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フロアとのディスカッション

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Academic year: 2021

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【司会】最後にフロアの皆さま方の質問や意見を頂く時間になりました。ほ とんどまとめる必要はないと思いますので,できる限り時間を取って質疑応 答,意見,アドバイス,サジェスチョン,何でもいいので挙手でよろしくお 願いします。

【刀禰俊雄(元八戸大学)】元八戸大学の刀禰です。今日のシンポジウムのテ ーマは⽛欧米,アジアの経験から学ぶ保険研究・教育の展望⽜です。それに 関して,大倉先生が話されて,岡田先生も触れられた⽛掛け捨て⽜という生 命保険の基本的な問題に引っ掛かりましたので,私の意見を述べさせていた だきます。

⽛生命保険は掛け捨てだ⽜とよく言われます。私が早稲田や立教,八戸な ど⚖つの大学で保険論や生命保険論の講義をした時,最初に⽛⽛生命保険は 掛け捨てだ⽜とよく言われていますが,この意味は皆さん,分かりますか⽜

という言葉を投げかけて講義を始めていました。なぜ⽛掛け捨て⽜というか,

これは大倉先生が言われたように,保険期間が満了になっても何も返ってこ ない,だから金をどぶに捨てたようなものだという風潮があったのです。大 倉先生のレジュメに⽛保険保護⽜と書いてありましたが,英語の insurance coverage という意味です。私は講義の中で⽛保障⽜と黒板に書いて,保障 は安全保障,生活保障の⽛保障⽜です,と。同じ⽛ホショウ⽜と言っても,

損保の方は indemnity,補う,償うの⽛補償⽜。銀行の方は guarantee,債務 保証の⽛保証⽜,保険業界の人は⽛保障⽜と書きます。保障を買っていると いう認識を学生にもっともっと植えつけなければいけないと思います。一般 的に古い方々は,保険は掛け捨てだと言います。

【司会】すみません,時間が,ほかの先生もありますので。掛け捨てという

フロアとのディスカッション

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言葉が良くないということですか。

【刀禰】⽛掛け捨てではない⽜ということを,我が国の生命保険の歴史の中か らも言いたかったのですが省略します。所謂,定期保険のことを英語では term of insurance,⽛期間の保険⽜という言葉を使います。なぜ,それを

⽛掛け捨て⽜と言われるのか,私には理解できないのです。

自動車の所有者や自宅の所有者が万が一に備えてみんな保険を付けますが,

⚑年間に自動車事故を起こさず,また,火災に遭わなくても,これを⽛掛け 捨て⽜とは言わないのです。生命保険の場合は被保険者が死亡して初めて保 険金をもらえるという意味で,⽛死ななかったら掛け捨てになる⽜と言うの でしょう。それは違う。その期間に保障,終身保険なら終身期間,30年満期 なら30年間,保障をされている。保障という目に見えない商品,立派な商品 を買っているのだということを,ぜひ,学生たちにも話していただきたいと いう感想を込めて,一言,大倉先生からコメントいただくとありがたいので すが。

【司会】たぶん,説明の趣旨はご質問と同じだと思います。

【大倉】まず,報告の中でも述べましたように,掛け捨て嫌いという心理的 要素の話をしました。もちろん,報告の中でも述べましたように,実際には 保険保護という,保障という無形サービスを買っていることなので,その意 味においてそういうものだと,反対給付があるという意味において,合理的 な拠出という形で教科書に書いてあります。しかしながら,それはあくまで 合理的な人,要するにきっちりと物事を見られる人でしたら,まさにそうで すが,現実の人は⽛掛け捨て⽜という言葉が世の中にまん延していることか らも明らかなように,保険料を払いました,事故が起きませんでした,ああ,

