• 検索結果がありません。

小学校体育 における 「体力 を高める運動」の教材開発

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "小学校体育 における 「体力 を高める運動」の教材開発"

Copied!
12
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

三 重大 学教 育 学部研 究 紀要 61 教育 科学 (2010) 155‑ 166

小学校体育 における 「体力 を高める運動」の教材開発

伊 藤 暢 浩 *・岡 野 昇 **・山 本 俊 彦 **・加 納 岳 拓 *

Develop‑ entofeducational‑ aterial̀ExercisesforPhysicalFitness' forEle‑ entaryP.E Lessons

NobuhiroITO,NoboruO KANO,ToshihikoYAMAMOTOandTakahiroK ANO

本稿では、 まず小学校体育 における 「体力を高める運動」 にかかわ り、最近の実践報告や研究動向か ら、

体力を高める運動」の問題を浮き彫 りにした。そこでは、「体力を高める運動」の実践報告はきわめて少な く、

教材の開発 もあまり進められていないことが明 らかになった。また、その背景には小学生には受けいれ られに くいとされる必要充足機能が強調 されてお り、その内容は トレーニ ング的で量的な体力を問題 にする数値主義 に基づき、 自己の体力の高ま りに着 目した個人主義的な立場か ら 「体力を高める運動」が位置づけられている ことが明 らかになった。加えて、最近の研究では、「体力を高める運動」の運動の特性、学習観、身体観 といっ た枠組みか ら展開されていることが明 らかになったが、実際にどのように運動の内容構成を行 っていけばよい のかという教材開発の提示までには至 っていないことが浮き彫 りとなった。

そこで、「体力を高める運動」 における、①運動特性の捉え方、②学習観の捉え方、③身体観の捉え方の三 点について検討 した結果、運動の特性は欲求充足機能を前面に取 り上げなが ら、結果 として必要充足機能 に結 びつけるという表裏一体のものとして捉えることが肝要であると述べた。 また、学習観 は個人主義的な学習観 か ら関係主義的な学習観へシフ トす ることが重要であると述べ、身体観は一人称的 ・三人称的身体か ら二人称 的身体へ と転換することで、新たな体育教育をひらく可能性があると考察 した。

こうした視点を持ちなが ら、「体力を高める運動」の新たな内容構成 に基づ く教材開発を行 った結果、欲求 充足 と必要充足の機能の両方を重視 しなが ら教材を作成するために、 カー ド(A6版)形式を採用 し、 カー ド の表面には欲求充足の観点が分かるように、「運動の中心的なおもしろさ」をイラス トと文章で表記 し、 カー ドの裏面には体力の四つの要素 (体の柔 らかさ ・巧みな動き ・動きを持続する能力 ・力強い動きを高めるため の運動)のどれ と結びついているか という観点で示 した。また、仲間と共に楽 しみなが ら行える運動を行 うこ とができるという観点か ら30の運動を選定 し、仲間に働きかけた り、仲間か ら働きかけられた りす ることに よ り生まれる世界を大切にす る二人称的な身体か ら運動を取 り上げた。

1. は じめに

平 成203月 に学校 教 育 法 施 行 規 則 の一 部 改正 と 小 学校 学 習指導 要領 の改訂 が行 われ た。小 学校体 育 に か か わ る今 回 の改 訂 と して 「第 1章 総 則 第 1教 育 課 程 編 成 の一 般 方 針 3」 に、 「体 育 ・健 康 に関 す る指 導 」 が あ げ られ る。 その 中で は、 「体 力 の 向上 に関す る指導 、 安全 に関す る指導 及 び心身 の健 康 の保 持増 進 に関す る指導 」 につ いて、 「体 育 科 の時 間 は もとよ り、

家庭 科、 特別 活動 な どにお いて もそれぞ れの特質 に応 じて適 切 に行 うよ う努 め る こ と」 と され、 「生 涯 を通 じて健康 ・安 全 で活力 あ る生 活 を送 るた めの基礎 が培 わ れ るよ う配 慮 しな けれ ばな らな」 (文 部 科 学 省 、 2008a、p.25)と述 べ られ て い る。 また、 体 育 科 の 目 標 に は、 「体 力 の 向上 を図 り」 (文 部 科 学 省、2008b) と明記 され、体 力 の 向上 が強 く主 張 され て い る。 この よ うに体 力 の 向上 に焦 点化 され た理 由 は、 「子 ど もの 体 力水 準 が全体 と して低下 して い る ことが うかが え る

*教育学研究科

**教育学部

(2)

とともに、積極的に運動す る子 どもとそ うでない子 ど もに分散 が拡大 してい るとの指摘 があ ることか ら、

中略〕児童が 自ら進 んで運動 に親 しむ資質 や能力 を 身につけ、心身を鍛えることができるようにす ること」

(文部科学省、 2008a、 p.25)が大切 とされてい るか らである。 これ らの ことか ら、小学校体育科 において、

第 1学年 では90時間か ら102時間へ、第2学年 か ら 4学年 までは90時間か ら105時間へ と年 間時数が 増加 され、 さらに、 これまで第5・6学年 で取 り扱わ れていた 「体つ くり運動」の領域がすべての学年 に位 置づ けられ、発達の段階に応 じた指導 内容を取 り上げ て指導す るもの とされた。 「体つ くり運動」 の領域 に ついては、二つの小領域か ら構成 され、一つ は 「体 ほ ぐしの運動」で6年間を通 して行われ、 もう一つ は体 力を高めるために行われる運動 として低学年 に 「多様 な動 きをつ くる運動遊 び」、 中学年 に 「多様 な動 きを つ くる運動」、 そ して、高学年 は従前 どお りの 「体力 を高 める運動」が内容 として示 された。なかで も新 し く導入 され る 「多様な動 きをつ くる運動 (遊 び)」 に ついては、文部科学省か ら学校教育現場 にパ ンフレッ トが配布 され、それには改訂の主 旨、その運動の位置 づけ、指導計画、取 り扱い方な どの解説、多様な動 き の工夫例が紹介 されている

