知的障害者の一般就労における他の健 常な労働者に及ぼす効果に関する研究
三 重 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科 特別支援教育専攻 特別支援教育専修
209M005
中 倉 健 太201 1
年2
月15日
知的障害者の一般就労における他の健常な労働者に及ぼす効果に関する研究 三 重 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科 特 別 支 援 教 育 専 攻 特 別 支 援 教 育 専 修
209M005
中 倉 健 太 [要約]雇用者側が知的障害者の一般就労を促進する要因として、知的障害者の一般就労により 他の健常な労働者に及ぼす効果が重要であると考える。
知的障害者の一般就労先での業務は健常な労働者の業務や場所とは異なる、掃除・郵便 物配送などが多くみられる。しかし、本研究では知的障害者が一連の生産ラインの中で、
責任を持ち、業務をしている企業の調査を実施した。この企業では知的障害者の一般就労 により他の健常な労働者に及ぼす効果は分けられた業務・場所で働く企業より、効果がみ
られると仮定し、障害者観の違いや人間関係、環境などの効果の様相を調査した。
調査結果を基に各質問項目に対する効果の様相の違いや特徴について考察した。その結 果、知的障害者の同一業務を休みなく黙々としている姿や明るく楽しく話す姿などの効果 の様相が見られた。アンケート調査の各質問項目の結果は言葉のニュアンスや知的障害者
との日々の関わりなどにより効果の特徴が異なっていた。
( キ ー ワ ー ド : 知 的 障 害 者 健 常 な 労 働 者 効 果 障 害 者 観 人 間 関 係 環 境 様 相 )
I、問題と目的
1
、はじめに「私たちは何のために勉強をするのだろうか
J
という聞いに筆者なら「やりたい仕事に つくために勉強をする」と答えるだろう。では、 「何のために働くのだろうかJ i仕事に 就けばどんな仕事でもよいのではないかj
と聞かれたら、 「将来、家族の家計を支えるた めに働く。私自身がこの職場で貢献したいと思う職業に就きたいj
と答える。その背景に は、自分の努力しだいでやりたい職業につくことができ、その職業を続けていけるだろう としづ期待と決意、そしてそれを受け入れてもらえる環境がある。しかし、近年増加傾向にある障害のある子どもたちはそれらの期待や決意、環境がはた してあるのだろうか。
今日の特別支援学校高等部では、職業体験を行ない、障害のある子どもたちを職場の環 境に慣れさせ、適応できれぼ採用につながるシスデムが普及している。採用されるだけま だ良く、適応できずに、就職先も決まらず卒業後、実家や施設で生活して過ごすだけの人 たちもいる。けれども、適応できたとしてもはたしてそれは本当にやりたかった職業なの だろうか。子どもたちは、職業体験の際、初めから決められた職業(職業体験を受け入れ てくれた会社での仕事)の中から選択する。その選択肢に、健常者と同じ数だけの職種は あるのだろうか。
三重県での平成
21
年度の産業別障害者の雇用状況(平成21
年6
月1日現在、社団法
( 注 1 )雇用人数は、重度障害者 X2+ 重度障害者以外の障害者+精神障害者 XO. 5 で表わされている
人 三重県雇用開発協会)では、製造業が
943. 5
人と最も多く、総数(2 ,210
人) の約42%
を占めている。ついで、医療・福祉が308
人で総数の約14%
、電気製品が275
人で総数の約8 %
を占めている。(注1)
一般企業への雇用状況においては、製造業や電気製品などに雇用が偏っている。障害が あるため、この仕事は不向き・できないと画一化して判断されているのではないだろうか。
三重県の一般の民間企業における新規雇い入れ障害者の状況(平成
20
年6
月2
日から平 成21
年6 月 1
日までの1
年間に雇い入れた数)は、医療・福祉が52. 5
人と最も多く、ついで、製造業が
48
人(総数19
1.5
人)である。障害のある子どもたちの学校卒業後における就職先は、福祉就労が最も多くなっている。
その理由として、昨今は平成の大不況により一般企業への就職は困難であるが、福祉は就 職先がまだ多く存在する。それは、超高齢化によって介護を必要とするお年寄りが増えて いるため、体力や根気が必要であり、 ー般就労者が敬遠するからである。
大企業において知的障害者(注
2)
雇用の進まない背景に関する考察は、1991
年に刊 行されたヒアリング調査の結果(労働省・日本障害者雇用促進協会、19 9 1)
において、大企業における雇用促進の制約条件が下記のようにまとめられている。*
1)
T a b l e 1
知的障害者雇用の進まない背景に関する考察<作業内容に関連する制約>
①製品・サービスの高度化・複雑化に伴う作業内容と能力要件の高度化
②危険度・精密化の高い職務の増加
③作業体制面から来る制約
④事業の合理化、技術革新による作業工程の合理化、単純作業の外注化
<雇用管理面での制約>
①雇用管理面での煩わしさ
②雇用管理体制の未整備
③雇用・処遇制度に内在する阻害要因
<事業所をとりまく条件からの制約>
①事業所の立地面からの制約
②外からの働きかけと支援の弱さ
<知的障害者に対する理解不足に基づく制約>
知的障害者に対する理解不足や誤解、それに基づく雇用管理面での不安
これらの制約を知的障害者がクリアしていければ雇用は促進されるのであろう。しかし、
