ゆうレポート
REP ORT
男女共同参画社会をめざす
特 集
No.
32
No.
32
今 考えよう、デート DV
東京都北区男女共同参画センター情報誌
東京都北区男女共同参画センター情報誌
第5期北区男女共同参画審議会
を設置しました。
講座レポート 北区男女共同参画週間ほか
第5期北区男女共同参画審議会
を設置しました。
3
2
特
集
は
安
全
を
奪
わ
れ
、
主
張
す
る
こ
と
も
、
逃
げ
る
こ
と
も
難
し
く
な
り
ま
す
。
−
お
互
い
に
よ
い
関
係
で
あ
る
た
め
に
は
何
が
大
切
に
な
っ
て
く
る
の
で
し
ょ
う
か
。
お
互
い
に
尊
重
す
る
関
係
を
保
つ
こ
と
で
す
。︻
図
1
︼
に
あ
る
よ
う
に
、
健
全
な
関
係
性
と
は
二
人
の
世
界
を
保
ち
つ
つ
、
外
の
世
界
に
も
つ
な
が
っ
て
い
る
、
そ
し
て
二
人
に
適
切
な
距
離
感
が
あ
る
こ
と
で
す
。
二
人
は
そ
れ
ぞ
れ
に
友
達
や
趣
味
を
も
ち
、
い
ろ
い
ろ
な
考
え
や
意
見
に
触
れ
ら
れ
る
場
所
を
持
っ
て
い
ま
す
。
一
方
、
不
健
全
な
関
係
性
は
二
人
の
世
界
だ
け
に
入
り
、
距
離
も
近
す
ぎ
る
の
で
す
。
外
か
ら
孤
立
し
た
関
係
の
中
で
は
問
題
は
悪
化
し
や
す
い
傾
向
に
あ
り
ま
す
。
デ
ー
ト
D
V
の
関
係
に
発
展
し
て
い
く
と
、
一
方
が
も
う
一
方
を
よ
り
押
さ
え
つ
け
る
よ
う
な
関
係
と
な
り
、
被
害
を
受
け
て
い
る
側
は
自
分
ら
し
さ
を
失
っ
て
い
き
ま
す
。
た
と
え
ば
、︻
図
2
︼
の
よ
う
な
会
話
は
相
手
と
の
違
い
を
尊
重
し
て
い
ま
せ
ん
。
違
い
を
大
切
に
し
て
い
く
と
い
う
こ
と
は
尊
重
の
ひ
と
つ
の
要
素
で
す
。
−
恋
愛
観
も
原
因
に
な
っ
て
い
る
の
で
し
ょ
う
か
。
不
健
全
な
関
係
に
な
っ
て
し
ま
う
理
由
に
は
、
メ
デ
ィ
ア
の
中
の
恋
愛
が
健
全
で
は
な
い
こ
と
も
あ
り
ま
す
。
運
命
の
人
と
出
会
い
、
恋
愛
が
う
ま
く
い
っ
た
ら
幸
せ
に
な
れ
る
、
つ
ら
い
状
況
か
ら
抜
け
出
せ
る
、
人
生
を
リ
セ
ッ
ト
で
き
る
と
い
う
恋
愛
幻
想
を
与
え
る
物
語
や
歌
が
多
い
よ
う
に
思
い
ま
す
。
そ
の
よ
う
な
物
語
や
歌
で
楽
し
む
こ
と
を
悪
い
と
は
思
い
ま
せ
ん
。
し
か
し
、
そ
れ
を
当
然
の
こ
と
と
信
じ
、
現
実
世
界
に
も
当
て
は
め
る
の
は
危
険
で
す
。
恋
愛
を
自
分
の
中
心
に
す
る
の
で
は
な
く
、
パ
ー
ト
ナ
ー
と
い
て
も
、
自
分
ひ
と
り
で
い
て
も
幸
せ
な
状
態
が
健
全
と
言
え
る
の
で
は
な
い
で
し
ょ
う
か
。
恋
愛
で
は
お
互
い
を
尊
重
す
る
関
係
を
築
い
て
欲
し
い
で
す
。
−
デ
ー
ト
D
V
を
受
け
て
悩
ん
で
い
る
、
苦
し
ん
で
い
る
人
に
周
囲
の
人
が
で
き
る
こ
と
は
何
で
し
ょ
う
か
。
相
談
窓
口
を
紹
介
す
る
な
ど
正
し
い
情
報
に
つ
な
ぐ
こ
と
で
す
。
暴
力
を
振
る
わ
れ
て
い
る
人
は
﹁
原
因
が
私
に
あ
る
﹂
も
し
く
は
﹁
私
が
悪
い
か
ら
だ
﹂
と
自
分
を
責
め
て
い
る
こ
と
が
多
い
の
で
、﹁
あ
な
た
は
悪