このように体力の向上 に重点をおいた今回の改訂で はあるが、 これまでの 「体力を高める運動」 は直接的 に体力を高めるために行われる運動 として取 り上 げ ら れることが多 く、子 どもにとっては興味関心が低 く、

意欲的に取 り組めない領域で もあった。 また、「体操」

の領域の時代か ら、教師にとって も取 り組みに くく、

敬遠 された り、準備 ・整理運動 にあてて行われた りし ているため、実践が極 めて貧困であるとの指摘 もされ ている (板垣、1990;高橋 ・三木、1995;本間、1996) また、前回の学習指導要領改訂時に埼玉県立 スポーツ 研修セ ンター (1999)が実施 した 「体育 に関す る意識 調査」では、「体力を高める運動 (旧体操)」 は、教師 にとってはあま り指導 の しやすい領域ではな く、子 ど もにとってはあま り好 きではない領域であるとい う結 果 も報告 されている

平成115月 に改訂 された学習指導要領 で もすで に体力 ・運動能力の低下傾 向や二極化の状況 を踏 まえ てお り、その状況を改善するために 「体 ほ ぐしの運動」

が導入 されてい るが (文部省、 1999)、 その後 も体力 の低下 には歯止めがかか らず、今回の改訂 につなが っ ている。加えて これまでの 「体力を高める運動」 は教 師にとって も子 どもにとって も取 り組みに くいという 指摘や報告か らも、「体力 を高 め る運動」 は対症療法 的に取 り組むだけでは問題の解決 につなが らない領域 であると考え られ る

2.研究の目的および方法

そ こで本稿では、第一 に、最近の実践報告や研究動 向か ら、小学校 における 「体力 を高 める運動」が どの ように捉え られているのかを明 らかに し問題点を整理 す る。その方法 としては、2000 1月 か ら200911 月 までの約10年 間の小学校体育 における 「体力 を高

める運動」の実践報告 について調査す る。調査の方法 は、学術雑誌 『体育科教育 (大修館書店)』か ら、「 力を高める運動」 についての実践報告を取 り出 し、そ の内容か らキーセ ンテ ンス とキーワー ドを抜 き出 し、

体力 を高 め る運動」 の実践報告が どのような傾 向に あるのかを整理す る。 また、最近の 「体力を高める運 動」の研究動 向を概観 し、 そこでの研究の枠組みを明

らかにす ると同時 に問題点を浮 き彫 りにす る

第二 に、第一の調査 か ら浮かび上が ってきた 「体力 を高 める運動」の問題点について検討 し、本研究の立 場を明確 にす る

第三 に、第二で明確 に した本研究における立場か ら、

体力 を高 め る運動」 の新 たな内容構成 に基づ く教材 開発 を行 う

3.体力を高める運動」の先行研究 3.1 体力を高める運動」の実践例

前述 した方法 に基づ きなが ら、「体力を高める運動」

の実践報告の調査 を行 った結果、 およそ過去10年 間 において、小学校 における 「体力を高める運動」 に関 す る実践報告 は14件 であ った。 その うち展開構成 ま で述べ られている報告 は11件であった。

また、実践報告の内容か らキーセ ンテンスとキーワー ドか ら傾 向を見てい くと、次の軌 在か ら整理す ること ができた。

運動 の特性 につ いては、 「体力 を高 める」、「動 き を身 につける」、「運動を理解 させ る」な ど、必要充 足機能 にかかわ るものが130件 に対 して、「楽 しく 行 う」、「運動の楽 しさ」、「楽 しくて夢 中」な どとい う欲求充足機能 にかかわ るものが30件 であ った。

運動の 目的 としては、「高めたい体力」、「巧みさ」

「自分 の体力 を知 る」 な ど、数値や量で個人 の体力 を高めることが 目的 とされるものが81件であった。

それ に対 して、 「お互 いの体 の よ うす に気 づ く」、

気持 ちの面で満足」、「す っき りす る」 とい うよう な実感 的 ・質的な体力を高めることが 目的 とされる ものは5件 であ った。

運動の内容 については、「体力向上のプログラム」

「なわ とび」、「練習」 な どとい う克服 ・達成的な内

(3)

小学校体育 における 「体力を高める運動」の教材開発

容 ととれ る ものが60件 であ った。 それに対 して、

一人 ではできない長縄」、「大根抜 き」、「鬼 ごっこ」

な どという、一人では成 り立たたず、 お もしろさを 感 じられる運動 を内容 とす るものは15件であった。

運動 によって感 じられ る身体観 は、 「自分 の得意 な運動 を行 う」、「な りたい自分 をみつ ける」、「自分 のめあてにむか う」な ど、 自己の身体 の高 ま りに向 けられるものが60件 に対 して、「共感」、「かかわ り」

「コ ミュニケー ション」な どと表 されるものは33 であった。

以上 の調査結果か ら、 この10年 間の 「体力 を高 め る運動」の実践 は、運動の特性か ら見 ると、筋力や心 肺機能、 循環機能への効果 に注 目 した り、 「走 る」、

