大学院の研究科長,看護部長で構成,報 *2000.10「リスクマネジメントとは」(都 告書9月に発表) 立病院医療事故予防対策推進委員会) *病院内に常設の事故予防委員会を設置 *2000.12「医療事故が起きたら」(東京都 病院改革に関する外部評価委員会設置(1 衛生局病院事業部) 0月に設置,12月に報告書を市長に提 *2002.1「投薬・予約における事故防止マ 出) ニュアル(処方から服薬まで)」(衛生局病 *毎年1月11日を総点検の日,その前の1週 院事業部) 間を予防週間と定め,各部署で実施してき *2003.6「都立病院におけるリスクマネジ た事故予防の諸方策の総点検を行うことと メント」(病院経営本部サービス推進部) する。 *2005.7「患者さんへの説明」(病院経営本 *2001年度より,毎年医療安全管理の取り 部サービス推進部) 組みについての報告書が作成・公開されて *毎年2月11日前後の1週間を「医療事故防 いる(公表事案,インシデント報告の状況,入院 止対策推進週間」として制度化 患者アンケート調査結果,主な改善検討事 例など)。

(4) 患者・遺族への誠実な対応,調査の公平性・中立性・透明性の確保の点で,

広尾病院事件は未だに不十分。

(4)

3

手術は成功

手術は成功

●2月8日 都立広尾病院 整形外科

 病棟に入院

●2月10日 左手中指(関節)の

 滑膜切除手術

 ・手術は成功  

炎症で腫上る

●1999年1月8日

 都立広尾病院 整形外科受診

       (関節リウマチ)

4

看護師Aのミス

看護師Aのミス

● 2月11日8時過ぎ悦子担当の

A看護師

」が点滴のために

抗生

剤と

ヘパ生を保冷庫より取り出し

処置台におく

   「ヒビグル」 メモを貼る

・A看護師は他の患者用消毒剤

「ヒビグル」を

同型の注射器で

吸い、

同じ処置台におく

<ミスー1>

A看護師

「ヒビグル」と書いたメモを

「ヘパ生」

注射器に貼り、流し台の上におく

① ② ③

●8時30分ころ「

A看護師

」は処置台にあった抗生剤と

注射器③

(ヒビグル入り)を悦子の部屋へ、

注射器③

を床頭台に置き、 8時35分 抗生剤の点滴開始

(5)

5 <9cc>

看護師Bのミス

看護師Bのミス

    

(残りの9ccはチューブ内)

●9時5分ころ「

A看護師

」に、

   妻は「

なんだか、これをしたら気持ちが

      悪くなってきた。胸が熱い気がする

   と訴える⇒ 当直に連絡

9時頃点滴を終了⇒ナースコール

<ミスー2>

B看護師の確認ミス

●9時ころ「B看護婦」が床頭台にあった注射器は「ヘ

パ生」入りと思い(

確認不十分

)、ヒビグル10ccの内

1ccを 血管内に注入し、ヘパロックした

6 <9cc>

●残っていた

9CCのヒビグルが体内に

入り

、数分後に意識不明

A看護師「間違えたかも・・」 と、

  当直医に報告

●9時30分過ぎ、心肺停止

●心肺蘇生をするが、 

  

一度も戻らず(即死)

当直医のミス

当直医のミス

●9時20分ころ 当直医 病棟にくる

「胸が苦しい。息苦しくなってきた。手もしびれてきた・・」

と訴える

 顔色蒼白、呼吸も弱く意識レベルが下がりはじめ

<ミスー3>当直医(能力・経験不足)が誤った救命処置

 点滴用に確保していた静脈 ラインをそのまま使い、救命処置

 準備のため、薬剤(ソルデム3A 500ml)注入

(6)

1

1

都立広尾病院事件以降の

医療安全を巡る動向

~医療事故の発生予防、再発防止への

取り組みの具体例~

2009.3.1 弁護士 有泉 勲 2

1999年に起きた二つの医療事故

1月11日 横浜市立大学病院事件 (患者取り違え事故) 2月11日 都立広尾病院事件 「医療事故防止」 日本の医療政策の課題としてクローズアップ 3

その最も早い時期における成果

国立大学医学部附属病院長会議の報告 -「医療事故防止のための安全管理体制の確立に向けて」- 「医療事故はあってはならないもの」というドグマを退け、 「人は過ちを犯すもの」という現状認識を前提 医療事故防止対策を提唱 【患者・家族への対応】 誠実で速やかな事実の説明 心情に対する適切な配慮 素直な謝罪の言葉は極めて重要 2001年3月 その後の議論に大きな影響を与えた。 4

厚労省医療安全対策会議の報告

「医療安全推進総合対策〜医療事故を未然に防止するために」 医療安全の確保が国の責務であるとの考え方を示した点で画期的 2002年 医療機関における医療安全確保の体制整備等を目的として 医療法施行規則が改正された 5 2004年4月 日本内科学会、日本外科学会、 日本病理学会及び日本医学会の共同声明 「診療行為に関連した患者死亡の届出について ~中立的専門機関の創設に向けて~」 医療の安全と信頼の向上のためには、予期しない患者死亡 が発生した場合や、診療行為に関連して患者死亡が発生し たすべての場合について、中立的専門機関に届出を行う制 度を可及的速やかに確立すべきである。 2004年9月 日本医学会加盟の主な19学会の共同声明 6 2004年10月 財団法人医療機能評価機構 の医療事故情報収集等事業 「医療法施行規則の一部を改正する省令」公布 (2004年9月21日付厚生労働省令133号) 日本医療機能評価機構が厚生労働大臣の登録を受け、 事故等分析事業を行う登録分析機関となった

(7)

2

7 2005年9月 診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業 死因究明及び再発防止を最大の目的 中立的な立場で解剖、分析、検証 現在、このモデル事業を踏まえて、仮称「医療安全 調査委員会」による診療行為関連死の死因究明制度 の議論が行われている。 8 2006年 福島県立大野病院事件:執刀医の逮捕・起訴 (帝王切開手術を受けた産婦が死亡した事件) 2月18日 福島県警は、手術を執刀した医師を業務上 過失致死と医師法に定める異状死の届出 義務違反の疑いで逮捕 3月10日 福島地方裁判所に起訴(3月14日保釈) 医療界に大きな衝撃 検察:求刑 禁固1年 罰金10万円 2008年8月20日 判決 無罪 9 2006年6月 医療制度改革に関する国会審議 第三者機関による調査、紛争解決の仕組み等につ いて必要な検討を行うとの附帯決議 10 2006年6月

医療法改正

第3章に「医療の安全の確保」が新設された 患者の視点に立った、安全・安心で質の高い 医療が受けられる体制の構築を目指す 11 2007年3月

厚生労働省

「診療行為に関連した死亡の死因究明等のあり方に関す る課題と検討の方向性」を示す 診療関連死の死因究明の仕組みや届出のあり方等 について、課題と検討の方向性を提示 2007年 4月20日~08年12月1日 「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討 会」 17回開催 12 2007年10月