く
な
い
﹂
と
伝
え
る
こ
と
で
す
。
暴
力
は
重
大
な
人
権
侵
害
で
、
決
し
て
許
さ
れ
る
行
為
で
は
あ
り
ま
せ
ん
。
被
害
を
深
刻
に
し
な
い
た
め
に
、
誰
も
が
あ
ら
か
じ
め
D
V
に
関
す
る
情
報
を
持
っ
て
い
る
必
要
が
あ
り
ま
す
。
そ
の
た
め
に
も
、
学
校
な
ど
で
予
防
啓
発
講
座
を
行
う
こ
と
は
効
果
的
だ
と
思
い
ま
す
。
レ
ジ
リ
エ
ン
ス
が
行
う
予
防
啓
発
講
座
で
は
、﹁
暴
力
は
遺
伝
で
も
、
連
鎖
で
も
な
い
、
学
び
で
あ
る
。﹂
と
い
う
こ
と
も
話
し
て
い
ま
す
。
暴
力
を
ふ
る
う
人
は
暴
力
を
選
択
す
る
よ
ど
お
り
に
動
か
す
た
め
に
、
殴
る
、
蹴
る
な
ど
の
身
体
的
な
暴
力
だ
け
で
は
な
く
、
あ
ら
ゆ
る
暴
力
が
使
わ
れ
ま
す
。︻
表
1
︼
し
か
し
、
デ
ー
ト
D
V
は
一
般
的
に
結
婚
も
し
て
い
な
い
、
子
ど
も
も
い
な
い
た
め
、
簡
単
に
別
れ
ら
れ
る
の
で
は
な
い
か
と
安
易
に
考
え
ら
れ
が
ち
で
す
。
そ
の
た
め
に
、
適
切
な
支
援
を
受
け
に
く
く
、
二
次
被
害
︵※
︶
を
受
け
や
す
い
状
況
に
あ
り
ま
す
。
ま
た
、
相
談
を
受
け
た
人
が
﹁
別
れ
な
さ
い
﹂
と
言
う
事
が
あ
り
ま
す
が
、
ア
ド
バ
イ
ス
通
り
別
れ
ら
れ
な
い
藤
な
ど
か
ら
、
被
害
者
が
相
談
し
た
人
と
離
れ
て
し
ま
い
、
さ
ら
に
二
人
の
世
界
へ
と
孤
立
す
る
場
合
も
あ
り
ま
す
。
D
V
も
デ
ー
ト
D
V
も
加
害
者
と
離
れ
る
こ
と
は
容
易
で
は
あ
り
ま
せ
ん
。
−
デ
ー
ト
D
V
は
多
く
起
こ
っ
て
い
る
の
で
し
ょ
う
か
。
デ
ー
ト
D
V
は
だ
れ
も
が
被
害
者
に
な
る
可
能
性
が
あ
り
、
身
近
に
起
き
て
い
ま
す
。
内
閣
府
の
﹁
男
女
間
に
お
け
る
暴
力
に
関
す
る
調
査
︵
平
成
23
年
度
調
査
︶﹂
で
は
、
20
代
の
女
性
の
5
人
に
1
人
は
交
際
相
手
か
ら
の
被
害
経
験
が
あ
る
と
い
う
結
果
が
出
て
い
ま
す
。
そ
し
て
、
デ
ー
ト
D
V
は
若
い
世
代
だ
か
ら
こ
そ
の
問
題
も
引
き
起
こ
し
ま
す
。
10
代
、
20
代
は
人
生
の
土
台
を
形
成
す
る
時
期
に
あ
た
り
ま
す
。
し
か
し
暴
力
を
受
け
て
い
る
と
、
日
々
の
安
全
を
考
え
る
の
で
精
一
杯
に
な
り
、
進
学
先
や
就
D
V︵
ド
メ
ス
テ
ィ
ッ
ク
・
バ
イ
オ
レ
ン
ス
︶
は
親
密
な
間
柄
で
お
こ
る
暴
力
で
す
。
D
V
は
夫
婦
間
な
ど
に
限
ら
れ
た
問
題
で
は
あ
り
ま
せ
ん
。
今
、
10
代
20
代
の
若
い
恋
人
同
士
の
間
で
も
起
こ
っ
て
お
り
、
そ
の
よ
う
な
D
V
を
特
に
﹁
デ
ー
ト
D
V
﹂
と
言
い
ま
す
。
今
回
、
デ
ー
ト
D
V
に
関
わ
る
様
々
な
活
動
に
取
り
組
ん
で
い
る
N
P
O
法
人
レ
ジ
リ
エ
ン
ス
の
西
山
さ
つ
き
さ
ん
に
お
話
を
伺
い
ま
し
た
。
−
デ
ー
ト
D
V
に
つ
い
て
教
え
て
く
だ
さ
い
。D
V
と
ど
う
違
う
の
で
し
ょ
う
か
。
D
V
も
デ
ー
ト
D
