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安全で安心して暮らせるまちづくり ~ 県民の期待に応える力強い警察活動の推進 ~ 平成 29 年重点施策 迅速 的確な初動警察活動の推進 特殊詐欺 サイバー犯罪 街頭犯罪及び侵入犯罪の抑止と検挙 凶悪 重要事犯の検挙 犯罪組織の壊滅 弱体化と暴力団排除の徹底子ども 女性 高齢者の犯罪被害と少年非行の

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(1)

平成

29

年版

(2)

安全で安心して暮らせるまちづくり

~ 県 民 の 期 待 に 応 え る 力 強 い 警 察 活 動 の 推 進 ~

平 成 2 9 年 重 点 施 策

○ 迅 速 ・ 的 確 な 初 動 警 察 活 動 の 推 進

○ 特殊詐欺・サイバー犯罪・街頭犯罪及び侵入犯罪の抑止と検挙

○ 凶 悪 ・ 重 要 事 犯 の 検 挙

○ 犯罪組織の壊滅・弱体化と暴力団排除の徹底

○ 子ども・女性・高齢者の犯罪被害と少年非行の防止

○ 交 通 事 故 の 抑 止 と 飲 酒 運 転 の 根 絶

○ テロ・災害等緊急事態への的確な対処

(3)

 「警察のあゆみ」は、埼玉県警察の活動状況等を広く県民の皆様にお知らせするため、毎年発 行しているものです。  平成29年版は、平成28年中の県内治安情勢と各種対策の推進状況について、事例やデータをお 示ししながら解説するものとして、取りまとめました。  特に、平成28年は、指定暴力団六代目山口組の分裂に起因する抗争事件が本県で発生し、これ を検挙解決したこと、交通死亡事故に占める高齢者の割合が増加したこと、特殊詐欺が認知件数、 被害金額ともに前年と比較して減少したものの、依然として高水準で発生していることを踏まえ、 特集として、「暴力団対策及び取締りの現状」、「高齢化社会に向けた交通事故抑止対策の推進」、「振 り込め詐欺をはじめとする特殊詐欺の現状と対策」を掲載いたしました。  平成28年中の犯罪情勢は、刑法犯の認知件数が6万9,456件となり、ひったくりや車上ねらい 等の一部罪種で増加が認められたものの、前年と比べて4,000件、5.4パーセント減少し、平成17 年以降12年連続の減少となりました。また、交通事故情勢は、交通事故死者数が151人で前年に 比べて26人減少し、昭和30年以降で最少となり、人身交通事故件数は2万7,816件と、前年に比 べ1,712件、5.8パーセント減少し、平成元年以降最少となるなど、県内治安は着実に回復してお ります。  県警察では、今年も組織の総合力を発揮して、県民が安全で安心して暮らせるまちづくりのた めに全力を尽くして参ります。  この冊子が、県警察の活動へのご理解とともに、県民の皆様の安全安心の一助となりますよう 期待申し上げるとともに、皆様には今後の県警察の活動に対して、引き続きご支援とご協力を賜 りますようお願い申し上げます。  平成29年4月

平成29年版警察のあゆみの発行に当たって

埼玉県警察本部長

貴 志  浩 平

(4)

(表紙裏) 埼玉県警察基本姿勢・重点施策 発行に当たって 目次 埼玉県警察の組織 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 特集1 暴力団対策及び取締りの現状 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 特集2 高齢化社会に向けた交通事故抑止対策の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 特集3 振り込め詐欺をはじめとする特殊詐欺の現状と対策 ・・・・・・・・・・・・・・ 5 Ⅰ 犯罪情勢と治安回復に向けた警察の取組 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6  ■1 警察事象と警察力 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6  ■2 警察基盤の整備 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 Ⅱ 安全で安心して暮らせるまちづくり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  11  ■1 サイバー空間の安全確保に向けた取組 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  11  ■2 子ども・女性等の安全対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  13  ■3 街頭犯罪・侵入犯罪の抑止 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  15  ■4 地域警察活動の強化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  17  ■5 防犯のまちづくり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  20  ■6 風俗・経済・環境事犯の検挙 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  22  ■7 警察安全相談等への対応 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  24  ■8 少年非行の防止 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  25  ■9 凶悪・重要事件の検挙 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  29  ■10 犯罪組織の壊滅・弱体化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  31  ■11 知能犯罪の発生と検挙 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  35  ■12 科学捜査の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  36  ■13 交通事故の抑止 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  37  ■14 テロ対策の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  40  ■15 災害・重大事案への対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  42  ■16 警備実施 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  43  ■17 犯罪被害者の支援 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  44 Ⅲ 警察官の教育訓練 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  45 警察が実施する指導班の派遣及び講習会 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  46 話題記事(現場活動紹介)「航空隊」の活躍  (裏表紙) 事件・事故等 情報サイトのご紹介

目  次

(5)

