食品産業新聞 特集 【夏味噌特集】量より質、個食ニーズ高まる (2016/7/28) ▽〝減塩〟トレンドさらに過熱へ みその売場では、以前ほど特売の効果が得られない状況が起きているという。現場からは、 「上場会社がいくら儲かっても、末端の消費者の懐まで潤っていない証拠。全く景気が上 がらないからだ」という声がよく聞かれる。 しかし、特売の効果が得られない理由はどうやら他にもあるようだ。これまでの特売タ ーゲットが高齢になり、小容量で少し価格の高いものを求めるようになった。若い世代は もともとみそ汁を飲む習慣に乏しく、昔ほど大家族な家庭は少なくなった。即席みそ汁で も、同様の傾向が見られるようで、一時は災害用の備蓄食として多食用が東日本大震災後 は飛ぶように売れたが、最近はその勢いも衰え、1食100円のフリーズドライみそ汁が 好調に売れている。個食売場を新設する売場も増えてきており、今後はみそ売場全体を見 直して、ニーズの高まりが期待される高単価の個食商品を軸とした売場づくりが必要にな ってくるのかもしれない。 @本文 年明けからみその出荷量の下げ止まり感が漂ったが、中小メーカーでは依然として厳しい 状況が続いている。 最近の出荷量推移では、昨年の消費増税の影響で、4月が前年比で増加、5月が減少し、 6月で増加と、需要の持ち直しを期待させるような印象を受ける。 今年は特に、和食の盛り上がりを後押しするような動きがある。和食の無形文化遺産登録 の流れから、一般社団法人和食文化国民会議が立ち上がり、活動が開始された。また、5 月から開催されているミラノ万博も中盤を迎え、みそやしょうゆといった日本を代表する 調味料のメーカーが和食の料理人を現地に送り込み、和食ブームの火付け役として奮闘し ている。 こうした和食を取り巻く環境が活気づいていることも、みその消費に影響を与え、減少傾 向を食い止めている要因のひとつと言えそうだ。 秋冬のみその新製品では、“減塩”トレンドがさらに過熱しそうだ。マルコメの「丸の内タニ タ食堂の減塩みそ」の大ヒットを受け、ひかり味噌の「女子栄養大学 栄養クリニック監修 無添加減塩みそ」も消費者の支持を得ていることから、この路線での商品開発がひとつの ブームになりつつある。激増するシニア層に向け、“健康・美容”を軸とした商品が、今年後 半は売場に溢れかえることが予想される。 一方、販売では、これまでの販促が通用しなくなっているようだ。特売をかけてもこれま でのように売れない現象が起きているという。これまでのボリュームゾーンだった40~50 代の消費者が価格に反応しなくなったと見るバイヤーが増えていることから、小売からは
「定番をしっかり売るための企画」を求められるメーカーも少なくない。つまり、高級な みそをワインや焼酎といった酒類やつまみとなる惣菜などとのセット販売など、具体的な 食シーンを消費者に提示できるような企画が求められているという。つまり、これからは、 特売や増量ではなく、『量より質』が求められる時期に入ったと言っていい。高価で小容量 でも買うシニア層からの支持を得るには、これまで以上に大胆な発想が必要になってくる だろう。 こうした『量より質』を求めるトレンドは、即席みそ汁の分野でも起きているという。東 日本大震災発生後は、20 食や 30 食といった大容量な製品が良く売れたが、最近はだんだん と個食ニーズが高まっているようだ。震災で即席みそ汁を飲み始めたシニア層が増えてい るのは確かで、そうしたシニア層をさらに満足させられる商品の開発に取り組むメーカー も存在する。 即席みそ汁のボリュームゾーンは大容量タイプと言われているが、実は個食タイプの市場 も同じぐらいあることを示す市場調査も公にされている。個食ニーズが高まっている理由 は、家族別々で食事をとる家庭が多いからで、昔のように鍋で大量にみそ汁を作る家庭は 激減しているのが現実なのだろう。 そのため、みその需要は減少し、即席みそ汁が上昇傾向にあるのも頷ける。個食ニーズの 高まりから、フリーズドライ(FD)のみそ汁の販売も好調だ。