厚生労働省

「診療行為に関連した死亡の死因究明等の 在り方に関する試案-第二次試案-」

(8)

3

13 2007年12月 自由民主党医療紛争処理のあり方検討会(2006年9月設置) 「診療行為にかかる死因究明制度等について」 と題する報告書発表 新制度の骨格 医療安全調査委員会(仮称)を創設することを提唱 14 2008年4月

厚生労働省

第三次試案

「医療の安全の確保に向けた医療事故によ る死亡の原因究明・再発防止等の在り方に 関する試案―第三次試案―」 15 2008年6月

民主党案

「医療に係る情報の提供、相談支援及び紛争の適 正な解決の促進並びに医療事故等の再発防止のた めの医療法等の一部を改正する法律(仮称)案骨 子試案」(通称・患者支援法案) 「医療事故等による死亡等 (高度障害等を含む)の原因究明制度(案)」 16 2008年6月

厚生労働省

「医療安全調査委員会設置法案(仮称)大綱案」 医療安全調査委員会(仮称)の設計と医療事故死 亡事例の原因究明・再発防止等のあり方がほぼ明 らかとなるが、依然として第三者機関の創設とそ の運営のあり方について検討中の模様 17 2009年1月

産科無過失補償制度創設

目的 脳性麻痺で出生した児及びその家族の経済的 負担軽減事故原因の分析を行い、将来の同種 事故防止に役立てる 原因分析委員会を設置

(9)

1

1

院内事故調査の現状

団員アンケート実施報告 2009.3.1 田井野美穂 2

医療問題弁護団団員向けアンケート

実施期間:平成21年1月19日~2月13日 回答者数:55名(団員数約250名) 目的:院内事故調査が適切に行われていない事例の 調査 3 アンケート1 担当事案について、院内事故調査・モデル事業によ る調査が行われた経験の有無 経験あり 16名(31件) なし 39名 アンケート2 事故調査の申し入れをして拒否された経験について 経験あり 6名(9件) 4

アンケート1

1 事故調査の形態

事故調査委員会を開催しないもの 3件 形態が判然としないもの 4件 外部調査委員の調査によるもの 1件 上記以外は院内事故調査委員会による調査 5

アンケート1

2 事故調査報告書の作成 作成されなかった:3件 不明:1件 3 調査報告書の患者・家族への交付 交付されなかった:4件 4 調査結果について患者・家族への説明 なし:6件 5 報告書ないし患者・家族への説明に対する評価 良い:6件 悪い:12件 6

アンケート1

○ 良い事例 ・ 院内事故調査委員会による調査を外部評価委員会 が検証した上で、院内事故調査委員会が再検討 ・ 調査の概要について説明会を開催し、遺族から質 問・指摘を受けた上で、最終的な結論を出した ・ 根本原因分析法を採用 ・ 事故の日を医療安全の日と定めて毎年研修を実施

(10)

2

7

アンケート1

○ 問題のある事例 【調査委員会の構成】 ・ 当該医療機関の内部者のみで構成 【調査の実施態様】 ・ 事例検討会で担当医が報告 ・ 患者や家族に事情聴取を実施しない ・ 患者や家族に調査結果の説明を行わない 8

アンケート1

【調査内容】 ・ 事実解明・再発防止の視点がない ・ 当該医師を擁護する内容に偏っている 【その他】 ・ 担当者による事実経過の改竄や診療記録 の隠蔽 9

事例紹介

1 大 森 夏 織 団 員

2 堀 康 司 弁 護 士

3 細 川 大 輔 団 員

10

アンケート2

事故調査の実施を求めたにもかかわらず、 拒否された事案 【拒否理由】 ・ 内部の事例検討会で検討済みである ・ 異常な経過ではない、過誤はない ・ 過失あったことを認めているので調査不要 11

まとめ

① 院内の報告システムが十分機能していない のではないか ② 事故調査の実施方法が根付いていないの ではないか ③ 内部委員のみによる調査には限界がある のではないか ④ 説明責任の意識が希薄ではないか ⑤ 事故から学び、再発防止につなげるという 意識が希薄ではないか

(11)

1 -患者側代理人としての経験から -Y大学医学部附属病院事件院内事故調について 大森夏織 2009.3.1 (事案と経過概要) 05年5月 当時20代女性。左下腿血管脂肪腫の摘出手術実施、コンパートメント症 候群を看過され、開放術が遅れ、筋肉の壊死等により左足関節全廃の後遺 症 06年11月 証拠保全 12月 院内事故調査専門委員会発足 07年 1月 病院が院内事故調査専門委員会発足を記者会見 患者「事故調査にあたっての申入書」→病院「回答書」→「再申入書」 3月 院内事故調査報告書完成。同日記者会見で「医療過誤」 7月 報告書内容説明会。 後、調査報告書記載の事実経過に対する訂正ペーパーを病院側に交付 (院内調査の問題点) -医療問題弁護団に対し相談があり、証拠保全をした結果、病院として当該医療事 ①端緒 故を把握(調査報告書では「証拠保全により明らかになるまで医療事故またはその可能 性のある医療行為について担当者からの報告がなかったことは、直ちに病院へ報告する ことを定めた病院の規則に違反しており『隠蔽』と断定する」との記載) -当初、事故調査専門委員会発足時の記者会見を患者側に連絡相談なく実施したた ②公表 め、本来「形成外科的手術」あるいは「再建外科手術」と公表されるべきところ(皮膚 科、整形外科、形成外科関与)、「美容外科的手術」と公表。患者の申入れにより病院 HPで訂正。 -患者側は、調査委員会開催中調査報告書作成までの間、( )診療経過につい ③調査過程 1 て患者本人からの事情聴取 ( )調査委員構成の開示 ( )院外専門家を入れた調査 ( )、2 、3 、 4 日本医療機能評価機構への医療事故報告、( )診療経過やその医学的評価に関する患者5 の疑問点を調査事項として欲しい、( )議事録の開示、との申入書を2度にわたり送っ6 たが、病院の回答は( )患者からの事情聴取は不要、( )内部の委員会なので開示は予定1 2 していない(後に報告書末尾に委員名記載。病院長以下4名全員が病院医師 、( )内) 3 部の委員会として予定 ( )医療事故かどうか判断できていないので報告していない ( )、4 、5 は受け入れた(結果的に報告書では検討不十分 、( )調査委員会の記録はない、との) 6 回答で、回答理由もなく結論のみ。 -報告書には「隠蔽 「過失を認定する」等の語句が多様されていたが、患者が ④報告書 」 求めていた「なぜコンパートメント症候群の悪化を早期に診断できなかったのか 「治」 療は医学的にどのようになされるべきであったか」といった分析に対する回答や具体的 改善策は不十分。患者に対しても病院関係者全氏名の黒塗り。 (教訓と希望) 病院長(病院)が本件医療事故を知った端緒が証拠保全であったためなのか、その後の マスコミ向け対応は素早く、また報告書のトーン自体は関係医療従事者に厳しいものであ ったが 「中立公正・客観的に医学的検証を行い、原因分析と再発防止を目的とし、さら、 にこれを患者側とも共有していく」という基本姿勢には疑問が残った。 これは、患者に相談のない不正確な公表、患者が希望した「事故原因の検証」という基 本的医学調査が不十分であること、患者が申し入れた「調査過程での委員開示 「院外専」 門家を入れた評価 「患者本人からの事情聴取」等の理由不明の拒否、をはじめとする上」 記経緯から感じた疑問である。 院内事故調査だけの限界であり、また、あるべき院内事故調査においての是正を望む。 以上

