• 検索結果がありません。

岐阜大学教育学部 におけるアク トプランと特別支援教育の専門性

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "岐阜大学教育学部 におけるアク トプランと特別支援教育の専門性"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

特別論文

上越教育大学特別支援教育実践研究センター紀要,第14,79,平成203

岐阜大学教育学部 におけるアク トプランと特別支援教育の専門性

池 谷 尚 剛*

岐阜大学教育学部 における教員養成 システムの一つであるACTプランでは,教員免許 を取得す る全 ての学生 を対象 とした特別支援 教育 を実施 している。本稿では,ACTプランの概要 を紹介すると共に,特別支援教育に関する専門的な学習 について,全ての学生が 学習する内容 と特別支援学校教員養成課程の学生が専門として学ぶ学習 とを分けて,それぞれについて特徴 を示 した。

キー ・ワー ド :岐阜大学教育学部 ACTプラン 特別支援教育

1.岐阜大学教育学部の概要 と特色 1)学部概要

岐阜大学教育学部には次の三つの課程 (学生定員)があ り, 卒業に必要な教員免許が次の ように定め られている。卒業要件 は,各課程共に135単位である。

①学校教育教員養成課程 (200名) 小学校教員免許及び中学校教員免許

②特別支援学校教員養成課程 (15名) 小学校教員免許及び特別支援学校教員免許

③生涯教育課程 (35名)

免許要件 はないが,教員免許/社会教育 主事/博物館学芸員 /認定心理士/C級スポーツ指導員の受験資格が取得で きる

2)ACT(ActiveCollaborationTeaching)プラン

岐阜大学教育学部の特色 は,平成16年度か ら実施 している

ACTプランである。ACTプランとは,4年間を通 じて 「教育 現場 に出かける実習」 を行 うことで,大学での講義 ・学習 と実 践的な体験学習 とを有機的に関連 させ る学習プランである。

2.ACTプランの概要 1) 1年生

前期金曜 日の午前2時間を 「教職 トライアル (2単位)」 と して必修 としている。 この講義の 目的は,①学生か ら教師へ と 気持ちを入れ替える,②学校の生の姿 を見て先生への意欲 を高 める,③教職 ・教科 ・指導法 を学ぶ基礎 を固めることである。

体験学習 としては,付属小 ・中学校 において観察学習 (4 回)を行十、,①児童生徒の良 さ,②児童生徒 に対する教師の関 わ り方,③質問 したいことの三点について レポー トを作成 ・提 出 し,その内容 に基づいてTV会議 を通 じて付属小 ・中学校の 先生方 と意見交換 を行い,教職の意義についての理解 を深める

ことに している。

2)2年生

2年生では9月 (本学では夏休み期間)に前期集中講義 とし て 「教職 リサーチ (2単位)」 を必修 としている。公立の小学 枚 l過 問 (リサーチ Ⅰ),中学校 1週 間 (リサーチ Ⅱ)の実習三 では,それぞれ学級 に配属 されて,登校時か ら下校時 まで児童

岐阜大学教育学部特別支援教育講座

生徒の観察学習 をし,放課後は教師 と活動 を共にすることを通 して,現場での教科等の指導の仕方や生徒理解の仕方,教材研 究や開発の仕方を学び,教員 としての基礎 となる技術 を観察 し 実習 を通 じて身につけることを行 っている。2年生の前期か ら 教育方法科 目 (生徒指導科 目 ・教育基礎科 目 ・道徳教育科 目) の履修が始 まっていて,教職 リサーチの 目的は, こうした学習 を基 にして①児童生徒 との関わ り方などの基礎的能力 を養 う, (彰大学での指導法 と実際 との関連づけを行 う,(彰 「教職」・「 科」の講義 との関連づけを行 うことである。

3) 3年生

3年生 は小学校教育実習 (11月) と中学校教育実習 (9月) となる 「教 職 プ ラクテ ィス (4単位 ;事前 ・事後 指 導 を含 む)」 を実施 している。岐阜大学教育学部の特色 として,小学 校教育実習校 に特別支援学級が設置 されている場合,学校教育 教員養成課程の学生が特別支援学級 に配属 されて実習 を行 うこ とが慣例 とされて きたことである。対象 となる学生数は少 ない が,従来か らこうした実習を経験 した学生の中か ら特別支援学 校教員免許 を副専攻 として取得することがみ られている。