総 務 部 総 務 課 文 書 課 広 報 課 情 報 管 理 課 留 置 管 理 課 会 計 課 施 設 課 装 備 課 財 務 局 ○広報 ○予算、監査 ○施設、車両、  装備品の管理 ○コンピュータ  運用管理 ○組織運営にお  ける総合的な  企画 ○採用、人事、  給与 ○犯罪被害者支  援 ○各種研修 ○福利厚生、健  康管理 ○犯罪の予防 ○子どもや女性  を対象とした  犯罪の予防・  取締り ○警察安全相談 ○少年非行の防  止活動 ○風俗・環境・  経済事犯の捜  査 ○風俗営業等の  許可等事務 ○サイバー犯罪  対策 ○交番・駐在所  を拠点とした  パトロール、  巡回連絡等地  域に密着した  活動の推進 ○警察活動全般  にわたる各種  事件・事故の  初動活動等 ○110番の受  理指令 ○殺人、強盗、  放火、誘拐、  恐喝、窃盗、  詐欺、性的犯  罪等の捜査・  取締り ○暴力団、薬物  事犯、拳銃事  犯等の捜査・  取締り ○犯罪鑑識 ○科学捜査によ  る鑑定、検査 ○交通事故防止  のための  ・安全教育  ・指導取締り  ・交通規制  ・事故分析 ○交通事故・事  件の捜査 ○運転免許業務 ○災害時におけ  る諸活動 ○要人の警護 ○テロ・ゲリラ  事件、外国人  密入国事件等  公安を害する  犯罪の捜査 警 務 部 警 務 課 監 察 官 室 教 養 課 厚 生 課 生活安全部 生活安全企画課 子 ど も 女 性 安 全 対 策 課 少 年 課 少 年 捜 査 課 保 安 課 生 活 経 済 課 サ イ バ ー 犯 罪 対 策 課 地 域 部 地 域 課 通 信 指 令 課 自動車警ら隊 鉄 道 警 察 隊 警 備 部 公 安 第 一 課 公 安 第 二 課 公 安 第 三 課 警 備 課 危 機 管 理 課 外 事 課 機 動 隊 刑 事 総 務 課 捜 査 第 一 課 捜 査 第 二 課 捜 査 第 三 課 鑑 識 課 科学捜査研究所 機 動 捜 査 隊 組織犯罪対策課 捜 査 第 四 課 薬物銃器対策課 国 際 捜 査 課 刑 事 部 組織犯罪対策局 交 通 企 画 課 交 通 指 導 課 交 通 捜 査 課 交 通 規 制 課 交 通 機 動 隊 高 速 道 路 交 通 警 察 隊 交 通 部 運 転 免 許 課 運 転 管 理 課 運転免許試験課 運転免許本部 警 務 留置管理 会 計 生活安全 地 域 刑 事 交 通 主な仕事 ○交通安全対策  ・交通安全教  育 ○交通規制・指  導取締り ○交通事故・事  件の捜査 ○運転免許事務 警 備 主な仕事 ○公安を害する  犯罪の捜査 ○不法入国・不  法滞在の取締  り ○要人の警護 ○災害時におけ  る諸活動 主な仕事 ○落し物・拾い  物の受付 ○庁舎の管理 ○職員の給与事  務 主な仕事 ○交番・駐在所  等を拠点とし  たパトロール  活動 ○少年補導・交  通指導取締り  等の諸活動 ○各種事件・事  故の初動活動 主な仕事 ○犯罪の予防 ○警察安全相談  ・行方不明者  届出の受理 ○少年非行防止 ○サイバー・ス  トーカー・風  俗・環境・経  済事犯及び子  ども・女性対  象犯罪の取締  り ○風俗営業等の  許可等事務 主な仕事 ○殺人・強盗等  凶悪事件及び  窃盗事件の捜  査 ○暴力団犯罪の  取締り ○詐欺・横領・  贈収賄事件等  知能犯罪の捜  査 ○薬物・銃器事  犯の捜査 ○鑑識活動 ○職員採用試験  受付 ○福利厚生 ○犯罪被害者支  援窓口 ○警察安全相談  窓口 主な仕事 ○被留置者に対  する差し入れ ○護送・留置施  設の管理運営  の受付 主な仕事 主 な 仕 事 主 な 仕 事 主 な 仕 事 主 な 仕 事 主 な 仕 事 主 な 仕 事 主 な 仕 事 警察署(39署、250交番、119駐在所、1警備派出所) 警 察 学 校 第 一 ∼ 第 四 方 面 本 部 さ い た ま 市 警 察 部 総 務 課 埼玉県公安委員会

埼玉県警察の組織

(平成29年4月現在) 埼玉県警察本部 (警察官11,524人 一般職員1,111人) 〈平成29年度条例定数〉

(6)

 警察では、市民生活を脅かす暴力団の壊滅・弱体化を目指して、暴力団犯罪の取締りや資金源 遮断を強化するとともに、暴力団排除に取り組む事業者に対する暴力団情報の提供、保護対策の 強化等に取り組んでいます。

1 対立抗争対策

 平成27年8月末に指定暴力団六代目山口組傘下の直系組長13人 が離脱して神戸山口組を結成しました。神戸山口組は、六代目山 口組構成員を切り崩して傘下に加えるとともに、過去に六代目山 口組から絶縁等の処分を受けた者を構成員として復帰させるなど、 その勢力拡大を図っていることから、全国各地で両団体間におけ る事件やトラブルが発生しています。  本県においても、両団体の分裂に起因すると認められる拳銃発 砲事件や放火事件が発生しており、六代目山口組・神戸山口組対 立抗争集中取締本部を設置し、市民生活の大きな脅威となる対立 抗争関連事件の取締りを重点的に行っています。  今後も、両団体の動きに最大限の注意を払い、取締りや警戒の 強化、関連情報の収集等を推進し、対立抗争の火種となるような 事件の検挙を徹底するなどして、対立抗争の防ぼうあつ遏と組織の弱体化 を図ることとしています。