跳ぶ」、「まわる」な どの身体の動 き方 に注 目した り、

体力の必要性や体力を高めるための運動の行 い方 を理 解 した りす るとい う必要充足機能が強調 されている

そ して、体力 テス トな どの結果か ら平均値 と自分 の結 果を比べ るな ど、量的に表 され る体力を高めることを 目的 としている傾 向が見 られる。そのため、運動の内 容 は体の部位の筋力を高めるために動 き続 けた り、同 じ運動を繰 り返 した り、負荷をかけた りす るとい う ト レーニ ング的な運動が行われる傾 向があ り、 自己の体 力の高 ま りに注 目した個人 内の運動 として取 り上 げ ら れる傾 向が強 いといえ る

これ らの ことか ら、 「体力 を高 め る運動」 は冒頭で 取 り扱いに くい内容であるとの指摘がされているよう に、実践報告数 は14件 ときわめて少 な く、教材 の開 発 もあま り進 め られていないことが明 らかにな った。

また、その背景 には小学生 には受 け入れ られに くいと され る必要充足機能が強調 されてお り、 その内容 は ト レーニ ング的で量的な体力 を問題 にす る数値主義 に基 づき、 自己の体力の高 ま りに着 目した個人主義的な立 場か ら 「体力 を高 める運動」が位置づけ られているこ

とが明 らかにな った。

3.2 体力を高める運動」の研究動向

前述 した 「体力 を高 める運動」の問題点に対 し、近 年新たな枠組みか ら解決を目指そうとす る研究 として、

佐 々木 (2000)、 大塚 (2004、 2005)、 鈴 木 ・塩 沢 (2006)らの研究があげ られ る

佐 々木 (2000)は、「体力 を高 める運動」 について

従来か ら問題視 されていた体操領域の活性化等 によっ て、単 に 『必要の充足』だけで授業 を展開す ることの 限界が今 まで以上 に問われるようにな った」 と指摘 し、

そ して、児童の欲求 も充足できるような教材 をつ くる ことが重要で、特性理解の転換 と教材づ くりの必要性 を述べている

また、大塚 (2004、2005)は、「体力を高める運動」

と 「体 ほ ぐしの運動」 を 「別 々の内容 として捉えてい るとい う点 に、『体つ くり運動』 が難 しい領域 といわ れ る一 因がある」 (2004、p.17)と指摘 し、「体力 を高 める運動」 も、「楽 しさや爽快感 を引き出す教材づ く りの工夫 が求 め られてい る」 (2005、 p.26)と述べ、

運動 を した時の心地 よさを体験す る機会 を持つ ことが 大切で、「体力 を高 め る運動」 と 「体 ほ ぐしの運動」

を有機的に関連づけた教材開発が必要だ と述べている

さらに、鈴木 ・塩沢 (2006)は、学習 内容の意味や 価値 は どの学習者 にとって も同 じではな く、 「体力の 高め方」 は個人や集団、環境、体調な どの状況 と文脈 によって変化す るので、 「体力 を高 める運動」 も学習 内容の意味や価値 は状況 と文脈 によって変わ るという 解釈 的パ ラダイム (藤 田、 1995)に立 ち、学習を捉え る必要があると述べている。そ して、従来 「体力 を高 める運動」 は必要充足の運動 とされ、運動の効果的特 性や構造的特性 に基づいて授業づ くりがなされ、体力 を獲得す ることが 目指 されていたが、 「体力 を高 める 運動」 も学習者 にとっての意味や価値を生成 させ るこ とが大切であ り、 自分へ気づき、体力の高め方を 自分 の内側か ら創造 ・発見 してい くことが学習であると捉 え直 してい く必要があると述べている

こうした先行研究 は、いずれ も 「体力を高める運動」

の運動の特性の取 り上 げ方 に言及 してお り、 これまで の必要充足機能だけではな く、欲求充足機能か らも学 習内容を導 き出す ことの必要性 を論 じている。 また、

体力 を高 め る運動」 を展開 してい く学習観 の ことに もふれてお り、 これまでの獲得概念 としての学習か ら 学習者 にとっての意味生成 を大切 に した学習概念への 転換 を促 している。 さらに、身体の見方 にも着眼 して お り、心地 よさや楽 しさ、気づ きな ど、 自分 白身の身 体を外的基準 に当てはめなが ら見てい くだけではな く、

実感 を手がか りとした内側か ら身体 を見てい くことを 提示 している

以上の ことか ら、 これ らの先行研究 は 「体力を高め る運動」の運動の特性、学習観、身体観 とい った枠組 みの見直 しに対す る問題提起 として受 け止めることが できる。 しか し、新たな枠組みか ら実際にどのように 運動の内容構成を行 っていけばよいのか とい う具体的 な教材開発の提示 までには至 っていない ことか ら、本 稿では小学校体育 における 「体力を高める運動」 につ いて、運動の特性 と学習観 と身体観 に着 目しなが ら、

具体的な教材開発を行 うことが課題 としてあげ られる

(4)

4.体力を高める運動」の捉え方

4.1 体力を高める運動」 と運動の特性

運動 の特性 と分類 につ いて佐伯 (1995、 p.120) 次のようにまとめている

運動の特性 は、それぞれの運動 を他の運動 と区別 す る特徴であ り、 (中略)体育授業では、運動 は目 標 を達成す る活動を導 く具体 的な ものであることか ら、 目標 との関係か ら特性を捉え ることが有効 であ る。 この視点か らの運動の特性 は、運動の身体 的発 達 に対す る効果 に注 目す る 「効果的特性」、運動の 技術 的な仕組みに注 目す る 「技術構造的特性」、 そ して運動 の欲求 や必要 を充足す る機能 に注 目す る