3年生 は前期 ・後期 を通 じて,教育課程科 目 (特別活動 を含 む)や小学校の教科 ・教科指導法 (中学校の教科 ・教科指導法 については専攻科 目) を学習 してい る。教職 プラクテ ィスで は,4週間集中的に実習を行い,教員 としての実践的な基礎 を 作 り,先生 となるための 自分な りの 目的意識 を明確 にす ること で,①教職への思いをさらに高め,②現場や 自分 自身の教育課 題 を明 らかにすることを目的 としている。

4)4年生

4年年では,前後期 を通 じて 「教職イ ンター ン (4単位)」

を選択科 目として行 っている。 これは協定 を結んでいる自治体 の教育委員会によって実施方法に違いはあるが,小学校 または 中学校で12日間 (週 1回×12回),総合 的な学習等 における実 践的な課題の指導に参加 し,観察や調査 を通 して自分な りの課 題や指導技術 を培 うことをめざしている。

3.ACTプラン トと特別支援教育の専門性 1)介護等体験

平成10年度か ら2年生 を対象 として:介護指導論 (2単位) として必修で実施 されている。現在 は,前期水曜 日に講義 (

7‑

(2)

尚 剛

イダ ンス を含 めて20時 間) を行い,後期 に社会福祉施設5 間,特別支援学校 2日間の体験 を実施 している。障害のある児 童生徒及び障害者 ・高齢者の介護等に関する学習 と直接的な体 験 を通 して,教員 としての資質の向上 を図ることを目的 として いる。平成19年度か ら特別支援教育が実施 されたことによ り, 発達障害 を含めた内容に修正 された。

2)障害児教育論

平成16年度か ら4年生後期に必修科 目 「障害児教育論 (2単 位)」 を実施 している。特別支援教育講座の3名の教員が担 当 して,講義 (障害幼児期〜成人期の社会 自立)6回,演習6 回 (障害児の教育実践),実習1回 (知的障害幼児 と11 閑わる),総合討論 2回 (障害児教育 に関す るグループデ ィス カ ッシ ョン) を行 っている。ACTプランで教育現場 に関す る 経験 を積 んで きているため,障害のある子 どもとの関わ りにつ いては約60%の学生が事前 に 「ある」 と回答 して きている。そ の うち,教育実習中と回答 した学生は35.7%であ り,ACTプラ ンが特別支援教育の専 門性 を高める点か らも有効 であること が示唆 された。 この講義の前後 に実施 したア ンケー トか らは,

特別支援教育の基本的な知識

,

障害のある子 どもの基本的 な理解や対応

,

「障害の有無 にかかわ らない子 どもの理解や 対応」について,事前事後の間に平均点が優位 に高 まった ( 揮 ・神野 ・池谷,2006)

4.特別支援学校教員養成課程の専門性

ACTプランにおいて,特別支援学校教員養成課程 の専 門性 はどのような状況 にあるのかをACTプランに従 って示す。

1) 1年生の教職 トライアル

特別支援学校教員養成課程の専門性 として,①小 ・中学校の 観察学習に特別支援学級 (小 ・中それぞれ1回) を充てている こと,(参大学での知的障害幼児 との実習 を実施 していることで ある。小学校の特別支援学級では生活単元学習 に,中学校の特 別支援学級では作業学習に参加することで,障害のある児童生 徒 との関わ りと教師の専門性への意識付 けを行 っている。

知的障害幼児 との実習は,知的障害児通園施設の園外保育 と 連携 して,附属特別支援教育セ ンターを会場 として学生 と園児 11で過 ごす時間を4回設定 し,学生が障害幼児 と関わる ことを通 して,①障害幼児 との関わ り方,②保護者の願い 等 を 学習する機会 を提供 している。

また,ACTプランとは別 に,共通教育科 目として設定 され ている教養セ ミナー (2単位) を活用 して,県内の特別支援学 校や障害児通園施設,障害者更生施設等 を見学 し,障害のある 児童生徒 に関わる社会福祉制度について も学習 を行 っている。

2)2年生の教職 リサーチⅠ・Ⅱ

特別支援学校教員養成課程の学生については,学校 ごとに対 応が異 なるが,通常の学級 に配属 されて発達障害等の障害のあ る児童生徒の対応 を任 された り,特別支援学級に配属 された り して障害のある児童生徒の教育課程 を実践的に観察 ・体験 した りす ることがで き一る。

