教員志望学生の養護教諭および学校保健の理解に関 する実態
とくに理解の機会としての
教育実習に焦点をあてて
今← →←→←
大 谷 尚 子・久保田 恵 子・富 田 良 子
(1983年10月29日受理)
1 は じ め に
養護教諭が,その専門性を発揮し,その職務を充実させていくためには,担任教師との連携が重 要である。そのためには,担任教師と養護教諭が互いに理解しあい,ともに,教育の目的にむかっ て,学校保健活動をすすめていくという姿勢が必要になる。
しかし,養護教諭集団の中では,種々の職務を遂行する上での障害,困難点として「養護教諭に 対する一般教師の認識不足,無理解」が,あげられ,また,一般教師に理解を得るための苦労や困 難が数多く報告されるのが現状である(立場を逆にして,養護教諭にっいても一般教師に対する理 解不足が指摘されることもあるが,前者の報告の方が多い)。
一般教師の養護教諭に対する理解,さらに, 「保健に対する意識が低いのは,教員養成課程で学 校保健を履修してきた教師が少ないということが大きな原因」1)という指摘は,学校保健関係者の 共通する見解ともいえよう。しかし,日本学校保健学会で,10数年前から,教師の「学校保健」に 対する認識を高めるために,「教員養成大学で『学校保健』を必修の教科にしてほしい」との要望 を関係機関に提出しながら2)実現されないで今日に至っている。
本大学でも,残念ながら,教職科目としての「学校保健」科目は必修ではなく,一部の体育科の 学生のみに,教科の免許を取得するための条件として,必修科目になっているにすぎない。
教員志望学生が,大学在学中の種々の体験(授業や教育実習経験その他)によって,養護教諭に 対する認識を高めていくことは,卒業後,新任教師となって,学級担任あるいは教科担当者として の立場から,児童生徒へ保健活動に関与し,学校保健活動に主体的に参加するためにも,そして,
そのことから,自己の専門性である「教育」の力量を高めていくためにも,必要のことと思われる。
あえて繰り返していうと,単に養護教諭の側から,養護教諭のことを知ってもらいたいというだけ の理由からでなく,教員志望学生自身が卒業し教師となって,子どもに接し教育するための前提と して,また教師としての力量を伸ばしていくためにも,学校保健や養護教諭に関する理解が重要で はないかということである。
そこで,本研究は,将来教師になろうとして本大学教育学部に学ぶ教員志望学生が,今, 「学校 保健」が教職科目の必修になっていない状況の中で,養護教諭に対して,どのような認識をもち,理 解しているかを明らかにしようとした。そして,さらに,彼らの養護教諭および学校保健に対する 認識,理解状況が,どのように形成されているのかを,大学入学前と大学在学中に分けてとらえ,
教育実験体験というものが,養護教諭および学校保健に対する理解の面でどのような役割を担って
暑茨城県東茨城郡竹原小学校 菅菅茨城県稲敷郡茎崎小学校
94 茨城大学教育学部教育研究所紀要16号(1984)
いるのか,その意義を明らかにしようとしたものである。
∬ 調 査 方 法
1.調査対象 本学教育学部生(た 表1 調 査 対 象 だし,養教課程学生を除く)。表1
対 象 調査時の学年 調査法 調査時期 配布 回収(%) 有効数
参照)
2.調査方法 質問紙調査法 S56年度入学生 ア1 年 次 生
質問紙一斉法S56・6月上旬 210 162(72.1) 158 3.調査時期 表1参照
S.調査内容
、 r54年度入学生
イ3 年 次 生
同 上 S56・9月上旬 230 169(73.5) 156
ウ
質問紙
。養護教諭の特性および養護教諭の i教育実習期間) 4 年 次 生 護哩 S57・9〜10月 61 37(6α7) 34 職務内容に関する理解状況(対象 S53年度入学生
i56年度卒業)
工4 年 次 生
i卒業直前) 同 上 S57・3月 213 121(56.8) 118
表1参照,ア,イ 以下同)
。養護教諭に関する情報を得た時期および情報源(対象 イ,エ)