雇用の現状はあまり促進しておらず、更なる支援等の研究が続けられている。
独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構(旧・障害者雇用促進協会)の調査報告書に
(注
2)
知的障害者の定義:本研究では療育手1娠を持っている障害者を「知的障害者J と定義する。よれば、『知的障害者の一般雇用問題研究は、次のように分類される。①知的障害者の職業 能力に関する研究(実態把握および職業訓練について)、②企業側に見られる知的障害者雇 用要因・非雇用要因に関する研究、③支援者の職業能力への認識調査、④事例研究を通し ての(主に職業スキル面で、の)支援方法論、⑤事例研究を通しての職業キャリアの実態研 究、⑥地域ベース(地域生活・職業生活を含む)の支援方法論、の
6
つである。研究の視 点や対象に多少の違いはあるものの、それらの目的は大きく次の2
つに要約できる。第1
に、現在の問題の明確化である。そこでは主に、実態調査を通して知的障害者の就労を促 進する要因・妨げる要因が追究されるが、その焦点は主に、知的障害者の職業スキルや社 会スキルの低さと、それらに対する企業社会・一般社会の理解の遅れとに当てられる。第 2に、知的障害者の就労支援の方法、あり方を探ることである。そこでは主に、成功事例 の支援実態や、実践的支援方法の取り組みなどが検討されているが、その内容は主に効果 的な職業スキル訓練や支援の技術、制度の模索であるj]* 2)
その中でも知的障害者の一般 就労における困難を整理し、支援の方法を検討しているものや知的障害者の職場への適応 させるための訓練・支援を検討するものが多い。困難を整理し、支援方法を検討すること、職場への適応させるために知的障害者自身の訓練は知的障害者の一般就労に必要なことで あるだろう。なぜなら、知的障害者が一般就労においてどのような点に困難を持ち、どの ような支援をすればいいのかが分かるとあらかじめ準備がしやすく、治具を使ったり他の 人がカバーしたりして対処できると考える。
f
知的障害者の雇用の実現のための指導課題に 関する研究J (2002)
では、『雇用経験のない事務所が知的障害者の雇用についてどの ような意見を有しているか、雇用経験のある事務所の意見とどのように異なっているのか についての検討をするとともに、雇用の促進を妨げている要因について明らかにしている。また、同規模・同業種の事業所を対象に知的障害者の雇用経験の有無別違い、養護学校高 等部教員と雇用経験のない事業所の意見の違い、質問紙調査並びにヒアリングの自由記述 で知的障害者を受け入れるにあたって困難と考えられている点を分析した。その結果、① 事業主は雇用可能性の高い知的障害者についてどのように考えているか、②知的障害者の 労務管理について変化に相応した配慮、があるのか、③知的障害者雇用に関する構造的な変 化の枠組みをどのように考えるべきかを検討している。この研究結果によると、雇用経験 がある企業の方が知的障害者を雇用しやすい傾向があり、知的障害者の一般就労を実現す るための課題についての意見や期侍される仕事の出来高と不良品の発生率に関する意見に ついて、養護学校高等部教員と雇用経験のない事業所ではかなりの違いが見られたo]j
* 3)
これらの違いを把握し、知的障害者が企業側の望む課題を達成できるとしたら一般就労は 増えるかもしれない。しかし、いくら優れた支援方法を検討したり障害者側の困難を少な くしたりしても雇用者側に「雇用してみよう
j
としづ意識なければ大幅な増加、様々な職 種への雇用はありえないのではなし1かと考える。(注
3)
健常な労働者の定義本研究では障害者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者福祉保健手帳)を持っ ておらず、一般企業で働く人をT
健常な労働者」と定義する。1 998
年7
月に法定雇用率が1 . 6 %
から1 . 8 %
になり、「障害者雇用促進法J (2
o 0 8)
において、知的障害者はダブワレカウントの対象となったので、ある程度は知的障 害者の一般就労は増えた。しかしながら、障害者は社内の郵便やお届け物の配達や清掃の 業務が主となっている企業が多い。それに法定雇用率が達成されれば納付金を払わなくて もよくなり、毎年の雇用は進まないで、はないかと考える。目標は法定雇用率の達成ではなく、知的障害者の一般就労の促進・継続なのである。
他の健常な労働者(注
3)
に及ぼす効果があると雇用者側に「雇用してみよう」という 意識を増やし、知的障害者の一般就労の促進にも繋がるのではないかと考える。本研究では知的障害者の一般就労によって、他の健常な労働者に及ぼす効果を調査する。
筆者は他の健常な労働者に及ぼす効果(注
4)
には①知的障害者の働きぶりを見て、仕事を 負けずに頑張ろうと思う②知的障害者の働きぶりを見て、仕事を一緒に頑張りたいと思う③知的障害者の働きぶりを見て、働く姿勢を見習おうと思う④知的障害者の働きぶりを見 て、自分でもできると自信になる⑤知的障害者とのコミュニケーションにおいて、元気に なる⑥知的障害者とのコミュニケーションにおいて、仕事が楽しくなる⑦知的障害者との コミュニケーションにおいて、助け合いの心が育つ⑧知的障害者とのコミュニケーション において、思いやりの心が育つ⑨知的障害者とのコミュニケーションにおいて、場がなご むことがあるのではないかと仮定した。
健常な労働者に及ぼす効果に① ⑨の項
H