(12)

2007 18 19:20 19:20 21:23 2007 6 6 2008 07 12 16 13 1 1 cf. 2008 2008 7 2008 12 17 2009 1 16 2 2009-03-01 [email protected]

(13)
(14)
(15)

1

-事故調査委員会の設置要求に対し不当な条件を付されたケース

平成21年3月1日 弁護士 細 川 大 輔 (事案) 20代の男性患者が、相手方大学病院(私立)にて、膿胸等の診断のもと、内視鏡手術 (胸腔の洗浄掻爬術)を受けたところ、術中、心タンポナーデを原因とする心停止(5分 間)に陥り、重度の脳障害が残り寝たきりとなった事例 (相手方との交渉経過) 17.7.29 外部委員を入れた事故調査委員会(以下,本書で「外部調査委員会」という)設置申入れ 17.8.4 上記に対する回答 とりあえず内部調査委員会を開催するとともに、第3者による術中ビデオの検証を実施 するので、その結果を見て、外部調査委員会の設置について判断いただきたい。 17.10.25 内部調査委員会報告書 結論:「内部調査委員会では手術中の心停止は(患者本人)の原疾患に起因する身体の 障害が原因であり、医療過誤ではなく、心停止後の処置も適切であったと結論しま した」 添付資料:診療経過等をまとめた書面のほかは、手術担当医自身による「経過と検証」 と題する書面(7頁)と「私的に依頼した外部鑑定結果」(匿名、5頁)のみであ り、調査委員会における議論の内容は全く不明。 17.11.17 あらためて外部調査委員会設置申入れ 17.12.19 相手方代理人より回答 以下の条件を呑めば、外部調査委員会の設置に応じる。 1 外部調査委員会の委員長を病院側にて指定 2 調査委員は病院側・患者側双方3名ずつ選出する。 3 前医については、患者側の責任において、証人として招致する。 4 外部調査委員会の結果無責となった場合、その結果を受け入れ、訴訟提起等の法的 措置をとらないことを約束する。 5 医療側無責との結論が出た場合、外部調査委員会設置に要した費用はすべて患者側 が負担する。 17.12.18 反論書提出 18.1.27 相手方代理人より最終回答(前回の回答と同様)

(16)

2 -(問題点) ・本件では、術中に予期せぬ心停止が発生し、患者に重大な後遺障害が残っており、過誤の 有無は別として、明らかな「医療事故」といえる。したがって、病院側としても、原因究明 ・再発防止の観点から徹底した事故調査が必要とされるケースであった。 ・「内部調査報告書」は、実質的には、当事者たる担当医作成の報告書(弁明書)と、匿名 (所属、専門医としての経験も不明)の「外部鑑定」のみであり、「内部委員会」における 議論の経過等は全く不明であった(委員会開催は2回のみ)。 ・特に、「外部鑑定」は、患者による自己抜管が病態に寄与したことを前提に、「この極め て稀で重篤な病態を作り出したのはいってみれば患者本人であって、完全に以前の状態に復 することができなかったからといって、当該病院を告訴するのは全く筋違いである」との記 述で締めくくられており、作成者の「医療裁判アレルギー」が感じられた(実際には、本件 は訴訟には進展していない)。 ・以上から、内部調査委員会において、事故原因の客観的な分析が行われたか否か極めて疑 わしかった。 ・再度の外部調査委員会設置要求に対する回答は、委員の半数の人選、前医の委員会への招 致を患者側の責任で行うこと、無責の場合、訴訟提起等の法的措置をとらないことと、費用 の負担を患者側に要求するものであり、到底受け入れられるものではなかった。 ・病院側の対応は、「事故原因の究明」「再発防止」といった観点からはほど遠い「訴訟対 策」に終始するものであった。このことから、院内事故調による自主的な調査の限界と第三 者機関による事故調法制化の必要を強く感じた。 以 上

(17)

医療事故シンポジウム

「医療版事故調を検証する ~ 広尾病院事件から10年」

【資 料】

[第2部] 基調報告「医療事故調査制度の在り方」

鈴木 利廣

明治大学法科大学院 教授・医療問題弁護団 代表

(18)

1

1

医療版事故調を検証する

~医療事故調査制度の在り方

2009.3.1 鈴木利廣 2

医療事故への公正な社会的対応のあり方

日常的安全対策の実施 事故発生 刑事捜査の開始 刑事処分 報告・原因究明・分析 被害者対応 再発防止策 日常的安全対策 行政処分 3

1.院内事故調の現状

2.院内事故調と第三者機関の関係

3.第三者機関 : 厚労省案と民主党案

の比較

4 (1)回答数 275/1037(27%) 特定機能病院 による事故等報告病院医療法施行規則11条 その他 無回答 37 31 202 5

1.院内事故調の現状

~2008年日弁連によるアンケート調査 (300床以上)から

(19)

2

5

(2)設置経験

医療事故調査委員会を設置したことがあるか 有 204/275(74%) はい いいえ 有効回答 204 71 272 はい 74% いいえ 26% 6

(3)設置規程

医療事故調査委員会設置等に関する規程等が あるか 有 194/269(72%) はい いいえ 有効回答 194 75 269 はい 72% いいえ 28% 7

(4)設置基準の有無

医療事故調査委員会の設置基準が定められて いるか はい 72% いいえ 28% はい いいえ 有効回答 131 50 181 8 ・重大な医療事故(死亡,後遺障害残存,レベル4以 上など)「訴訟となる可能性がある場合」「刑事責任 を問われる可能性がある場合」を付け加える回答も いくつかあり ・病院に過失があり,かつ死亡ないしは重大な障害を 与えた場合,または過失が疑われる場合 ・行った医療または管理により本来必要でなかった治 療や処置が必要となった事例 ・原因究明の必要性があると認めた場合 ・病院長の判断 ・医療安全管理者の判断,委員会の協議により ・病院運営会議の協議による ・当該部署長が開催の必要性を認めた場合 41 5 3 2 13 15

(5)設置基準の内容

(20)