2 暴力団犯罪の取締り

 県警察では、平成18年以降、毎年1,000人以上の暴力 団構成員等を検挙しています。  検挙人員のうち、暴力団の有力な資金源となってい る覚せい剤取締法違反、恐喝、賭博等の伝統的な資金 獲得犯罪が占める割合は全体の3割程度で推移してお り、財産犯である窃盗、詐欺、強盗も含めると全体の 約半数が資金獲得に関わる犯罪となっています。  県警察では、暴力団の資金源遮断に重点をおき、暴 力団の活動の変化に対応しながら効果的な取締りを推 進しています。 罪種別検挙状況(平成28年中)

特集1 暴力団対策及び取締りの現状

《県内における六代目山口組と神戸山口組の対立抗争に係る事件の検挙事例》

⃝ 八潮市内における民家に対する拳銃発砲事件(H28.2発生) ⃝ 熊谷市内における六代目山口組傘下組織幹部の所有車両に対する放火事件(H28.3発生) ⃝ 行田市内における六代目山口組傘下組織事務所に対する放火未遂事件(H28.3発生) 警察本部に取締本部を設置 検挙人員の推移 (注)平成28年中の統計値は暫定値 - 2 -

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3 暴力団の資金源対策

 暴力団は、飲食店等に対してみかじめ料や用心棒料等を不当に要求し、その活動資金を得てい ることから、警察官が飲食店等を個別訪問して積極的な情報収集を行い、不当要求に対しては暴 力団対策法に規定される中止命令等を積極的に発出しているほか、暴力団の活動に積極的に協力 している事業者に対し、埼玉県暴力団排除条例に基づく勧告等の措置を講じ、暴力団の資金源遮 断対策を推進しています。

4 暴力団排除対策の推進

 「社会対暴力団」の構図の下に、県民生活や社会経済活動からの暴力団排除を徹底するため、 次のような対策を推進しています。 ⑴ 暴力団排除のための広報啓発活動  県民、事業者の皆様に暴力団の実態、暴力団排除活動の必要 性等を周知するため、地域・職域ごとに設立された暴力排除団 体等と協力して、毎年、暴力追放・薬物乱用防止埼玉県民大会 や暴力団排除キャンペーンを開催しています。  また、事業者の皆様が行う各種契約等から暴力団を排除する ため、契約約款等に暴力団排除に関する条項を設けていただく よう働きかけを行っています。 ⑵ 公共工事、各種業からの暴力団排除対策  暴力団関係企業の実態解明を推進し、暴力団員が実質的に事業活動を支配していることが判  明した企業等について、公共工事の入札参加除外措置や建設業、産廃業等各種業の許認可の取 消し等の措置が行われるよう、県や市町村に対し積極的に通報しています。

5 暴力団事務所の撤去

 暴力団事務所は、対立抗争事件の発生時等には攻撃対象になるなど、付近住民や事業者の方々 の平穏を脅かす存在です。  暴力団対策法では、住民の方々の安全等を考慮して、付近住民から委託を受けた(公財)埼玉県 暴力追放・薬物乱用防止センターが訴訟を提起できる制度が設けられており、平成28年4月には、 草加市内に所在する暴力団事務所について、当該制度を利用した全国2例目の暴力団事務所使用 差止請求訴訟により、暴力団事務所が撤去されました。

6 保護対策の徹底

 暴力団は、要求に応じない人に対し、報復や見せしめのため の襲撃事件、嫌がらせ行為を行うなど、目的を遂げるためには 手段を選ばない凶悪性が見られ、依然として社会の脅威となっ ていることから、暴力団とトラブルを抱えてしまった方々に対 し、警察官による定期的な立寄り警戒や保護対策用資機材の効 果的な活用等により、その身辺の安全等に万全を期しています。

《平成28年中の主な排除事例》

⃝ 建設業を営む法人の代表者が暴力団員と社会的に非難されるべき関係を持つことが判明したこ とから、当該法人について埼玉県及び2市が公共工事の入札から一定期間除外する措置を実施 (H28.4) ⃝ 産廃業を営む法人が、廃掃法に規定される欠格要件(法人の役員等が、暴力団員でなくなってか ら5年を経過しない者であるもの)に該当することが判明したことから、許可取消し処分(H28.5) ⃝ 建設業を営む法人が、建設業法に規定される欠格要件(暴力団員がその事業活動を支配している もの)に該当することが判明したことから、許可取消し処分(H28.10) 暴力追放・薬物乱用防止埼玉県民大会 身辺警戒員訓練の実施状況

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高齢運転者の免許人口と交通事故発生状況

 埼玉県は、高齢者の運転免許人口が年々増加しており、 平成28年中の高齢者免許人口は約95万人、全運転免許人口 に占める割合は20.4パーセントです。  また、高齢運転者(原付車以上)が第一当事者となる交通 事故の全体に占める割合は、死亡事故は23.8パーセント、 人身事故は20.6パーセントと年々増加しています。