保険に入らなかったらよかった,保険料が無駄だったなと感じることが現実 の人間です。社会科学というのは現実の社会を分析する学問である以上,そ

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ういう人たちの誤解を解くような教育活動をしていくことは,また別の議論 としてあるかもしれません。しかしながら,そういった保険料を掛け捨てと 考える人が社会に存在することを前提とした上で分析しないと,そういう人 たちがいることがおかしいと言ってしまうと,これは社会科学ではなくなっ てしまいます。仕組みとしては正しいのですが,現実は必ずしもそんな合理 的にきれいに割り切れているわけではなく,そういう意味では非合理的な個 人をどのように分析するかという時の regret theory や rejoicing theory です。

それが私,大倉報告の中で述べていた内容です。

【石坂元一(福岡大学)】福岡大学の石坂です。今日のお話は前半,後半とも に研究中心の話でした。一方,シンポジウムのタイトルにもありますが,大 学の教員としては保険教育にも関心を寄せるところです。大学ですので学部 生,大学院生への教育,加えて新しい研究者を養成していくことは喫緊の課 題ではないかと思います。山﨑先生から実証分析に必要なスキルの紹介があ りましたし,今,柳瀬先生からマップの提示もありました。研究と教育は両 輪だと思いますので,ご報告を踏まえて,保険教育の望ましいプロセスや環 境,あるいは体系,そういうことについてご教示頂ければと思います。

【司会】どなたでもよろしいですか。それでは,中林先生から回答や考えを お知らせいただけますか。

【中林】石坂先生,質問をありがとうございます。おっしゃるとおり,今回 のシンポジウムは教育と研究を,まさに両輪とするための話です。教育をす るための大前提として研究がしっかりしていなくてはいけない,だからこそ 研究に関する話に特化したシンポジウムになったわけです。質問をしていた だいたことで,あえてここで,また教育の話に戻れますので,非常にありが たい展開ではないかと思っています。

特に若手研究者育成の話は去年のシンポジウムでもテーマになっているよ

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うに,これをどうするかというのは非常に大きな問題です。実際,まず大学 院のレベルであったら,私の場合は私立大学にいますのでなかなか院生は来 なくて,さらに在籍する院生のほとんどが留学生です。日本企業への就職目 的の留学生ですので,研究者養成のための研究指導が十分にできない状況で す。この結果,研究者志望の学生がさらに遠のくという悪循環になっている のは間違いないと思っています。そんな中で今できることとしては,パネル ディスカッションの最後に柳瀬先生にご説明いただいた図で示された内容を 実現することがそのものずばりだと思います。研究も⚑人ではなかなかでき ない時代になっていると思いますが,教育に関しても得意分野も不得意分野 もあると思いますし,必要なスキルに関しても⚑人の指導教員が全て教えら れる時代ではないと思っています。それこそ学会単位で教育体制を整備して 必要なスキルを必要な時期に提供できる,そういう体制を整備することが重 要ではないかと思います。

【司会】大倉先生もいかがでしょうか。

【大倉】今,中林先生から話はありましたが,私も中林先生と同じで私立の 大学に勤めています。私は,同志社女子大学の現代社会学部に属しています が,マスターしかコースがありませんので,いわゆる研究者を養成するとい うシステムになっていません。とはいえ,昨今,仮に保険論の公募が出て,

本当に保険を学習している,俗に言う保険プロパーの若手にそのポストに就 いてもらおうとなりますと,当然ですが,若い人を育てていかないといけな いのです。どのように育てていけばいいのかという時に,いろいろなやり方 があります。かつ,日本全体で保険の大学院生の数はそれほど多くないと思 います。ですから,逆に言いますと,⚑人の院生に対して極端に言いますと,

⚕人や10人でAさんには実証研究のやり方を教えてもらい,Bさんにはミク ロ経済学のやり方を教えてもらい,Cさんには英語での論文の書き方を教え てもらう,そういうこともできると思います。会員の皆さまごとに強みがあ

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ります。その強みを合わせれば,強みを合わせたような教育をすれば,若い 立派な保険学者が出てくると思います。そうなれば,決して他分野に負けな い,むしろ院生が少ないことを逆手にとって,その院生を多方向からきちん と育てることができることで,より優れた研究者をつくっていけるのではな いかと思います。