3

9

(6)設置のきっかけ

マニュアル の定め 病院長が 判断 医療安全 管理室が 判断 医療安全 委員会が 判断 関与した 医師等の 要望 関与した医 師以外から の要望 患者・家族 の要望 その他 きっかけ 91 139 106 64 19 9 19 15 最も多いもの 11 49 41 17 2 0 2 5 10

(7)設置目的

医療事故調査委員会の設備目的 原因究明 再発防止族の納得患者・家社会の信頼回復 責任所在の明確化紛争解決 その他 目的 191 186 142 42 49 67 8 最も重視したもの 70 89 19 0 3 4 1 11

(8)外部委員の要否

医療事故調査は院内の委員だけで行うべき か、外部の第三者も入れて行うべきか 院内の委員だけ で行うべき 外部委員を入れ て行うべき その他 26 168 53 その他 21% 院内の委員 だけで行うべ き 11% 外部委員を 入れて行うべ き 68% 12

(9)事故調査のメリット、デメリット

人選が 困難 多大な人 材・手間 費用負担 が大きい 医療安全に つながらない紛争激化 責任があること の根拠とされる その他 デメリット 40 127 18 3 1 13 18 最も大きいデメリット 11 42 1 0 1 3 0 再発防止・ 発生防止 患者・家族の納 得・信頼回復 社会の信頼 回復 紛争解決 責任がないこ との明確化 その他 メリット 170 125 26 64 35 13 最も大きいメリット 90 26 0 4 3 1

(21)

4

13

(10)調査報告書の公表基準を定めているか

有 55/171(32%) はい いいえ 有効回答 55 116 171 はい 32% いいえ 68% 14 15

①設置規程、設置基準、設置きっかけから

②再発防止か紛争対策か

*再発防止と説明責任の両立を

1-2 院内事故調は何のため?

*やるやらないは病院の自由? 16

(1)自律的院内事故調の必要性

2.院内事故調と第三者機関の関係

(2)第三者機関はなぜ必要か

①調査の質:より高い専門性、中立性、透明性 ②院内事故調の促進、改善 ③日本全体の医療安全 ④将来的には院内事故調体制の確立した認定施設 については、調査結果のレビューへ *自ら探り、現場に適した再発防止

(22)

5

17

3.第三者機関

~厚労省案と民主党案の比較

(1)厚労省案

患者家族 厚労省 警察 医療機関 (院内調査) 調査・報告 届出 提言 行政処分 例外的通知 説明 報 告 訴 告 調 査 依 頼 医療安全調査委員会 18 ①公的な医療安全調査委員会(以下、委員会という)を創設して、 調査権限に基づき、医療事故死について、医学専門家を中心とす る、調査と医学的評価を行う。 ②医療事故死を検案した医師等が所属医療機関の管理者に届出 を行い、医療機関が医療事故死を委員会に届出することで、医師 法21条に基づく異状死届出を不要とする。 ③委員会の調査結果は、被害者遺族・医療機関・厚労省に報告され る。 ④捜査機関は、告訴等による捜査に着手した場合でも、委員会の調 査が行われる場合には、その専門的判断を待って、これを尊重し、 調査結果を踏まえて対応する。 ⑤例外的に刑事責任に問われるべき悪質な事例であると委員会が 医学的に判断した場合には、委員会から捜査機関に通知される。

(1)厚労省案

19

(2)民主党案

厚労省 指定分析機関 警察 医療機関 (院内調査) 報告 提言 報告 説明 報告 患者家族 医療安全支援センター (調査チーム) 報告 調査依頼 報告 訴 告 20 ①医療事故調査の基本は医療機関の院内調査を原則とし、そ の調査結果は患者家族と指定分析機関に報告される。 ②院内調査に不満のある患者家族は、医療安全支援センター に任意的調査を依頼することができ、その調査結果は患者 家族と医療機関に報告される。 ③医師法21条の異状死届出義務は廃止し、医療事故に関す る刑事捜査は、患者家族の告訴等に基づいて行われる。な お、医療事故の刑事責任のあり方は将来の検討事項とする。

(2)民主党案

(23)

6

21

①刑事捜査との関係

②調査方法

③個別医療機関の安全対策への反映

(3)比較

22

①刑事捜査との関係

* 第三者機関創設に向けた議論の出発点は、異状死届出義務を端 緒とした刑事捜査の開始への反発。 医学に素人である捜査当局による刑事責任追及が、誤った方向に 向かうことの危惧。 * 厚労省案は警察への届出制度ではなく委員会への届出とし、その 専門的調査を刑事捜査に優先させ、調査結果を捜査機関が尊重す るよう求めている。 * 民主党案は、異状死届出義務を廃止して捜査の端緒となることに 歯止めはかけるも、捜査そのものの是正には言及していない。 * 捜査当局の位置づけ 厚労省案: 医療安全システムの中に捜査当局を位置づけて、捜査と 調査の関係を明記 民主党案: システムの外に捜査機関を位置づけ 23

②調査方法

厚労省案: 院内調査と同時に法的権限に基づく第三 者機関の調査システム(再発防止に重点) 民主党案: 院内調査を原則としつつ、患者家族の依頼 に基づく医療安全支援センターの任意的 調査(患者家族の不満への対応に重点) 24

③個別医療機関の安全対策への反映

調査分析の結果、院内医療安全体制に問題がある場合 厚労省案: 行政処分として是正勧告を行うことが可能 民主党案: その対策はない。

(24)

7

25

(4)まとめ

*どちらがより優れた制度か?

*厚労省案+民主党案は?

(25)

医療事故シンポジウム

「医療版事故調を検証する ~ 広尾病院事件から10年」

【資 料】

[第3部] 医療事故被害者によるパネルディスカッション

コーディネーター 永井 裕之

患者の視点で医療安全を考える連絡協議会 代表 医療の良心を守る市民の会 代表

パネリスト 川田 綾子 氏

小室 義幸 氏

清水 紀子 氏

豊田 郁子 氏

(26)

1 1999.2.11 都立広尾病院医療過誤 あの時から10年過ぎ去った 「当時から比べて変わりましたよ」

なにが、本当に変わったの?

2009年 3月 1日 コーディネーター 永 井 裕 之 「患者の視点で医療安全を考える連絡協議会」 代表 「医療の良心を守る市民の会」 代表 医療事故シンポジウム 「医療版事故調を検証する ~ 広尾病院事件から10年」 医療事故被害者によるパネルディスカッション 2

「当時から比べて変わりましたよ」

なにが、本当に変わったの?

医師(大教授)の意識改革は?

「院内事故調査はしっかりやっている 事故調査の第三者機関はいらない」 「思い違いグループ」(被害者・遺族) 「とんでもない鑑定医」(患者側鑑定医) 「白い巨塔:昔の話で今は全くない」 「単純ミスは看護師、システムミスは医師」 3

「当時から比べて変わりましたよ」

なにが、本当に変わったの?