を仮定する理由は、下記のように考える。①知的障害者の働きぶりを見て、仕事を負けずに頑張ろうと思う理由は、知的障害者の仕 事ぶりを認めたうえで、あれだけ頑張っているのだから自分も負けずに頑張ろうと思う 場合と知的障害者は健常者より劣るという考えから負けられないという場合があると 考える。
②知的障害者の働きぶりを見て、一緒に頑張りたいと思う理由は、知的障害者の仕事ぶり を認めたうえでこの人となら良い関係、良い雰囲気が作れるし、良い刺激になると思う ので、一緒に頑張ろうと思うと考える。
③知的障害者の働きぶりを見て、働く姿勢を見習おうと思う理由は、知的障害者の働き ぶりが健常な労働者よりも優れている部分があると思っていなければならないと考える。
④知的障害者の働きぶりを見て、自信になると思う理由は頑張っている姿を見て、それが はげみとなり、自分でもできると自信になる場合と知的障害者は健常者より劣るという 意識から知的障害者ができるのならば自分にもできると自信になる場合があると考える。
⑤知的障害者とのコミュニケーションにおいて、元気になると思う理由は、知的障害者の 明るく優しいふるまいにより、元気になると考えられるからである。
⑥知的障害者とのコミュニケーションにおいて、仕事が楽しくなると思う理由は、知的障
(注
4)
効果の定義:健常な労働者に及ぼす良い影響(注5)
を「効果jと定義する。(注
5)
良い影響の定義:知的障害者の仕事ぶりによって、健常な労働者の働く意欲が上がると思われる影響を「良い 影響」と仮定する害者の明るく優しいふるまいに接することで、仕事が楽しくなると考えるからである。
⑦知的障害者とのコミュニケーションにおいて、助け合いの心が育っと思う理由は、知的 障害者は制限が多いので、仕事をする時でもなんらかの支援が必要になる場合がある。
知的障害者が困っている時に健常な労働者が進んで支援をするようになり、助け合いの 心を育てる。
⑧知的障害者とのコミュニケーションにおいて、思いやりの心が育っと思う理由は、知的 障害者は制限が多いので、仕事をする時でもなんらかの支援が必要になる場合がある。
知的障害者が困っている時に健常な労働者が今どのような支援が必要なのか、相手の ことを考えることができるようになるのではないかと考える。
⑨知的障害者とのコミュニケーションにおいて、場がなごむと思う理由は、知的障害者と 健常者がお互い笑顔で話をしているのを目にしたことが何回かある。筆者も見知らぬ 知的障害者の人に「このTシャツ見て、カエルがプリントしであるやろ。頼んで、作って
もらったん。
J
と満面の笑みで話しかけられたことがある。ちょっとしたことでももの すごくうれしそうに話す姿を見て、この人は心の底から喜んでいるのだなと感じ、筆者 自身も嬉しい気分になった。これが健常者とのやりとりた、ったら嬉しさを共感できてい た。知的障害者は感情を1 0 0 %
出すので、裏表がない場合が多い。なので、作り笑いで はないということが分かるからである。このような知的障害者との対話は楽しく、場をな ごませるのではないかと考える。これらの知的障害者の一般就労が他の健常な労働者に及ぼす効果についてアンケート調 査および、アンケート調査に基づいた聞き取り調査をし、考察を行なった。
2
、目的アンケート調査の質問項目を分類し、その分類に基づき、アンケート調査や聞き取り調 査での回答の特徴を考察する。
効果がある質問項目はどれか、効果のない質問項目はどれか、なぜそのような回答結果 についても考察する。
本研究の目的は健常な労働者に及ぼす効果を確認し、障害者観(注
6)
の違いや人間関係(注7)
、環境(注8)
などの様相を明らかにすることである。アンケート調査や聞き取り調杢を 用いて回答者の個人的な様相を分析し、一人ひとりの回答内容と個人的な様相との関連性 を考察する。アンケート調査の① ③の質問項目の違いは回答者が持っている障害者観によると考え る。①仕事を負けずに頑張ろうと思うには、知的障害者が健常者より劣るという障害者感
(注
6)
障害者観 その人が障害者をどのようにとらえているか (注7)
人間関係:健常な労働者が知的障害者とどのように接しているか( 注 8)
環境.健常な労働者と知的障害者がどのような環境で作業しているのかがあっても負けん気根性で、効果は期待できるであろうが、②一緒に頑張りたいと思う
③働く姿勢を見習おうと思うには、健常者より劣るとしづ障害者観があると効果は期待さ れないだろう。逆に③は知的障害者が健常者より優れている部分を見いだす事ができない と、効果は得られないと考える。④自分でもできると自信になるには 2つの場合があると 考えるが、知的障害者が健常者より劣るという障害者観がある人の方が自信になると考え
るので、実際に確認する。
知的障害者とのコミュニケーションにおいて、⑦と⑧の違いは、⑦助け合いの心は、知 的障害者が困っていれば助けようと思うという心である。それに対して、⑧思いやりの心 は知的障害者のことを考えて助けようと思う心であると考えるので、実際に確認する。
⑤元気になる、⑥仕事が楽しくなる、⑨場がなごむは知的障害者の特性であると考える ので、実際に確認する。
3
、A
社について①会社全体について
A
社の社長方針で「障害者も他の従業員と同じ、ものをつくる作業に従事させるJ
との 方針で、障害者もものづくりを行なっている。これはA
社がものづくりの会社であるため、主な業務であるものづくりを知的障害者も行ない、他の従業員と一緒に喜びゃ苦しみを分 かち合ってほしいという主旨である。
また、 「分からなければ何度でも尋ねること
j