ただ,その時にどのようにやっていけばいいかという方針といいますか,

方向はきちんと定めておかないと,みんなが好き勝手なことを言って育てる となると,これはまさに⽛船頭多くして船山に上る⽜になりかねません。そ うならないように,どのように進めていったらいいかという教育方針,これ は研究と両面になっていると思いますが,こういうものは今後つくっていか なければならないのではないかと思います。

【司会】あと,どなたか補足される方はいませんか。藤井先生,いかがです か。

【藤井】ミクロも特にそうですが,私は本務校でミクロ経済学を担当してい まして,抽象的な学問ですので非常に取っつきにくいので敬遠されがちな科 目の代表例だと思います。特に保険教育に関しても,導入部分でどのように 学生に興味を持ってもらって,⽛こういうことを考えるのは面白い⽜とか,

⽛分かるようになって面白い⽜となって,私の本務校では教室実験をやって います。実験経済学は実証の重要な一分野ですが,実はこれを最初にやり始 めた人たちが教室で実験をやってみると,学生たちが面白がって参加してく れます。なぜかというと,90分黙って座っていなさいと言われるのではなく,

がやがや騒げと言われます。教室実験,実験経済学の手法を使って保険の取 引実験をさせて,どういう結果が出ますかというのを今やろうとしています。

特につかみの所で嫌悪感を持たれずに,こういうのは面白いというイメージ を持ってもらってから,できるだけ学部,大学院に吸い上げていくような仕 組みができればいいと考えています。

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【司会】保険の取引実験とはどんなことをするのですか。たぶん,フロアの 皆さんも関心がありそうなことだと思います。

【藤井】今は構想を練っている段階ですが,年金に入る,入らないという状 況を学生に仮想的に人生ゲームみたいなものを教室でやってもらって,年金 に入っていたからよかったとか,年金に入っていなかったから長生きするけ れども大変な目に遭っているというのを,実際に90分の授業の中で人生ゲー ムっぽいのをやっていき,どれが我々には望ましいのか,彼らなりに議論を させるという形で教室実験をやろうという企画をしています。

【司会】たぶん,いろいろな方が関心を持っており,業界でも保険ゲームな どを開催している会社もありますので,交流ができたらいいと思います。

【大森義夫(ポストライフ)】ポストライフの大森です。いろいろと教えてい ただいてありがたかったのです。結局,保険を理解するためにはいろいろな 知恵が要ることは分かります。具体的に年金というものを取っても,公的年 金がありますし,あるいは私的年金,その給付の内容もまた違っています。

そうすると私的年金の場合は,加入者は保険会社を選択して,どこかの保険 会社に入ります。その時に運用のうまい会社と,あるいはマーケティングの うまい会社と両方あります。それを本当に自由化していくと,運用について は例えば米国のようなファイナンスにたけた会社というのはうまい運用をし てくるだろうし,あるいはマーケティングにたけている日本の会社がうまく していきます。それで,もし本当に例えばファイナンス理論,あるいはそう いうものを使って料率の自由化をやった時に,A社とB社は長生きする人に は高い保険を適用するし,長生きしない人は低い保険料を提供する。そうい うことは将来 AI を導入することによって可能になってきます。その時にそ ういう制度を日本の中において導入していってもいいのかということが問題 になってきます。

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いわゆる料率をいろいろ細かく区分することが本当にいいのか。例えば,

失敗した会社を救う,あるいは公的年金に対する影響,そういうもろもろの 社会に与える影響が出てきます。だから,それについて単なるゲームとは違 った社会への影響があるので,その辺りは研究するか,あるいは学問的に一 定の方向を出さなくてはいけません。単にこれは regression 理論では済ま ないわけです,その人の生活がどうなるかということに関わります。そうい うものを制度として日本の社会にどう組み込んでいくのか,それも一つの重 要なテーマだと思います。単に自由化することがいいことではないと私は思 っています。その辺りの意見を大倉さんなどに聞きたいのです。なにしろ,

ファイナンス理論には限界があるのです。現時点での一定の生存率を仮定し ているわけだから,生存率を絞るというのはずっと過去の長い間の生活態度 や遺伝子が影響するのですから,マルコフ過程ではできないのです。そうい うこともあります。