公正中立性は?

透明性は?

医療事故から学んでるの?

医療事故は減ったの?

4

事故は日常茶飯事?

事故は日常茶飯事?

事故はすぐそばにある。

決して他人事ではありません。

(1999年春の交通安全週間の標語) 米国の例;交通事故死=約4.3万人 医療事故死=4.6万人~ 9.8万人 (‘99年報告) 5 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 9,066 8,747 8,326 7,702 7,358 6,871 6,352 5,744 5,155 4,000 10,000 20,000 30,000 40,000 医療事故死者数 道路交通事故死者数 日本では 道路交通事故死= 9,006人(’99)→ 5,155人(’08) 医療事故死=??,???人(’99)→??,???人(’08) 事故はゼロにはならない 医療事故死をより少なく・・・

事故に遭遇した被害者・遺族のねがい

事故に遭遇した被害者・遺族のねがい

●なぜ事故が起こったのか真相を 明らかにしてほしい 本当のことを教えて! ●心から謝ってほしい ●二度と同様な事故を起こさないようしてほしい 突然の被害や死亡・・・なぜ 6

(27)

真実を知りたい 仕方なく裁判に うそを言っている 医療側と患者側 との溝が深まる

医療事故は身近に

医療事故は身近に

事 故 発 生 チーム医療 (医療側・患者側) 病気を治す(同一方向) 受 診 ・インフォームドコンセント ・納得;自己決定 手 術同一方向 え、そんな話 じゃなかった? 事実経過が違う ●当事者を出さない。 主治医は三宅島へ 当直医は大学に ●事故調査は司直に委ねた 7 8

調査委員会

調査委員会

都立病産院医療事故予防対策推進委員会 ●緘口令--3月16日の記者会見まで委員会 メンバー、組合も知らず ●‘99.5.19 第1回 調査委員会開催 ●委員長ーー岡井 広尾病院院長(6/28 辞意) ●委 員ーー職員又は都で世話になった「身内の会」 ・7/16 第三者(外部)委員1名就任 …ようやく、調査委員会が本格稼動 ●報告書作成<口封じ;口裏あわせ> 当事者からの聴取もせず ●8/24遺族からのヒアリング(格好をつけるだけ) ●8/25--答申の最終検討会 チーム医療 (医療側・患者側) 病気を治す(同一方向) 手 術 事 故 発 生 誠意を示す (隠さない、 ごまかさない、 逃げない=当該医療者) *最初のボタン をしっかりとめる ・インフォームドコンセント ・納得;自己決定 受 診

あるべき医療事故対応

あるべき医療事故対応

あるべき姿:チーム医療 (医療側・患者側) 真相究明・報告書の開示 (患者側の参加:優先) 適時適切な説明を 院内事故調 院内の医療事故調査委員会(第三者は必須) 再発防止策・徹底 よく分かりました ありがとうございました 9 10 ● 医師には何があったのかが、 患者に理解できるよう必要な事実をすべて告げる 倫理義務が存在する ●真実を告げた後に生じうる法的問題の可能性が、 医師の患者に対する正直さに影響してはならない [参考] アメリカの医師会の倫理基準 [参考] アメリカの医師会の倫理基準 医療過誤時の情報開示 11 (1)医療事故被害者・遺族4名の体験 ・事故調査が行われたか ・どのような事故調査であったか ・適切な事故調査が行われていれば、どう変わったと 考えられるか (2)院内事故調査体制をシステムとして確立 する必要があるのではないか ・院内の体制はもちろん、法的制度としても (3)医療事故調査の第三者組織の設立が必要 ではないか *会場からも

パネルディスカッション

パネルディスカッション

12 川 田 小室 清水 発生時期 2003.11 2003.11 概 要 概 要 医療機関 2004.3 大学病院 被害者 母 医療事故 豊田 大学病院 私立総合病院 娘と孫 父 院内調査 内部告発 内部告発 解 剖 病理・司法 2003.3 公立総合病院 息子 外部調査 なし 病 理 行 政 事故でなく合併症 県医療事故 審議会(保険会社) なし? なし? ×専門医不在 × 不十分(外部委員は身内 ) ◎真相解明 民 事 再発防止 刑事ほか 和解 2006 裁判し 勝訴 和解 裁判し 和解 2008 改善努力中 メモリアルデー × ? ? メモリアルデー 主治医不起訴 主治医不起訴 事故を認めず 特定機能病院 認定取り消し 口頭のみ 事故を認める × 不十分

(28)

13 当該の医療機関(自浄性・透明性) ・手術の内容開示(ビデオ撮影記録) ・電子カルテ・レセプト開示 ●原因究明(院内事故調査:解剖・AI) ●事故の場合の届け出 ・手術の内容開示(ビデオ撮影記録) ・電子カルテ・レセプト開示 ●密室性 ●隠蔽性 ●改ざん 疑 航空機事故 でのボイス レコーダ的 なもの 被害者・遺族

医療事故調査

医療事故調査

極めて悪質な行為 (故意、危険な医療行為、 カルテ改ざん、 隠蔽、 偽装など) 警察への届け出 警察力も必要 医師だけが刑事免責 市民常識にあわない 連携;迅速な証拠の提供 被害者・遺族 ・規模によってはできない ・被害者遺族が望まない 人材 支援 など

中立・公正・正確な

(担保)

事故調査の第三者機関

(29)

ある心臓手術事件から

川田 綾子

2009/3/1 医療事故シンポジウム 「医療版事故調を検証する ~ 広尾病院事件から10年」

4件の死亡症例

• 平成14年10月~平成15年3月 東京医大病院において同一医師(S医師)に よる弁置換術3例実施 →いずれも死亡 • 平成16年1月 4例目の弁置換術→死亡

事実経過①

(平成16年) • 年初 読売新聞社に内部告発 • 6~7月 読売記者遺族と接触、医弁に相談、 医弁内に担当チーム結成 • 10月 東京簡裁に証拠保全申し立て • 12月10日 証拠保全実施

事実経過②

• 12月10日 証拠保全実施 • 12月11日 新聞報道、遺族記者会見 • 12月14日 病院側記者会見「事故ではなく合併症」 • 12月15日 病院長、心臓血管外科学会・ 胸部外科学会に委員長の推薦を依頼 • 12月22日 両学会、古瀬彰委員長を推薦、 古瀬委員長選任により委員4名に委嘱 • 12月30日~ 7回の調査委員会開催

事実経過③

(平成17年) • 3月30日 調査委員会、調査報告書公表 • 4月 1日 病院側、謝罪の記者会見 • 4月末 S医師辞職 • 5月 9日 理事長辞任、病院長辞任を承認 • 5月10日 石丸教授辞任 • 6月 6日 社会保障審議会医療分科会、 東医大の特定機能病院承認取り消しを決定