V
も
起
き
て
い
る
こ
と
は
同
じ
で
す
。
相
手
を
暴
力
で
支
配
し
て
い
き
ま
す
。
親
密
な
相
手
を
思
い
職
先
を
考
え
る
余
地
が
な
く
な
り
、
進
路
に
も
影
響
を
与
え
て
し
ま
い
ま
す
。
ま
た
、
若
く
未
完
成
な
脳
は
暴
力
に
よ
る
影
響
を
受
け
や
す
い
傾
向
に
あ
り
ま
す
。
デ
ー
ト
D
V
に
は
︻
表
1
︼
の
よ
う
な
暴
力
以
外
に
、近
年
、
パ
ソ
コ
ン
や
携
帯
電
話
、
ス
マ
ー
ト
フ
ォ
ン
な
ど
の
デ
ジ
タ
ル
ツ
ー
ル
を
使
用
し
た
﹁
デ
ジ
タ
ル
暴
力
﹂
が
加
わ
っ
た
よ
う
に
思
い
ま
す
。﹁
デ
ジ
タ
ル
暴
力
﹂
は
デ
ジ
タ
ル
ツ
ー
ル
に
よ
り
常
に
監
視
し
た
り
、
イ
ン
タ
ー
ネ
ッ
ト
上
に
掲
載
し
て
ほ
し
く
な
い
写
真
・
動
画
な
ど
を
流
出
さ
せ
る
、
ま
た
は
﹁
流
出
さ
せ
る
ぞ
﹂
と
脅
し
た
り
す
る
な
ど
様
々
で
す
。
デ
ジ
タ
ル
ツ
ー
ル
の
発
達
に
よ
り
、
便
利
に
な
っ
た
一
方
で
、
周
り
の
大
人
が
高
機
能
化
・
多
様
化
す
る
使
い
方
に
追
い
つ
け
な
い
な
ど
、
被
害
が
見
え
に
く
い
、
介
入
し
に
く
い
こ
と
も
問
題
に
な
っ
て
い
ま
す
。
−
身
近
に
な
っ
た
デ
ジ
タ
ル
ツ
ー
ル
の
影
響
も
出
て
い
る
の
で
す
ね
。
若
い
世
代
は
小
さ
い
頃
か
ら
携
帯
電
話
を
持
っ
て
い
ま
す
。
そ
の
た
め
デ
ジ
タ
ル
ツ
ー
ル
で
管
理
さ
れ
る
こ
と
に
慣
れ
て
い
る
傾
向
に
あ
り
ま
す
。
恋
人
の
間
で
も
安
易
に
管
理
し
合
う
こ
と
に
つ
な
が
り
、
支
配
は
少
し
ず
つ
、
目
に
は
見
え
な
い
形
で
進
ん
で
い
き
ま
す
。
そ
こ
か
ら
完
全
に
支
配
さ
れ
、
D
V
に
つ
な
が
る
場
合
も
あ
り
ま
す
。
支
配
と
暴
力
の
中
で
う
に
ど
こ
か
で
学
ん
で
し
ま
っ
た
の
で
す
。
暴
力
以
外
に
も
選
択
肢
が
あ
る
こ
と
を
社
会
の
中
、
あ
る
い
は
自
分
の
身
の
回
り
に
い
る
よ
い
大
人
か
ら
学
び
、
何
が
間
違
い
な
の
か
気
づ
く
こ
と
が
大
切
だ
と
思
い
ま
す
。
−
最
後
に
、
デ
ー
ト
D
V
で
傷
つ
い
た
人
に
一
言
お
願
い
し
ま
す
。
自
分
ひ
と
り
で
問
題
を
抱
え
ず
に
、
専
門
の
相
談
機
関
に
つ
な
が
っ
て
下
さ
い
。
そ
し
て
、傷
つ
い
た
心
の
手
当
を
行
い
、
本
来
の
自
分
の
力
を
回
復
さ
せ
て
下
さ
い
。
※
二
次
被
害…
直
接
的
な
D
V
被
害
を
﹁
一
次
被
害
﹂
と
す
る
と
、
周
囲
の
人
に
相
談
し
た
こ
と
に
よ
り
、
話
し
た
人
が
、
そ
れ
で
ま
た
傷
つ
け
ら
れ
る
、
辛
く
な
っ
て
し
ま
う
と
い
っ
た
被
害
を
言
い
ま
す
。
今
考
え
よ
う
、
デ
ー
ト
D
V
イ
ン
タ
ビ
ュ
ー
身体的暴力
た た く、蹴 る、壁 や床におさえこむ、 つねる、火傷させ る、食 べ も の・飲 みもの・睡 眠・薬 をとらせないなど
精神的暴力
けなす、常に批判・ 非 難 す る、侮 辱、 ひどい嫉妬、大切 な物を壊す・捨て る、無 視、自 殺 の 脅しなど
性暴力
レイプ(無理強い なセックス)、ポル ノなど見たくない ものを見せられる、 性 感 染 症 の 感 染、 避妊しないなど