3) 3年生のACTプラン

特別支援学校教員養成課程の学生は,必修 となる小学校教育 実習 を実施すると共に,多 くの学生が副専攻 として中学校教育 実習にも参加 している。

また,後期 に 「教職 リサーチ」 を本課程の学生のみ実施 し ている。 この実習は,附属学校の特別支援学級で1週間実習 を 実施するもので,生活単元学習や作業学習等の授業の実際,個 別の指導計画等の教育課程の作成に関す る実践的な学習 を行 う ことがで きる。

尚,平成20年度か らは現在の 「障害児教育論」が3年生対象 の 「特別支援教育論」 として開講 される。

4) 4年生のACTプラン

特別支援学校 での教育実習 (2単位)が実施 され る。現在 は,実施校 との関係で,6月に特別支援学校教員養成課程の学 生対象 に知的障害児 ・肢体不 自由児 ・病弱児 を対象 とした特別 支援学校 3‑ 4校, 9月に副専攻の学生対象 に知的障害児 を対 象 とした特別支援学校 2校で実施 している。特別支援学校教員 養成課程の学生の実習校 については,学生の出身地に近い特別 支援学校 を実習枚 とす るように配慮 している。

特別支援学校教員養成課程の教職インター ンは,教育実習 を 行っていない,盲学校 (6日間) と聾学校 (6日間)を 9‑10 月にかけて実施 している。 6日間の設定は,文化祭 ・体育祭 な どの休 日に設定 された学校全体の活動 に参加す ることがで きる ようにしてあ り,学生にとっては学校 の多様 な活動 に関わるこ とがで きる。

5) 4年間を通 した専門性の育成

学生達は 4年間を通 して様 々な障害児 に関わる活動 に参加 し ている。本課程の1‑3年生は,夏休み期間中に実施 される大 学での活動にスタッフ ・ボランティアとして参加 している。特 に,サマースクール ・夏休み教室 という活動 はそれぞれ5日間 実施 され,朝8:00‑夕方4:00まで障害のある児童生徒 (小 ・ 中学生対象) と11で関わる活動であ り,連絡帳 を通 して保 護者 との関わ りも深 ま り,学生にとっては,障害に関わる経験 の場 となっている。

また,親の会 ・障害 関係団体の支援者 ・サポー ターになる学 生 も多 く,特別支援学校等の運動会 ・文化祭にもボランティア

として積極的に参加 している。

平成19年度か らは,岐阜県教育委員会 と連携 して

,

学生支 援貞」 として,岐阜市近郊の小 ・中学校の主に発達障害の児童 生徒 の支援 に過 1回程度参加 している。

6)成果 と課題

以上の ように,特別支援教育 に関わる専 門性 を高める教師養 成プ ログラムを実施 していて,次の ような成果 と課題 にまとめ ることがで きる。

(成果)

①障害の現状 と多様性 について,一定の理解がで きる。

②教育実践の現状 を理解 し,教員 としての 目標 を明確 にす るこ とがで きる。

(課題)

(D新免許法への対応

本学では,知 ・肢 ・病 (一種 ) を必修 として,視 ・聴 ( 種)を選択で取得す ることがで きるカリキュラム とした。

(彰ACTプランも含 めて,学外実習が多 く,学生 にとってはメ リッ トであるが,教員負担が増加す る とい うデメ リッ トもあ る。

ー 8‑

(3)

岐阜大学教育学部におけるアク トプランと特別支援教育の専門性

5.文献

岐阜大学教育学部 (2007)平成19年度 教育学部便覧

平滞 ・神野 ・池谷 (2006)教育学部学部生へ の障害児支援実習 に基づ く特別支援教育の教授.岐阜大学教育学部研 究報告 実践研 究第8245260

‑ 9‑

参照

関連したドキュメント

特別支援学校(知的障害)の各教科等 及び 自立活動

 魅力的な授業づくりや安心できる学級運営に向けた取り組み

①乳幼児期から卒業後という生涯にわたる長期的な

事例① 肢体不自由特別支援学校 中学部 数学 事例② 知的障害教育部門 中学部 国語・数学 事例③ 知的障害教育部門 中学部 音楽 事例④ 肢体不自由特別支援学校

支援教育を推進することは可能であろう。

全国に 1000 校を数える特別支援学校におい て、校内サイン計画は発展しておらず、まだあ

専門科目の学習を支援する日本語教育 るマーケティング分野、および会計学分野の教員の研究報告を得て、さらに