、 「やる気がなければその日は就業させ ない」というルーノレで、業務への責任感を実感させたり、冶具を使って障害者がミスをし ないようにしている。A
社は知的障害者10
人を雇用している。知的障害者たちには3
人 の指導者が支援している。更に3
人の相談者も指名されている。相談者は直接的な指導はしないけれど、知的障害者が相談に来たら助言している。
その知的障害者と指導者
3
人、相談者3
人とが業務をする場所と他の健常な労働者が業 務をする場所は同じ場所である。②
A
社で働いている知的障害者についてA社で働いている知的障害者は男性 3
人、女性7
人で、年齢は30
代3
人、20
代7
人 である。障害は知的障害・重度判定が大半である。業務は梱包、組立作業、検査、阻膳作 業、部品計数である。2000
年トライアル雇用制度の導入により、10
人中5
人は入社 する前の年に2
週間の実習を行なっている。10
人中3
人は高校卒業後すぐに入社してい る。(2)
他社との違いについて知的障害者の一般就労先での業務は掃除・郵便物配送などが多くみられる。これらの業 務は健常な労働者の業務と異なる場合が多い。同じ場所で働いていても異なった業務であ ると、知的障害者がどんなに頑張っても健常な労働者への影響は少ないと予想する。
A
社は知的障害者も他の健常な労働者も同じ場所で共にものづくりをしているので、様々な影 響があると考えられる。
A
社では健常な労働者と同じものづくりをし、健常な労働者が業務をしている傍で知的 障害者が業務をしていたり、昼食は同じ食堂で食べたり、関わりをもっている環境にある。A
社では知的障害者の業務もものづくりのラインの一部を担っているので、彼らの生産 したものが健常な労働者のラインにほとんどその日のうちに届けられる。遅くても次の日 には届けられている。A
社では自分が業務をしなければ次の工程の人に迷惑がかかるとの 責任を知的障害者が強く持っているOE
、方法1
、アンケート調査について(1)
アンクート調査の対象者三重県内の知的障害者
10
人を雇用している製造業のA
社で知的障害者の業務を受けて 業務をしている(以下、後工程と示す)健常な労働者2 6
人(2)
調査時期2010
年8
月(3)
調査の視点調査を行なった
A
社では、社長の方針で「この会社で働くのならばものづくりをさせ るべきだ。」との方針で、製造過程の業務の一部を担っているなど、周りの労働者と同じような扱いをした。そして、社内のルール厳守の徹底や職種の開発、治具の開発、キーパー ソンの設置など、知的障害者を雇用する上で様々な工夫を行なった。その結果、知的障害 者が
1
人も辞めずに就労を続け、法定雇用率を守り雇用を続けている。このような環境のA
社で「どのような効果があるのかj についてアンケート調査を行なった。当初は
A
社の労働者108
人全員(障害者雇用の人たちを除く)に調査を行なう予定で あった。しかし、A
社側から「労働者は自分の仕事をしっかりと行なうという意識でいる ので、知的障害者の仕事ぶりに対して意識していないと思う。知的障害者の仕事の後工程 の仕事をしている人たちなら意識する人もいるかもしれない。また、障害者雇用を始めた 当初は意識していたこともあるだろうが、障害者雇用を始めてから十年弱が経っているの で、現在は知的障害者も他の健常な労働者と変わらない社員の一人という意識があり、筆 者が期待する効果が得られないのではないか」と指摘された。ゆえに、知的障害者の業務 に関係があり、知的障害者と接する機会があることで効果が見込まれる、後工程の業務をしている健常な労働者
2 6
人にアンケート調査を行なった本研究では、知的障害者として一括しているが、一人ひとりの性格、能力、業務内容、成 長などは様々である。アンケート調査の回答者には、仕事場で一緒に働いている人につい
ての回答を求め、一般的な知的障害者をイメージしなくてもよいと伝えた。
2、聞き取り調査について
( 1
)聞き取り調査の対象者アンケート調査を行なった
2 6
人のうち、障害者の人たちと真剣にむきあっていると思 われ、明確に記述した10
人(2)
調査時期2010
年8
月(3)
調査の視点アンケート調査を行なったうえで、健常な労働者に及ぼす効果の様相について、アンケ ート用紙に基づいた聞き取り調査を実施した。アンケート調査の結果で、質問
2
(資料1
参照)の各聞いにおいて最も多い回答結果や少数の回答結果について聞き取り調査を行な い、具体例やその回答を選んだ理由を聞き出した。その結果、知的障害者雇用は企業にマ イナスなことだけではなく、健常な労働者に及ぼす効果があるとして考察を行なった。皿、結果
( 1
)アンケート調査についてアンケート調査の回答で同じ内容の記述が書かれているが、回答者が意図して各項目に て同じ内容で記述したものである。
①効果の有無について
知的障害者とのコミュニケーションや働きぶりを見て、「効果があった」に回答した人は
20
人と最も多く、「どちらともいえなしリに回答した人は6
入、「効果がなかった」に回 答した人はいなかった。②知的障害者の働きぶりを見て、仕事を負けずに頑張ろうと思うかについて
知的障害者の働きぶりを見て、仕事を負けずに頑張ろうと思うかについて、
f
はい」に回 答した人は19
人と最も多く、「どちらをもいえない」に田容L
た人は6
人、「し、いえ」に 回答した人は1
人だ、った。その理由として下記のような結果が得られた。< r
土し、>A‑l
真剣に取り組んでいるからB‑l
思いますC‑l