高齢運転者事故防止対策の推進

1 高齢運転者への対応

 県警察では、高齢運転者の身体機能の低下による交通事 故の防止を図るため、実車講習や体験型講習予備検査を取 り入れた「シルバー・ドライバー・ドック」を実施しています。  また、実車講習等で撮影したドライブレコーダー等を活用し、記録した映像により実際の運 転状況を確認させながら、必要なアドバイスを行う交通安全教育を実施しています。 

2 運転免許の自主返納

 運転免許を自主返納して、運転経歴証明書を取得した高齢者に対して は、タクシー料金やコミュニティバス料金割引等の生活支援を行う「シ ルバー・サポーター制度」を実施しています。  また、運転免許更新の待ち時間等の機会を利用し、認知症の早期発見 のきっかけとなる、車の運転時に現れやすい状態30項目をリストアップ した「運転時認知障害早期発見チェックリスト30」を活用するなど、自 主返納を考えてもらう機会を提供しています。

特集2 高齢化社会に向けた交通事故抑止対策の推進

高齢者運転免許人口の推移 高齢運転者(原付車以上)が 第一当事者となる割合の推移 ※第一当事者が原付車以上の事故 シルバー・ドライバー・ドック ドライブレコーダー等の映像を活用した講習 シルバー・サポーター制度 周知用リーフレット - 4 -

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 警察では、電話等で嘘の口実を設けて、不特定多数の者から現金等をだまし取る犯罪を「特殊 詐欺」と呼んでいます。その中でも代表的なものが「振り込め詐欺」です。

1 特殊詐欺の現状

⑴ 被害状況  平成28年中の振り込め詐欺をはじめとする特殊詐欺 被害は、認知件数972件、被害金額約21億円でした。 認知件数、被害金額ともに前年と比べ減少したものの、 被害は連日のように発生しています。  手口については、息子や孫等を装い現金をだまし取 るオレオレ詐欺が最も多く、サイト利用料や訴訟回避 等の名目で電子マネーや現金をだまし取る架空請求詐 欺や還付金等詐欺等も多発しています。 ⑵ 検挙状況  平成28年中は、特殊詐欺で156人、特殊詐欺に悪用する携帯電話や預貯金口座等を契約し、売 買するなどの特殊詐欺助長犯罪で148人、その他関連事件を含め合計305人の犯人を検挙しました。

2 特殊詐欺被害防止対策

⑴ 被害防止(未然防止)状況  平成28年中、特殊詐欺の未然防止事案は806件、未 然防止した額は約14億円でした。未然防止の多くは、 金融機関職員等が注意喚起を行い、被害を未然に防い だものです。 ⑵ 主な被害防止対策  県警察では、民間事業者に委託して特殊詐欺被害防止コールセンターを開設し、電話で直接県民 や金融機関に対し、注意喚起と被害防止対策の案内を行っているほか、振り込め詐欺抑止対策員の 配置や県警察が制作した金融機関職員用DVDの活用による水際防止対策等を実施しています。  また、自動通話録音・警告機等の普及促進による被害者に犯人からの電話を取らせない対策の 推進、自主防犯活動団体等と連携した戸別訪問をはじめとする高齢者、息子や孫世代に対する被 害防止の広報啓発等、県民総ぐるみによる被害防止対策を推進しています。

特集3 振り込め詐欺をはじめとする特殊詐欺の現状と対策

認知件数・被害金額の推移 (注)平成28年中の統計値は暫定値 未然防止件数・金額の推移

《平成28年中の主な検挙概要》

 県警察に寄せられた情報や逮捕した犯人からの突き上げ捜査に よって、県内及び都内の犯行拠点(アジト)合計6か所を割り出し、 アジト急襲型捜査で犯人グループ等26人を検挙しました。県民の 皆様の協力を得て実施した「だまされた振り作戦」では、合計76 人の犯人を検挙しました。 犯行アジトからの押収品

(10)

 警察事象と警察力

1 刑法犯認知件数等の推移

 刑法犯認知件数は、平成16年には過去最多となる18万1,350件に達しましたが、平成17年以降 は12年連続で減少し、平成28年は6万9,456件となりました。昭和62年以来、初めて7万件を下 回り、当時の治安水準にまで回復しつつあります。

2 県内市区町村別人口1,000人当たりの刑法犯認知件数(平成28年中)

 平成28年の市区町村別人口1,000 人当たりの刑法犯認知件数(犯罪率) は、年間の認知件数が最多であった 平成16年と比較すると、25件以上の 市区町村がなくなり、ほとんどの市 区町村が15件未満となりました。

Ⅰ 犯罪情勢と治安回復に向けた警察の取組

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(11)

3 警察官1人当たりの負担状況(平成28年4月1日現在条例定数)