経済的暴力
お金を巻き上げる、 無理やり働かせる、 働きたいのに働か せない、仕事を辞 めさせるなど
【表 1】
【図 1】健全な関係性とは ©NPO 法人レジリエンス
【図 2】尊重のない会話(コーヒー編)
©NPO 法人レジリエンス は二人の世界を表します。
不健全な関係は二人の世界に二人ともが入り込んでしまい、友達などとの交流、 自分だけの時間や楽しみを持っていないような関係です。
健全な関係は二人ともがそれぞれの世界を持ち、程よい距離のある関係です。
R EP O RT
西山さつきさんプロフィール
NPO法人レジリエンス 副代表 DV・トラウマに関する講演を全国 各地にて年間多数行う。デート DV 予 防啓発活動にも力を入れ、中学、高 校に出向き講座を行う。
東京、横浜では DV・トラウマから の回復のための12回講座「レジリエン ス☆こころの care 講座」を10 年以上 開催している。
共著 『傷ついたあなたへ』梨の木舎 『傷ついたあなたへ2』梨の木舎 『DVはいま』ミネルヴァ書房 健全な関係
不健全な関係
おまえ、コーヒーに砂糖なんて入れてんの?
マジで! コーヒーに砂糖なんて邪道だよ
絶対変だよ、砂糖なんて入れるやつなんていないぜ。 子どもじゃないんだから
当たり前だよ、そんなの常識だよ。 なんでそんなこともわかんないんだよ はぁ∼? 普通入れないだろう、まずそっ!
うん、甘いのが好きなんだ
え∼、そう? おいしいよ
おかしいかなぁ……
Ⓒ2012-copyright:Les Productions du Tresor-France 3 Cinema-France 2 Cinema-Mars Films-WildBunch-Panache Productions-LaCie Cinematographique-RTBF
講座レポート
●団体交流会 6 月 21 日(土)
講演 「移転 10 年を振り返って」
講師:元北区女性センター専門スタッフ 小澤浩子さん
グループトーク(意見交換)、各団体からのアピール
4年ぶりに開催された交流会は、25団体35人の参加で開催されました。始めに、小澤 浩子さんから北区女性センターの歩みとともに、北区男女共同参画センターへ移転した 想いについて講演がありました。「スペースゆう」は北区の男女共同参画の中枢を担って おり、登録団体の拠点として意義のあるセンターであることを再認識することができました。 その後、参加者がグループに分かれて意見交換を行いました。限られた時間ではありま したが、活動をより活発にするための有意義な意見が交わされました。
最後に、参加団体によるアピールタイムがあり、活動内容を知る貴重な機会になったと思います。北区 の男女共同参画を推進していくために、登録団体の活動がますます盛んになることが必要で、そのために も団体同士でネットワークしていくことが大切だと感じました。
地域スタッフ 中村三千香さん
●講演会 6 月 28 日(土)
柔道一直線∼選手として、そして指導者として∼
講師:筑波大学大学院体育系准教授 山口香さん
天候がハッキリしない中、何人の方々が受講されるか心配しま したが、会場には多くの人々が参加されました。
山口香さんのお話は、女性柔道の歴史、女子柔道の母、女 子柔道への思い、女性スポーツを取り巻く環境、コーチングに ついて、だれもがスポーツに取り組める環境を創ること等、柔道・ スポーツを通して男女共同参画を考える内容でした。
印象的だったことは、男女共同参画社会のために、何が必要 で何が大切かを受講者に判りやすく丁寧に話されていたことや、 前向きに生きている姿です。
講演後、参加者からは「柔道の歴史から人の心、人格や思 いやり等、とても楽しく拝聴できました」と感想をいただきました。 地域スタッフの一人として、「スペースゆう」と力を合わせ、男 女共同参画週間講演会を無事に終えられたことは、今後の活 動の励みになりました。
地域スタッフ 伊庭孝さん
●映画会 6 月 22 日(日)
タイピスト!
