2018
年度 博士後期課程学位論文要約
本学位論文は、FDG-PET検査における画質評価精度を向上させることを目的としており、
以下の6章から構成される。
第 1 章は序論で、PET 画像における画質評価の研究背景と研究目的について述べた。ま た、本邦においてPET 画像の画質の標準化を目的として作成されたガイドラインの詳細お よび課題について述べた。標準化に不可欠な物理学的指標は視覚評価との乖離が問題とな る。本研究の目的は物理学的指標と視覚評価との乖離が生じる原因を明確にして、その解決 法を示すことである。
第2章では、モンテカルロシミュレーションを用いたPET装置の模擬について述べた。
本研究は第1章で挙げた課題を、シミュレーションを用いて解決する。そのためにPET装 置やモンテカルロコードの理解が重要であり、それらについて本章で述べた。本研究ではモ ンテカルロコードにGeant4を使用し、PET装置を模擬した。模擬したPET装置を用いて画 像化を行い、体系の妥当性を示した。
第3章では、視覚科学および顕著性について述べた。物理学的指標を用いた画質評価は標 準化には不可欠なものであるが、画質評価で最も重要視される視覚評価との乖離が問題と なっている。これらの問題を解決するべく視覚科学に基づいた画質評価を行う。そのための 視覚科学の基礎について述べた。視覚情報の伝達経路、伝達方法(受容野の形状や応答)に ついて触れ、これまでの研究から視覚の計算理論はアルゴリズムで表現可能であることを 述べた。顕著性はこれらのアルゴリズムを用いて算出され、幅広い分野で応用されているこ とを述べた。
第 4 章では、収集カウントから算出される被検者雑音等価計数(Noise equivalent count:
NEC)と視覚評価との乖離が生じる原因について述べた。従来、NEC の算出にはファント ムから求めた固有値の散乱フラクションが使用されてきたが、このことが PET 装置間の NEC の違いに影響を与えている可能性が考えられる。本章ではシミュレーションにより各 撮像位置における散乱フラクションやカウントの成分に着目し、NEC と画質の関係につい
学位論文題名(注:学位論文題名が英語の場合は和訳をつけること)
FDG-PET/CT画質評価の精度向上に関する研究
学位の種類: 博士(放射線学)
首都大学東京大学院
人間健康科学研究科 博士後期課程 人間健康科学専攻 放射線科学域 学修番号 16997605
氏 名: 細川 翔太
(指導教員名:井上 一雅)
て述べた。
第5章では再構成後のPET画像における新たな画質評価法について述べた。従来のノイ ズやコントラストによる評価ではなく、視認性を直接示す総合的な評価指標として第 3 章 で述べた顕著性の応用を提案し、顕著性の有用性を視覚評価との比較から検証した。
最終章では、本研究全体の総括を述べた。