。大学入学前の保健室訪問状況,大学受験姿勢等(対象 イ)
。教育実習期間における保健室訪問および実習校養護教諭との接触状況(対象 ウ)
皿 結果と考察
1.教員志望学生の養護教諭に関する認識,理解状況
(1)養護教諭の特性に関する理解 表2 養護教諭の特性(教諭との比較による)に 養護教諭は「養護を掌る」教育職員で ついての認識状況
あり, 「教育を掌る」一般の教諭とは異 S54年度入学生 S56年度入学生 認 識 状 況 3年次の秋 1年次の春 なる特性をもつ。教諭とは異なるという (n竃156) (n電158)
①
養護教諭の特性が十分理解されにくく, 覆に なれない(と知っていた) 76 (48.7) 80 (50.6)
また,一方,逆に,養護教諭と教諭の異 ソ性が誤解され,学校現場において養護
担3廷て なれる(と思っていた)
墲ゥらなかった
6 ( 3B) 11 ( 7.0)
V4 (47.4) 67 (42.4)
教諭に対する一般教師の無理解へと発展
②
担当しない(と知っていた) 59(37.8) ※ 78(49.4)
もしていく。
縫鰹
担当する(と思っていた)
墲ゥらなかった
32 (20.5) 26 (16.5)
U5 (41.7) 54 (34.1)
そこで,養護教諭の教諭と比べて異な ③
位つ 同等である(と知っていた) 33(21.2)※※82(51.9)
る点および誤解されやすい点を4項目あ 置い 養教の方が高い(と思っていた) 0( 0) 0( 0)
げ,そのことを知っているかどうか質問 つて け 教諭の方が高い(と思っていた) 51 (32.7) 39 (24.7)
した結果が表2である。 に わからなかった 72 (46.2) 37 (23.4)
どの項目についても,養護教諭を理解 籍 同額である(と知っていた) 28(17.9)※※※73(46.2)
している者は%以下の状況であった。
諺つ
養教の方が高い(と思っていた)
ウ諭の方が高い(と思っていた)
3 ( 1.9) 0 ( 0)
S2 (26.9) 32 (21.5)
とくに,養護教諭が教諭と同等な立場に ぞ わからなかった 83 (53.2) 51 (32.3)
あることについては,誤解している者,す
般に,昭和54年度入学生の方が,昭和56年度入 表3 養護教諭の特性に関する理解についての 学生に比べて,理解している割合が少なくなっ 各項目相互の関連状況
ている。上記の比較は,3年次生と1年次生の ①学級担任のこ ②平常時の授業 ③位置づけにつ ④給与について 回答結果の比較になるのであるが,1年次生の とについて のことについて いて
方が理解していることになる。このことから, ①学級担任のこ ※※※ ※ ※ とについて
養護教諭の特性について,大学在学中に理解を ②
深める機会はほとんどないこと,このような認 平常時の授業 フことについて ※※※ ※※※ ※※
識は,大学入学前の段階で,ある程度形成され ③位置づけにつ ※
※※※ ※※※
ることが推測される。 いて
④給与について
※ ※※ ※※※
高いことは,社会一般,とくに,小・中・高校
における養護教諭に対する認識の高まりに起因するものといえよう。
なお,これらの4項目の理解状況は相互に有意な関連が認められた。とくに,養護教諭が平常時 の授業を相当しないことを知っている者は,養護教諭が学級担任にならないことおよび教諭と同等 な立場にあることを知っている
表4 「養護教諭の仕事」として選ばれた執務項目ものといえる。
(1年次生と3年次生の比較)
② 養護教諭の職務内容に関す
回口者
る理解 1年次生(S56年度入学生) 3年次生(S54年度入学生)
「養護教諭の仕事だと思うも 選択率
n 冨 158 n = 156
のはどれか,次の中から選べ」
ニいう質問に対して,選ばれた
90%〜 救急処置 救急処置 注N相談 健康相談
執務項目が表4である。 予防接種の準備・補助 予防接種の準備・補助