機能的特性」の三つに大別 される

また、佐伯 (1995、 p.121) は機能 的特性 と分数 に ついて次 のようにまとめている

運動 は、 まず欲求 を充足す るために工夫 され、そ の機能 を もつ運動 と、身体的必要 を充足す るために 工夫 され、 その機能 を もつ運動 とに大別 され、 さら にそれぞれが充足する欲求 もしくは必要の種類 によっ て類型化 される。前者 はスポーツとダ ンスであ り、

後者 は体操である

体力 を高 める運動」 は、身体への効果的特性が注 目され、機能的特性の面では必要充足の運動 として分 類 される

冒頭 で述べた とお り、平成20年小学校学習指導要 領 の改訂 では、体力 の向上 が強 く主 張 され、 「体つ く

り運動」 の一層の充実 が図 られている。 しか し、「 力を高める運動」 をこれまでのように、身体への効果 的特性の面 と必要充足機能の運動 としての位置づ けだ けで捉え るな らば、子 どもの体育嫌 いや落 ちこぼ しを 大量 に生 む可能性 もある

宇土 (1995)によれば、 1968年 の学習指導要領改 訂後 には、その頃の社会的背景 も受 けて、授業 も含め た学校全体で 「体力」 を重視 されるようにな った と述 べ られている。 そのため、 「休憩時間 も強制 的な体力 育成時間にされ、体育授業が トレーニ ング化 され、 もっ ぱ ら運動量ばか りをバ ロメーター とす る授業が強調 さ れた。 こうして学校全体が体力の調教場 とな り、体力 は一時的 に向上 したが、『スポー ツは好 きだが、体育 は嫌 い』 とい う体育嫌 い、授業での見学者、『落 ちこ ぼ し (れ)』 を大量 に生 んだ」 とされ る。 また、本 間 (1996)は 「体操 は大人 にとって意味のある運動で も、

子 ど もに と って は あ ま りお も しろ くな い運 動 」 (p.165)であ り、「手段的運動 を くり返 し行わせて も、

まだ子 どもにはその必要性 を十分 に理解す ることがで きず、あま り意欲的には取 り組 まない傾 向がみ られる」

(p.165)と述べている

すなわち、 「体力 を高 める運動」 を身体への効果的 特性や必要充足機能の側面 を強調 して運動を取 り上げ る考 え方では、前述 した問題を再び くり返す ことにな るもの と考え られ る

これ に対 して、 山本 (2001)は 「子 どもた ちが、

『我が もの』 と して本気 で運動 と取 り組むようにす る ためには、『いま‑ ここ』 での活動が、与 え られた活 動やある一定 の価値的な上昇 にむけて組み込 まれた活 動 としてあるのではな く、多様な広が りを持つ 『プレ イ (お もしろ くて夢中にさせ る)の連続』 としてある ことが重要 」 で あ る と主 張 して い る。 また、 松 田 (2001) は 「運動 ・スポーツのそれ 自体 のよさとは何 か、 あるいは生涯 にわた ってそれに親 しむ ことの原動 力 は何か と考 えた場合、それはやは り運動 ・スポーツ が持 っている固有の 『お もしろさ』や 『楽 しさ』だ」

とし運動 を楽 しむ』 ということを体育で大切 にす るのはそのためである」 と述べている

両氏 の見解 は、「体力 を高 める運動」 の領域 に向け られた ものではないが、運動を目的的 ・現実的に捉え、

プレイの視点か ら運動の内容を構成 してい くことが、

生涯 にわた り運動 に親 しむ原動力 になるとしている

以上の ことを踏 まえ ると、次 のような ことがいえよ う。小学校高学年 の子 どもは、 これまで もたびたび指 摘 されてきたように、体力 を高 めることへの必要性を 自分事 として感 じに くい時期であ り、身体への効果の 必要性を これまでの実践 においては感 じ取 らせ ること が困難 であるように考 え られ る。 したが って、「体力 を高 める運動」の取 り上げ方 は、欲求充足機能を前面 に取 り上 げなが ら、結果 として必要充足機能 に結 びつ けるとい う表裏一体の もの として捉えることが肝要で あると考 え られる

4.2 体力を高める運動」 と学習観

次 に、 これまでの 「体力 を高 める運動」の実践報告 にみ られ る運動内容 は、一人で行 うものが中心で、学 校で取 り上げな くて も行える運動が多か った ことか ら、

ここでは 「体力を高める運動」 を学校体育で行 う意義 について検討 してみたい。

里見 (2005)は、「学校 とい う空間 は、 ほかの空間 にはない大 きな可能性が潜在 している。子 どもたちが 集まって、ひとつの ことが らを、協同的に、持続的に、

かつ知的に追及できる場 として、学校以外 に現在、 ど のような場所 があ りうるだろうか」 と述べている。 ま

(5)

小学校体育 における 「体力を高める運動」の教材開発

た、佐藤 (1997)は 「『学力』 や 『能力』 として見 ら れているものがあるとすれば、 それは、人 とモノ、人

と道具、人 と人のあいだの関係だろう。 その証拠 に、

教材 を工夫 した り教室の環境や人間関係 を改善 した り して、関係や状況を変化 させれば、『学力』や 『能力』

と呼ばれ るもの も著 しく変化す る」 と述べている

両氏 が述べ るように、「体力 を高 める運動」 も学校 とい う共 同的な空間で、人 とモノ、人 と人 との関係の 中で、協 同的に、持続 的に、かつ知的に探求 したいと 思 う運動でなければ、行 っている運動 に対 し意味や価 値 は感 じられず、体力の向上 に もつなが らないであろ