 本県は、平成13年度以降、全国最多の2,831人の警察官が増員されていますが、警察官1人当 たりの人口負担、業務負担は依然として過重であり、全国上位にあります。 ⑴ 人口(平成28年4月1日現在推計人口) ⑵ 刑法犯認知件数(平成28年中) ※順位は小数点第2位までの値で算出 ⑶ 110番受理件数(平成28年中) ⑷ 重要犯罪認知件数(平成28年中) ※重要犯罪:殺人、強盗、放火、強ごう姦かん、略取誘拐・人身売買、強制わいせつ ㆙ᐹᐁ  ேᙜࡓࡾ 㻢㻟㻠 㻢㻞㻟 㻢㻝㻡 㻡㻤㻟 㻡㻡㻠 㻡㻟㻥 㻠㻢㻟 㻠㻢㻜 㻠㻝㻟 㻟㻝㻟 㻠㻥㻜 㻝㻜         ⁠㈡ ᇸ⋢ ᐑᇛ ⚄ዉᕝ ឡ▱ ༓ⴥ රᗜ ⚟ᒸ ኱㜰 ㆙どᗇ ඲ᅜᖹᆒ 㸯 ఩ 㸰 㸱 ఩ 㻝㻥 ఩ 㻞㻣 㻟㻣 ఩ 㻟㻤 㻠㻡 ఩ 㻠㻣 㸦ே㸧            Ἀ⦖ ឡ▱ ᇸ⋢ ⚄ዉᕝ ኱㜰 ༓ⴥ ⚟ᒸ රᗜ ㆙どᗇ ඲ᅜᖹᆒ 㸦௳㸧 㸯 ఩ 㸰 㸱 ఩ 㸲 㸶 ఩  ఩  㸷 ఩  ㆙ᐹᐁ  ேᙜࡓࡾ     ఩ 㸰 㸲 ఩ 㸳  ఩  ఩ 㸵 ఩            ኱㜰 ᇸ⋢ Ⲉᇛ ឡ▱ ༓ⴥ රᗜ ⚟ᒸ ⚄ዉᕝ ㆙どᗇ ඲ᅜᖹᆒ 㸦௳㸧 ㆙ᐹᐁ  ேᙜࡓࡾ     ኱㜰 ᇸ⋢ ༓ⴥ ⚟ᒸ ឡ▱ ⚄ዉᕝ රᗜ ㆙どᗇ ඲ᅜᖹᆒ       㸦௳㸧 ㆙ᐹᐁ ேᙜࡓࡾ 㸯 ఩ 㸰 ఩ 㸱 㸳 ఩ 㸵   ఩         

(12)

⑸ 重要窃盗犯認知件数(平成28年中) ※重要窃盗犯:侵入盗、自動車盗、ひったくり、すり

4 警察官1人当たりの検挙件数(平成28年4月1日現在条例定数)

 県警察では、県民の皆様のご理解とご協力を得て警察活動を推進した結果、全国平均を上回る 検挙実績を上げています。 ⑴ 刑法犯検挙件数(平成28年中) ⑵ 重要犯罪検挙件数(平成28年中) ※重要犯罪:殺人、強盗、放火、強ごう姦かん、略取誘拐・人身売買、強制わいせつ ⑶ 重要窃盗犯検挙件数(平成28年中) ※重要窃盗犯:侵入盗、自動車盗、ひったくり、すり      㸦௳㸧 ㆙ᐹᐁ ேᙜࡓࡾ   ඲ᅜᖹᆒ ᇸ⋢ ឡ▱ ⚟ᒸ ⩌㤿 Ⲉᇛ 㸯 ఩ 㸰 ఩ 㸲఩ ୕㔜 㸱 ఩ 㸴 ఩ 㸷  ༓ⴥ  ఩  ⚄ዉᕝ  ఩  රᗜ  ఩ ㆙どᗇ ኱㜰 ఩ ఩        Ⲉᇛ ឡ▱ ༓ⴥ ᇸ⋢ ⚟ᒸ ኱㜰 රᗜ ⚄ዉᕝ ㆙どᗇ ඲ᅜᖹᆒ 㻜 㻠㻜 㻞㻜 㻤㻜 㻢㻜 㻝㻞㻜 㻝㻜㻜 㸦௳㸧 ㆙ᐹᐁ ேᙜࡓࡾ        㸯 ఩ 㸰 ఩ 㸱఩ 㸵 ఩    ఩   ఩ ఩ ఩    㸦௳㸧 ㆙ᐹᐁ  ேᙜࡓࡾ 㸯 ఩ 㸰఩ 㸱 㸳 ఩ 㸴఩ 㸶఩     ఩         ⩌㤿 Ⲉᇛ ዉⰋ ឡ▱ ⚟ᒸ ᇸ⋢ ⚄ዉᕝ රᗜ ༓ⴥ ኱㜰 ㆙どᗇ ඲ᅜᖹᆒ      㻝 㻞 㻟 㻠 㻡 㻢 㸦௳㸧 ᇸ⋢ ኱㜰 ⁠㈡ ⚟ᒸ ⚄ዉᕝ රᗜ ឡ▱ ༓ⴥ ㆙どᗇ ඲ᅜᖹᆒ ㆙ᐹᐁ ேᙜࡓࡾ 㸯 ఩ 㸰 ఩ 㸱 ఩ 㸲 ఩ 㸳 ఩ 㸵  ఩  ఩  ఩           - 8 -

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 警察基盤の整備

1 優秀な人材の確保

 増員や大量退職に伴い、平成13年度以降、毎年500 人を超える警察官を採用し、必要な警察力の確保に努 めています。真に本県警察で活躍できる人材を確保す るため、大学等を訪問して行う就職説明会やインター ンシップ、警察学校でのチャレンジセミナー (体験・ 体感型業務説明会)等の各種イベントを開催している ほか、OB(リクルーター )職場訪問の受入れも随時 行っています。  また、SNS(Twitter(ツイッター )、Facebook(フェイスブック)、LINE(ライン))や埼玉県 警察採用メールマガジンにて各種イベント、採用試験等の情報をタイムリーに配信しています。 ※受験案内・申込書は、採用センター又は県内の警察署、交番、駐在所で配布しています。

