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小学校舞踊教育における教材開発 -支援ソフトの導入を通して-

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Academic year: 2021

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小学校舞踊教育における教材開発

一支援ソフトの導入を通して一

教科・領域教育専攻 生活・健康系コース(保健体育) 岡 田 品 子 I .はじめに 舞踊は,心と体が一体となった身体表現活 動である。舞踊における創作活動は,自己表 現力をつけ,互いを理解し合う心を養い,豊 かな感性や情操を育て 子供の人間形成に大 きく影響を及ぼすと考える。 しかし,表現運動は,小学校体育学習にお ける指導困難領域に挙げられることが多く, 指導者の舞踊経験が大きく授業実践に影響す ることが先行研究で見られた。そこで,上述 のような問題を解決する舞踊の創作を支援す る教材開発の必要性を感じ 「表現運動学習支 援ソフト」の開発を試みた。さらに授業に導 入し,その効果を検討する。 1 1.指導方法を工夫した「表現運動学習支援 ソフト」の開発 1 .制作目的 表現運動の授業の導入段階において,具体 的な動きの創り方や発展のさせ方をモデル提 示した動画導入による「表現運動学習支援ソ フト」を用いることにより,舞踊経験の少な い教員も指導が容易になり,子供達にも創作 の手順が良く理解されると考えられる。「支援 ソフト」は,即時に画面で知ることができる 特徴があるため,ビデオのように「巻き戻しJ, 「速送りJに時間が取られる煩わしさがない。 また,必要な箇所を繰り返し見たり,画面を 割愛して見たりすることが容易にできる。今 回は「モデル提示型」ソフトを制作し,教師 用学習補助資料とし,さらに Webサイト上で 利用できる教材開発を目指した。 2.制作方法 (1)制作対象者;小学校高学年児童

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制作項目 ILabanの6つの EffortElementと8つ のBasicEffort ActionJに基づき Iたんぽぽ の綿毛 J(1人)と「火山の爆発 J(5人の群 舞)に決定した。

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動画の圧縮 提示する動きを収録し,各動画を圧縮・変 指 導 教 官 安 藤 幸 換をして全容量を約6分の lに縮小した。 (4) HTML書類の作成 制作項目に基づいて動画クリップ・説明文章 をレイアウトしてHTML書類の作成をした。

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構成;①表紙②目次③表現運動とは④つく ってみましょう ア.1人の作品例「たんぽぽ の綿毛J,イ.グルーフの作品例「火山の爆発」 である。そして,二つの題材例の映像,題材 の動きの見つけ方,変化のさせ方,はじめ・ なか・おわりをつなげたひと流れの作品に仕 上げるまでの過程を構成した。 111.小学校における「表現運動学習支援ソフ ト』導入による授業 1 . 目的 今回試作した「表現運動学習支援ソフト」 の授業導入による学習効果をビデオ観察とア ンケートから分析し 今後の「表現運動学習 支援ソフト」の制作や授業に於ける効果的活 用方法を検討する基礎資料とする。 2.方法

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対象;徳島県鳴門市

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小学校

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年生 ア. I表現運動支援ソフト」導入クラス (以後『実験群』と記述) 1組(男子 11名,女子 12名,計 23名) イ. I表現運動支援ソフト」非導入クラス (以後『対照群』と記述) 2組(男子 10名,女子 12名,計 22名) (2)日時;平成 13年6月27日"""'-'7月4日

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場所

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小学校体育館 (4)実験使用機器;PowerMacG 4 Cube 1台, プロジェクター ポータブルスクリーン (5)単元名;楽しく踊ろう(3時間) 第1時体ほぐし・リズムダンス (実験群・対照群共通) 第2時「シャボン玉になってとんでいこう」 (以後『シャボン玉』と記述 第3時「台風の様子を表そう」 (以後『台風』と記述) (6)データーの処理 ア.作品の時間;録画した作品を計測した。