う 。

この ことは、「体力 を高 め る運動」 を捉え る学習観 を、所与 の知識や技能の個人的獲得や個人の内的プロ セス とみなす個人主義的学習か ら、他者 とのかかわ り のある多様な活動 を通 して意味を構成 してい く社会的 行為 とみなす関係主義的学習へ と学習観 の転換である

と受 け止 めることができよう

近年のわが国の学習観 は、 これまでの学校教育の底 流 にある 「客観主義的知識観 (普遍的正答を措定 して その個人 的獲得 を学習 と見立て ようとす る考 え方)」

を超え、 「知識 は人 々の社会的な関係性の中で構成 さ れる」 と考え る 「社会構成主義的知識観」が台頭 して きている (広石、2005)。教科教育研究 も歩調 をあわ せ るように、 この後者 に基づいたカ リキュラム研究や 教材 開発 が進 め られているが、体育科教育 は教科の特 性上か ら、身体 を鍛え るという 「トレーニ ングとして の体育」 の時代が長 く続 き、昭和50年代 に入 ってか らようや く 「ラーニ ングとしての体育」へ と転換 が図 られた という経緯 がある。 しか し、 その 「ラーニ ング としての体育」の学習概念 は、先の客観主義的知識観 にとどまるものであ り、社会構成主義的知識観 を基調 とす る 「関係主義的アプローチ」 によるカ リキュラム 研究や授業研究、教材開発 は他の教科 と比べ遅れをとっ ていることは否めない。特 に 「体つ くり運動」の領域 はその傾向が強 く、授業実践に変化をもたせにくくなっ ているといえよう

一方、深刻化が叫ばれる子 どもの体力低下問題 につ いて、最近の識者 らの指摘 は、子 どもたちの遊びや運 動環境 (人的 ・物的)の整備の必要性 に集中 している

例えば、脇 田 (2004)は 「子 どもたちに健康のために 運動やスポーツをす るのではな く、運動やスポーツを 楽 しむ ことによってよ り高 い レベルの健康を獲得でき ることを伝 え る必要 がある」 (p.13)と し、 「屋外遊 びやスポーツに親 しむ機会 を意識 して確保 し、積極的 に体 を動かす機会をつ くってい く必要がある」 (p.13) と述べている。 この ことは、行動主義的学習論の 「 合」 を持 ち出 し無意味 に トレーニ ングさせた り、認知

主義的学習論 の 「獲得」す ることが必要だか らと煽 っ た りす るのでは く、 自然 に遊びた くな った り運動 した

くな るような環境づ くりの重要性を説いている

以上の ことか ら、関係主義的な学習観 に基づ く 「 力を高める運動」 とは、「数値 (高い数値、速 い数値、

強い数値な ど)交換」 に動機づ けられるか ら運動 を行 うのではな く、眼の前 に広がる濃密な運動のお もしろ さに誘われて思わずその世界へ 「参加」 した くな ると いうものである。すなわち、学校外で積極的にかつ安 心 して屋外遊 びやスポーツに親 しむ環境 が減少 してき ている今 日において、 自己 (学習者) と他者 (人 ・モ ノ ・自然な ど) との関係づ くりよって体力を高めるの ではな く、体力が高 まるような運動の世界を構成 して い くことが学校体育の役割 とい うように考え られ る

4.3 体力を高める運動」 と身体観

今 ひ とつ問題 として取 り上 げたい ことは、「体力 を 高める運動」 における子 どもの身体 の捉え方である

戦前の体操 は労働力や兵力 としての身体の教育であ り、教師 によって指示 された運動を繰 り返す トレーニ ングであ り、運動 をす る人 の身体 は、国家や社会 に向 けられた、いわば三人称的身体 であ った といえよう

そ して、戦後の体育 は運動 を手段 とす る全人教育 を経 て、一人一人 の子 どもの主体的な学習活動を導 くため の個性化 ・個別化学習の台頭 によ り、運動す る人 の身 体 は一人称的身体へ とシフ トしてい った もの と見 るこ

とができよう

これは先の学習観の問題 にも通 じることであ り、客 観主義的な身体や主観主義的な身体 については、通過 してきた と見 ることができるが、そ こには関係主義的 な身体が不在 と見 ることができよう。最近、話題性の 高 い 「コ ミュニケー シ ョンカ」 や 「対話力」、学校 に おいては 「伝 え合 う力」の育成や 「学び合い」 による 授業の浸透、体育 においては 「心 と体 を一体 として と らえ る」 とい った教科 目標の設定な ど、すべては関係 主義的な身体観 を背景 にもつ もの と考えることができ、

これについての識者 らの意見 として次のような ものが あげ られ る

例えば、佐伯 (1991) は外界か ら適切なアフォーダ ンスを ピックア ップす る体を持 っているはずの人間が、

現在の教育 によって 「閉 じられたか らだ」を育てて し ま ってい ることを指摘 し、本来人 間 に備 わ ってい る

働 きかけ られ るかかわ り」 が軽視 されてい ることへ の警鐘 を学校教育 ・体育 に促 してい る。 また、佐藤 (2000)は現在 の 日本 の小学校 の教室の特徴 を 「騒 々 しさ (発言 の過剰)」 にあると し、 いつわ りの主体性 を追求す る授業の形式主義 を改 め、「(受動的能動性) としての主体性」の必要性を強調 している。 さらには、