『タイピスト!』は1950年代のフランスを舞台とした作品 です。
女性たちが自由を求めて社会へ飛び出そうとしていた当 時、女性にとって秘書は花形の職業。そして、秘書にとっ てタイプライターの早打ちは最も重要な技術のひとつで、 早打ち大会で優勝することは最高のステータスでした。 主 人公のローズは、タイプライターの早打ち大会で優勝する ことをめざし、様々な困難に立ち向かっていきます。目標 に向かって奮闘するその姿を、当時の状況も踏まえながら、 ていねいに描いた映画です。
当日は100名以上の方が鑑賞されました。参加者のア ンケートからは「(主人公が)頑張っている姿に勇気づけら れました」「時代を切り開いていった女性が描かれていてよ かったです」など、前向きな感想を多くいただきました。 映画の舞台は1950年代
でしたが、現代にも通じ る課題を考える、よい機 会になったと思います。 地域スタッフ 藤田裕喜さん
●展示
6 月 11 日(水)∼ 7 月 6 日(日)
初めてガールズ、
先輩たちに学べ!
ギャラリー遊にて、日本で初 めて〇〇した女性31名を展示し ました。その多くが男尊女卑の 時代、女性が参政権すらなかっ た時代に扉を開いた女性たち― 「初めてガールズ」です。山口 香さんの講演会や映画会の後 で熱心にご覧になる姿が見られ ました。凛として素敵な初めて ガールズから勇気や元気をもら えたことと思います。「スペース ゆう」登録団体の活動紹介も同 時に展示しました。
男女共同参画週間
男女共同参画週間
6月21日 ∼28日
6月21日 ∼28日
2014 北区
今年は企画をした地域スタッフ(区と協働で男女共同参画を推進する区民を中心とし「凛として∼明日に向かって、今∼」
をテーマに実施しました。 た方々)から報告していただきました。R EP O RT
しかくい社会をまあるく! 創作落語と歌で学ぶ男女共同参画講座 創作落語『りぷろだくてぃぶ・へるす / らいつ』都内初演!
6月7日(土) 講師 男女共同参画落語創作・口演家 千金亭値千金さん
「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」とは「生と生殖に関する健康と権利」のこと。 この長いカタカナ語からして何やら難しそうですが、お世継ぎ誕生を待ちわびるお殿 様、そのお殿様の見識を試す奥方様と頼りない家来の与の助のやり取りで学びました。
後半は「妻や娘や 嫁 に『私、産みません』と言われたらどうする」をテーマに意見交換。孫への期待は「産 む女性には想像以上のプレッシャーだ」という意見が出る一方、「やはり孫の顔が見たい」という本音も飛び出しま した。「出産の自己決定」を頭で理解しても、気持でも納得するには時間が必要なのだと感じました。
働き方改革を進める ∼ワーク・ライフ・バランス支援と企業経営∼
7月11日(金) ●講演会 講師 法政大学キャリアデザイン学部教授 武石恵美子さん ●パネルディスカッション コーディネーター 武石恵美子さん
パネリスト 「北区仕事と生活の両立推進企業」に認定された企業の経営者
アネス株式会社 田中崇彦さん 株式会社日乃本錠前 田中常隆さん 原工業株式会社 矢口哲也さん
講演会では「多様な働き方」をキーワードにお話をされました。中でも日本は一律に集団で働く特色があるという お話が印象的でした。日英独における始業時刻の分布について調査した結果、日本では「8時台」「9時台」で9割を 占めるのに対し、英独では「6時より前」「6時台」「7時台」で5割と分散していまし
た。始業時刻ひとつを取ってみても、日本では画一的に働く傾向にあることが見 て取れました。誰もが働きやすい職場について、考えさせられた講演会でした。 パネルディスカッションでは各企業から従業員の出産・子育てや介護について の具体的事例、高齢者に活躍してもらう取り組みなど貴重なお話が多くありました。
イクメン講演会 Work(仕事)×Life(子育て)×Social(地域)で幸せ倍増計画
8月24日(日) 講師 NPO 法人コヂカラ・ニッポン代表 川島高之さん
会社社長・1児のパパ・元PTA会長としての顔を持つ川島さんが、仕事・子育て・地域活動のすべてを楽しむ ヒケツや、子育て・地域活動が仕事に与える様々なメリット、そして
イクメンとは「今しかできない期間限定」であり「義務でなく特権」で あるなど、自身の経験をもとにお話をされました。
後半は、講師から参加者へ質問をする形で、日頃の子育てについて 振り返ってもらいました。参加者からは実際に行っている仕事や家事の 時短術や、普段は言えない夫婦の本音が出るなど、会場全体が盛り 上がる有意義な時間となりました。