言われたとおり、きちんと作業できるD‑l
ひとつのことを頑張ってやっていることE‑l
何も言わず働いている姿F‑l
同一作業を黙々としている姿を見て自分も頑張ろうと思ったG‑l
根気強さはりっぱだと思いますH‑l
健常者(?) (注9)
として負けられないと思った<どちらともいえない>
J‑l
自分の仕事は自分の仕事K‑l 一緒にやっていないのでわからない
L‑l 自分自身もそれ(基本)以上に頑張っていると思ったから くいし、え>
M‑l
競争意識はない( 注 9) 健常者(?):回答者が「健常者」どいう表記が正しいのかわからないという意図で書いたもの
③知的障害者の働きぶりを見て、仕事を一緒に頑張りたいと思うかについて
知的障害者の働きぶりを見て、仕事を一緒に頑張りたいと思うかについて、「はしリに回 答した人は
15
人と最も多く、「どちらともいえなしリに回答した人は11
人、「し、いえ」に回答した人はいなかった。その理由として下記のような結果が得られた。
くlまし、>
P‑2
話しもせずにもくもくと手を動かしている姿を見ると自分達も頑張らなくては と思いますB‑2
思いますM‑2
まじめD‑2
根気がいいと思いました E‑2 何も言わず働いている姿F‑2
一日の作業を終えた後の達成感を体で感じて現わしている。応援したいと思ったG‑2
一つの仕事に対しての集中力<どちらともいえない>
A‑2 基本的に自分は一人作業が好き
C‑2
おそらく (自分に)根気がないと思います(注10)
J‑ 2
仕事は自分の仕事をするだけK‑2 仕事について、よく見たり確認したりする人の助力が必要で大変そうだと思いま した
L‑2
それぞれの頑張りがあると思ったから(注
10) :知的障害者の人たちは何時間も休む暇もなくひとつの作業をしていて根気があると思う。しかし、自分には
おそらく根気がなく、同じ作業はできないという意
④知的障害者の働きぶりを見て、働く姿勢を見習おうと思うかについて
知的障害者の働きぶりを見て、働く姿勢を見習おうと思うかについて、「はい」に回答し た人は
2 2
人と最も多く、「どちらともいえなしリに回答した人は4
人、「し、いえ」に回答した人はいなかった。その理由として下記のような結果が得られた。
<1
土し、>A‑3
真剣に取り組んでいるからP‑3
余り休む事もないので、私も見習わなくてはと思います(注11)
B‑3
いつも思いますR‑3
自分も頑張らなくてはと思いました M ‑ 3 まじめ5‑3
素直なところJ‑3
自分なりに(仕事を)するK‑3
与えられた仕事は熱心にやっているE‑3
何も言わず働いている姿F‑3
指導された通りの作業を一生懸命しているG‑3
仕事に対する意気込みH ‑ 3 まっすぐなところ(注
12)
を見習いたい<どちらともいえない>
L‑3 それぞれの姿勢があると思ったから
(注
11) :知的障害者が休む暇なく{動いている。その取り組む姿勢を見習おうと思うという意
(注12) :
rまっすぐなところ
jとは知的障害者が言われたことをしっかりやろうという姿
⑤知的障害者の働きぶりを見て、自分でもできると自信になるかについて
知的障害者の働きぶりを見て、自分でもできると自信になるかについて、「どちらともい えなしリに回答した人は
13
人と最も多く、「はしリに回答した人は11
人、「し、いえ」に 回答した人はいなくて、無記入が 2人た、った。その理由として下記のような結果が得られT こ 。
<1
まし、>B‑4 がんばらなきゃと思います
E‑4
もっと頑張りたいと思った<どちらともいえない>
M‑4
自信は別J‑4
なぜ自信になるの?L‑4 それぞれの自信があると思ったから(注
13)
( 注 13)
:人それぞれ自信になることが違うという意@知的障害者とのコミュニケーションにおいて、元気になるかについて
知的障害者とのコミュニケーションにおいて、元気になるかについて、「はしリに回答し た人は
15
人と最も多く、「どちらともいえなしリに回答した人は10
人、[し、いえj
に回 答した人はいなくて、無記入が1
人だ、った。その理由として下記のような結果が得られた。<はし、>
B‑5
元気をもらいましたR‑5
いつも元気をもらっていますc ‑ 5
(知的障害者の明るい姿を見て元気になるが)仕事の場所が近くでしたが、話しか けることは難しかった。それはかぎられた人の言われることしか聞いてはいけない ようすだ、ったE‑5
し、つも明るし、F‑5
朝のあいさつ、帰りのあいさつがとても元気よく、元気がもらえる様に思った L‑5 時に元気付けられることもあります<どちらともいえない>
M‑5
元気は別J‑ 5
なぜ元気になれるの?<無記入>
P‑5
コミュニケーションはないんですが、朝や帰りの元気なあいさつが一日のはげみ になります⑦知的措害者とのコミュニケーションにおいて、仕事が楽しくなるかについて
知的障害者とのコミュニケーションにおいて、仕事が楽しくなるかについて、「どちらと もいえなしリに回答した人は
13
人と最も多く、「はしリに回答した人は12
人、九、いえ」に回答した人は
1
入だった。その理由として下記のような結果が得られた。<1
まし、>B‑6
若い人達で楽しいですD‑6
職場の仲間ですE‑6
相手のことを考えるようになったG‑6
明るさ<どちらともいえない>
M‑6
楽しいは別K‑6
仕事をしていく上ではだれでも仲間ですF‑6
気を使うことが多いので、どちらともいえない1 ‑ 6
知的障害者の人とコミュニケーションを取る機会が少ない< い い え >
J‑ 6 ?