2 女性が活躍できる職場環境づくりの推進

 女性の視点を一層反映した警察活動を推進するた め、平成26年4月1日に、埼玉県警察女性警察官キャ リアサポートセンターを設置し、女性職員の採用・登 用の拡大、能力や実績に応じた人材育成、ハラスメン ト防止対策等に努めています。  また、育児休業から復帰した女性職員が仕事と育児 の両立を図り、その能力を十分発揮できるよう、勤務 を通じた職場復帰支援等のサポート等、女性職員が働 きやすい職場環境づくりを推進しています。 埼玉県警察インターンシップ 仕事と子育ての両立に関する セミナーの開催 回  数 試 験 区 分 申込受付期間 第1次試験日 最終合格発表日 第1回試験 Ⅰ類(男性・女性) Ⅱ類(男性・女性) Ⅲ類(男性・女性) 国際捜査Ⅰ類(スペイン語・中国語) 武道・体育指導Ⅰ類(柔道・剣道) サイバー犯罪捜査Ⅰ類 4月3日(月) ~ 4月17日(月) 5月14日(日) 8月22日(火) 第2回試験 Ⅰ類(男性・女性) Ⅱ類(男性・女性) Ⅲ類(男性・女性) 武道・体育指導Ⅰ類(柔道・剣道) 8月4日(金) ~ 8月30日(水) 9月17日(日) 12月19日(火) ■ 平成29年度埼玉県警察官採用試験日程

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3 警察官の増員

 警察官の定員は、警察法(第57条第2項)の規定によ り、政令(警察法施行令)で定める基準に従い、条例で定 めることとされています。  国(警察庁)は、全国的な治安の悪化に対応するため、 平成13年度から警察官を計画的に増員し、警察官不足の 著しい本県には、全国最多となる2,831人の増員が措置 されました。  増員された警察官は、警察署の地域部門を中心に現場 の警察力を強化するための要員として配置しています。

4 組織の整備

 治安情勢の変化に的確に対応するため、必要に応じて 組織の見直し、体制整備を図っています。  最近の主な組織の整備状況は右表のとおりです。

5 非常勤職員による業務の補助・補完

 警察官の業務を補助・補完するため、退職警察官を積 極的に活用して、交番相談員、中学校の非行防止活動を 支援するスクール・サポーター、金融機関等で未然防止 活動を行う振り込め詐欺抑止対策員等の非常勤職員を配 置しています。

6 施設の整備

⑴ 警察庁舎の改築  耐震化が完了していない警察庁舎の優先的かつ計画的 な整備を進めています。  平成29年秋に大宮警察署等統合庁舎(さいたま市大宮 区:科学捜査研究所及び警察本部鑑識課を統合)が完成 予定であり、岩槻警察署及び所沢警察署の現在地建て替えについても同時に進めています。  平成29年度は、これらの事業を進めるほか、朝霞警察署の移転改築事業に着手します。 ⑵ 交番の改築  平成28年度は、老朽・狭あい化により十分な県民サービスが提供できていない交番4か所を改 築しました。  平成29年度は、交番3か所、駐在所1か所の改築を進めます。このうち、越谷レイクタウン地 区の居住人口及び商業施設への来場者の増加に伴う治安対策のため、大相模交番を越谷レイクタ ウン駅前に移転改築します。 平成26年度 生活安全部 地域安全対策推進室(新設)刑 事 部 特殊詐欺捜査室(新設) 警 備 部 危機管理課(名称変更) 平成27年度 生活安全部 保安課(名称変更)生活経済課(名称変更) 平成28年度 刑  事  部 捜査支援・通訳センター(新設) 警  備  部東京オリンピック・パラリンピック警備対策室 (新設) ◇ 警察署地域部門への   重点配置 ◇ サイバー犯罪対策 ◇ 人身安全関連事案の   対処体制の確保 ◇ 振り込め詐欺対策  ◇ 国際テロ対策  等 平成13 19年度 計 2,425人 平成21年度 63人 平成22年度 91人 平成23年度 79人 平成24年度 23人 現場の警察力を強化 増 員 配 置 警 察 官 の 増 員 状 況 と 配 置 平成25年度 25人 平成27年度 61人 合計 2,831人 平成28年度 64人 振り込め詐欺抑止対策員の活動状況 大宮警察署新庁舎完成予想図 - 10 -

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 サイバー空間の安全確保に向けた取組

1 サイバー犯罪の現状

 サイバー犯罪は、インターネット等高度情報通信ネットワークを利用した犯罪やコンピュータ 又は電磁的記録を対象とした犯罪等の情報技術を利用した犯罪です。平成28年中、県内のインター ネットバンキングにおける不正送金事犯は89件(前年比-16件)、被害金額は約7,240万円と多発 しています。 ⑴ サイバー犯罪に関連する相談受理状況  平成28年中の相談件数は6,834件で、詐欺、悪質商法被害や迷惑メールに関する相談件数が多 くなっています。 ⑵ サイバー犯罪の検挙状況  平成28年中は、292件218人(前年比-175件、+9人)を検挙しています。また、出会い系サイト等 の利用に起因する事件の検挙は126件で、児童が被害者になる事例は依然として多い状況です。