パートナーシップ事業
ママ業プラスアルファ 私らしく 生きる★座談会
[ 企画・運営 ] 子育てママ応援塾「スマイルままの会」 7月25日(金)
パネリスト フラダンス教室経営 川野とも子さん 保育士 茂木亜希子さん
フラワーアレンジメント講師 斎藤雅子さん
育児と仕事の両立をめざし、起業した現役ママ3名がパネリストでした。パネリストからは出産後、育児に対する 理解不足や夫の転勤により退職せざるをえず、環境の変化に苦労しながらも、特技を生かし、いかに起業につなげ ていったかというお話がされ、皆さん興味深く聞きいっていました。パネリストに共通していた思いは、「はじめの一歩 を踏み出す勇気を持つこと。」「環境は変えられないけれど自分は変えられる。」ということでした。
参加者もパネリストも、子育て中で同じ境遇・立場の方が多く、日頃の思いを共有する時間にもなりました。
パートナーシップ事業 共働き夫婦(デュアラー)応援講座 ∼共働き夫婦ならではの仕事と子育ての楽しみ方を一緒に考える∼
[ 企画・運営 ] 働くママの会 ノースキューブ
9月6日(土) 講師 情報サイト「日経 DUAL」編集長 羽生祥子さん ファシリテーター 小田舞子さん
講座前半では、講師の羽生さんが、自身の共働き子育て体験や日々の取材編集活動 を通じて得た、家庭運営や職場環境づくりのコツをお話ししました。小田さんがトークに 加わった後半は、参加者との質疑応答が時間いっぱいまで続きました。
羽生さん、小田さんが強調したのは、子育てに関する職場の理解獲得、後押ししてもらえる職場の体制・ルール づくりと、明確で簡潔な職場コミュニケーションの重要さです。産休・育休後の職場復帰に直面する参加者には、「う しろめたさを感じることなく、フルタイムでの復職をめざしましょう」と、エールが送られました。パパたちも参加して、
平成25年6月に「北区男女共同参画に関する意識・意向調 査」を実施しました。その調査において「配偶者からの暴力の 防止及び被害者の保護に関する法律」(DV防止法)を知って いるか聞いたところ、「法律名も内容も知っている」(30.1%) が3割でした。「聞いたことがあるが、内容は知らない」(54.3%) が5割半ば、「知らない」(12.8%)が 1 割を超え、DV防止法 の認知度は低い傾向にあります。
DV防止法は今まで家庭内に潜在してきた暴力について、人 権擁護と男女平等の実現を図るため、配偶者やパートナーなど からの暴力の防止、及び被害者の保護・支援を目的として作ら れた法律です。
DV防止法で規定する「配偶者からの暴力」は、殴る・蹴る といった身体的な暴力に限りません。身体的暴力に準ずる、心 身に有害な影響を及ぼす言動まで含まれます。また、保護の対 象は事実婚を含む配偶者、元配偶者だけではなく、同居する(し ていた)交際相手からDVを受けた場合も含まれます。
北区男女共同参画センターでは悩みごとがある方や配偶者等 から暴力を受けている方などを対象に「こころと生き方・DV 相 談」(詳細は 8 ページをご覧
ください)を実施しています。 ひとりで悩まずに、身近な相 談窓口にご相談ください。
DV防止法について、「法律名
も内容も知っている」と答えた割 合です。
30.1
%
数字から見る 北区の男女共同参画
7
6
DV理解基礎講座
DVとは殴る・蹴るなどの身体的暴力だけなく、言葉で精神 的に追い詰めるモラルハラスメント等もDVです。 国の調査によ ると、3人に1人の女性が何らかのDV被害を受けています。 D V被害者は、あなたの身近にいるかもしれません。 友人・隣人 としてできることを一緒に学びましょう。
①11 月 20 日(木)午前 10 時∼正午
②11 月 28 日(金)午後 6 時 30 分∼ 8 時 30 分 (①と②は同一内容) 会場 男女共同参画センター「スペースゆう」多目的室A・B 対象 DV・モラルハラスメント等の問題に関心がある方、 こ
の問題の基礎知識を身につけたい方
講師 NPO法人レジリエンス副代表 西山さつきさん 定員 各回 40 名(先着順)
※保育、手話通訳あり。詳細はお問い合わせください。
女性への暴力をなくす運動の一環として、今年も 11月12日 から約1か月間、北区パープルリボンシンボルマークを車体にラッ ピングした北区コミュニティバスが区内を運行します。
ギャラリー遊では11月1日(土)∼11月30日(日)に「女性 に対する暴力をなくするための特集」の展示を行います。 他にも中央図書館で関連図書の紹介を行います。
国連が定めた
「女性に対する暴力撤廃国際日」
です