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イ.動きの分類・集計;G

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1ahue (1982)の カテゴリーを参考に,動きの分類の基準を 設定し,動きの出現度数をカウントした。 ウ.舞踊熟練者によるビデオ分析;評価項目に 従い,舞踊熟練者に依頼し 録画したビデ オテープを再生しながら分析し集計した。 エ.児童の評価;調査用紙に記入させ集計した。 IV.結果と考察 (1) I表現運動学習支援ソフト」が児童のイメ ージづくりに与えた影響 舞踊の創作において,イメージを膨らませ る映像や具体物を提示する手立てが効果的で ある。このことで動きのイメージが湧き,表 現すべき内容が明確になっていく。 (2) I表現運動学習支援ソフト」が児童の作品 内容・構成に与えた影響 作品の時間に関して,実験群の「なかの動 き」を膨らませることに繋がったと思え I表 現運動学習支援ソフト」使用の効果を感じた。 舞踊熟練者によるビデオ分析では,作品全 体の感じゃリズムパターン,構成において, 「シャボン玉」作品では実験群の方が良い結 果が出た。「台風」作品では 対照群の方が良 い結果が出た。つまり,

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人組作品とグルー プ作品の違いもあり明確な差が出なかった。 作品の評価については,舞踊作品の鑑賞と いう分野で見ると,小学校6年生児童には作 品全体の印象を正しく捉える力が備わってい る。また,作品構成を大筋に捉える力はほぼ 備わっているが 詳しく見る力は不十分であ る。しかし,多人数の作品については構成を 考慮しながら動くため 観者にも構成が分か り易くなる。また,同じ発達段階の児童では, 「表現運動学習支援ソフト」の提示により, 作品の構成を観る基礎ができる。

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I

表現運動学習支援ソフト」が児童の動き に与えた影響 児童の作品の動きを分類した結果 I表現運 動学習支援ソフト」使用の授業は,児童に動 きのイメージを与え 動きの種類が豊富にな ることが分かった。このように多様な表現方 法へと導くきっかけになると言える。 また,舞踊熟練者によるビデオ分析による 運動の質に於いては Iシャボン玉」では授業 実践前に予測した Float(漂う)動作が実験群 に多く含まれていた。また 「台風」でも予測 した Slash(振り回す)動作が実験群に多く含 まれていた。 (4) I表現運動学習支援ソフト」の提示 「表現運動学習支援ソフト」を提示すれば, 創作への取りかかりが早くなり,作品の時間 の捉え方やイメージしたものを動きで表す方 法等が分かり易くなる。また,児童は創作の 手順や作品構成の仕方が理解できるため,創 作の困難さが減少することにつながる。 児童のレディネスに応じた「表現運動学習 支援ソフト」提示のタイミングを図ることが 必要であり,児童の発達段階に応じた創作意 欲を喚起させる提示内容であることが望まし い。また,視覚情報が多すぎると,児童に混 乱が生じることが分かり,効果的な視覚情報 の提示を工夫する必要を感じた。表現運動学 習支援ソフト」を導入した授業においては, 表現運動の創作の手順が児童によく理解され, 教師の指導が容易になる。 (5) 表現運動授業が児童に及ぼす影響 舞踊を「踊るJ,I観るJ,I創るJ,という観 点から,表現運動授業の学習前と学習後に意 識調査を行った。表現運動の授業実践をする と,踊ることが好きな児童や友達の作品を観 ることが好きな児童が増加する。友達の発表 を観ることで,友達の動きや表現の良さに気 づいた児童も多く見られた。そして,友達と 協力しながら創る喜びゃ共に表現し合う喜び を体得する児童も増加した。以上のことから, 表現運動の授業実践を重ねることにより,ダ ンス好きの子供達が育っていくのではないか と思われる。

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今後の課題 今回制作した動画は 創作を援助する利点が ある為, Webページによる画質や時間の問題 が解決できれば さらに多くの人に「表現運 動学習支援ソフト」の特徴や良さを理解して もらえる。 「表現運動学習支援ソフト」は,小学生にと っては,やや構成が高度であると思えた。今 後,さらに多くの児童に友達と協力し合いな がら表現する喜びゃ楽しさを味わってもらえ るよう,改良を加えたり,見易さを高めるた めの再生時の環境を整えたりすること,また, 提示のタイミング等指導過程を工夫し,効果 的活用方法について研究していきたい。

参照

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