Ⅱ 安全で安心して暮らせるまちづくり

《平成28年中の主な検挙》

⃝ 不正プログラムを含むチートツールを第三者に利用させることにより、オンラインゲームの識別 符号を不正に入手するとともに、第三者になりすましてオンラインゲームで遊戯するなどした、不 正指令電磁的記録供用、不正アクセス及び私電磁的記録不正作出・同供用事件 (サイバー犯罪対策課ほか) ⃝ 海外サーバを利用してインターネット上に銀行口座買取サイトを開設し、預貯金通帳等の有償譲 渡しを誘引した犯罪収益移転防止法違反事件 (サイバー犯罪対策課ほか) サイバー犯罪検挙状況の推移 相談件数の推移 出会い系サイト等の利用に 起因する被害者数等の推移 相談内容(平成28年中) 㻣㻘㻜㻜㻜 㻤㻘㻜㻜㻜 㻴㻞㻤 㻢㻘㻤㻟㻠 㻴㻞㻣 㻣㻘㻜㻡㻞 㻴㻞㻠 㻴㻞㻡 㻴㻞㻢 㻟㻘㻜㻣㻥 㻟㻘㻣㻡㻢 㻢㻘㻝㻟㻢 㻢㻘㻜㻜㻜 㻡㻘㻜㻜㻜 㻠㻘㻜㻜㻜 㻟㻘㻜㻜㻜 㻞㻘㻜㻜㻜 㻝㻘㻜㻜㻜 㻜 ௳ ブḭࠊᝏ㉁ၟἲ ௳  ୙ṇ࢔ࢡࢭࢫ⿕ᐖࠊ ࢿࢵࢺ࣮࣡ࢡࢭ࢟ࣗࣜࢸ࢕㛵㐃 ௳  ྡ㄃ẋᦆࠊㄦㅫ୰യࠊ⬣㏕⿕ᐖ ௳  ࢖ࣥࢱ࣮ࢿࢵࢺ࣮࢜ࢡࢩࣙࣥ⿕ᐖ ௳  㐪ἲ࣭᭷ᐖ᝟ሗࡢⓎぢࠊྲྀ⥾ࡾせᮃ ௳  ࢡࣞࢪࢵࢺ࣮࢝ࢻ≢⨥⿕ᐖ ௳  ࢥࣥࣆ࣮ࣗࢱ࣭࢘࢖ࣝࢫ⿕ᐖ ௳  ㏞ᝨ࣓࣮ࣝࠊ ࢫࣃ࣒࣓࣮ࣝ⿕ᐖ ௳  ࡑࡢ௚ ௳  㻠㻜㻜 㻡㻜㻜 㻟㻜㻜 㻞㻜㻜 㻝㻜㻜 㻴㻞㻤 㻜 ᳨ᣲ௳ᩘ ᳨ᣲேဨ ௳ே 㻞㻥㻞 㻞㻝㻤 㻞㻥㻠 㻞㻝㻣 㻟㻟㻡 㻴㻞㻣 㻴㻞㻠 㻴㻞㻡 㻴㻞㻢 㻝㻢㻣 㻝㻣㻟 㻞㻜㻥 㻠㻢㻣 㻞㻜㻥

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2 サイバー犯罪対策の推進

⑴ 広報・啓発活動  県民に向け、サイバー犯罪被害防止を目的とした情報 セキュリティ講演・キャンペーン・セミナー等を実施し ています。また、県内の大学、専門学校に通う外国人留 学生に対し、サイバー犯罪への関与を防止するための講 演を行っています。 ⑵ 埼玉サイバーセキュリティ推進会議  埼玉サイバーセキュリティ推進会議は、サイバー空間における県民の安全と安心を確保するた め、県内に所在する関係機関、団体で構成された会議で、サイバーセキュリティセミナーを開催 するなど、サイバー空間の実態把握や情報共有等に取り組んでいます。 ⑶ サイバー犯罪対処能力の向上  県内の全警察署にサイバー犯罪捜査官(iCop(アイコップ))として指定した警察官を配置し、サ イバー犯罪捜査に当たらせるとともに、情報通信技術に関する有識者2人をサイバー犯罪対策技 術顧問に委嘱し、深刻化するサイバー犯罪の対処能力を強化しています。

