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札幌市南東部の草地植生 : 帰化率と土壌について

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(1)Title. 札幌市南東部の草地植生 : 帰化率と土壌について. Author(s). 並川, 寛司; 靏田, 亜紀. Citation. 北海道教育大学紀要. 第二部. B, 生物学,地学,農学編, 40(2): 9-17. Issue Date. 1990-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/6463. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 北海道教育大学紀要 (第2部B) 第40巻 第2号. 平成2年 3月. lofHokka i do Uni Jouma i &iucat i ty of] Sec i IB) Vo vers t l on( onl -40 ‐2 ,No. March ,1990. 札幌市南東部の草地植生. -- 帰化率と土壌について -- 並. 川. 寛. 司・翻. 田. 亜. 季. 北海道教育大学札幌分校生物学教室. Grassland Vegetation in the South‐east of Sapporo ‐. Ci ty. --- Percentage o fNatura l i i ICond i i ions zed Exot t c P1ant sandSo. Kan i NAMIKAWA and Aki TSURUTA j BiologicaILaborato-y Sapporo Col l i ty ofEducat ion ege , , Hokkaido Univers . ,Sapporo ,002. Abst『aet Grass land vegetationi ternpar tofSapporo Ci nthesouth‐ ty i eas t nves gatedby ,Japan ,wasi h i l i Th r l h d d t d i i i h t db t d h メ ヒ osocoogca me o s 1ees an groups were s ngus e f ase ont e percentageo pコ . l i 2 1 natura zed exotic plant ) PN <60%,( s(PN):( ) 60= <PN<80% and ( 3 ) PN>80%‐ The frequency o f native pl amt s( such as A汀の明Z 云硲 魚夢ひ吻 伽 var s彰 粥o 7 2加7 2α , P効硲ず ‐ gをα郷ほ婚,. βq”Z s鑑錫雛 αれ形郷e th increasing PN‐ Domi nm・ ce of , and P肋咽ぼ粥 館S α婚 加z庭) decreased wi ic plamts o fso‘ Zd Z exot tantthroughs tudy area 8 oのりZ如 wascons ‘馨り 郡容α鰯 m var ‐‘ ‐ Four ki i lfactors were measured・ ThepH ins ndsofso tands wi th PN 〈60% wass ign i f i - ly lowert hanthatinthe othertwo groups‐ cant. Thethree othersoi lfactors(watercontents ,. i印o i ionlo$,and soi lhardness icant t f fersigpQif ly among the three groups )did not di ‐. は じ め に. 帰化植物は, 多くの場合人間によっ て柵乱された場所に最初に入り込み短期間に分布を広げて , 本来の植物相に影響を与える. 札幌市は1 9 22年, 市制施行時に人口1 2万人であっ たが, 1 970年に 人口1 00万人を越え, 19 89年7月現在1 66万人余り に達している. この人口増加に伴い, 市街地周 辺部で宅地造成などの土地改変が行われ, 帰化植物の侵入・定着にとっ て好適な条件を持っ た空間 が生じている. 都市での帰化率と立地に関する研究は, 沼田.大野 ( 19 52 ) により市川市 (千葉県) で, 飯泉 ( 1975 ) により仙台市 (宮城県) で行われている. これらによれば, 古い市街地に比べて 新しい市街地では帰化率が低い傾向が報告されている 札幌市において同様 の研究は少なく 桧森 . , ( 1 980 ) や小泉 ( 1 9 80 ) が見られる程度である. 桧森 ( 1 9 80 ) は札幌市北西部で一定面積に対する (9).

