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STUDY ON BASIC SITE GENERATION AND CATALYSIS OVER BASIC ZEOLITE

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Academic year: 2021

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博 士 ( 工 学 ) 八 木 冬 樹

学 位 論 文 題 名

STUDY ON BASIC SITE GENERATION AND       CATALYSIS OVER BASIC ZEOLITE

(塩基 性ゼ オラ イト の塩 基点 発現機構と触媒作用に関する研究)

学位論文内容の要旨

  ゼオライトはミクロ孔を有するアルミノシリケ一卜であり、イオン交換や触媒活 性物質の担持等の修飾により様々な触媒機能を発現する。塩基性を付与するために はアルカルイオン交換が行われているが、アルカルイオン交換のみでは塩基性の強 いゼオライトを調製することはできない。何らかの方法でゼオライトに強い塩基性 を付与することができれば、触媒としての応用範囲は格段に広がることが期待され る。また、塩基性の強いゼオライトは、ゼオライト触媒の特徴のーつであるミクロ 孔に由来する形状選択性をあわせもつ新規な触媒、すわち形状選択性固体塩基触媒 として作用すると期待される。

  本論文は、強い塩基性を有するゼオライ卜触媒を調製し、その塩基性点発現機構 を明らかにするために行われたもので、八章から構成されている。各章の内容は次 のとおりである。

  第1章では、固体塩基およびゼオライトの構造と触媒機能について、既報の研究 を概説するとともに本研究に関連した固体塩基およびゼオライトの構造、触媒能、

表面塩基性を評価する手法の原理と得られる情報の種類について解説した.また、強 い塩基性を有するゼオライ卜の触媒としての有用性を述べ、本論文の目的を明確化 した。   、

  第2章においては、Csイオンをイオン交換容量よりも過剰に含有するCs添加ゼオ ライトを種々の条件を変化させて調製し、XRD、表面積測定、27A1,29Si̲MASNMR を用いて、Cs添加ゼオライ卜が調製時に骨格構造を保持する為に必要な要因と、骨 格構造崩壊のメカニズムの追跡を行った.骨格構造保持には、加熱時に存在する水蒸 気分圧を低くすることと、Si/Al比の低いゼオライ卜を用いることが必要であること を明らかにした。構造崩壊は、CsイオンがSi・O−Si結合を切断することによって引 き起こされると結論した。

  第3章においては、Cs添加ゼオライトに強塩基点を発現させるための要因の追求 を行った。ゼオライトの塩基性を1・ブテン異性化活性とC02のTPDによって評価し たところ、1―プテン異性化活性とSi/Alには良い相関が見られ、調製時に用いるゼオ ライトのSi/Al比が小さい程高い活性を示した。C02のTPDで測定した塩基強度も Si/Al比が小さい程大きく、強い塩基点発現にはSi/Al比の低いゼオライ卜が必要で あることを見いだした。また、Cs添加によって新たに発現した強塩基点は、ゼオラ イ卜骨格を構成している酸素ではなく、Cs酸化物の酸素イオンであり、その塩基性

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は 電 気 陰 性 度の 低い 過剰 のCsイ オン とゼ オラ イト キャ ピテ ィー の高 い電 子密 度に よ って強められていると結 論した。

  第4章 に お い て は 、23NaとI33Cs−MASNMRを 組 み 合 わ せ る こ と に よ っ て 、 ゼ オ ラ イ ト キ ャ ピテ ィ一 内に 存在 す るCsとゼ オラ イト 外表 面に 存在 して いるCsが 識別 可 能 で あ る こ と が 明 ら か に し た 。 過 剰 のCsは 、 ゼ オ ラ イ 卜 の ス ー パ ーケ ージ 当た り 3.8個 まで はキ ャピ ティ 一内 に存 在す るが、5.7個を越えると外表面にも存在するよ う にな る。1, ブテ ン 異性 化活 性に 対し ては 、キ ャビ ティ ー内 に過 剰のCsが高分散さ れ 、 活 性 サ イ 卜 が 有 効 に 利 用 さ れ る よ うなCs添 加ゼ オラ イ 卜Xが高 活性 を示 すと 結 論した。

  第5章 に お い て は 、29Si―MAS NMRの 測 定 結 果 よ り 、 ゼ オ ラ イ 卜Xで は ゼ オ ラ イ ト キ ャ ピ テ ィー 内に 存在 する 過 剰のCsと ゼオ ライ ト骨 格と の相 互作 用は 小さ く、 過 剰 のCsは ゼ オラ イ卜 骨格 に近 づ きに くい こと を明 らか にし た。 これ はカ チオ ンサ イ 卜 に 存 在 す るア ルカ リイ オン と 過剰 に存 在す るCsの電 子的 な反 発に よる もの で、 そ れ 故 、 カ チ オ ン サ イ 卜 の 多 い ゼ オ ラ イ トXの キャ ビテ ィー 内で は、 構造 崩壊 が起 こ りにくいと結論した.  

