【資 料】
4. 損害賠償金の支払い
東京医大側の改善努力の例
•
メモリアルデーの設置(毎年8月1日)•
心臓外科と血管外科の分科と指導者の招聘•
手術に関する報告システムの整備(予定時間 大幅超過例、出血量1000cc超の手術例等 は全例安全管理室に報告させる)•
全死亡例で死亡例報告書の提出を義務付け•
術中ビデオの全例撮影と開示•
「患者様図書室」の設置(18年6月)H20 年度「医療の安全性確保」の 取り組み(東京医大報告書より)
事故調査に関する活動
(
1
)H17
年度「院内分析・対策チーム」を設置(
2
)H18
年より「第三者外部評価委員会」創設 外部の有識者委員6
名(医師
2
、法律家1
、マスメディア関係者1
、 市民活動家1
、医療関係団体理事1
) 院内安全への取り組みを定期的に第三者 の立場で評価する委員会(延べ12
回開催)参考文献
•
読売新聞社会部「大学病院でなぜ 心臓は止まったのか」
(中公新書ラクレ、2006)
1
11
院内調査を検証する
(調査はどのように実施されたか)
平成15年 母子連続死亡事故
平成21年3月1日 医療の良心を守る市民の会
小 室 義 幸
22
目 次
■事故と調査
(1)どのような施設で起きた事故か
(2)事故の経緯
(3)院内調査(調査報告書、病理解剖)
(4)統制・指揮・監督なき組織
(5)まとめ(問題点)
■医療安全調査委員会について
3 3
どのような施設で起きた事故か
○病床1,000以上、 2,000人/日以上の外来患者。
○特定機能病院、総合周産期母子医療センター、
高度救急救命センター。
○医療安全管理室には、医療事故や医療安全システム を研究テーマとしている教授も在籍。
○平成15年12月(事故の起きた年)に日本医療機能評 価機構の審査を受け合格。
○我が国有数の大学病院
4 4
事故の経緯
平成15年9月21日 管理入院(出産予定日11月1日)
11月07日 13:00 発熱を確認
08日 09:00 陣痛促進剤の投与開始 11:26 女児出産
12:19 女児死亡 14:00 母親死亡 同夜間 病理解剖 11月09日 司法解剖 平成17年10月26日 東京地裁に提訴
11月30日 主治医を書類送検
(不起訴)
平成20年06月 民事裁判和解
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院内調査
産科専門医不在の調査、重要事項を調査せず
○病理解剖の所見に全く触れず。
○陣痛促進剤オキシトシン(アトニン)使用の適否 について言及なし。
○胎児心拍陣痛図や胎児の健康状態に言及なし。
○死亡前日の医療なき空白の6時間に言及なし。
○書面による遺族の質問には「調査委員会には 産科の専門医がいないので専門的評価はでき ません」と回答。
6 6
院内調査
続き報告書に虚偽の記載
○死後の検査データを生前の検査データと偽り、診 療の正当性を主張。
○クリステレル回数の虚偽記載
調査報告書では、2回だけ実施と記載、遺族が 質すと6回の実施を認める。
○「娩出までは1時間程度を要するので帝王切開を 見送った」東京都の「地域周産期母子医療セン ター」は30分以内の娩出が基準。当該病院はよ りレベルの高いとされる「総合周産期母子医療 センター」である。
2
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院内調査
続き ずさんな病理解剖○病院側が「死因が不明」と病理解剖を提案。
遺族は第三者による解剖を求めたが、最終的には承 諾。
○病理専門医資格を持たぬ執刀医。同病理学教室の 医師17名中、序列16番、17番目の両医師が担当。
○「羊水塞栓症の確定診断には肺の病理検査が必要」
と説明され、承諾書に署名。しかし、同病理検査を実 施せず。
○解剖部位に関する説明なし。
○遺族の承諾を得ずに脳の解剖(開頭)を実施。 88
統制・指揮・監督なき組織
調査の実行責任者が明らかでない
○窓口の院長からは、院内調査委員会による調査報告 書、産科臨床チームによる説明資料、病理解剖資料 等が総合的に吟味・議論されることもなく遺族に個別 的に郵送。
○医療安全管理室が有りながら、関与した形跡はない。
○主治医にさえも調査報告書を渡していない(説明会 当日、遺族からコピーを渡されてその内容を知る)
○1ヵ月前に、出席を文書で約束しながら、娘の担当看 護師が説明会に欠席(理由は退職)
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苦渋の決断
① 医療は期待に沿えない結果もあることは認識。
② 強い不信感は調査報告書から始まった。
③ 不信は説明会でも払拭されず、増幅された。
④ 調査が不十分で、透明性がなく、真相が見えて こない。
このような時に、遺族は提訴せざるを得ない
立場に立たされる→提訴へ 1010
まとめ(問題点)
まとめ(問題点)
○今回の事故を通して見た限り、
○今回の事故を通して見た限り、大学病院としての大学病院としての『『かか たち』たち』が出来てないが出来てない。。医局間の垣根も高く、医局間の垣根も高く、この状況この状況 が続く限り
が続く限り、事故の再発防止、事故の再発防止やや医療の質の向上は医療の質の向上はむむ ずかしい。
ずかしい。
○病院幹部を含め関係者の
○病院幹部を含め関係者の教育が不十分であ教育が不十分である。る。
医育機関でもある大学病院としては深刻な問題であ 医育機関でもある大学病院としては深刻な問題であ る。規模が大きいだけでは安心る。規模が大きいだけでは安心ははできないできない、、時にはそ時にはそ れが
れが弊害ともなる弊害ともなる。。