(3) . 90. 並. 川. 魔. 司‐翻. 田. 亜. 紀. 建築物と道路の割合を都市化の指標とし, これと帰化率の間の関係について 論じた. その結果, 帰 化率と都市化との間に一定の関係がないことを示している. 本研究では札幌市南東部において, 空き地に発達する雑草群落を対象に, 植生調査と土壌要因に ついて解析を行い, 帰化率と土壌要因, とくに水分量, PH, 有機物量, 土壌硬度の間の関係につい て検討することを目的とする.. 調査地と調査法 1 . 調査地 調査対象とした地域は札幌市街の南東部に位置し, 白石区, 豊平区, 中央区, そして東区を含む 幅2 km, 長 さ 12‐5km に わ た る 地 域 で あ る (Fig‐1). し か し, 4 つ の 行 政 区 の う ち 調 査 地 域 は ほ 987 ) の 『札 1 987年現在のものである) とんどが白石区に含まれる (但し, この記述は1 . 札幌市 ( 987年現在の白石区の人口は, 市内第 -昭和62年地域統計報告所-』によれば, 1 959年にひ 9 80年から1985年にかけての増加数は市内最大であった.同区では1 二位の28万人で,1 ばりが丘団地が造成され, 次いで厚別方面に大規模な住宅地が造成されたことにより, 人口の増加 幌市の地域構造. が見られたが, 未だに市街化区域内の人口密度が低く, さらに地下鉄沿線に中高層マンショ ンが相 次いで建設されており, 今後も人口増加は続くものと思われる. 調査地は主要道路である南郷通り, 9 86年改定の2 97 9年の国土地理院発行の土地利用図と1 2号線に沿っ て設定された.1 およ び国道1 万5千分 の1地形図の比較, および調査の際の観察から, 新たな住宅建設の著しい地域は, 厚別東・ 西地区であっ た (Fi g ‐1参照) . 2. 調査法 21. 空き地の抽出 空き地の抽出は以下の手順で行われた; ( ) 1 2万5千分 の1地形図札幌, および札幌東部を用い, 調査地を一辺500m の区画に細分した. 00の区画が得られた。 その結果, 1 om 以上の空き地を全て地形図上に示した. om×1 ( 2 ) 全ての区画内を踏査観察し, 面積1 ( )( 2 )の手順で確認した空き地の中から, 相観上均質で踏みつけ・刈り取りなどの人為的な擬乱を 3 強く受けていない空き地を調査対象とした. 2区画であっ た. 1区画内に含まれる 00区画のうち6 調査対象となる空き 地が存在した区画は, 1 空き地の数は一定せず,1から 5 まで変化し,調査対象として適当な空き地は総計99 ヵ 所 で あ っ た. 22. 植生資料の収集 om×lom の調査区を設定し, さらにこの調査区のほぼ中央の 調査対象となる空き地の中央に1. 相観上最も均質な部分に2 m × 2 m の方形区を設定した. それぞれの方形 区において優占種を記録し, 方形区全体の植被率と植生高を測定・記録した. ま た, 出現した維管 束植物のうち木本類を除く個々の植物については以下の項目を測定・記録した; ( 1 ) 植被率:方形 区面積に対する各種の地表被覆面積の百分率, ( 2 ) 自然草高:方形区内に出現した各種の個体のうちで最も高い個体と最も低い個体を除いた中間 的な高さの個体を選び測定 した. (10).

(4) . 91. 札幌市南東部の草地植生-帰化率と土壌-. ′ ′ /. ′ ;--′′. . . L÷÷÷÷÷』. 瀞ig.1 ion ofs tudy area . Locat ‐. さらに方形区を含む調査区に出現した全ての維管束植物の種を記録 した. なお, 調査は1 9 88年7月中旬から9月中旬にかけて行われた. 23. 土壌試料の採取と分析. 植生資料の抽出を行っ た全ての方形区において, 容積10ocm3の 円 筒(底 面 積 20cm2, 高 さ 5 cm) を土壌表面から垂直に打ち込み土壌を採取 した. 同時に, 山中式土壌硬度試験器を用いて地表の硬 度を測定・記録した. 採取した土壌試料は以下の項目について測定を行っ た;( 1 ) 土壌水分量,( 2 ) 灼熱損量,( 3 ) pH (H20) なお 測定方法の詳細は河田・小島 7 ( 1 9 6 ) および山根・佐藤 ( 1 9 7 8 ) によ た っ . , . ,. (11).