  第6章 に お い て は 、Cs添 加 ゼ オ ラ イ ト と吸 着酸 素の 間に 特殊 な交 換反 応が 起こ る こ と を ト レ ー サ ー と し て 用 い た1802のTPDに より 見い だし た。1802を吸 着さ せた 後 の 酸 素 の 脱 離成 分の93% は1802と1602か ら成 り立 って いた 。交 換反 応中 に酸 素の 解 離 が起 こり にく く, 酸素 分子 の同 一性 が保た れていることを明らかにした。ゼオライ ト キ ャ ビ テ ィ 一 内 に 生 成 し たCs20が 酸 素 吸 着 に よ っ てCs202も し く はCs203へと 構 造 変 化 を 起 こ し 、 酸 素 放 出 に よ っ て 再 びCs20へ 変 化 す る メ カ ニ ズ ムを 提出 した 。 Cs添加 ゼオ ライ トXの1. ブテ ン異 性化 活性点 はCs20の形態をとっていると結諭した。

  第7章 に お い て は 、C02の1− ブ テ ン 異 性 化 に 対 す る 被 毒 実 験 と 、 吸着 したC02の IRお よ びTPDを 組 み 合 わ せ る こ と に よ っ て 、K、Rb、Csを 添 加 し た ゼ オ ラ イ トXの 1‐ ブ テ ン 異 性化 活性 点の 詳細 な検 討を 行っ た。K、Rb、Cs添加 ゼオ ライ 卜Xの1‐ ブ テ ン異 性化 活性 点は 、ア ルカ ル添 加に よっ て生 成 した 塩基 点の うち52 3K以上の排気 で 吸 着C02を 除 去 す る と 露 出 し て く る 一 部の 強塩 基点 であ るこ とを 明ら かに した 。 ま た 、 こ の 塩 基 点 はC02を 吸 着 す る と き には 二座 配位 の形 で吸 着す るこ とを 明ら か にした。

  第8章 に お いて は、Cs添 加ゼ オラ イトXとMg0を 用い て均 一 系塩 基触 媒(f−Bu〇K) で 反応 の進 行す るオ ク夕 ―1,7− ジイ ンの異 性化を行い、Cs添加ゼオライトXとMg0の 塩 基触 媒特 性に つい て検 討を 行っ た。t‑Bu〇Kで は環 化反 応が 起こ ルェチルベンゼン と オ ル ト キ シレ ンが 生成 する が 、ゼ オラ イ卜 では 環化 は起 こら ず直 鎖化 合物 が生 成 し た 。 ま た 、Cs添 加 ゼ オ ラ イ トXで はMg0に 比 べ て ア レ ン 生 成 の 選 択 性 が 高 く 、 Mg0では高いオク夕・1,6‐ジインとオク夕‐2,6‐ジイン選択性を示した。Cs添加ゼオ ラ イ卜Xで はMg0に比 べて 塩基 強度 の弱 いた めに 、 オク 夕.1,7−ジイン の3位もしく は6位のプ口トンが引き抜かれにくく、オク夕―1,6−ジインとオク夕一2.6―ジインまで の 反 応 が 進 行 し な い た め に ア レ ン 選 択 性 が 高 く な っ た と 結 論 し た 。   第9章では,本論文を総括した。

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学位論文審査の要旨

主 査   教 授   服 部   英 副 査   教 授   岩 本 正 和 副 査   教 授   竹 澤 暢 恒 副 査   教 授   千 葉 忠 俊

学 位 論 文 題 名

STUDY ON BASIC SITE GENERATION AND       CATALYSIS OVER BASIC ZEOLITE

( 塩 基 性 ゼ オ ラ イ ト の 塩 基 点 発 現 機 構 と 触 媒 作 用 に 関 す る 研 究 )

  ゼオライトはミクロ孔を有するアルミノシリケートであり、イオン交換や触媒活性物質の 担持等の修飾により様々な触媒機能を発現する。塩基性の強いゼオライトは、ゼオライト触 媒の特徴のーつであるミク口孔に由来する形状選択性をあわせもつ新規な触媒、すわち形状 選択性固体塩基触媒として作用すると期待される。本論文は、強い塩基性を有するゼオライ 卜触媒を調製し、その塩基性点発現機構を明らかにするために行われたもので、主要な成果 は次の点に要約される。

(1)Csイオンをイオン交換容量よりも過剰に含有するCs添加ゼオライ卜が調製時に骨格構造 を保持する為には、加熱時に存在する水蒸気分圧を低くすることと、Si/Al比の低いゼオラ イ卜を用いることが必要であることを明らかにした。

(2)Cs添加によって新たに発現した強塩基点は、ゼオライト骨格を構成している酸素ではな く、Cs酸化物の酸素イオンであり、その塩基性は電気陰性度の低い過剰のCsイオンとゼオ ラ イトキャ ビティ ーの高い 電子密 ,度によ って強め られて いること を明ら かにした 。

(3)23Naと133Cs̲MASNMRを組み合わせることによって、ゼオライトキャピティー内に存 在 するCsとゼ オライ 卜外表面 に存在しているCsが識別可能であることが明らかにした。

(4)29Si̲MASNMRよ り、ゼオ ライトXではキャピテイー内に存在する過剰のCsとゼオライ ト骨格との相互作用は小さく、過剰のCsはゼオライト骨格に近づきにくいことを明らかに した。

(5)ト レーサーとして用いた1802のTPDによりCs添加ゼオライトXのCsは、Cs20の形態を とっていると結論した。

(6)K、Rb、Csを添加したゼオライ卜Xの1―ブテン異性化活性点は、アルカリ添加によって 生 成した塩基点のうち523K以上の排気で吸着C02を除去すると露出してくる一部の強塩基 点であることを明らかにした。また、この塩基点はC02を吸着するときには二座配位の形で 吸着することを明らかにした。

(7)Cs添加ゼオライ卜Xのオク夕一1,7・ジインの異性化に対する触媒作用を検討し、均ー系の t‑Bu〇K触tに比ベ、アレン選択性が高いことを明らかにした。

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参照

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