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無線模写受画装 置の受信感度測定結 果 と 保 守 に つ い て
梅 園 茂
The Sensitivity Measurement and Maintenance of the Facsimile-receiving Apparatus
Shigeru UMEZONO
"The Nagasaki -maru" , a training ship of the Nagasaki Univereity Faculty of Fisheries, underwent three training navigations to Ceylon, Hawaii and Australia in each of the past three years, from July to September every year. Durind these navigations, the ship received the facsimile of weather reports, hydrographic information or news
mainly from Tokyo, Pearl Harbor and Canberra. some results of the study on the receiving sensitivity and maintenance of tha apparatus
are as follows.
1. There are some areas near the South-West Islands at about 1,000Km from Tokyo and near the Philippine Islands at about 2,000Km where the receiving sensitivity is very low with much noise and jamming in the F4 wave. This tendency is most remarkably revealed at about 1900 hours.
2. In a middle-sized ship, any receiving apparatus of higher quality than the NXA-340A type will be sufficiently practical even at a distance of over 10,000Km from Japan.
3. The F4 wave often undergoes much modulation caused by other waves showing little sharpness in the record even when the electric strength is large.
4. The time lag of synchronous signals is often caused by the variation of the electric source frequency due to over-load and by the maladjustment of the holder belt for the record pin.
緒 言
長 崎大 学 水 産学 部 練 習 船長 崎 丸 は,過 去5年 間 にセ イ ロン ・ハ ワ イ ・オ ー ス トラ リヤへ 各1回 づ つ,い ず れ も7月 か ら9月 に か けて練 習航 海 を行 な った.こ の 間 主 と して 東京 ・
パ ー ル ・ハ ーバー ・キ ャソ ベ ラか らの 気 象 情報,水 路 通 報,ニ ュー スの 模 写受 信 を行 な っ た 結果,そ の受 信 感 度 と装 置 の保 守 に つ い て一 部 考 察 が 出来 た の で報 告 す る.
な お,資 料 の整 理 に御 協 力,御 指 導 頂 い た,阿 部 茂 夫 船 長,矢 田殖 朗 一等 航 海 士,井 上 正六 二 等 航 海 士 に深 甚 な る謝 意 を表 す る.
資料および方法
バー2704陵︶ノ◎ 受信機:コリγズ型NMR−240Sダブル7K・・一パー 受信アyテナ:水平部16.5m 高さ15.7m 傾斜型 無線模写受画装置:NXA−540A型.
測定時間 07:00時より20:00時の間.
測定周波数:主に9〜22mc/s.
測定範囲:東京を中心としてハワイ,オーストラリや北西部おタびセ・イロンを結ぶ線 内.
考 察
無線業務日誌の記録によると,3回にわたる遠洋航海での合計184日間において,無線 模写受画装置の使用回数は実に1,472回に達した.そのうち920回は東京からの:気象情報
(JMH) と水路通報およびニェ・一一 7・(JJC)を,残りの552回は・ぐ一ル・ハt一一バr
(NPM),サングレイ・ポィ:ソF(NPO),キャンベラ(AXM)からの気i象情報を 受信したものである.短波通信においては,その伝播状態が複雑であるため,送受両局間 の昼夜,四季を考慮に入れて周波数を選定する必要がある.3,000Km付近までの短波通信 に対する周波数選定法は極めて詳細かっ実用的な報告があるが量),なお,それを昼間伝 ばんのみについてまとめるとFig.1.のようになり, a・b・cは夫々太陽活動性の最盛 期,中間期,:最小期を示す.遠距離通信においてはこの資料も参考になるが,送信局より 1,000〜2,000Km内外の地点に当る東京からは南西諸島一帯およびフ・イリピγ近海の一部に おいて,波長の長い方の短波帯で の受信は,混信雑音に妨害され,
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Communication distance Fig. 1 The suitable maximum frequericy for communication distance.
The data were collected at daytime,
during 6 o clock a. m. to 6 o clock p.
m.
波長の短い方の短波帯すなわち 18〜22MCでは周波i数に対する距 離と受信感度表2)の示す通り感度 が弱く,時には記録が実用になら ないこともあった.交信の場合は 音色に頼るとか反問するとかで目 的は達せられるが, F・電波等の 放送の受信に当ってはこれら妨害 波の除去がむつかしく,したがっ て画面に強い線となって記録され るため,著るしく鮮明度が落ち る.特に19時からの受信ではいず れの波長を使用しても非常に悪い 結果が得られることがある.無線 通信においては,受信の良し悪し は相手の電波の電界強度の絶対値 だけで決るものではないことは,
波長の長い方の短波帯では感度は
長崎大学水産学部研究報告 第22号(196ワ) 111
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Fig. 2
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A poor record received in a low shortwave zone.
智
慧騨鞍ボ蔑.