救急処置,健康相談等の上位 80%〜 学校保健計画の作成 学校行事時の保健指導 ロ健室の整備運営 救急処置時の保健指導 に選ばれた項目は,1年次生も 学校行事時の保健指導
3年次生も同じであった。
児童生徒への保健の啓蒙 学校保健計画の作成 しかし,下位の執務項目にな
70%〜 児童生徒への保健の啓蒙
ると,3年次生の方が,有意に 保健室の整備・運営
選択されたものもある。父兄へ 児童生徒保健委員会の指導
の保健の啓蒙,学校給食の衛生 60%〜 児童生徒保健委員会の指導 健康診断
管理および保健の授業である。 健康診断 ※父兄への保健の啓蒙(55ユ%)
保健の授業については,誤解と 50%〜 学校環境衛生の維持。改善
いうことになるが,これは本学
学校保健委員会の企画・運営 教職員の健康管理
の実習計画として,養護課程の 教職員の健康管理 ※※学校給食の衛生管理(44,2%)
3年次の学生が,保健の教育実 40%〜 学校環境衛生の維持・改善 学校保健委員会の企画・運営 レZへの保健の啓蒙(41.4%) 1 継保健の授業(41.7%)
習を行うことになっているため
と考えられる。 学校給食の衛生管理(29.7%) 安全教育・指導 前記(1)の養護教諭の特性理解 〜39% 安全教育・指導 クラブ活動顧問
ロ健の授業(24.1%)
に関しては,1年次生より3年 クラブ活動顧問
次生の方が理解度が低かったが ※印は,選択率に有意な差が認められたもの
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職務内容に関しては,3年次生の方が理解度 表5 養護教諭の特性について知った時期 が高くなっていた。このことは,理解の機会 (3年次・秋の段階)
カ㍉大学在学中にあることを示唆している。 養護教諭の特性 ①「学級担任」 ②「平常時の ⑨位置づけに ④給与につい 2 養護教諭に関して情報を得る機会,認
知った時期
について in=76)
授業につい ト」
in魯59)
ついて in冨33)
て(n巳28)
識形成に影響する要因 % % % %
前項1の養護教諭の理解状況の結果から, 大学入学前
@(とくに小・中時代)
43.4 i32.9)
33.9 i2&8)
39.4 46.4
養護教諭に関する情報をいつ得たかを推測す (とくに中・高時代) (36.4) (42.9)
ることができたカ㍉さらに,どのように,養 なんとなく
蜉w入学後
25.1 P1.8
32.2 P0.2
18.2 P8.2
14.3 P7.9
護教諭に対する理解が深まっていくのか,そ 、 ウ 記 入 19.7 23.7 27.3 25.0
の影響要因について探っていきたい。
(1}大学入学前の要因 表6 養護教諭の特性理解に影響する要因 表5は4項目の養護教諭の特性を 一要因別にみた養護教諭に関する理解率一
知っていたと回答した者に対して, (3年次・秋の段階)
いつそのことを知ったかを質問した 理 解 状 況 ① ② ③ ④
「学級担任」 「平常時の 位置づけに 給与につ
結果である。大学入学前に知ったと
要 因 について 授業」につ
「て ついて いて
する回答が多く,前述した推測結果 % % %
(1−(1))と符合する。 性 42.0 37.7 21.7 21.7
養護教諭の位置づけに関して,中 女 (n己87) 54.0 37.9 20.7 14.9
・高時代に知った者が約4割を占あ
身近かに い る (n置68) 55.9 47.1 27.9 23.5
ているが,進路・進学指導によると 教育職員が 「るか いない (n富88) 43.2 30.7
※ 15,9
13.6
ころと推察できる。今後さらに,進 路指導に際して養護教諭に関する
小 頻 訪問した (n唱111)
x
50.5 40.5 20.7 17.1 正しい情報の提供が行われることを ホ 訪問せず (n=45) 44.4 31.1 22.2 20.0
期待したい。 高 健康相
表6は,養護教諭の理解に影響す 驍セろうと思われる事項について,
鷺藻健
訪問
談,悩
ン打ち セけ
0(n曙13)
(n躍143)