【司会】大森先生,大体,趣旨は分かりました。理論にはどんなものにも限 界があるわけです。社会的な課題を解明したり,それに対処していくことも 大変重要な指摘だと思います。恐らく研究はここで止まっているわけではな く,そこからどんなことが得られるかを明らかにしていこうというのは,た ぶん我々は同じ姿勢だと思っています。ただ,それが根拠のあるものかどう か,理論に基づくような指摘であるかどうかがまず重要だと思っています。

それを踏まえてこれからの社会,いろいろな保険を取り巻く課題,年金の話,

AI の話が出ていますので考えていきたいと思います。時間がなくなってき ましたので,一応ここで預かってよろしいですか。

【大森】はい。

【重原正明(第一生命経済研究所)】第一生命経済研究所の重原と申します。

大変貴重な話をありがとうございました。

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保険数学に関する発表等が海外では多いという話がありました。私はアク チュアリーですけれども,例えばアクチュアリー,あるいはデータサイエン ス,そのような人間が商学・経済学系の方々とコラボをしていくことについ て,どのように。できるのかどうか,やったほうがいいのか,あるいはどう いうことに気を使わないといけないか,そういうことがありましたら,伺い たいのですが,どなたでも結構です。

【司会】それでは,どなたか,その辺について。

【柳瀬】ドンピシャな答えは用意していませんが,アメリカで見てきたこと だけ申し上げます。そこの部分はまだ分断されているという私の理解です。

最初に ARIA の報告でも大きく分けると社会科学というよりは,どちらか というと数学,保険数理,最近でいうと金融工学,データサイエンスの流れ で,そういう人たちはそういう人たちでシマをつくっていると思います。そ れ以外が社会科学系で,経済ファイナンスということです。そこで横串を刺 した形でどういう仕事をしているかに関しては,私が見た限り,アメリカで もまだ成功していないと思います。ただ,同じ助け合いの仕組みというか,

学会としてはそこが両方うまく仕事を分担して,⚑つの学会組織を成り立た せています。今年,APRIA をシンガポールでやった時は,中林先生が詳し いのであとでサポートしていただきたいのですが,シンガポールの南洋理工 大学でありました。アクチュアリーの関係の人がたくさん来られましたし,

アクチュアリーをもう少し学問的に上げていこうという人たちが多かったの で,その関係の報告や論文投稿が比較的多かったと思います。したがって,

そういうものになった時はアクチュアリー系ではないグループも,その学会 運営に関してはみんなで手伝いましょうと。たぶん,学問的なレベルでどう 融合するか,共同研究をするかということに関しては,もしかしたらあるの かもしれませんが,まだ目立った形で見えるとは私は見ていません。

一方で別の流れとしては,どちらかというと保険数理というよりはデータ

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サイエンスです。Google や Facebook の技術者といった人たちが,アメリ カの保険会社によってスカウトされて,アクチュアリーグループと意見がぶ つかるところが多いそうです。実はその背後で一つの貢献としては,例えば エコノメトリクス(計量経済学)あるいは経済学分野の統計学が,そこで学 問的にはリンクしてくる可能性は今後あると思っています。最後は思い付き のような回答になりますが,私の感じではそういうことです。

【司会】中林先生,補足はよろしいですか。

【中林】はい。

【司会】最後に,もう⚑人か⚒人。

【溝渕 彰(香川大学)】香川大学の溝渕と申します。今日はいろいろと教え ていただいて,どうもありがとうございました。

私は法律系の研究者ですが,海外の学会というか,アメリカの法律系学会 に参加したことがあります。法律系学会としてはアメリカの全国的な学会と して主に⚒つあると思います。⽛アメリカ法と経済学会(American Law and Economics Association: ALEA と略される(http://wwwõamleconõorg/)⽜と