⑧知的障害者とのコミュニケーションにおいて、助け合いの心が育っかについて
知的障害者とのコミュニケーションにおいて、助け合いの心が育っかについて、「はしリ に回答した人は
19
人と最も多く、「どちらともいえなしリに回答した人は6
人、「し、いえ」に回答した人は
1
人だ、った。その理由として下記のような結果が得られた。<1
土し、>A‑7
分からない所は教え合っているP‑7
もっとコミュニケーションがあってもいいのではなし、かと思います M ‑ 7 サポート心Q ‑ 7
良く気が付き、よく動き、覚える気が有り(注14)
、いい人だと思いますK‑7
こまっていれば助力はおしまないE‑7 相手の事を考えるようになった
< い い え >
J‑7
助け合いはだれとでも!(注
14) :新しい仕事ができるようになりたくて新しいことを覚える気があるという意
⑨知的障害者とのコミュニケーションにおいて、思いやりの心が育っかについて
知的障害者とのコミュニケーションにおいて、思いやりの心が育っかについて、「はしリ に回答した人は
20
人と最も多く、「どちらともいえなしリに回答した人は6
人、f
し、いえJ に回答した人はいなかった。その理由として下記のような結果が得られた。<1
土し,>A‑8
分からない所は教え合ってし1るP‑8
何事も聞きにきたり、確認、だけしかしていないですが(自分の子どもみたいで) かわいいと思いますB‑8
やさしい気持ちになります M ‑ 8 サポート心E‑8
相手の事を考えるようになったF‑8
(体調が悪い時に心配してくれる)心のやさしさを見習いたいと思ったG‑8
一つ一つの言葉を選んで接する<どちらともいえない>
│ J ‑ 8
だ、れとでも思いやりをもっている⑩知的障害者とのコミュニケーションにおいて、場がなごむかについて
知的障害者とのコミュニケーションにおいて、場がなごむかについて、 Iはし、
j
に回答し た人は13
人と最も多く、「どちらともいえなしリに回答した人は12
人、「し、いえ」に回 答した人は2
人だった。その理由として下記のような結果が得られた。< は い >
B‑9 ふんわりします
c ‑ 9
(言われた事をしていればミスをしないから言われた事をしていればいいと)あせ らない気持ちになるE‑9 楽しく話す姿を見ればなごむ
F‑9
場のなごむ事が多いが時々そうではなく、暗い雰囲気のときがある0‑9
人と明るく接すること<どちらともいえない>
A‑9
笑っていると周囲も和む時もある M ‑ 9 それ(場がなごむか)は別J‑ 9
なぜなごむの?K‑9 わからなし、
<いいえ>
F‑9
場のなごむ事が多いが時々そうではなく、暗い雰囲気のときがある⑪自由記述
自由記述は下記のような結果が得られました。
G‑10
話をする時、私達は感t情を表に現し怒ったりします。障害者(?)と話しをする 時は、一言一言言葉を選んでわかりやすく話しをします。一言のみ込んでから、考えながら話をします。そうすることにより、お互いの感情のぶつかりあいがなく なると思うんです
N ‑ 1 0
障害者の人と接するのに、知識のない、私たちが接し方をまよう事はあります。(2)
聞き取り調査について聞き取り調査の回答で同じ内容の記述が書かれているが、回答者が意図して各項目にて 同じ内容で記述したものである。
①知的障害者の働きぶりを見て、仕事を負けずに頑張ろうと思うかについて
< は い >
G
一① 健常者はひとつの仕事をやっていて、集中力がきれてきたら別の仕事をするなど、一日の中でいろいろな仕事をしている。健常者はそのようにして気分転換しながら 集中力を持続させている。しかし、障害者は一つの仕事を朝から
17
時まで何も 言わず、集中して仕事を行なう。その根気強さはりっぱだと感じ、負けずに頑張ろうと思う」
H ‑
① 与えられた仕事を根気よく行い、やることが終わったら『次はなにしましょう?j
と基本に忠実に仕事をしている。自分は、上司から言われたことをたんたんとでき ていない。それはずるい面とそれ(基本)以上のことをしなければいけないと考え て行なっている面とある。しかし、基本に忠実に仕事をすることは大切なので、負けずに頑張ろうと思う
F ‑① 言われた時、言われたことをしっかりとしている、指示をしっかりとする姿を見 て、自分も負けずに頑張ろうと思う
E ‑① 不平不満を言わず、与えられた仕事をしっかりとする姿を見て、自分も負けずに 頑張ろうと思う
<どちらともいえない>
L←① 知的障害者はできぱきと一つのことをしっかりと行ない、現状に満足せず、それ 以上のことをしよう(注
15)
としづ姿勢が見られる。しかし、自分の仕事は自分の仕 事なので、自分もそれ(基本)以上に頑張っていると思うからJ
、① 尺度が違う。知的障害者の働きぶりはいいと思うが、評価は上の人がすることで あって、自分の仕事は自分の仕事であり、比べることができない( 注 15) :
rそれ以上のことをしようとする姿」とは、磁場に作業が教えられる(赤)、できる(黄)、でき
ない(青)の評価表があり、その評価表の欄を全て赤にするために新しい作業をどんどん覚えようとする姿
②知的障害者の働きぶりを見て、仕事を一緒に頑張りたいと思うかについて
<1 まし、>
G
一② 健常者はひとつの仕事をやっていて、集中力がきれてきたら別の仕事をするなど、一日の中でいろいろな仕事をしている。健常者はそのようにして気分転換しながら 集中力を持続させている。しかし、障害者は一つの仕事を朝から
17
時まで何も言 わず、集中して仕事を行なう。その一つの仕事に対しての集中力はりっぱだと感じ、一緒に頑張ろうと思う
F ‑② 仕事が終わったら『今日は 個つめれた』と自分に報告しに来て、一日の作業を 終えた後の達成感を体で感じて現わしている。それを聞いて達成感や充実感を共に味
わうことができるので、その姿を応援しつつ、一緒に頑張りたいと思う
D‑
② はたから見てきちんと作業し、~~終わりました』としっかり言っているのを見て、根気がいいと思う。そのような姿を見て一緒に頑張りたいと思う
E ‑② 不平不満を言わず、与えられた仕事をしっかりとする姿を見て、自分も一緒に頑 張ろうと思う
<どちらともいえない>
L ② 知的障害者はできぱきと一つのことをしっかりと行ない、現状に満足せず、それ 以上のことをしよう(注