61.5 S7.6
462
R7」
38.5 Q3.8
61.5※
P4.0※
対象者の本学入学前の状況および入 霧 理 保 健 ○(n置22) 72.7 63.6※ 22.7 9.1
問 由 ※
学後から調査時点までの状況を分類 委員会 x(n鑑134) 44.8
※33.620.9 19.4
し,その群の養護教諭の特性に関す
る理解状況を算出し,両群間に有意 教育学部の 小学校課程(n昌102) 52.0 39.2 20.6 19.4
な差が認められるか比較したもので 所属課程 中学校課程(n暑54) 42.6 35.1 22.4 15.1
ある。 ぜひなりたい(n電63) 47.6 4L3 27.0 20.6
その結果養護教諭の特性に関す 教職意欲 その他 (n=93) 49.5 32.1 17.2 16」
る理解を高める要因としては,ここ
ナも,大学入学前の状況があげら礼 大学在学中の {教に関する あった (費電73) 54.8 39.7 192 20.5
とくに,対象者の家臨親窺知人
情 報 源 なかった (n冨83) 43.6 36ユ 22.9 15.6
等が教育職員であるかどうかという
教育実習の あ り (n=102) 48.0 35.3 18.6 16.7
こと,小・中・高校時代に保健室を
経 験 な し (n弓54) 50.0 42↓6 25.9 20.4
訪問し,その理由が健康相談や悩み
の打ち明けなど養護教諭に深く話し 表7 大学在学中に訟ける
相手になってもらった体験をもつこ 養護教諭,学校保健等理解に関する情報源(卒業直前期)
とおよび保健委員になり,養護教諭 知り得た 回 答 性 別 比 較 課程別比較
との接触が深い体験をもつこと,が 情報内容 (回答あ 閧フ者)
情報を得た機
?E情報源
(重複回答あり 男 女 中学課程 小学課題
あげられる。その他については,有 n冨120 n=55 n豊65 n=30 n己90 意な差が認められなかった。
教育実習 29(24.2) 24 25 17 27
(2)大学在学中の体験・学習機会 a 大学での授業 14(1L7) 9 14 10 13 養護教諭 81
教育志望学生が大学入学から卒業 の 存 在 (67.5)
友 人 30(25,0) 27 23 40 ※ 21 にっいて 新聞・雑誌 11(9.2) 11 8 20 ※ 6
に至るまでの間に学校保健および養
そ の 他 28(232) 24 23 20 25
護教諭に関してどのようなことから
情報を得ているのであろうか。 教育実習 35(29.2) 31 28 13 ※ 35
3年次の秋の段階では,養護教諭 b養護教諭 70 大学での授業 13(10.8) 20※※※ 3 10 11
友 人 10(8.3) 9 8 7 9
に関する情報源として「教育実習」 の 職 務 (58,8)
について 新聞・雑誌 18(15.0) 18 12 10 17
をあげた者は9%,「大学の授業」 そ の 他 18(15.0) 11 19 23 13 をあげた者は3%と非常に少なく,
「サークル活動を通じて,養教課程 教育実習 60(50.0) 44 55 43 53 の友人から」という回答が,25%で C 90 大学での授業 42(35.0) 35 35 17※※※73
学校保健に 友 人 9(7.5) 9 6 20※※※ 3
上位を占めていた。それが,卒業を つ い て (75.O) 新聞・雑誌 19(15.8) 16 15 23 14 直前に控えた4年次3月の段階では そ の 他 21(17.5) 20 17 23 17
「教育実習」 (約25%)や「大学の
授業」 (約11%)という回答もやや 教育実習 20(16.7) 20 14 13 18 多くみられるようになるll教員志望 d子どもの成 70 大学でめ授業 29(24.2) 26 23 17 27
友 人 2(1.7) 2 2 3 1
学生は,専門課程の最後の1年半の 長・健康問 (58.8)
題について 新聞・雑誌 26(21.7) 20 23 37 ※ 17