(6)

斉藤 (2001)はかつては自然 に行われていたような他 人 との息や気 が通 じ合 うような対話力が落 ちてきてい るように感 じるとし、「レスポ ンス (対応 ・応答) す る身体」の重要性 を張 っている

岡野 (2003)は、 こうした識者 らの意見を取 り入れ なが ら、関係主義的な身体 にかかわ り『かかわ り合 い』 とは、『関係 を持つ こと』 であ る」 (p.127)と述 べている。そ して、 自己が 『主体 とな って働 きかける かかわ り』 と、 自己が 『客体 とな って働 きかけられる かかわ り』の二つの 『かかわ り』か ら成 り立 っている

したが って、 関係成立時のか らだは、『主体 としての か らだ』 と 『客体 としてのか らだ』の両義性 を持 ち合 わせている 『関係 としてのか らだ』 として存在 してい ることにな る」 (p.127)と述べ、 自分 と相手 との間 に起 こる運動の実践を提示 している。例えば、二人が 座 った状態か ら背 中を合わせたままお互 いが立つ とい う運動があげ られ、 自分の力を相手 にあげた り相手の 力を 自分 にもらいなが ら、相手の体 を受 けいれた り自 分の体 を相手 にゆだねた りす ることによ りお互いが立 つ (立 って しまう)、 とい うような ものである

これは、 自分 と他者 との間に生 まれる 「間主観 的意 味世界」 (松 田、 1999)、あるいは 「二者 の身体が意識 す ることな く呼応 し、 そこに相互的、相補的な関係が 成立す るとい う間身体 的な関係 (メル ロ ・ボ ンテ ィ) の次元」 (鯨 岡、 2006)を生 み出す ものであ り、二人 称的な間身体 関係 (湯浅、 1996)の視点 に着眼 した も の と考え られ る

以上 の ことか ら、「体力 を高 める運動」 における身 体 を二人称的身体 と捉えることで、 これまで問題 にさ れてきたできることはよい ことに象徴 され る 持つ こと (to have)」 の重視 か ら 「丸 ごとの存在 と して の人 間 (tobe)」の問題 としての一人 ひとりのか らだ を見つめ、新 しいか らだの教養 を培 い育む体育教育へ の可能性がひ らかれるように考 え られる

5.体力を高める運動」の教材開発 5.1 教材開発のコンセプ ト

新 しい 「体力を高める運動」の教材 を開発す るにあ た って、次の三点 に重点をおいた。

第一 に、運動の特性の位置づ けであ り、欲求充足 と 必要充足の機能の両方 を重視 しなが ら教材 を作成す る ことに した。 そのため、欲求充足 と必要充足 を表裏一 体 として表せ るように、 カー ド(A6版) を作成す る こととした。 カー ドの表面 には欲求充足の観点が分か るように、「運動 の中心的なお もしろさ (その運動固 有のお もしろさ、本物 のお もしろさ)」 をイ ラス トと 文章で表記 した。 そ して、裏面 には表面で取 り上 げた

運動が小学校学習指導要領体育の 「体力を高める運動」

に示 され る体力の四つの要素 (体の柔 らかさを高 める ための運動、巧みな動 きを高めるための運動、動 きを 持続す る能力 を高 めるための運動、力強 い動 きを高め るための運動)の どれ と結 びついているか という観点 で示 した。

第二 に、仲間 と共 に楽 しみなが ら行え る運動を行 う ことができるとい う観点か ら、 30の運動 を選定 した。

選定 については、第二筆者 と第三筆者が大学の専門授 業 「小学校専門体育」(1999〜2009年)の中で行わ れた200以上の運動を対象 とした。

第三 に、 自分の身体 の高 ま りだけに注 目す る一人称 的な身体 だけではな く、仲間に働 きかけた り、仲間か ら働 きかけられた りす ることによ り生 まれる世界 を大 切 にす る二人称的な身体か ら運動を取 り上げた。

5.2 体力を高める運動」のカー ドの内容構成

体力 を高 める運動」 のカー ドの内容構成 は、表1 の とお りであ り、①運動の特性 (欲求充足機能 と必要 充足機能)、②学習観、③身体観 の三点か ら構成 し、

①の欲求充足機能 は運動の中心的なお もしろさを表記 し、必要充足機能 は体力的要素 を表記 した。 また② に ついてはどのような他者関係か ら成 り立 っているかを 明記 し、③ については二人称的身体 か ら明記 した。

なお、必要充足機能の体力的要素 は、学習指導要領 に示 されてある四つの要素を次のように解釈 し直 した。

O

体 の柔 らか さを高 めるための運動」 は、 自分 の 体 に関心を もち、主 として仲間 とかかわ り合 うこと で、 自分の体が柔 らか く変化 してい くことが実感で きるように した。 また、体の柔 らかさを連想 させ る タコのイラス トで表示 した。

O

「巧みな動 きを高 め るための運動」 は、 リズムや タイ ミング、仲間 との駆 け引きを楽 しむ ことで巧み さを高 めることができるように した。 また、巧みな 動 きを連想 させ るサルのイラス トで表示 した。

O

「動 きを持続す る能力 を高 めるための運動」 は、

主 に鬼遊びを楽 しむ ことで、 いろいろな方 向に体 を 切 り返す動 きを続 ける能力を高め られるように した。

また、持続す る動 きを連想 させ るカメのイラス トで 表示 した。

O

「力強 い動 きを高 め るための運動」 は、仲間 と触 れ合い、支持 し合い、押 し合 い、引き合い、抵抗 し 合 うことで力強 い動 きを高めることができるように した。 また、力強い動 きを連想 させ るゾウのイラス トで表示 した。