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医療安全調査委員会について
(1)医学的死因の調査に終わってはならない。事故の 背後にある要因を掘り起こし、明らかにしない限り、
事故の再発防止も、医療の質の向上も困難である。
(2)メンバーに、医療関係者以外を加えることは中立性 確保の原点である。閉鎖的な医療界のドアを社会 に開く良い機会でもある。
(3)透明・中立性が命である。これが担保されなければ、
調査委員会創設の意義は認め難い。
以上 体験した詳しい内容は下記に記載
Http://www.cc.em-net.ne.jp/~komudes/08yk-00.htm
1
事故が起きてしまった時に 望むこと
清水紀子 平成21年3月1日 医療事故シンポジウム
2
病院 私立総合病院 整形外科 病名 強直性脊椎骨増殖症
状況 父 71歳 手術当日死亡。
問題点 術後管理等
※ 「医療判例解説」2008年8月号 「判例時報」1992号
概 要
事故 2003年11月11日 提訴 2005年3月 判決 2007年1月31日
3
事故の経緯
• 1995年 声帯手術 合併症(半回神経麻痺)
• 2003.8 嚥下障害 靭帯の骨化を確認
• 2003.11.11
14:29~16:20 頚椎の一部の切除手術 17:15 回復室へ
20:45頃~ 呼吸苦
看護師、痰を吸引 主治医に電話 21:15 セルシン投与
21:25 呼吸停止 当直医に連絡
21:35 気管内挿管 心肺回復せず
22:50 死亡確認
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病院からの説明
解剖 「気管を中心とした換気異常の疑い」
1回目 主治医、執刀医、担当看護師、師長、
蘇生を行った医師 2回目 副院長、ケースワーカー室長
3回目 看護師3名、師長、副院長、ケースワーカー室長 4回目 副院長、ケースワーカー室長
5
伝えた要望と病院からの回答
• カルテ開示
• 看護師さんの話を聞きたい。
• 関わった人に反省する時間 を設けてほしい。
• 「事故があった」ということを 形に残して認めてほしい
• 病院で事故があったことを 公表してほしい。
開示 設定してくれた
医療はチームだから個人に対する 罰という判断は出来ない。
文章にはできない。
弁護士を通す手続きが必要。
事故の原因は推測の段階で病院でも 医学的な事実はわからない。
情報が独り歩きして病院側も患者側も 痛手を受ける。
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病院からの提案
第三者機関である“愛知県の医療事故審議会”に判断を委ねる。
“審議会”とは
• 患者側は審議会と接点を持ち得ず、意見を反映されない。
• 病院が提出する資料を患者側は見せてもらえない。
• 審議には病院側弁護士が入る。
• 審議の内容は患者側に知らされない。
• 審議の結果は金額の表示のみ。理由について公式に説明は なし。
数ヵ月後、結果が出た時点でまた話しましょう
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提案を受けて
・何故この段階で金額?
・口頭で説明されて、謝って、それで終わりですか?
・「事故はチームの問題、組織の問題」であったなら、
組織としての対応を形にして見せてほしい。
・誠実な対応とは、当事者や責任者が謝ることだけでは ない。お金だけでもない。
8
話し合いで良かったこと
~当事者個人とのやりとり~
• 動揺や怒りや悲しみを一番伝えたい当事者(医師や看 護師)に伝え、直接話ができた。
• 当事者の気持ちを敏感に感じることができた。
• 一部の当事者の方は知り得ることを丁寧に話し謝って て下さった。
• 誠実に向き合ってくれた姿は鮮明に残った。
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話し合いで良くなかったこと
~組織に対する不審感~
• 組織としての対応になると、歯切れが悪くなる
• 威圧的に受け止められるような言葉。
• 早い段階で、“審議会”の話が出る。
• 「冷たい話だけれど、医療にもリスクがあり最後はお 金になる。」
(2種類の剖検診断書の存在)
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裁判で良かったこと
• 第三者(裁判所)が入り、原因を探る作業を進められた。
• 事故に関する内容を文章で知ることが出来た。
• 目にした事実を伝え、証拠も提出できた。(尋問、書証)
• 質問に対して、具体的な回答が返ってきた。
※病院の提案した“審議会”ではどれも出来なかった
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裁判の限界
• 全ての事実を明らかにするものではないと感じた。
争点を絞り、採用された証拠で法律違反かどうか判断。
(4つの鑑定意見書)
• 結果をどう受け止め、今後どう生かしていくのかまで 示してもらうことは出来ない。
• 病院とより大きな溝が出来る。
覚悟はしていたけれど、対立して争うのは苦しい。
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調査会に望むこと
1.事実を全て明らかに
その後の検証も対策も意味を持たない。
2.誠実な対応
一番傷つくのは、「医療の知識がない」という理由などで、
人としての道徳レベルでの対応までされない時。
3.当事者が相談しやすいこと。
4.事故情報→公表→共有→改善へ