大容量タイプの1食と比 べて、単価が5倍も高いFDみそ汁が売れている現実がある。そこを踏まえた上で、商品 開発や販売戦略を練らなければいけない時代に入ってきた。こうした流れが強くなれば、 みそ売場の形態も、みそ売場の売上向上を図るため、個食商品を中心とした売場に変える 必要性も出てくるだろう。 宮坂醸造では、国産で具材の大きさや食感にこだわった1食タイプの本格即席みそ汁を1 50円で販売する。同社では「個食タイプは急成長しており、購入者の7割が今後も買い たいと答えており、市場拡大が期待できるカテゴリー。生みそタイプはFDや乾燥粉末タ イプよりも『本格的』と感じられることが分かっていることから、国産原料、生タイプで、 具材は大きなカットサイズを使用したこれまでにない即席みそ汁を発売する。店頭でも、 高単価が狙える個食タイプの売場の充実を働きかけていきたい」と力を込める。 家庭用市場では間違いなく即席みそ汁がみその売上額を逆転する。食のライフスタイルは すでに変化している。普段食は個々に摂るのが当たり前になる。これからはメニューの組 み合わせなど食シーンに併せ、一人一人に向けた提案が求められるだろう。 http://www.ssnp.co.jp/articles/show/1507280004618280
消費低迷で強まる閉塞感 効果的な商品施策・販売促進を 2016.03.28 11331 号 05 面 消費低迷が続く味噌業界では、需要回復に向けた具体策を打ち出せずに閉塞感が強まっ ている。出荷量の落ち込みは底を見せつつあるが、需要をけん引するヒット商品は見当た らない。メーカー各社は減塩・低塩、無添加など伸びているカテゴリーでの商品開発を進 めながら、売上げの軸となる基幹商品のテコ入れが必要だろう。為替の動向や軽減税率の 導入など不透明な外部要因が多い中、効果的な商品施策・販売促進が求められている。 全国味噌特集2016.03.28 11331 号 05 面 出荷動向=15 年は 0.9%減 8 年連続の前年割れ 全国味噌工業協同組合連合会(全味)によると、15 年(1~12 月)の味噌の合計出荷量 は40 万 9011t(前年比 0.9%減)で、8 年連続の前年割れとなった。減少幅は緩やかになっ てきたが、依然として漸減傾向が続いている。 トレンド・新商品=進む「減塩」志向 こだわり商品で購買意欲を刺激 2016.03.28 11331 号 05 面 味噌業界では健康志向の高まりを背景に、「減塩・低塩」「無添加」などのカテゴリー商 品が存在感を高めている。特に減塩カテゴリーでは大学や公的機関とのコラボレーション 商品が人気だ。また、今春は各社が減塩商品を拡充したことに加え、産地・製法にこだわ った高付加価値商品や調理味噌、メニュー調味料など多彩な商品が展開されている。 味噌業界に新しい風 商品施策見直しで新たな価値生む 全国味噌特集2015.09.18 11243 号 05 面 2015.09.18 11243 号 05 面
さまざまな変化に伴う新たな需要が生まれている 需要減退が続く味噌業界で、新たな顧客獲得に向けた取組みが進んでいる。4 月に厚生労 働省が塩分摂取基準を引き下げたことで、減塩タイプの新商品が増加。国立機関や大学、 企業とのコラボレーション商品も市場をにぎわしている。家庭用では味噌を使ったクイッ クデリ、業務用では液状の塩麹に注目だ。一方、一時停滞していた輸出も今年は過去最高 を更新することが確実視される。ブランドコンセプトや主要ターゲット、販路を見直すこ とで、味噌に新たな価値と需要が生まれつつある。 https://news.nissyoku.co.jp/news/special/detail/?id=WAKUI20150910092157999&ic=030 【新春醤油特集】広まる下げ止まり感、国内需要は厳しさ続く (2016/1/14) 昨年の醤油出荷量は、わずかに前年に届かなかったものの、2年連続でほぼ横ばいをキー プした。業界筋では下げ止まりが現実化したとの見方が広まっている。