(5) . 並 川 寛 司‐櫛 田 亜 紀. 92. 結. 果. f 帰化率の頻度分布 ‐ 55種の維管束植物 が確認され, そのうち73種が帰化植物であり, 調査地域全体 9 9の調査 区で,1 ) は47.1%であっ た. Fi g の種類帰化率 (矢野, 1946 .2は各調査区の帰化率の出現頻度である. 調 0~85% 2.7%であっ た. 図よりモー ドは8 3.3%から最大97‐9%で平均7 査区の帰化率は, 最小3 にあり, やや正の方向に歪んだ正規分布を示した. i i s: PN) に よ っ て 調 cplant zedexot tageofnatural rc en 以後結果を示すのに 際し, 帰化率 ( pe ) をおよそ3等分する range 査区を3つの群に分 けた. すなわち, Fi g .1よりヒスト グラムの範囲 ( ( ) PN≧ 80%. 3 N< 80%, 2 )60%≦P )PN>60%,( 1 ように以下のように区分した;(. 12 . . . . E. B. %} ized exotic plants{ Percentage of natural i f l i d t 静ig.2 . NunnberofstandsineachclassofthePerCentageo natura ze exo C plants .. 2‐ 帰化率と種類組成 Tabl e 耳ま帰化率によって区分された3つの調査区群の常在度表である. 在来植物であるオオ ヨ モギ, アキタ ブキ, スギナ, ヨシの常在度は, 帰化率が高くなる に従い小さくなる傾 向を示した. ま た, イ ヌ エ ビ, ア キ エ ノ コ ロ グサ, カ ラ フ ト ア カ バ ナ, ネ ジ バ ナ, コ ウ ゾリ ナ な どの 在 来植 物 は. 帰化率が60%未満の調査区にのみ出現した. Tab le 2は, 3つの調査区群の 各調査区の優 占種とそれが優占して いる調査区の数である. 表よ 0%未満の調査区ではオオアワダチソウが優占種である調査区が最も多かっ た. 帰化率 り, 帰化率6 が60%以上80%未満の調査区では, オオアワダチソウ, カモガヤ, オオヨモギ, コヌカ グサが優 2) (1.

(6) . . 93. 札幌市南東部の草地植生-帰化率と土壌- Tab l ree groupsbased onthe percentageof el‐ Presenceofspeciesinthe ロロ i i natular zed exot c plant s . Percentageo icp fnatulfrized exot lant s(PN:%) Nu t リmberofs a ば .ds. pN<60. 60≦PN≦80. 80≦PN. 13. 55. 31. SOZ Z d望郷 g恕αれZ8α var- をわりカメ如. V. IV. V. Adam2 S加 粥o 7 2数7 2α. V. IV. 虹I. IV. I I I. I. IV. IV. I I I. 物云四海s如麹 粥c αvar e婚 ‐解雰口%Z . 1 1 1. 1. . 1 1 1. 1 1 1. 口. . 1 1 1. 1 1 1. 1 1 I. . 1 1. 1 1 1. 1 1. . 1 1. 1 1 1. 1 1 1. 1 1. 1 1. 1. . 1 1. 1 1 1. 1 1 1. Cα〆桝 sp.. 1 1. IV. I I I. 1 1. . 工 1. 1. . 1 1. 1. 1 n 頁 = 口 1 1 1. . EPすわる勿粥 gね7 2メメわs%欄 var . 硲 如”cz欄 . . 1 1. . ロ ロ. . mmm. 1 = 1 1 n m 1. Pた,声 脳8劣 z zメメメe s var.g如彰吃sce’嬬 . 1 1 1. . 1. . 工. I. . 1. 1. . 1. 1 1. 1 1. 占する調査区が順に多かっ た. 帰化率80%以上の調査区では, オオアワダチソウ, カモガヤ, コヌ カ グサ, オニウシノケグサが優占する調査区が順 に多かっ た. 全体を通じ, オオアワダチソウが優占する調査区が多かっ た. また, 帰化率が6 0%以上の調査区 では, オオヨモギ, コヌカ グサが比較的 多くの調査区で優占種として抽出された. 3. 測定された土壌要因の比較 Tabl e3は3つの調査区群の出現種数と測 定された土壌要因の平均値と標準偏差である. 表より, 種数は帰化率が60%未満の調査区群 で最も小さく,帰化率60%以上80%未満の調査区では最も大 (13).