期間に,養護教諭に関する情報をい
そ の 他 12(10.0) , 11 9 7 11
くらか得て卒業していくことがわか
注 性別,課程別の数値は%を示す。
る。
表7は,卒業直前の学生に対して
養護教諭や学校保健のこと,子どもの成長・健康
教育実習で 大学の授業 交 友 等 新聞・雑誌
に関することについて14項目列挙し,大学在学中
a養教の蒋在に ノ知り得たかどうか,その場合の情報源は何であ 関する・と ったかを質問した結果である。
b養教の職務に Lく学校保健については,情報を得たとする回 関する・と 答が多く,75%の者が知り得たとして,具体的な
c学校保健等に
情報源を回答していた。しかし,逆にいえば,25 ついて
胃%の者が,大学在学中に学校保健のことを学ぶこ
一d子どもの問題
ともなく卒業し,現場に出て教師として学校保健 活動に参加することを意味する。また,養護教諭
0 5D%0 5D% 0 駅)%o 50%
に関して知り得たとした者は6〜7割であった。
なお,教育実習に関しては,情報源にあげた者 図1 大学在学中の情報源(n=120)
98 茨城大学教育学部教育研究所紀要16号(1984)
が多かった(図1参照)。とくに,学校保健に関して5割の者が,教育実習をあげていたことは注目 すべきことである。「学校保健」が必修科目になっていない本大学においては,その肩代りを教育 実習が担っているといえよう。なお,友人や新聞・雑誌が情報源となったと回答する者は,小学 校課程より中学校課程の学生に有意に多くみられた。また,教育実習や大学の授業を情報源にあげ た者は,逆に小学校課程学生の方に多くみられた。
表7のa〜dのことがらについて大学の授業で情報を得たとした回答者があげた具体的な授業科 目名,およびその知り得た情報は次の通りであったが,課程別に受講する授業科目との関連があり
そうだ。
「保健理論」 (a〜d全般について) 「教育相談」 (c学校保健について,とくに,保健室 が非行早期発見の場になること) 「学校保健」 (a〜d全般について) 「児童心理」
(cとd とくに,発育加速化現象について)
また,小学校課程学生は,4年次に副専攻の実習を協力中学校において実施するが,その実習校 に養教課程学生も同時に配当されるため,学生間同志の交流があり,その交流を通じて養護教諭に 関する情報を得る機会が増加するようだ。その結果が中学校課程学生より「教育実習からの情報を 得た」という回答が多くなったと考えられる。
3.教育実習での養護教諭および学校保健関係の理解について
前項2で述べたように,現段階では教育実習が教員志望学生の養護教諭理解および学校保健理解 に重要な位置を占めている。そこで,教育実習での養護教諭および学校保健等の理解状況をさらに 詳しくみていきたい。
(1)教育実習で修得しやすい事項
表8は,知り得た内容を選択肢の内容のままあげたものである。「担任による健康観察」につい て4割近くの者が教育実習体験を通じて知り得ている。また, 「保健室が非行早期発見の場」とな
り,保健室および養護
教諭が教育ことに生徒 表8 情報源別にみた情報内容(多いもの)
指導上からも重要な存 得 報源 教育実習で得られたこと 大学の授業で得られたこと 新聞・雑誌で得られたこと
在になっていることを 30%卿
C担任による朝の健康観察 (37.5)
発育加速化現象 (30,0)
知る者も3割に達しよ 20%〜
C保健室は非行早期発見の場 (267) d発育加速化現象 (2α0)
うとしている。この2 15%〜
C生活習慣と学習能率の低下との関連(192) C担任による朝の健康観察 (18.3)
C生活習慣と学習能率の低下との関連 (15・0)点は,大学の授業や新 養護教諭の教育的役割 (175)
聞・雑誌等ではなかな b養教は処置のみでなく指導もする(166)
か得られないことであ c教育の目的としての健康 (15.8)
り,教育実習により現 a養護教諭の必要性 (15.0)