充分にあってもFig.2.に示すごとく記録にシャt・一プ性がなく,テレビのtf r一 7k Fに似 た二重写しとなる事が度々あって9mc/S以下は余り使用できなかったことでも立証され る.混信のおもなものはテレタ・イブと無線電話である.近距離における受信障害はあるに しても,日本の:気象情報は送信出力5KWであるにもかかわらず10,000阯の遠距離におい て充分な好感度をもって受信されたので,零本に接近または上陸する台風情報も刻々得ら れた.これに対しキャyベラの送信出力は20KWで日本の4倍の強力なものでありながら,
東京よりの距離がキャγベラよりの距離の約2倍であるオーストラリや北西方の印度洋上 において,記録機入力を比較した結果,日本からのものは5db.以上を示し高い鮮明度を もって記録されたが,キャンベラのものは160余熱にわたる受信においてその大半は5db.
以下で記録も判読出来る程度のものが多かった.この記録の品位の相違は両局からの通路 利得係数3)の相違にあるものと思われる.Fig.3と4はその記録の実際の比較である.両 局の使用波長と放送時間が近似しているので測定には好都合であった.パール,ハt一一バt一
とサγグレイ,ポイントは特に感度が弱く1,500Km以内に近づいても実用にならないこと があった.東京から放送する共同通信社の送信出力は15KWであるから,過去における本 船航程の東京から10,000Km程度離れた地点に於ても,常に5db.以上の記録機入力が得 られFig.5の通り高い鮮明度の画像が得られた. したがって本装置以上の性能のものを
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Fig. 5 A record received from Tokyo in the east of
the lndian Ocean.
中型船に装備した場合,時間と波長の選定さえ適当に行なえば,より以上の遠距離…におい ても充分実用に供されるものと思われる.短波の伝ばんを妨害するものに約11年弱を一・週 期として繰り返す太陽の活動性周期がある4)が,それによると昭和41年中期は最小期に当
るにもかかわらず,前年および前々年に比較して妨害が強かった様である.同41年9月4 日のごときは13時18分頃より約20分間にわたり全然短波通信がと絶え,これはちょう度13 時からの22mc/sを受信中に経験したことである.この愚な特殊自然現象による妨害を除
けば98%の好結果が得られた.東京からの感度は指向性や通路利得係数の相違に原因する と思われるが,その方向により異なりFig.6のごとく利得の違った結果を得た. aはハ ワ・f方面,bはセィロy・オー入トラリや方面での測定記録であり,感度3以下は実用性 の乏しいものである.
なお本機は使用回数の約2%の同期信号のズレが生じたが,これは過負荷による電源周 波数の変動にもよるが,記録針保持用ベルトの調整不良によることが多い様であり,ベル
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Fig. 4 A record received from Canderra in the east of the lndian Ocean.
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讐 謬
Fig. 5 High sharpness obtained at a great distance.
Transmisson dlstance
Fig 6 An example of the variation of receiving sensitivity according to the change in direction
ト送 りの 凸 部 に対 し ての 注 油 や,記 録 部 の 絶 縁 板 に付 着 す る焼 粉 の清 掃 も常 に任 意 す へ き こ とて あ る 本 機 の 欠 点 の 一 つ は 記 録 の 際 悪 臭 を放 つ こ とて あ るか,吸 しん装 置 を現 装 置 の もの よ り強 力 な もの と して 室 外 に 放 出 す る こ とに よ り,そ れ を消 す は か りて な く,記 録 部 一 帯 に 付 着 す る焼粉 を少 な くす る事 か て き て,シ ャー フ な記 録 を行 な う上 に役 立 った ま た 始動 後約15分 間 ピ ノチ 調 整 に 留 音 す る必 要 か あ る これ は 局 部 発 振 周 波 数 の変 動 と考 え られ るか,修 正 か簡 単 な の て 監 視 者 か お れ は 実 用 上 大 した問 題 て は ない1日 平 均4時 聞 前 後 の 使 用 て は5〜6日 こ とに 録 記 針 の取 り替 え を行 な うこ とに よ り鮮 明 度 の 高 い 記 録 か得 られ る
要 約
1 東 京 よ り1,000〜2,000㎞ 前 後 の 地 域 に お い て波 長 の長 い 方 のF4電 波 に 混 信 雑 音 が 多 く,波 長 の短 い方 て は感 度 か 弱 く時 に は非 常 に 悪 い結 果 か 出 た
そ れ は19時 頃 が 特 に 顕 著 て あ る
2 中型 船 にお い て もNXA‑340A型 以上 の性 能 の 受 画 装 置 を装 備 す れ は,本 邦 よ り 10,000㎞ 以上 の遠 距離 に お い て も充分 実 用 性 か あ る
3 F4電 波 は 他 波 に よ る変 調 を大 き く受 け,電 界 強 度 は高 くて も記 録 に シ ャ ーフ性 か な い場 合 か 多 い
4 同期 信 号 の ズ レは 過 負 荷 に よる電 源 周 波 数 の変 動 と,記 録 針 保 持 用 ベ ル トの調 整 不良 に 起 因 す る こ とが 多 い 様 て あ る
文 献
1)電 気 通 信 学 会 学 会 誌,3,(1959)
2)武 田 行 松 解 説 無 線 工 学 ・共 立 出版 株 式 会 社,東 京(1952)P331‑332 5)日 本 電 波 協 会 無 線工 学 ハ ン トフ ノク,オ ー ム社,東 京(1962)P467‑470 4)武 田 行 松 解 説 無 線工 学,共 立 出版 株 式 会社,東 京(1952)P327〜330