事実経過④

• 7月4日 遺族に対する謝罪・説明会の開催、 川田「10箇条」提案 • 8月1日 「メモリアルデー」 (同日、特定機能病院取り消しが発効) (平成18年) • 8月~11月 遺族との間の和解が順次成立

(30)

「東京医科大学への提案10箇条」①

1. 「医療事故メモリアルデー」を決め、 毎年シンポジウムを行う 2. 第三者を含む安全管理室を設置する 3. 患者や家族が相談できる『医療事故等相談室』を 設け、安全管理体制整備の報告を行う 4. 治療方法の選択等を相談できる『患者コーディ ネーター』を配置する 5. 客観的な数値データに基づくリスクの十分な説明 と同意を徹底し、他病院とも連携してセカンドオピ ニオンを聞ける環境を整える

「東京医科大学への提案10箇条」②

6. 学会への全症例登録の徹底 7. 医療安全管理講座を設置し、医療事故 被害者等を講師として招聘する 8. 患者のための医療情報図書室の設置 9. カルテの全面開示 10. 術中ビデオを全例で撮影し、患者・遺族の 閲覧希望に必ず応じる

遺族との和解条項

1. 医療行為に不適切な点があったために死亡した ことを認め,衷心より謝罪する 2. 本件を重大な教訓として今後一層の研鑽に努め、 二度とこのような事故が再発することのないよう、 医療の安全性確立のため、必要な体制整備等に つき引き続き最大限の努力をすることを誓約する 3. 医療の安全性確保のために行った具体的改善策 の実施状況につき、和解後5年間にわたり、毎年 1回遺族に書面報告することを約束 4. 損害賠償金の支払い

東京医大側の改善努力の例

• メモリアルデーの設置(毎年8月1日) • 心臓外科と血管外科の分科と指導者の招聘 • 手術に関する報告システムの整備(予定時間 大幅超過例、出血量1000cc超の手術例等 は全例安全管理室に報告させる) • 全死亡例で死亡例報告書の提出を義務付け • 術中ビデオの全例撮影と開示 • 「患者様図書室」の設置(18年6月)

H20年度「医療の安全性確保」の

取り組み(東京医大報告書より)

事故調査に関する活動 (1)H17年度「院内分析・対策チーム」を設置 (2)H18年より「第三者外部評価委員会」創設 外部の有識者委員6名 (医師2、法律家1、マスメディア関係者1、 市民活動家1、医療関係団体理事1) 院内安全への取り組みを定期的に第三者 の立場で評価する委員会(延べ12回開催)

参考文献

• 読売新聞社会部 「大学病院でなぜ 心臓は止まったのか」 (中公新書ラクレ、2006)

(31)

1

1 1

院内調査を検証する

(調査はどのように実施されたか)

平成15年 母子連続死亡事故

平成21年3月1日 医療の良心を守る市民の会 小 室 義 幸 2 2

目 次

■事故と調査 (1)どのような施設で起きた事故か (2)事故の経緯 (3)院内調査(調査報告書、病理解剖) (4)統制・指揮・監督なき組織 (5)まとめ(問題点) ■医療安全調査委員会について 3 3

どのような施設で起きた事故か

○病床1,000以上、 2,000人/日以上の外来患者。 ○特定機能病院、総合周産期母子医療センター、 高度救急救命センター。 ○医療安全管理室には、医療事故や医療安全システム を研究テーマとしている教授も在籍。 ○平成15年12月(事故の起きた年)に日本医療機能評 価機構の審査を受け合格。 ○我が国有数の大学病院 4 4

事故の経緯

平成15年9月21日 管理入院(出産予定日11月1日) 11月07日 13:00 発熱を確認 08日 09:00 陣痛促進剤の投与開始 11:26 女児出産 12:19 女児死亡 14:00 母親死亡 同夜間 病理解剖 11月09日 司法解剖 平成17年10月26日 東京地裁に提訴 11月30日 主治医を書類送検 (不起訴) 平成20年06月 民事裁判和解 5 5

院内調査

産科専門医不在の調査、重要事項を調査せず ○病理解剖の所見に全く触れず。 ○陣痛促進剤オキシトシン(アトニン)使用の適否 について言及なし。 ○胎児心拍陣痛図や胎児の健康状態に言及なし。 ○死亡前日の医療なき空白の6時間に言及なし。 ○書面による遺族の質問には「調査委員会には 産科の専門医がいないので専門的評価はでき ません」と回答。 6 6

院内調査

続き 報告書に虚偽の記載 ○死後の検査データを生前の検査データと偽り、診 療の正当性を主張。 ○クリステレル回数の虚偽記載 調査報告書では、2回だけ実施と記載、遺族が 質すと6回の実施を認める。 ○「娩出までは1時間程度を要するので帝王切開を 見送った」東京都の「地域周産期母子医療セン ター」は30分以内の娩出が基準。当該病院はよ りレベルの高いとされる「総合周産期母子医療 センター」である。

(32)

2

7 7

院内調査

続き ずさんな病理解剖 ○病院側が「死因が不明」と病理解剖を提案。 遺族は第三者による解剖を求めたが、最終的には承 諾。 ○病理専門医資格を持たぬ執刀医。同病理学教室の 医師17名中、序列16番、17番目の両医師が担当。 ○「羊水塞栓症の確定診断には肺の病理検査が必要」 と説明され、承諾書に署名。しかし、同病理検査を実 施せず。 ○解剖部位に関する説明なし。 ○遺族の承諾を得ずに脳の解剖(開頭)を実施。 88

統制・指揮・監督なき組織

調査の実行責任者が明らかでない ○窓口の院長からは、院内調査委員会による調査報告 書、産科臨床チームによる説明資料、病理解剖資料 等が総合的に吟味・議論されることもなく遺族に個別 的に郵送。 ○医療安全管理室が有りながら、関与した形跡はない。 ○主治医にさえも調査報告書を渡していない(説明会 当日、遺族からコピーを渡されてその内容を知る) ○1ヵ月前に、出席を文書で約束しながら、娘の担当看 護師が説明会に欠席(理由は退職) 9 9

苦渋の決断

① 医療は期待に沿えない結果もあることは認識。 ② 強い不信感は調査報告書から始まった。 ③ 不信は説明会でも払拭されず、増幅された。 ④ 調査が不十分で、透明性がなく、真相が見えて こない。 このような時に、遺族は提訴せざるを得ない 立場に立たされる→提訴へ 1010

まとめ(問題点)

まとめ(問題点)

○今回の事故を通して見た限り、 ○今回の事故を通して見た限り、大学病院としての大学病院としての『『かか たち たち』』が出来てないが出来てない。。医局間の垣根も高く、医局間の垣根も高く、この状況この状況 が続く限り が続く限り、事故の再発防止、事故の再発防止やや医療の質の向上は医療の質の向上はむむ ずかしい。 ずかしい。 ○病院幹部を含め関係者の ○病院幹部を含め関係者の教育が不十分であ教育が不十分である。る。 医育機関でもある大学病院としては深刻な問題であ 医育機関でもある大学病院としては深刻な問題であ る。 る。規模が大きいだけでは安心規模が大きいだけでは安心ははできないできない、、時にはそ時にはそ れが れが弊害ともなる弊害ともなる。。 11 11