(7)

小 学 校 体 育 に お け る 「体 力 を高 め る運 動 」 の教 材 開発

表 1 「体力を高める運動」 のカー ドの内容構成

No. 運動名/ イラス ト 運 動 の 特 性 学習観 身体観

欲求充足機能

運動 の中心的なお もしろさ 必要充足機能体力 的要素 他者 関係 二人称的身体

1 体 の柔 らか さの変化 に気づ くことがお もしろい 体 の柔 らか さを高めるための運動 * *

2 変化す る体2

体 の柔 らか さの変化 に気づ くことがお もしろい 体 の柔 らか さを高めるための運動 * *

3 ペアマ ッサー ジ 相手の体 に触れた り、 自分 の体 に触れ られた りとい う 「 体 の柔 らか さを高め 1人対 1人 触れ る身体 と触れ れ合 う 伐虫れる‑触れ られることがお もしろい ) るための運動 られ る身体

4 ペアラジオ体操 ペ アで掛 け合 いなが らラジオ 体 の柔 らか さを高め 1人対 1人 見 る身体 と見 られ

体操をす ることがお もしろい るための運動 る身体

5 後転 言唇 心.)./㌔. ゆ っくりと後転す ることがお 体 の柔 らか さを高め自分 の体の重 さを感 じなが ら、 * *

6 エアー長なわ 跳 ぶ人 は見えないなわを仲 間 巧 みな動 きを高 めるための運動 2人対2 跳ぶ身体 と跳 ばせる身体 と一緒 に跳ぶ、 まわす人 は見

えないなわを仲 間 と一緒 に跳 ばせ るという 「る」 ことがお もしろい跳ぶ‑跳 ばせ

7 縄張 りエー シ ヨン 跳 ぶ人 はまわ っているなわの 巧 みな動 きを高 めるている人 は跳 ほ うとしているリズムをつかみ跳ぶ、 まわ し 1人対 1人 跳ぶ身体 と跳 ばせ

人 のタイ ミングをつかみ跳 ばせ るという 「ことがお もしろい跳ぶ‑跳ばせる」 ための運動 る身体

8 跳 ぶ人 はまわ っているなわのている人 は跳 ほ うとしている 巧 みな動 きを高 めるリズムをつかみ跳ぶ、 まわ し 1人対 1人 跳ぶ身体 と跳 ばせ

人 のタイ ミングをつかみ跳 ばせ るという 「ことがお もしろい跳ぶ‑跳ばせる」 ための運動 る身体

9 なわ跳 び リズム走 跳 ぶ人 はまわ っているなわの 巧 みな動 きを高 めるている人 は跳 ほ うとしているリズムをつかみ跳ぶ、 まわ し 1人対2 跳ぶ身体 と跳ばせ

二 二

=>

/

,J等∴ ことがお もしろい

(8)

No. 運動名/ イラス ト 運 動 の 特 性 学習観 身体観 欲求充足機能

運動 の中心的なお もしろさ 必要充足機能体力 的要素 他者 関係 二人称的身体

ll 相手の出方を察 しなが ら 「す ‑押 され るれ る」 ことがお もしろい」「引 く引か 巧 みな動 きを高 めるための運動 1人対 1人 押す身体 と押 され引 く身体 と引かれる身体る身体

12

じ ゃ ん け ん 手 た

//

た ′ き

/ t u

相手の手 をたたいた り、 自分の手をたたかれないよ うに し 巧 みな動 きを高 めるた りとい う 「たた く‑たたかれ る」 ことがお もしろい ための運動 1人対 1人 たた く身体 とたたかれ る身体 13 とっさの出来事 振 り向きざまに玉を 「取 る‑ 巧 みな動 きを高 める 1人対 1人 取 る身体 と取 られ

取 られ る」 ことがお もしろい ための運動 る身体

14 背 中にタ ッチ碁箪 攻 めなが ら守 る、守 りなが ら攻 めるという 「る」 ことがお もしろい追 う‑追われ 巧 みな動 きを高 めるための運動動 きを持続す る能力を高めるための運動 1人対 1人 追 う身体 と追われる身体

15 タ ッチ&エ スケープ 逃 げ られないよ うにタ ッチ し 巧 みな動 きを高 めるタ ッチされないように逃 げる、 ための運動 1人対 1人 追 う身体 と追われ 続 けるという 「る」 ことがお もしろい追 う‑追われ 動 きを持続す る能力を高めるための運動 る身体

17 子 と り鬼 ごっこ■■

山 ■ ー ■ .

̲..̲ 末 っ子を追いかけ、鬼か ら末 っ子 を守 り抜 くという 「追 われ る」 ことがお もしろい 巧 みな動 きを高 める追 う‑ ための運動動 きを持続す る能力を高めるための運動 1人対4 追 う身体 と追われる身体 18 鬼が島の鬼 ごっこ みんなを追 いか け、 みんなから追 いか け られ るとい う 「 巧 みな動 きを高 めるための運動 1人対全員 追 う身体 と追われ

19 助さん格さ母 索 悪代官が姫を追 いかけ、悪代官か ら助 さん格 さんが姫を守 巧 みな動 きを高 めるための運動 1人対3 追 う身体 と追われ り抜 くという 「追 う‑追われ 動 きを持続す る能力 る身体

