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論文の内容の要旨 氏名:芦

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Academic year: 2021

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論文の内容の要旨

氏名:芦 苅 大 作

専攻分野の名称:博士(医学)

論文題名:前立腺癌における新規アンドロゲン応答遺伝子G3BP2の同定及び機能解析

前立腺癌は近年の食生活の欧米化や高齢化社会の到来などにより、患者数は急速な増加傾向にあり、本 邦における年齢調整罹患率は20252029年には第1位になると予測されている。

前立腺癌は、手術療法、放射線療法、ホルモン療法、抗癌化学療法などにより加療されているが、治療 経過中に癌が再燃し治療抵抗性の獲得が臨床上の大きな課題となっている。その機序についてはアンドロ ゲンシグナルが活性化され、アンドロゲン応答遺伝子が去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)の増殖に働いてい る可能性が強く示唆されており、アンドロゲン受容体(AR)が重要な役割を果たしている。

前立腺癌細胞内においてアンドロゲンの代謝産物であるdihydrotestosterone(DHT)はARに結合し、

アンドロゲン応答遺伝子のandrogen response element(ARE)に結合し転写を活性化させる。アンドロ ゲン応答遺伝子の中には過剰発現することにより、前立腺癌の発生、悪性化を促すものがある。本研究は、

アンドロゲン応答遺伝子の1つとしてRas GTPase activating protein (SH3 domain) binding protein2

(G3BP2)を新規に同定し、前立腺癌細胞内における機能解析を行った。

まず AR陽性ヒト前立腺癌細胞株LNCaP細胞を用いてChIP-chip法及びChIP-sequence法によりAR binding sites(ARBSs)をゲノムワイドに検索しG3BP2を同定した。

次に、G3BP2 promoter-Luc construct及びG3BP2 mutation-Luc constructを作成しLNCaP細胞に導 入、Luciferase assayを用いてG3BP2がリガンド応答性に転写活性化していることを明らかにした。また、

Electrophoresis Mobility Shift Assay(EMSA)にてAREに実際にARが結合し転写活性化に重要な役割 を担っていることを確認した。さらに、AR陽性ヒト前立腺癌細胞におけるG3BP2mRNA及び蛋白質 が、リガンド応答性に有意に増加することを示した。

前立腺癌細胞内におけるG3BP2の機能解析のために、G3BP2安定過剰発現細胞株を樹立し高発現系及び

siRNA を用いた抑制系を用いて、G3BP2 の細胞増殖・遊走能に対する影響を検討した。高発現系では細

胞増殖・遊走能の亢進が認められ、抑制系においては細胞増殖・遊走能ともに抑制されていることを示し た。

また、日本大学医学部附属板橋病院において前立腺全摘除術が施行された前立腺癌 101 例について G3BP2に対する免疫組織学的検討を行った。G3BP2の高発現は、pathological T stagep = 0.01、リン パ節転移陽性(p = 0.0011)、high Gleason score(GS ≧ 8, p = 0.0003)と有意な相関関係を示し、臨床 的悪性度の高い症例との関連性が示された。

以上よりG3BP2は前立腺癌細胞において重要な役割を果たしていると考えられ、臨床的予後との関連性

やホルモン療法不応性前立腺癌細胞内での機能解析を行うことで新規治療薬や新たな臨床マーカーの発見、

またCRPC樹立の機序解明などへつながっていくことも考えられ、さらなる機能解析が期待される。

参照

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