(7) . 94. 並 川 寛 司・溺 田 亜 紀. Tab蛇2 sinthethreeg士。upsbased u ヒ nber。fquadrat . Dominantp1antsand nu i t l ont e percentageofnutularized exotic plants‐ Percentageo i icp fnatural l zed exot ant s(PN:%) DO 】 縦inant S. PN<60. 60≦PN≦80. 80≦PN. . . 7. 16. 7. SOZ Z承廷却 g窓z iリカメ 如 z“Z 8α var g .‘ rれたZ粥 創 作夢8 7婚. 2. . . . . . . . 4gのめツメ リ雛 形め8 7 2 s. . 2. 1 . . . . . . . . . . SO‘ Zd Z Z S Z S 力 巧賜 ( 望郷 αZ. 3. β“geの“ cの叱zdの偽禽. 2. 1. 1. 1. . . . . Fe s初Gα の似れdま れα”α. 1. 3. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1factors measuredinthethree Tab 1 e3‐ M【eannu止nberofspeclesandfoursoi i ic plants hepercentageofnatu・al zed exot groupsbased ont . Percentage ofnatural i zed i s(PN:%) exot c plant. N <6o. 60≦ N <80. 80≦ N. l tems N[ i ean nwmberofspec es. 15.70. ±. 10.53. 19.38. ±. 5.99. 17.00. ±. 4.48. Wratercontent(%). 34.04. ±. 18.67. 26.91. ±. 16.00. 25‐40. ±. 15‐79. 6.56 ±. 0.81. 6.52 ±. 0.73. pH (H20). 5‐88 ±. 1gni i t onloss(%). 13.58. ±. So i lhardness(kg/cm2). 12‐84. ±. 0‐85* 9.56 6.32. *:s P〈0 i i f i 0 5 t( ) c z l n gn .. (14). 10‐02. ±. 5‐15. 15.63. ±. 4.44. 9.86 16.43. ± ±. 4.87 3.79.

(8) . 95. 札幌市南東部の草地植生-帰化率と土壌-. . . ----△÷◎. 』庚 Shin Sap醇o『o sせ -. royaC瞳 d i s鮒胸嘘範n むente『. JR 開ae鯵o St 。. △. o. ‘. △. △ △. . △ 0. 0. △ ◎ ◎. o. △. O. ず. 冨ig‐3 i but l i ionofthethreegrouPsbasedonthePercentageofnatura tr s zed ‐ Di i exot c plant sinthestudy area . ◎:PN<6 0%,△:6 0=<PN<8 0%,0:PN>=8 0%. きかっ た. 測定された土壌要因のうち, t検定の結果有意な差を示したのは帰化率6 0%未満の pH のみであっ た. これ以外の要因については有意な差を示さなかったが, 土壌水分量と有機物量の指 標である灼熱損量は帰化率が高くなるに従い低下した‐ 一方, 土壌硬度は帰化率が高くなるに従い 高くなっ た. 4. 調査区の分布 Fi g .3は3つの調査区群の地形図上の分布である‐ 図より, 帰化率60%未満の調査区は厚別西地 区に比較的まとまっ て出現した. 帰化率が60%以上の調査区は, 調査された範囲のなかで特に分布 が集 中 す る こ と は なか っ た.. 考. 察. 本調査地域全体の帰化率は47 ‐4%であり,同様にして求められた札幌市北区あいの里における帰 化率45‐8% (小林,未発表) と近い値 であ っ た. これらは調査面積 が異なる ので,種 密度 (Wh i t ‐ ) で帰化率を求めると, 前者で47.1%, 後者で45.8%であり, 抽出面積を考慮しても同 t akel975 じような値を示した. しかし, これらの値は小泉 (未発表) による札幌市内半径1 okm 圏内での植 物相調査の結果に基づく 帰化率20%と比べると大きな値を示している. これは, 今回調査された地 域は宅地造成中の地域, 比較的古い住宅地, さらに旧国鉄駅を含み帰化植物の侵入経路となっ てい た可能性が高いこと, さらに北区あいの里は1 9 80年より宅地造成が始まり, 現在住宅建設と宅地造 成が平行して行われ, 土地改変の盛んな地域 であるのでこのような比較的高い帰化率が得られたと (15).