15)
という姿勢が見られる。しかし、自分の仕事は自分の仕 事なので、それぞれの頑張りがあると思うからJ
② 尺度が違う。知的障害者の働きぶりはいいと思うが、評価は上の人がすることで あって、自分の仕事は自分の仕事であり、比べることができないC
② 同じことをやることは辛い。『なんでこんなことをするの?~と普通の人なら言う だろうが、(知的障害者たちは)言わない。同じことをずっとすることは根気いるが、自分には同じことをずっとやる根気がおそらくないと思うから
( 注 15) : I それ以上のことをしようとする姿J とは、職場に作業が教えられる(赤)、できる(黄)、でき
ない(青)の評価表があり、その評価表の欄を全て赤にするために新しい作業をどんどん覚えようとする姿
③知的障害者の働きぶりを見て、働く姿勢を見習おうと思うかについて
<1 まし、>
G一③
数がどうこうではなく、今日これだけはやらなければならないという意識を持つ て、根気と集中力で仕事をする意気込みを見習おうと思ったN ③ 純粋で目の前に与えられたものをしっかりと、一生懸命する姿を見習おうと思つ た
H ‑
③ 彼らは与えられた仕事をたんたんとしている。それは、いい面とそれだけではあ かんやろと思う面もある。自分たちにはそれ(基本)以上のものが求められている。障害者の中にも自分なりに考えて働いて、いいときと失敗するときもある。しかし、
基本に忠実なまっすぐな姿勢がかけているとサボってしまうので、まっすぐな姿勢 を見習おうと思う
E ‑③ 不平不満を言わず、与えられた仕事をしっかりとする姿を見習おうと思う
I
③ 周りの人と同じように認定試験に受かっている姿や一生懸命まじめに働いている姿、あいさつをきちんとしている姿を見習おうと思う
<どちらともいえない>
L
一③ 知的障害者はできぱきと一つのことをしっかりと行ない、現状に満足せず、それ 以上のことをしよう位15)
という姿勢が見られる。しかし、自分の仕事は自分の 仕事なので、それぞれの働く姿勢があると思う(注
15)
:の「それ以上のことをしようとする姿」とは、職場に作業が教えられる(赤)、できる(黄)、でき ない(青)の評価表があり、その評価表の欄を全て赤にするために新しい作業をどんどん覚えようとする姿④知的障害者の働きぶりを見て、自分でもできると自信になるかについて
<1
土し、>D
一④ きちんとやっている姿を見て自信になったE
④ 甘えがあるとサボるので、自分たちには基本にプラスα
が必要である。障害者が あれだけできるなら健常者はもっとしなければならない。障害者の働きぶりを 見て自信になる反面、もっと頑張りたいと思う<どちらともいえない>
L
一④ 知的障害者はできぱきと一つのことをしっかりと行ない、現状に満足せず、それ 以上のことをしよう(注15)
という姿勢が見られる。しかし、自分の仕事は自分 の仕事なので、それぞれの自信があると思うJ
④ 尺度が違う。知的障害者の働きぶりはいいと思うが、評価は上の人がすることで あって、自分の仕事は自分の仕事であり、比べることができないので自信には ならない( 注 15) :
rそれ以上のことをしようとする姿jとは、職場に作業が教えられる(赤)、できる(黄)、できない(青)の評価表があり、その評価表の欄を全て赤にするために新しい作業をどんどん覚えようとする姿
⑤知的障害者とのコミュニクーションにおいて、元気になるかについて
く は い >
L
一⑤ いつも元気で頑張って、てきぱきと働いていている姿やいつもにこやかにきちん とれまし\~と返答する姿に元気付けられ、自分も元気に仕事ゃあいさつをしよう と思ったc‑
⑤ 仕事の場所が近くでしたが、話しかけることは難しかった。それはかぎられた人 の言われることしか聞いてはいけないようすだ、ったし、指導者からもれ、っさい 余計なことを言わないこと』と指示されたので、コミュニケーションがなかった。しかし、障害者の疑わずに働いている姿に元気付けられた
<どちらともいえない>
H ‑
⑤ 自分は大きなあいさつがポリシーで自分以上の元気ではないJ
⑤ 自分の仕事をするだけなので元気にならない⑥知的障害者とのコミュニケーションにおいて、仕事が楽しくなるかについて
< は い >
D‑
⑥ 障害の有無に関係なく、一緒の立場である職場の仲間なので、楽しいE
⑥ 障害者を雇用した当初、障害者と聞いて、役に立たないとか面倒を見ることが できないと差別のような気持ちになった。それが、カラオケに行ったりして付き 合っていくと心がきれいだということが分かった。自分が見る限り、現場では 男女の境がなく、ちゃかすと『それはダメだよ』と言ってくる。自分たちが彼らを理解し、考えてあげなければ上手くし、かないことに気付いた。そのように変わ っていって、仕事が楽しくなった。以前は上司の言ったことを守れという考えだ ったが、付き合っていくうちに言ったことに対してどう思うかなと相手の事を 考えるようになったので、自分も成長したし、最初にあった差別の気持ちもなく
なった
<どちらともいえない>
F ‑
⑥ たまに感情がそのまま表に出て、障害者同士で言いたい事を言い合い、関係が ギクシャクしてしまう。ちょっとしたきっかけで元通りになるが、関係がギク シャクしてしまうと周りにも影響してしまう。その時は気をつかうことが多いの で、どちらともいえないN一⑥ コミュニケーションをとることがないのでどちらでもない
< い い え >
J
⑥ 楽しいは仕事と別問題⑦知的障害者とのコミュニケーションにおいて、助け合いの心が育っかについて
<1
まし、>C
一⑦ 障害の有無に関係なく困ったことがあればお互い助け合うE ⑦ 以前は上司の言ったことを守れという考えだったが、付き合っていくうちに言つ たことに対してどう思うかなと相手の事を考えるようになったので、自分も成長
したし、最初にあった差別の気持ちもなくなった
<どちらともいえない>
H ⑦ 助け合いとは相互関係で、対等に接していなければいけない。かみくだいて細か く話をするが、相手は自分たちに対して特に何かしようとしていないので、助け 合ってはいない
N一⑦ コミュニケーションをとることがないのでどちらでもない
< い い え >
J‑