3 サイバー攻撃対策の推進

 サイバー攻撃には、情報通信技術を用いて政府機関を含む重要インフラ事業者等の基幹システ ムを機能不全に陥れ、社会の機能を麻ま ひ痺させてしまうサイバーテロや、政府機関、先端技術を有 する事業者等から機密情報を窃取するサイバーインテリジェンスがあります。 用  語 用語の意味 目  的 対  象 主な手口 (例)標的型メール攻撃  特定の対象にウイルス対 策ソフトで検知できない不 正プログラム等を添付した 電子メールを送る攻撃のこ とで、政府機関や企業等の 職員からの情報窃取が目的 であると見られています。  受信者が添付ファイルを 開くことで不正プログラム に感染し、コンピュータ内 の重要データが知らないう ちに盗まれたり、サイバー 攻撃の踏み台になる場合が あります。 サイバーテロ ・重要インフラの基 幹システムに対す る電子的攻撃 ・重要インフラの基 幹システムにおけ る重大な障害で電 子的攻撃による可 能性が高いもの 基幹システムの 機能障害 重要インフラ事業者等 情報通信、金融、航空、 鉄道、電力、ガス、 政府・行政サービス、 医療、水道、物流、 化学、クレジット、石油 ・コンピュータへ のアクセス集中 ・不正プログラム への感染 ・コンピュータへ の不正アクセス サイバー インテリジェンス サイバー空間における諜ちょう 報 ほ う 活動 機密情報の窃取 ・政府機関・先端技術を有する企業 ・コンピュータへ の不正アクセス ・不正プログラム への感染 (例)標的型メール攻撃 ⑴ 官民連携による被害の未然防止  サイバー攻撃の標的となるおそれのある事業者等と 構築している「埼玉県サイバーテロ対策協議会」、「サイ バーインテリジェンス情報共有ネットワーク」を通じた 情報共有や注意喚起等により、被害の未然防止に努めて います。 ⑵ サイバー攻撃事案の実態解明  県警察では、サイバー攻撃に関する捜査のほか、情報 を集約・分析するなどして、実態解明を進めています。 サイバー犯罪被害防止キャンペーン 埼玉県サイバーテロ対策協議会第7回総会 - 12 -

(17)

 子ども・女性等の安全対策

 ストーカー事案、ドメスティック・バイオレンス(DV)事案等の恋愛感情のもつれに起因する 暴力的事案をはじめ、子どもや女性等が被害者となる犯罪に対し、女性警察官の視点を取り入れ た警察活動を推進するなど被害者の安全確保を最優先とした迅速、的確な対応に努めています。

1 人身安全関連事案への対応

 「人身安全関連事案」とは、ストーカー事案、 ドメスティック・バイオレンス(DV)事案、行 方不明事案、児童・高齢者・障害者虐待事案等 人身の安全を早急に確保する必要が認められる 事案をいいます。  人身安全関連事案に対しては、生活安全部門 と刑事部門が密接に連携するなど組織的に対処 する必要があることから、平成26年4月に「埼 玉県警察人身安全初動指揮本部」を新設し、人 身安全関連事案の初動指揮体制を整備しました。  初動指揮本部では、事案の危険性・切迫性を 判断し、これに基づき行為者の事件検挙、行政 措置、被害者の保護対策等必要な措置を速やか に講じるなど被害の未然防止に努めています。

2 ストーカー・DV対策の推進

⑴ ストーカー対策  平成28年中のストーカー事案の相談受理件数 は1,009件で、前年と比べて43件増加し、依然と して高い水準で推移しています。  ストーカー事案を認知した際は、被害者の安 全を最優先に考え、身辺警戒等の保護対策の実 施、ストーカー行為等の規制等に関する法律そ の他の法令を適用した検挙、行為者に対する警 告等を推進し、被害の拡大防止に努めています。  平成28年中は、ストーカー規制法違反23件を はじめ、住居侵入、脅迫、暴行等67件の事件を 検挙したほか、ストーカー規制法に基づく警告 を145件実施しています。 ストーカー事案取扱いの推移

埼玉県警察人身安全初動指揮本部

指揮本部長(警察本部長)

関 係 部 長 関 係 参 事 官 幕  僚 副本部長 本 部 員 関 係 所 属 長 等 初動指揮班(24時間体制) 統括指揮官 指揮補佐官 班   員

(18)

⑵ ドメスティック・バイオレンス(DV)対策  平成28年中の配偶者等からの暴力(DV)相談受 理件数は5,238件で、前年と比べて693件増加しま した。  DV相談を受理した際は、相談者の安全を最優 先に考え、保護対策や防犯指導を実施するととも に、加害者に対する指導、警告及び検挙等、相談 者の立場に立った対策を推進しています。  平成28年中は、暴行、傷害等で455件を検挙し たほか、DV法に基づく警察本部長等の援助を 956件実施しています。また、55件の保護命令が 発出されています。

3 子どもと女性の犯罪被害防止

 平成28年中、強ごうかん姦及び強制わいせつの認知件数 は493件で、うち18歳以下の子どもの被害は207件 でした。  また、「声をかける」、「手をひく」、「肩に手を かける」、「後をつける」等の声かけ事案認知件数 は年々増加し、平成28年中は3,045件でした。  県警察では、こうした声かけ事案を犯罪の前兆 行為とみなし、早期に行為者を特定して検挙、指 導・警告を行う先制・予防的な活動を積極的に実 施しています。

犯罪被害を防止するためのポイント

性犯罪・声かけ事案認知件数の推移 DV事案取扱いの推移 【子どもの被害防止】 ~4つの約束を覚えましょう~ 1 ひとりにならない 2 知らない人についていかない 3 大きな声で助けを呼ぶ 4 だれとどこで何時まで遊ぶか家の 人に話す 【女性の被害防止】 ○ 暗い道、人通りの少ない道は避けて通る ○ 周囲の様子に気を配り「もしかしたら・・・」 という気持ちを常に持つ ○ 歩きながら携帯電話等の操作や音楽プレー ヤーの音楽に夢中にならない ○ 来訪者に対して安易にドアを開けない ○ 2階以上でも玄関や窓は必ず施錠する ○ 知らない人の車には絶対に乗らない ○ エレベーターや車に乗るとき、帰宅時に玄関 を開けるとき等は、付近に不審な人がいないか 確かめる - 14 -

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