(9) . 96. 並 川. 司・磯 田 亜 紀 寛 司・磯. 思われる. 3‐3%, 最大97 調査区毎に算出した帰化率は調査区間で大きく変動し, 最低3 ‐7%であった. 調 査区による帰化率の違いは, 調査区の種組成, 優占種, あるいは物理環境の違いを反映しているも のと思われる. 便宜的に帰化率から3つの調査区群を設定し, それぞれの種組成, 優占種, そして 測定された土壌条件を比較検討した. その結果, ( ) 在来植物は, 帰化率が大きくなるとその 出現頻度が小さく, あるいは全く出現しなくなる傾向 1 が見られた. ( 2 ) 優占種は, 帰化率の低い調査区ではオオアワ ダチソウやセイタカアワダチソウのように北海道 ) が優占 98 2 において戦後の著しい環境変動に伴っ てにわかに目 だっようになっ た種 (伊藤ら, 1 種である調査区が多いのに対し, 帰化率が比較的大きい調査区では, 上に挙げた2種に加え在来 ) である, カモガヤ, ムラサキツメク 982 のオオヨモギや古典的戦 前派外来帰化植物 (伊藤ら, 1 サが優占する調査区も多かっ た. ( ) 測定された土壌条件のうち pH は帰化率60%未満の調査区で低 い値を示した.pH 以外の測定 3 された土壌要因は, 統計的に有良な値を示さなかっ たが, 帰化率60%未満の調査区の土壌は比較 的土壌水分と有機物に富み, 土壌硬度も低い傾向が見られた. 一般的に, 帰化率は都市化現象の指標といわれている. それは都市化そのものの程度を計る指標 ではなく, 都市化の一現象である地表の撹乱を示すものであるといわれている‐ 土壌の揖乱や不透 水面の増加などの都市化現象に伴 い, 植物相の変化 (帰化率の変化) と共に, 土壌の理化学性や物 197 4 t o& Y即nane( 理性にも変化が見られることが予想される. 事実, 土壌の理化学性について Sa , 1 97 5 ) は, 仙台市の街路樹下の土壌分析を行い, 土壌水分量は夏期に表土が永久萎凋点を越えるほ どであり, PH は7 .3~8‐7でアルカリ土壌になっ ていることを示した. これは舗装道路による雨水 の浸透遮断や, 汚泥物質の投棄に起因する. 本調査の結果, 帰化率の60%以上の調査区は, 帰化率 t 6 0%未満の調査区と比べてやや pH が高い値を示すが, Sa o & Yzmnane (1974, 1975) ほ ど で は ない. これは, 人為的擬乱の少ない比較的大きな面積の空き地を対象に調査を実施したので, 街路 樹下の土壌と比べその人為的な影響はより小さいためである. しかし, 在来植物の頻度の高い調査 区(帰化率60%未満の調査区群)では明らかに pH が小さく, 他の土壌条件も帰化率60%以上の調 査区と比べ異なっ ていた. 調査時の観察によれば, これら帰化率の 小さな調査区の土壌は構造が発 達し, 黒褐色であり, 土壌踏乱が長い期間にわたっ て起こっ ていないことが予想される. それに対 し, 帰化率が高い調査区では, 概して粘土質の有機物に乏しい キ壌が多く, 比較的最近に土壌が揖 乱されたことが予想される. i 1 97 9年作成の 土地利用図と F g .2の比較,および現地での観察の結果,帰化率60%未満の調査区 の集中する厚別西 地区, これ以外の帰化率60%未満の調査区の立地を見ると, かつて畑地, 野草地, あるいはヤナギ類の低木林であっ た部分であり, 宅地造成地や土壌の掘り起こしなどが行われた場 所と異なり, 長い間植物によっ て被覆されていた立地であっ た. 札幌市周辺では, このように長い間放棄されている畑地や水田, あるいは人為的な影響の少ない 河川敷などでオオアワダチソウが大きな群落を形成すること が観察されている.帰化率60%未満の 調査区でオオアワダチソウやセイタカアワダチソウのような強い繁殖力を持つ種が優占しているの は, 他の帰化植物が侵入できない在来植物の占めていた立地に侵入・定着した結果と考えられる. また, 帰化率60%以上80%未満の調査区群で在来植物のオオヨモギ, あるいは帰化植物のカモ ガ 6) (1.