⑦ 助け合いはだれとでもしている⑧知的障害者とのコミュニケーションにおいて、思いやりの心が育っかについて
<fまし、>
G一⑧
普通は思う事を押しつけているが、障害者に話すときはー呼吸おいて、分かり やすく、語りかけるように一つひとつ言葉を選んで、接しているF
一③ 気分が悪いときは『大丈夫?J]と気をつかってくれるし、『かわいそうJ]~大変や ね』などと素直に意見を言ってくれことにやさしさを感じるので、自分にも思い やりが育ったと思うL
一⑧ ものを頼むと嫌な顔をせずに対応してくれるし、いつも話をしてくれる。自分は 気分次第で、素っ気なく対応してしまうので、親切にしようと心掛けているE ‑
⑧ 以前は上司の言ったことを守れという考えだ、ったが、付き合っていくうちに言つたことに対してどう思うかなと相手の事を考えるようになったので、自分も成長 したし、最初にあった差別の気持ちもなくなった
<どちらともいえない>
N ⑧ 仕事の仲間であればだれもが自然に思いやりを持っているし、そうあってほしい からどちらともいえない
J
⑧ 思いやりはだれとでも持っている⑨知的障害者とのコミュニケーションにおいて、場がなごむかについて
<はし、>
F一⑨
大抵はなごむが、障害者の人たちに気をつかう時期もあるC
⑨ きちっと順番通りに作業をしていて間違わず、クレームもないので、あせらない 気持ちになる。健常者は違う気持ちが入ってしまう。あせる気持ちになることも あったが、休まずに、しゃべらず、疑わずに作業をしているので自分たちもあせ らない気持ちになり、場がなごむE一⑨
辛い事もあると思うが、例えば、『今日、0 0
さんにほめてもらったj]~今日、0 0
さんに を教えてもらった』などとどんなことでも楽しそうに話してくる。笑っている姿を見ると一緒に笑えてくるし、辛い事も忘れられるので、場がなご む
<どちらともいえない>
D ‑
⑨ あいさつはしてもらっているが対話がなし、から分からないJ‑
⑨ 尺度が違う<いいえ>
H一⑨ なごむというのは緊張した状態から雰囲気がなごむので、自分の経験上なごんで いない
F‑
⑨ 大抵はなごむが、障害者の人たちに気をつかう時期もある⑩自由記述
自由記述は下記のような結果が得られました。
G
⑩ 仕事のことで、障害者(?)との話し合いで一方的な怒りの感情が出せない。これは会社から言われていることである。怒りの感情を出さないためにも、一 呼吸おいてから、考えながら一言一言、言葉を選んでわかりやすく話をします。
そうすることにより、お互いの感情のぶつかり合いがなくなり、職場の雰囲気も 良くなる。そして、障害者(?)にも働きやすくなる
N ⑩ 障害者の人と接した事がないので、日常の会話をしていて注意していいのかな?
と思う時がある。注意するにしてもこういう言葉は言つてはいけない。こうい う言葉で言わなければいけないというのが分からず、どう対応していいのか分か らない。第
3
者の立場から自然に怒れたらいいのになと思うN、考察
1
、効果の有無についてA社でのアンケート調査の回答結果において「効果がなかった」に回答した人はいなか った。「どちらともいえない」に
6
人回答したが、具体的効果に関する質問項目のいくつか に「効果があった」にO
をつけた人は6
人中4
人だ、った。この結果から知的障害者が雇用 されるとその周りの健常な労働者にはなにかしらの効果があると確認された。アンケート調査の結果から健常な労働者に認められると思われる効果は、④知的障害者 の働きぶりを見て、自分でもできると自信になる以外の①知的障害者の働きぶりを見て、
仕事を負けずに頑張ろうと思う②知的障害者の働きぶりを見て、仕事を一緒に頑張りたい と思う③知的障害者の働きぶりを見て、働く姿勢を見習おうと思う⑤知的障害者とのコミ ュニケーションにおいて、元気になる⑥知的障害者とのコミュニケーションにおいて、仕 事が楽しくなる⑦知的障害者とのコミュニケーションにおいて、助け合いの心が育つ⑧知 的障害者とのコミュニケーションにおいて、思いやりの心が育つ⑨知的障害者とのコミュ ニケーションにおいて、場がなごむで、あった。
2、アンケート調査各項目においての効果の有無について
( 1
)知的障害者の働きぶりを見て、仕事を負けずに頑張ろうと思うかについてA ‑ 1
により知的障害者の真剣に取り組むまじめな姿を見て、負けずに頑張ろうと思う 効果があると考えられる。C‑1
により知的障害者の言われたとおりにきちっと業務をする姿を見て、負けずに頑 張ろうと思う効果があるのではないかと考えられる。D ‑ l
、E‑l
、F‑l
により知的障害者の何も言わず業務を続ける姿を見て、負けず に頑張ろうと思う効果があるのではないかと考えられる。H ‑ l
により、「健常者(?)として負けられなし、」という思し、から負けずに頑張ろうと 思う効果があるのではなし、かと考えられる。J ‑1
やL‑1
により知的障害者の仕事ぶりを認めながらも自分の仕事は自分の仕事と 考える人は効果がないと考えられる。(2)
知的障害者の働きぶりを見て、仕事を一緒に頑張りたいと思うかについてM ‑ 2
により知的障害者の真剣に取り組むまじめな姿を見て、一緒に頑張りたいと思う 効果があるのではないかと考えられる。D ‑ 2
やG ‑ 2
により知的障害者の同一業務を休みなく黙々としている姿を見て、一緒 に頑張りたいと思う効果があるのではなし、かと考えられる。P‑2
、E‑2
、F‑l
により知的障害者の何も言わず業務を続ける姿を見て、一緒に 頑張りたいと思う効果があるのではないかと考えられる。J‑2や L‑2により知的障害者の仕事ぶりを認めながらも自分の仕事は自分の仕事と 考える人は、効果が認められないと考えられる。
C ‑ 2
により知的障害者の根気を認めながらも、自分の限界を比べ、とても真似できな いと考えている。知的障害者の能力が健常な労働者では太刀打ちできないと考えると効果 がないと考える。A ‑ 2
により基本的に一人で業務をする方が好きという考えをもっ人は効果がないと考 えられる。K‑2
により知的障害者の仕事が大変そうだと思う人は効果がないと考える。アンケート調査では記述が得られなかったが、 E ②で「不平不満を言わず、与えられ た仕事をしっかりとする姿を見て、自分も一緒に頑張ろうと思う