その一方で、大豆 をはじめとした輸入原料は円安が長引いていること、ノンGM大豆のプレミアムが上昇す るなどの影響を受けて、コストアップ要因になっている。今期は引き続き、醤油の需要創 造と価値向上に加え、上昇したコストの転嫁をいかに実行するかがカギとなる。 15 年 10 月までの醤油出荷量は1・4%減となっている。ただ表に示したように 14 年 11 月の出荷量が少なかったこと、輸出が好調なことなどから15 年の出荷量は微減で着地した と推計される。なお、輸出量は11 月までで 11・6%増の2万3354kl。年間では400 0kl 程度増加して2・5万 kl 以上になる。 一方、1~11 月の家計消費をみると、購入額は2・7%減、購入量は5・9%減と減少傾 向が強い。和食の世界遺産登録直後の14 年は購入量微増となったが、1年でその効果が薄
れた。なお、家計消費の購入額の方が購入量より減り幅が少ないのは単価アップによる。 これは大手2社はじめ、中小まで広がっている鮮度訴求容器が増えていること、またそれ に伴い1ℓPETなど一般品の特売比率が下がっていることなどによる。 このように、出荷量の下げ止まりといっても、まだ家庭内はじめ国内の減少傾向は続いて おり、輸出の増加に負うところが強い。 醤油は長期的に減少が続いており、その理由にはいろいろな要素がある。人口構造の変化 と嗜好の多様化、女性の社会進出の進展等による家庭内調理の減少と中食など食の外部化、 調理冷食など醤油で味付けした加工食品の輸入などが言われている。現在も大きな変化は なく、しかもまだしばらく続くことが見込まれる。近年の不況で内食化傾向が強まってい ることは、一見プラスだが、中食へのシフトや簡便化で醤油及び醤油関連調味料が素直に 増加する環境にはない。 現在の醤油業界にとって最も大きな課題が需要の減少だが、業界には「数量より価値を求 める」という考えが強まっている。その代表例が新鮮さを保持する新容器による価値向上 だ。キッコーマン食品、ヤマサ醤油の大手2社が先行した開封後も新鮮さを保持できる容 器(鮮度保持容器)は、容器メーカーの提案もあっていわゆる大手5社の全てに加え、地 方メーカーでも採用が進んでいる。 鮮度保持容器の容器代はPETに比べて高いことから、一般醤油を詰める例は皆無で、全 てが高付加化価値醤油となる。このため、鮮度保持に加え、醤油そのもののおいしさの再 発見にもつながっている。流通側からも価格訴求ではない販売が可能と評価も高い。容器 メーカーの増産やさらなる改革によって今後の普及が期待される。 また最近好調なのが健康志向に根ざした「減塩醤油」や塩分控えめタイプだ。昨年4月か ら運用されている「日本人の食事摂取基準」で塩分摂取量が下げられたことも追い風にな っている。その一方で「丸大豆」「有機」「国産」など特徴ある原料を使った高付加価値醤 油は鮮度保持容器の製品とかぶるケースもあってやや苦戦している。500ml などの小型 容器や液だれしにくい注ぎ口容器なども価値訴求にはプラスとなっている。
一方、原材料の国際価格はやや下がってきたとはいえ、「高止まり」の状況であり、さらに 円安が継続しており、国内調達価格は高止まり状況だ。特に大豆はノンGMの脱脂大豆が 多いが、米国産のプレミアムが高騰しているのが問題。ブラジル、インドなど他国にノン GM大豆を求める動きがあるが、品質面に加え、丸大豆供給が多く脱脂大豆が少ないのが 課題となっている。 幸い、原油安で一息ついているが、コストアップは続いており、価格改定を模索している のが現状。しかし値上げで需要の低下を招くことを恐れ、価格改定に踏み切れないという ジレンマを抱えている。そのため上昇したコストの転嫁を社内努力でカバーせざるを得な い状況だ。 http://www.ssnp.co.jp/articles/show/1601140005200935 みそ(2016年9月29日号) これから需要期を迎えるみそ市場。今年は1~7 月で、全国のみそ出荷量は 1・3%増と久々 の実績プラスで推移している。一過性のブームにより伸びている訳ではなく、複数の要因 が積み重なっての増加と推測される。みそ市場にとって例年に無い“追い風”が吹いており、 このチャンスを活かしていきたいところ。トレンドは“無添加・減塩”が継続しているが、今 年は量販店で、こだわりのみそ専門コーナーを新たに導入する企業が複数見られる。そこ に並ぶのは、「高質」や「長期熟成」といった切り口のアイテム。新たなトレンドとして、 ジックリ育成を図っていきたい。コスト事情は厳しさが見られる。特に相次ぐ台風の被害 もあって、コメの価格上昇は避けられそうにない。今後の影響を注視する必要がありそう だ。 ➡食料醸界新聞の記事より引用