場そのものを体験する 10%〜 a養護教諭の存在 (13.3) c教育条件としての健康 (12.5) C保健室は非行早期発見の場 (117)
なかで学んでいく(学 d悩みと身体の不調との関連 (13.3) C教育の目的としての健康 (12.5) d悩みと身体の不調との関連 (117)
びやすい)内容と言え a養護教諭免許の取得法 (12.5) C生活習慣と学習能率の低下との関連(125)
そうだ。 b養教は学習条件の基礎づくりをする C保健室は非行早期発見の場 (11.7)
(108)
実習開始の段階では b養教は処置のみでなく指導もする(10B)
「子どもの健康観察」 d悩みと身体の不調との関連 (108)
に自信がないとする教 a〜dは情報の分類,表7参照
r
育実習生が6割強を占めていたのに,実習終了時点では, 表9 実習生の自己の健康観察行動に それが3割弱に減じている(表9参照)。このことから, 対する認識
教員志望学生が教育実習を通じて,具体的に学級担任と n旨37 して学校保健活動を行っていく能力の一部に自信をつけ 実習開始時 実習終了時 ていくことも知ることができる。
自信あり 0 0
② 教育実習における養護教諭理解の機会・場面
できると思う 8(21.6) 25(67.6)
教育実習生は,一般に指導教官が教科担当教官および
配当学級の担任教官であるため,保健室を訪問する機会 自信なし 24(64.9)※※※10(27.0)
や養護教諭と接触し指導を受ける機会はあまり多くない 無 記 入 5(13.5) 2(5.4)
とふつうは考えられる。
実習期間中に教育実習生がどの程度保健室や養護教諭と接触したかを質問した結果,約6割の者 が,保健室を訪問し,約5割の者が,養護教諭と話をしたとする回答であった。某大学の付属校で は,教育実習生全員に順番に「保健室実習」 (保健室に1日配当する)を課すこともあるというが,
本大学の実習協力校においては,そのような試みはなされていない。実習生の自由意志に任せてい るのが現状である。このようなことを考えると,意外に教育実習生は,保健室あるいは養護教諭と 接触しているとも言えよう。話の内容は,雑談が最も多くなっている。これは,養護実習生が保健 室に配属され,そこで実習をしていることも関連がありそうだ。表10にみる通り,養護実習生との 交流,会話も重要な意味をもつ。教育実習生がこのことを通じて新しく,子どもの体について,学 校保健について,さらに,養護教諭について学ぶことが多い状況を知ることができる。養教課程の 学生が養護実習を,教育実習生と同時期に同一実習校で実習を行うという現行の実習形態は,卒業 後同僚として協力しあう教員志望学生の養護教諭に対する理解を図り自己の職務遂行の円滑化を図
るためにも非常に有効なものと言えよう。
養護課程の学生についても,教育実習生と 表10 教育実習の機会場面別にみた知り得た情報 の交流の中から,教師に対する理解を深め
トいく上でよい機会となるだろう。
, 機A , 云
実習校ガイダンスで又は タ習校養教との会話から
養護実習生との交流,
?bから また,近年,一部の教育実習協力校にお 20%〜 d発育加速化現象
いて,学校保健(養護教諭のことも含めて) C
に対する理解を深めさせるための取り組み 10%〜 基本的生活習慣の乱れと学 K能率の低下との関連 として,実習校養護教諭が,全教育実習生 C保健室は非行早期発見の場
に対して講話(ガイダンス)を行ったり, d
特別に養護教諭と話しあいをする時間を設 子どもの悩みと身体の不調
定するなど,意欲的な取り組みもなされて 5%〜 C保健室は非行早期発見の場 C教育の条件としての健康
きている。 C a
担任による朝の健康観察 養教の免許取得法
今後,実習校での学校保健に関するガイ
ダンスと実習生の実地体験の機会が益々計 b養教は処置のみでなく指導 b養教は学習条件の基礎づくり もする。
画的になされるようになり,学校保健分野 b C
養教の教育的役割 教育の目的としての健康
にっいても,実習内容が充実することを期
待したい。 a〜dは情報の分類,表7参照
、