⽛ Society for Empirical Legal Studies ( SELS と 略 さ れ る( https: //wwwõ lawschoolõcornellõedu/sels/))⽜です。そういう学会での報告は,法制度の 説明ではなく分析が中心で,計量経済学を使って分析することがままありま す。そういう中で,一般的に法律学者というのは統計学や計量経済学といっ た知見が余りないので,そういった分野を学ぶためにワークショップが開催 されています。特に SELS という学会の前にはワークショップが定期的に開 催されています。私も SELS の大会に今年行く予定ではあったのですが,事 情があって行けなくなってしまいました。本年は11月⚙日,10日にミシガン ロースクールで SELS の大会は開催されます(https://eventsõlawõumichõ

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edu/cels2018/)。大会の前日の⚘日にはワークショップが行われます。私は このようなワークショップに非常に興味があります。本年の SELS のワーク ショップは,Empirical Training Workshop と呼ばれるものです。先ほど柳 瀬先生を中心に報告された方々の中で学会の際のワークショップの話が出た と思います。他分野のワークショップの実状を知りたいので,もしご存じで あれば,その実状について教えていただけないかと質問をさせていただきま した。

【柳瀬】まさに非常に重要な点です。新しい大学院生をどう育てるか,勉強 のスタイルを提供していくかという問題とともに,我々自身が常にキャッチ アップしていかなければいけない問題だと思います。ARIA ではそういうと ころに関して,今,継続的トレーニング,ワークショップはたまにしか行わ れなくなりました。その分,各大学院で共通言語の所はキャッチアップでき ていると思います。80年代はそれがなかったので,外から先生を招いて集中 講義をやっていました。しかし,一方で最近似たような話で,アメリカ経済 学会(The American Economic Association)は⚓万人くらい参加する大き な学会ですが,それに参加すると,学会報告が⚓日,⚔日あったあとに,お 金を払って⚒~⚓日間,⚓つくらい研究者のための継続学習セッションに参 加することができます。つまり,大学に勤めた先生のための教育,勉強のた めのプログラムが,学会のあとでかなりきちんと整備されているのです。以 前,私がアメリカ経済学会に参加した時には,金融危機に関するものと,金 融危機を分析するためには今こういう分析手法,こういう分析手法が重要な ツールになりつつあることをテーマにした講義があったので,それに参加し てみました。何百ページというレジュメが配られて,それに関する講義に研 究者が参加しました。まさに学校時代に戻ったような感じでした。あのとき は,金融危機に関する講義以外にも,ニューロエコノミクス(神経経済学)

に関する講義がありました。たしか,ハーバード大学の先生が来て,脳波と 経済学の関係について,今どういうことが重要で,それを理解するためには

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こういう論文を読みなさいということが講義されました。特に重要な点は,

いわゆる学術論文の最新のリーディングリストが提供されるということです。

私が大変驚いたのは,こうした研究者向けの勉強セッションへの参加者が非 常に多く,若手のみならず年配の研究者も皆さん非常に熱心に受講していた ということです。そういうものを,世界の経済学の中心でもあるアメリカ経 済学会においては,かなり組織的に企画しています。おそらく,学問的な進 化が非常に速いので,共同研究もそうですが,研究者一人一人が大学教員に なった後も,個々人のレベルできる限り,最新の勉強にキャッチアップして いくことが重要であり,そういうところも学会が積極的にサポートしている のだと思います。日本保険学会でもそうした組織的取り組みを検討していた だけると,とてもよろしいのではないかと思います。

【司会】時間がきました。このあと懇親会等もありますので,今日の発表に ついて交流または懇談を深めていただきたいと思います。

まとめの時間ですが,先ほど柳瀬先生にまとめていただきましたので,改 めて私から言うことはありません。一つの新しい方向性が示され,それを真 摯(しんし)に受け止めて努力をしていくことだけは確認できました。昨年 のシンポジウムでは若手育成という大きな方向性が出されましたが,少なく とも若手の定義もありますけれども,⚑つの答えが出せたとしたら,このシ ンポジウムをやる意義があったと感じました。これでシンポジウムを閉じさ せていただきたいと思います。長時間,ご清聴ありがとうございました。

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