20 サイ ン交差 イ ン 子 どもは、鬼 にタ ッチされず 巧 みな動 きを高 めるための運動動 きを持続す る能力を高めるための運動 1人対4 追 う身体 と追われる身体

(9)

小学校体育 における 「体力を高める運動」の教材開発

No. 運動名/ イラス ト 運 動 の 特 性 学習観 身体観

欲求充足機能

運動 の中心的なお もしろさ 必要充足機能体力 的要素 他者 関係 二人称的身体

21 お尻だけで前 に進 む、思 うよがお もしろいうに前 に進 まないとい うこと 巧 みな動 きを高 めるための運動動 きを持続す る能力を高めるための運動 * *

22 相手の足 を踏 む と同時 に、相手 に も足 を踏 まれないように 巧 みな動 きを高 めるための運動 1人対 1人 踏 む身体 と踏 まれ す るという 「ことがお もしろい踏む‑踏 まれる」 動 きを持続す る能力を高めるための運動 る身体

23 くつ下 レス リング 相手の くつ下をとりにい くと、 力強 い動 きを高 める 1人対 1人 取 る身体 と取 られ

/ . 奄 : ご ′ 1 研 , . ̲ 参 考

) 自分 の くつ下 もね らわれ ると い う 「取 る‑取 られ る」 こと

がお もしろい ための運動 る身体

24 お地蔵 さん倒 し

I / )

お地蔵 さんは体 をあず け、受をあず け られ るという 「あずけいれ る人 はお地蔵 さんの体ける‑あず け られ る」 ことが 力強 い動 きを高 めるための運動 1人対2 ず け られ る身体あず ける身体 とあ 25

背負 う‑背負 われ る」 こと 力強 い動 きを高 める 2人対2 背負 う身体 と背負

がお もしろい ための運動 われ る身体

26 仲 間の手 を跳んだ り、仲間を跳ばせた りするという 「跳 ばせ る」 ことがお もしろい 力強 い動 きを高 める跳ぶ‑ ための運動 1人対2 跳ぶ身体 と跳 ばせる身体

27 相手をひ っくり返 した り、相手か らひ っくり返 された りするという 「ろいくり返 され る」 ことがお もしひっくり返す‑ひっ 力強 い動 きを高 めるための運動 1人対 1人 ひっ くり返す身体る身体とひ っくり返 され

され る感覚がお もしろい感覚がお もしろい ための運動ための運動 られ る身体られ る身体

30 自分 の体 が フワ ッと回 され る 力強 い動 きを高 める 1人対 1人 支 え る身体 と支 え

(10)

1カー ド表面

2カー ド裏面

5.3 体力を高める運動」のカー ドの実際

カー ド表面 (1)は、主 として欲求充足機能か ら 構成 し、 「通 し番号」、「運動名」、「イラス ト」、「中心 的なお もしろさ」 の観点か ら表記 した. なお、 カー ド 表面 は、そのまま実際の授業な どで子 どもたちに提示 できるよ うに作成 した。

カー ド裏面 (図2)は、主 として必要充足機能か ら 構成 し、「通 し番号」、「(運動の)読み方」、「準備物」、

運動の要素」、「運動の効果」、「行い方」、「バ リエーショ ン」、 「安全のための注意事項」の観点か ら表記 した。

運動の要素」 は一 目で分かるように動物のイラス トで 表 し、「運動の効果」は必要充足機能から表記 した。 ま た、 その運動のおもしろさを十分に味わえるように 「 い方」の順序性を記 したり、おもしろさが発展 していく ように 「バ リエーション」 も表記 した。加えて、怪我や 事故の防止のために 「安全のための注意事項」 を端的

に表 し、「運動名」 には作成者の意図や思いを込めてい るので

、「

(運動の)読み方」 も表記 した。

6.まとめ

本稿では、小学校体育 における 「体力を高める運動

にかかわ り、第一 に、最近の実践報告や研究動向か ら、

「体力 を高 める運動」 の実践が どの ような傾 向にある のかを整理 した。 その結果、「体力 を高 める運動」 は これまで も取 り扱いに くい内容であるとの指摘が され て きているとお り、実践報告数 は14件 ときわめて少 な く、教材の開発 もあま り進 め られていないことが明 らかにな った。 また、その背景 には小学生 には受 けい れ られに くいとされる必要充足機能が強調 されてお り、

その内容は トレーニ ング的で量的な体力を問題 にす る 数値主義 に基づき、 自己の体力の高 ま りに着 目した個

図 1 カー ド表面 図 2 カー ド裏面 5.3 「 体力を高める運動」のカー ドの実際 カー ド表面 ( 図 1 ) は、主 として欲求充足機能か ら 構成 し、 「 通 し番号」、「 運動名」、「イラス ト」、「中心 的なお もしろさ」 の観点か ら表記 した

参照

関連したドキュメント

と、新しい学習環境を使った活動に関する自己評価を分析し、教育効果に

学校の荒れや学級崩壊など、教育現場が抱える問題は多く、学校体育科領域においても子どもたちの心に

ン力を身に付けさせる必要性が求められている』とある。

国語教育との合科的扱いにより,特別単元を創作し地域の特性に応じた観光教育を立ち上げて

では様々な運動を通して①自分や仲間の身体の状態に

電子教材の設計指針 ID プロセスの基本モデルとして ADDIE

学習意欲の低下が問題となっている昨今、国立教育 政策研究所が行った「学習意欲に関する調査研究」(平 成

方 い 使 の ド ー カ 習 学 3 料 資 こんなチームにしよう! こんな人になりたい! キャプテン 学習のあしあと