医療安全調査委員会について

(1)医学的死因の調査に終わってはならない。事故の 背後にある要因を掘り起こし、明らかにしない限り、 事故の再発防止も、医療の質の向上も困難である。 (2)メンバーに、医療関係者以外を加えることは中立性 確保の原点である。閉鎖的な医療界のドアを社会 に開く良い機会でもある。 (3)透明・中立性が命である。これが担保されなければ、 調査委員会創設の意義は認め難い。 以上 体験した詳しい内容は下記に記載 Http://www.cc.em-net.ne.jp/~komudes/08yk-00.htm

(33)

1

事故が起きてしまった時に

望むこと

清水紀子 平成21年3月1日 医療事故シンポジウム 2 病院 私立総合病院 整形外科 病名 強直性脊椎骨増殖症 状況 父 71歳 手術当日死亡。 問題点 術後管理等 ※ 「医療判例解説」2008年8月号 「判例時報」1992号

概 要

事故 2003年11月11日 提訴 2005年3月 判決 2007年1月31日 3

事故の経緯

• 1995年 声帯手術 合併症(半回神経麻痺) • 2003.8 嚥下障害 靭帯の骨化を確認 • 2003.11.11 14:29~16:20 頚椎の一部の切除手術 17:15 回復室へ 20:45頃~ 呼吸苦 看護師、痰を吸引 主治医に電話 21:15 セルシン投与 21:25 呼吸停止 当直医に連絡 21:35 気管内挿管 心肺回復せず 22:50 死亡確認 4

病院からの説明

解剖 「気管を中心とした換気異常の疑い」 1回目 主治医、執刀医、担当看護師、師長、 蘇生を行った医師 2回目 副院長、ケースワーカー室長 3回目 看護師3名、師長、副院長、ケースワーカー室長 4回目 副院長、ケースワーカー室長 5

伝えた要望と病院からの回答

• カルテ開示 • 看護師さんの話を聞きたい。 • 関わった人に反省する時間 を設けてほしい。 • 「事故があった」ということを 形に残して認めてほしい • 病院で事故があったことを 公表してほしい。 開示 設定してくれた 医療はチームだから個人に対する 罰という判断は出来ない。 文章にはできない。 弁護士を通す手続きが必要。 事故の原因は推測の段階で病院でも 医学的な事実はわからない。 情報が独り歩きして病院側も患者側も 痛手を受ける。 6

病院からの提案

第三者機関である“愛知県の医療事故審議会”に判断を委ねる。 “審議会”とは • 患者側は審議会と接点を持ち得ず、意見を反映されない。 • 病院が提出する資料を患者側は見せてもらえない。 • 審議には病院側弁護士が入る。 • 審議の内容は患者側に知らされない。 • 審議の結果は金額の表示のみ。理由について公式に説明は なし。 数ヵ月後、結果が出た時点でまた話しましょう

(34)

7

提案を受けて

・何故この段階で金額? ・口頭で説明されて、謝って、それで終わりですか? ・「事故はチームの問題、組織の問題」であったなら、 組織としての対応を形にして見せてほしい。 ・誠実な対応とは、当事者や責任者が謝ることだけでは ない。お金だけでもない。 8

話し合いで良かったこと

~当事者個人とのやりとり~ • 動揺や怒りや悲しみを一番伝えたい当事者(医師や看 護師)に伝え、直接話ができた。 • 当事者の気持ちを敏感に感じることができた。 • 一部の当事者の方は知り得ることを丁寧に話し謝って て下さった。 • 誠実に向き合ってくれた姿は鮮明に残った。 9

話し合いで良くなかったこと

~組織に対する不審感~ • 組織としての対応になると、歯切れが悪くなる • 威圧的に受け止められるような言葉。 • 早い段階で、“審議会”の話が出る。 • 「冷たい話だけれど、医療にもリスクがあり最後はお 金になる。」 (2種類の剖検診断書の存在) 10

裁判で良かったこと

• 第三者(裁判所)が入り、原因を探る作業を進められた。 • 事故に関する内容を文章で知ることが出来た。 • 目にした事実を伝え、証拠も提出できた。(尋問、書証) • 質問に対して、具体的な回答が返ってきた。 ※病院の提案した“審議会”ではどれも出来なかった 11

裁判の限界

• 全ての事実を明らかにするものではないと感じた。 争点を絞り、採用された証拠で法律違反かどうか判断。 (4つの鑑定意見書) • 結果をどう受け止め、今後どう生かしていくのかまで 示してもらうことは出来ない。 • 病院とより大きな溝が出来る。 覚悟はしていたけれど、対立して争うのは苦しい。 12

調査会に望むこと

1.事実を全て明らかに その後の検証も対策も意味を持たない。 2.誠実な対応 一番傷つくのは、「医療の知識がない」という理由などで、 人としての道徳レベルでの対応までされない時。 3.当事者が相談しやすいこと。 4.事故情報→公表→共有→改善へ