参考:食に対する消費者ニーズについて 食の志向、引き続き「健康志向」が最多<平成27 年度下半期消費者動向調査> ~「割高でも国産」は6 割超、国産支持の傾向が継続~ 日本政策金融公庫(略称:日本公庫)農林水産事業が平成 28 年 1 月に実施した平成 27 年度下半期消費者動向調査によると、食の志向は「健康志向」(41.7%)が引き続き最 多回答となり、次いで「経済性志向」(36.4%)、「簡便化志向」(31.2%)の順となった。 また、輸入品と比べ、どのくらいの価格レベルまでならば国産品を選ぶのか、いわゆる価 格許容度を聞いた調査では、「割高でも国産品を選ぶ」消費者が依然 6 割を超え、国産品 のニーズが引き続き高いことが分かった。 詳細は以下のとおり。 <調査結果のポイント> 「健康志向」が最多、次いで「経済性志向」「簡便化志向」 消費者の現在の食の志向について、「健康志向」は 41.7%で、前回調査(平成 27 年 7 月) から 0.7 ポイントとわずかに上昇し、最多回答となった。次いで「経済性志向」(36.4%)、 「簡便化志向」(31.2%)の順となり、今回調査において、最も大きく変化が見られたのは 「簡便化志向」で、前回調査(27.9%)に比べて 3.3 ポイントの上昇となった。 20 代における「経済性志向」が低下 年代別では、「健康志向」は高齢世代、「経済性志向」と「簡便化志向」は若齢世代に集中 するという特徴が見られた。その中で、「健康志向」は、20 代において約5ポイント上昇 し、20、30、40 代までがほぼ同率となり、50 代から大きく上昇するという特徴的な動き が見られた。その一方で、20 代の「経済性志向」が 42.0%となり、前回調査(50.6%) から 8.6 ポイントと大きく減少した。 今後の食の志向、「健康」「安全」が高まる可能性 今後の食の志向については、「健康志向」が 44.6%で、現在の志向と同様、最多回答となり、 図 1 の現在の志向から 2.9 ポイント上昇している。また、「安全志向」についても、その 他の志向が現在の志向以下となっている中で、0.9 ポイントとわずかに上昇しており、「健 康志向」と「安全志向」が今後高まることがうかがえる。 外食時に国産かどうか「気にかける」が増加 食料品を購入するとき、あるいは外食するときに国産かどうかを気にかけるか聞いたとこ ろ、食料品の購入時に「気にかける」は 77.9%、外食時に「気にかける」は 41.9%、とな
った。特に、外食時に「気にかける」割合は、今回調査では、前回(39.1%)より 2.8 ポ イント上昇するなど、徐々に「気にかける」割合が増加してきている。 国産食品と輸入食品に対するイメージでは、輸入食品に比べ国産食品は、価格は「高い」 が、「安全」で「おいしい」という評価が顕著にあらわれ、見た目についても、約 5 割が 「色・形が良い」としている。 「割高でも国産を選ぶ」支持傾向が続く 輸入品と比べ、どのくらいの価格レベルまでなら国産品を選ぶか、いわゆる価格許容度を 聞いたところ、「割高でも国産品を選ぶ」という回答は、前回調査(64.1%)からわずかに 低下しつつも、依然 6 割を超える高い割合(62.8%)となり、国産支持の傾向が継続され ていることがうかがえる。 調査時期 平成 28 年 1 月 1 日~1 月 19 日 調査方法 インターネットによるアンケート調査 調査対象 全国の 20 歳代~70 歳代の男女 2,000 人(男女各 1,000 人)