(10) . 札幌市南東部の草地植生-帰化率と土壌-. 97. ヤが優占する調査区が比較的多いが, 観察によればこの両種の 優占する群落を含めほとんどの調査 l 区でオオアワダチソウ混生しており (Tab el参照) , しかもこれら優占種に次 ぐ優占度を示してお り, この種の 強い繁殖力がうかがえる.. 要. 摘. H 1 ‐ 札幌市南東部の99の空き地を対象に, 植物社会学的な植生調査と土壌要因(水分量, P , 灼熱 た 損量, 土壌硬度) の測定を行っ . 2. 調査区の帰化率に基づき, 3つの調査区群を得た. 3 . 調査地全体に, オオアワダチソウが優 占していた. 4. 帰化率の増加にともない, 在来植物 (オオヨモギ, アキタ ブキ, スギナ, ヨシ) の常在度は小 さくなる傾向が得られた. 5‐ 帰化率の低 い調査区群の土壌の pH は, 帰化率のより高い調査区群と比較して低く, 土壌水分 量, 有機物量はやや大きく, また土壌硬度は低い傾向が見られた.. 辞. 謝. 本研究を行うにあたっては, 北海道大学大学院環境科学研究科生態系管理学講座伊藤浩司教授か ら貴重な御助言 を頂いた. ここに心から感謝申し上げる.. 引用文献 2 9pp“ 朝倉書店‐ 東京‐ 59ppり 4+3 1 1, 1 . 4十3 科学 北海道大学大学院環境 パ 的研究 ターンに関する都市生態学 9 80 札幌市における雑草群落の分布 桧森晴弘. 1 ‐ ‐ 未発表 研究科環境保全学専攻修士論文. 71pp . ‐ 「 2 3 帰化植物」 (沼田 真編) 5 飯泉 茂‐ 1 97 ‐ 大日本図書, 東京‐ . 44一7 ‐ 帰化率. 環境科学ライ ブラリー1 する研究. 「開発と環 生態系構造比較と開発指標生物の把握に関 8 2 伊藤浩司‐福田弘巳‐春木雅寛・東 正剛‐ 19 . 境変化に関する学際的研究」 ‐ 47一81 ‐ 北海道大学大学院環境科学研究科. 0 6 6pp 6 I V 97 環境測定法 河田 弘‐小島俊郎. 1 . 共立出版. 東京. .1 . . 森林土壌‐ 生態学研究法講座3 未発表 ( ) 札幌市市街地の植物相 小泉 豊‐ 1 98 0 . . 87 小林敬史‐ 1 9 ‐ 北海道教育大学札幌分校生物学教室卒業論文. . 札幌市北区あいの里の草地植生と土壌 (未発表). ) Bra t t瓜‐B1anque . 植物社会学 . (鈴 木 時夫 訳‐ 1971 ,Jり 1964. 57pp .. 22 7-1 9 52 沼田 真・大野景徳‐ 1 ‐ ‐ 帰化植物の生態学的研究1‐ 生態学会報, 2:11 7 6pp‐ 一昭和6 2年地域統計報告書- 7 札幌市の地域構造 1 9 8 札幌市 (札幌市企画調整局企画部統計課) ‐3 ‐ . ‐ 率Sato K and Ya long a Z ty i loft 1 r l E z放oりα avenue ReP rame reeP antedf eso mane 1 ‐Sen .Ci - ont ,a . 1974 ,1 , . ‐ 一43 l Un i ご ong Avenue onofcons E r . .ofTreesa ,1:36 ‐一41 bi d 1975 ‐ ‐ i . ,2:33. 2 8一2 9 矢野 佐. 1 46 ‐ ‐ 帰化植物. 自然研究, 1;1 「 81 5一2 土壌の化学的分析法 7 1 9 8 山根一郎.佐藤和夫. , 26 . 東京大学 . 草地調査法ハンドブック」 (沼田 真編) ‐ * 照できなか ( 印を付したものは直接参 った) 出版会, 東京‐. 7) (1.

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