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「状況報告書」 看護師 顔色が悪くおなかもふくれている。 待てそうもないのですが。 当直医 なに考えてる。待たせておいて 病棟処置中だとか言ってさ。 3分後再び電話。 看護師 すぐに診ていただけませんか。 当直医 いいから待たせておいて さらに10分後。 当直医 いま顔洗ってるから 医療事故シンポジウム 「医療版事故調を検証する~広尾病院から10年」パネルディスカッションパネルディスカッション 医療事故を経験した遺族が期待する医療事故調査機関 医療事故を経験した遺族が期待する医療事故調査機関 医療事故被害者遺族 豊田郁子 平成21年 3月 1日 内部告発からマスコミ報道に 入 院 急 死 腹部X-P,CT,浣腸,採血,点滴を施行、採血 結果を2時間待った後、家族の希望 で入院。 11時に病室移動。病棟に危機感は感じられず 入院から2時間半後(13時30分頃) 病室に医師が一度も来ないまま、理貴は 黒茶色のものを多量に嘔吐し、心肺停止。 16時03分永眠。病院の判断で警察に届出。 行政解剖の結果、死因は「絞扼性イレウス」。 発病・受診 2003年3月9日(日)の3:30頃、息子.理貴(りき)が 強い腹痛を訴えた為、小児救急外来を2度受診。 病名=「絞扼性イレウス」 「診療経験の少ない医師にその判断は難しい」 院内調査報告書に納得できなかったこと 看護師が重症と思い、外科のコンサルトや大学 病院の転科を勧めるほど苦しんでいた息子を、 8年目の小児科認定医が本当に重症と判断でき ないものなのか。 根本原因を究明し、説明して欲しい、向き合って 欲しいと願う遺族の思いは届かなかった。 事実関係が違う(家族に聞き取りがない) 私(母親)と病院の記憶の違い、意見の相違 母親の記憶 8:00頃~ 腹部レントゲン、腹部CT指示(当直医師) 当直医師「ガスがすごいのでもう一度浣腸 をして検査をしましょう」 浣腸、採血、点滴を施行 (観察室に移動)8:30過ぎ~10:30 まで医師は一度もこなかった。 10:30頃 当直医師「血液検査の結果は特に異常は ありません」・・医師はそのまま黙る 私(母親)は医師の顔をジッと見る 当直医師「このままではお母さんも心配 でしょうから入院しますか?」 当直医師に母親だけ呼ばれ、理貴の過去 の病歴についてのみ聞かれ答える 11時入院 病室に医師は一度も来なかった 病院側の記録と主張 8:30頃 グリセリン浣腸 8:40頃 血液検査、点滴(観察室移動) 9:00頃 腹痛の訴えなし 9:30頃 診察・説明をした(当直医師) (報告書の記録)母親に入院の説明をした A医師は、説明の際に、顔色を見たところ、 顔色が回復してきたので大丈夫だと思った ※カルテ開示の際、小児科部長より、採血 時間の記録がレシートに9:30の時刻で 印字されていることを説明される(記録が 印字で残っているので、この時間にお母さ んに説明していると思いますと話す) 10:15頃 覚醒していたが、状態は変 わりなかった 10:30頃 入眠している様子だった 当該病院事故調査委員会の審議経過と実際の説明 (院内調査報告書より) 第1回 平成15年3月10日(月) ・3月9日の状況の概要について、関係者から事実確認した。 第2回 平成15年3月24日(月) ・診療録に基づき整理した詳細な症状経過、検査結果等の検討を行った。 第3回 平成15年4月2日(木) ・入院時に撮影したエックス線写真、CT所見の検討を行った。 ・急変の原因についての検討を行った。 第4回 平成15年4月7日(月) ・医師の診断内容と妥当性等についての検討を行った。 ところが実際にカルテ開示(この4回の審議後)で説明されたのは、 「担当医師は最善を尽くしたと申しております。これ以上に関しては 第三者に判断していただかないと分からないかもしれませんね」 問題点①事例を検討していたことを遺族に話さなかった。 問題点②当事者や関係者又は事実確認をした人が同席していない。 そのため責任者(院長・小児科部長)が説明できなかった。 事故の事例(医師の不作為) ⇒病院がミスを否定し、遺族への対応をシャットアウト すると、医学の素人である被害者が過失を立証しなく てはならない状況に陥り、訴訟を考えてしまう。 事故当時の報道内容 (例えば、都内の救急病院で幼児の腸閉塞を誤診したケース・・・) (2003年8月、読売新聞より)行政処分を求める声 医の倫理の根幹にももとる態度だが、医療の技術上の 過失ではないだけに裁く対象にはならないとされる。 だが、少なくともこの医師は、問題ある態度の延長で 重大な病状の見落としという医療過誤を犯したわけだ。

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事故後の病院の対応 z息子(理貴)の死亡後、生じた不信感 遺族が医療被害を二重、三重に受けたと感じたとき ・事故直後の病院の対応 ・カルテ開示の際の対応 ・報道されることが判明した直後の謝罪? 「結果的にお助けできず,申し訳ありませんでした」 ・無断の記者会見 ・記者会見上での謝罪? ・調査報告書作成と公表についての無断発表 ・説明会後の遺族からの質問書に対して出された回答 ・病院内での再発防止の取り組み無断HP公開 被害に遭った病院との現在の関係と いま病院に対して思うこと z2004年1月、警察に被害届けを提出 z2005年9月、病院と和解 z2006年10月、当直医師の不起訴が確定 z理貴の命日(3月9日)には、 毎年、医療安全院内研修会を実施 -病院に対する気持ちの変化-3年後の命日での出来事 z平成19年度の研修会で講演 (遺族と職員との間で,この時初めて対話が成立し,良い関係に) 研修会を通して被害者の声を聴いた医療者の感想 1.今回の研修を受講して、 どのような感想を持ちましたか。 z体験を聴き、自分で考える、このような研修は有意義。 z貴重な研修で、とてもためになった。(医師) z病院の内側にいて、変わらない変えられないと諦めていた 自分に嫌気が差したが、まずは自ら変わりたいと思った。 z医療スタッフ内のコミュニケーションの大切さを痛感した。 1人の母として豊田さんの立場に自分が立っていたら自分 はどうなっていたのか、胸がはりさけそうな思いで聴いた。 z向き合って話し合えるようになるには、重要な課程が あること、相手を受け止めなければ、心は開かれないこと を再認識させてもらえた。(看護師) z今までの医療安全研修では医療者側からみた視点だったの で、患者側からみた研修を今後も続けて欲しい。(看護師) 一昨年から動いてきたこと z 平成19年4月~ 診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会参加 z 平成19年11月25日 z 新葛飾病院 患者支援室 医療の質・安全学会「新しい医療のかたち」賞 受賞 z 平成20年2月13日 「患者の視点で医療安全を考える連絡協議会」準備会 発足 発起人有志(医療事故被害者遺族)で、舛添厚生労働大臣宛てに 「中立公正な医療事故調査機関の早期設立を望む」要望書 提出 同日記者会見 z 平成20年3月8日 医療メディエーション研究会「架け橋」設立 (「架け橋~患者・家族との信頼関係をつなぐ対話研究会」に名称変更しました。) z 平成20年5月14日・8月27日 「患者の視点で医療安全を考える連絡協議会」準備会 舛添厚生労働大臣宛てに「中立公正な医療事故調査機関の早期設立を 望む」要望書提出 同日記者会見 第三者機関(医療安全調査委員会)に望むこと - 再発防止を願って-重視する視点 z調査組織における遺族の参加 当該遺族の参加(ヒヤリング) 当該ではない遺族の立場を代表する者の調査過程への参加。 z遺族に分かりやすい手続き 遺族(病院も)が調査組織にアプローチしやすいように、手続きを 分かりやすくすることが必要。相談窓口の充実が重要。 z行政処分と再教育のあり方 行政処分が刑事処分に連動しているのは不自然。自らの判断で。 z遺族と病院間の対話の必要性 当事者や関係者が気持ちを話せるような支援が必要。当該病院 が遺族に向き合うために、医療事故調査委員会との連携が大切。 院内相談員の在り方を考える Conflict Management? 医療事故 患者・家族 何が起きたの? ショックが強い 患 者 院内相談員 (調停?仲 裁?) 介入する前に 必要なこと は? 医療スタッフ 第三者的に職員が介入する前に,当該部署で必要なこと 対 話

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