毎年11月12日から25日まで、国は「女性に対する暴力をなくす運動」を実施しています。女性に対する暴力とは、配偶者・パートナー からの暴力、性犯罪、売買春、人身取引、セクシュアル・ハラスメント、ストーカー行為などであり、女性の人権を著しく侵害するもので、 許されるものではありません。「スペースゆう」でも下記のような催しを行います。
紫色のリボンやモチーフなどを身につけた り、身の回りに置いたりすることで暴力のない
社会を願うメッセージを表現しています。 北区ではより多くの方々に、 DV防止や、
パープルリボン運動を知っていただくきっかけとして、オリジ ナルのパープルリボンシンボルマークを制定しています。
DV・モラルハラスメントを知る
∼友人・隣人として私たちにできること∼
北区パープルリボンシンボルマークを
車体にラッピングした
北区コミュニティバスが走ります
11月25日は
北区パープルリボンシンボルマーク
10 月
11 月
12 月
1 月
2 月
3 月
ギャラリー遊
展示者名
久保田隆三
やなぎだくらぶ
スペースゆう
髙内信夫
公益社団法人王子法人会 女性部会
悠友書道会
デイサービス コモンズ はなみずきの会
アート書教室
東京都立王子総合高等学 校美術科
川柳あすか
内 容
ヨーロッパの街角の水彩画 静物、風景を描いた水彩画、 油彩画
女性に対する暴力をなくすた めの特集展示
十二支のデザイン、木工品
税に関する小学生の絵葉書
特別支援学校卒業生の書道
額絵・布絵・手工芸
墨文字によるお祝袋、お箸袋
絵画(油彩と素描)、イラスト レーション、組写真、平面糸 風景、風物の絵画、写真に川 柳を書き込んだもの
お申込み・お問い合わせ先
男女共同参画センター「スペースゆう」
(北とぴあ5・6階)(月曜、祝日休館) TEL(3913)0161 FAX(3913)0081
E メール danjo-c@city.kita.lg.jp
『赤毛のアン』
とジェンダー
-「アン」
をめぐる長い20世紀
東京家政大学教授 伊藤 節さん
描かれる女、
描く女
-美術とジェンダー入門編
青山学院大学非常勤講師 西山千恵子さん
女が映画をつくるということ
映画監督 松井久子さん
女性作曲家を知ることの大切さ
-音楽界からも男女平等を実現したい
国立音楽大学名誉教授 小林 緑さんまとめのワークショップ
第1回∼第4回を振り返り、ジェンダーの視 点で文学・芸術を理解し、学びを深めます。 東京家政大学非常勤講師 笹川あゆみさん 会場 男女共同参画センター「スペースゆう」多目的室A・B 対象 原則として全回参加できる方
定員 30 名(先着順)
平成26年度は、ジェンダーの視点で文字や芸術に触れ、男女 共同参画について、改めて考えます。
第1回 11月2日㊐ 午前10時∼正午
第2回 11月9日㊐ 午前10時∼正午
第3回 11月23日㊐ 午前10時∼正午
第4回 11月30日㊐ 午前10時∼正午
第5回 12月14日㊐ 午前10時∼正午
北区さんかく大学
文学・芸術から見た男女の生き方
文学・芸術から見た男女の生き方
−5 回連続講座−
「北区男女共同参画審議会」は平成18 年に制定した北区男女共同参画条例に基づき区長附属機関として同年10月 に設置しました。審議会は行動計画「アゼリアプラン」の策定及び変更、その他男女共同参画の推進に関する調査 審議を行います。
委員数は現在20名で、弁護士や大学教授などの学識経験者の他に、公募による委員等で構成しています。
任期は 2 年で、今回第 5 期(平成 26 年 10 月 1 日から平成 28 年 9 月 30 日まで)の審議会を設置しましたので、 委員の方々をご紹介します。
第5期 北 区 男 女 共 同 参 画 審 議 会 を 設 置 し まし た
学識経験者 白井 典子 宮城 道子 山田 昌弘 奥津 眞里
区内関係団体 岡野 幸惠 齋藤 邦彦 斎藤 幸子 神津真理子 道本 周作 我妻 澄江 関 京子
公募委員 小澤 浩子 加藤 博己 村上 涼
区議会議員 椿 くにじ 大島 実
東
京
都
北
区
男
女
共
同
参
画
セ
ン
タ
ー
情
報
誌
ゆ
う
レ
ポ
ー
ト
ゆ
う
レ
ポ
ー
ト
平
成
26
年
10
月
31
日
刊
行
物
登
録
番
号
26
-1
-0
2
5
発
行
/
東
京
都
北
区
子
ど
も
家
庭
部
男
女
共
同
参
画
推
進
課
32
32
次世代育成支援対策推進法※が改正されました
※次代の社会を担う子どもの健全な育成を支援するため、平成17年に 施行された法律です。 この法律に基づき、 企業・国・地方公共団体 は次世代育成支援のための行動計画を策定することとされています。 (従業員数101人以上の企業においては義務、 100人以下の企業にお
いては努力義務) 改正の主な内容
①法律の有効期限の延長(平成26年4月23日施行)
法律の有効期限が平成37年3月31日まで10年間延長されました。 ②新たな認定(特例認定)制度の創設(平成27年4月1日施行) 現行法では、 行動計画を策定・届 出し、一定の要件を満たすと、 厚 生労働大臣の認定(くるみん認定)を受けること
ができます。 今回の改正では、 このくるみん認 定を受けた企業のうち、 特に次世代育成支援 対策の実施状況が優良な企業に対する新たな 認定(特例認定)制度が創設されます。
北区男女共同参画行動計画「第5次アゼリアプラン」 パブリックコメントを実施します
広く区民の皆さんのご意見を伺うためパブリックコメント(区民意見公 募手続)を12月下旬から約1か月間実施する予定です。
詳しくは北区ニュース12月20日号をご覧ください。
情 報 コ ー ナ ー
男女共同参画センター 「プラネタリウムホール」 は平成27年1月1日 (祝)から2月28日(土)の間、 改修工事のため、 ホールの利用及び下
見はできません。
プラネタリウムホール 改修工事のお知らせ
「子育てサポート企業」として、 厚生労働大臣の
認定を受けた企業の証が、 「くるみんマーク」です 愛称:くるみん
所在地 〒114-8503 北区王子1-11-1 北とぴあ5・6階
TEL
03-3913-0161
FAX
03-3913-0081
男女共同参画センター「スペースゆう」へ来てみませんか
JR京浜東北線・王子駅下車北口より徒歩2分 東京メトロ南北線・王子駅下車5番出口直結 都電荒川線・王子駅前より徒歩5分
○開館時間 9:00∼21:00(日曜日9:00∼17:00)
○休館日 毎週月曜日、 祝日(月曜日が祝日の場合はその翌日も休館)、 年末年始(12/28∼1/4)
至赤羽
北本通り
北口
JR 京浜東北線
明
治
通
り
都電王子駅前
交番
P入口
一方通行→
りそな銀行 三井住友銀行 ファミリーマート
3 3
5 5
三菱東京UFJ銀行
みずほ銀行
バスロータリー 北とぴあ
JR王子駅 北とぴあ 6 階の
スターロードからお入りください。
男女共同参画センター
表・紙・紹・介
作/山本道子さん (弥生の会)
2 0 1 4 年 5月に 「ギャラリー遊」に て『四季のお細工 物(壁飾り)』を開 催しました。
ちりめん細工 「重陽の節句」 スペースゆうの情報コーナーでは、男女共同参画や自分らしい生き方 に関する資料を揃えています。ぜひお立ち寄りください。
スペースゆう相談窓口
ひとりで悩まずにご相談を
電話番号:03-3913-0161
スペースゆう相談窓口
ひとりで悩まずにご相談を
電話番号:03-3913-0161
離婚、財産相続、雇用・労働上のトラブルなど、 身のまわりで起こる法律上の問題について、女性弁 護士が相談に応じます。
相談日の1ヵ月前から予約を受付けます。 相談はお一人年度内 1 回です。
第3木曜日 17:00∼19:15 4枠 第1土曜日 9:30∼11:45 4枠
法律相談
相談時に1歳∼未就学児のお子様の保育を希望さ れる方は、相談日の10日前までに予約してください。
夫婦、家族問題について相談に応じます。相談は原則お一人年度内1回です。
第1水曜日 15:00∼20:00のうち 1枠 第1・3土曜日 10:00∼11:00 1枠
男性からの相談もお受けします 男性からの相談もお受けします
パートナーからの暴力、家族との関係、職場でのセクシュアルハラスメントや人間関 係など、生きていく上での悩みや問題について、女性の専門相談員が相談に応じます。
こころと生き方・DV相談
対象:女性 面接相談 50分 電話相談 30分
電話相談のみ 30分 電話相談のみ 30分
火曜日 毎週 9:40∼16:40 6枠 水曜日 第1・5 15:00∼20:00 5枠 第2・4 13:00∼18:00 5枠 第3 9:40∼20:00 7枠
金曜日 第1・3・5 9:30∼15:30 5枠 土曜日 第1・3 11:00∼12:00 1枠 第2・4 9:30∼15:30 5枠 日曜日 第1 9:40∼16:00 5枠
対象:女性 面接相談 30分
相談はすべて無料です。事前にお電話、スペースゆうの受付にてご予約ください。
スペースゆうの
お薦め図書
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「長女たち」
著者 篠田節子 発行 新潮社
3編の小説が収録されています。それぞ れ描かれている場所、主人公の職業、家 族構成などは違いますが、主人公は独身の 「長女」であり年老いた親との 藤を抱えて
いるという点は共通しています。