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マウス始原生殖細胞による DNA 脱メチル化機構の解明

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Academic year: 2022

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マウス始原生殖細胞によるDNA脱メチル化機構の解

著者 大野 里佳

URL http://hdl.handle.net/10236/9667

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2011年度 修士論文要旨

マウス始原生殖細胞による DNA 脱メチル化機構の解明

関西学院大学大学院理工学研究科 生命科学専攻 関研究室 大野 里佳

生殖細胞は分化全能性を獲得することで次世代に遺伝情報を伝達することができる唯一の細胞で ある。分化全能性の獲得には、ゲノム刷り込みの消去を含むエピゲノム情報の初期化が必要であり、

精子・卵子の起源である始原生殖細胞が生殖巣に到達する時期に、ゲノム刷り込み遺伝子領域を含 むゲノム全体の DNA 脱メチル化が観察される。始原生殖細胞による DNA の脱メチル化が酵素により 複製非依存的に誘導されるのか、複製依存的な機構によって誘導されているのかについては、未だ 決定的な根拠は示されていない。しかし、本研究室のこれまでの研究において、始原生殖細胞による DNA脱メチル化機構が複製依存的に誘導されている可能性を示唆する結果が蓄積している。

今回、DNA複製時のメチル化維持に関与するNp95はE7.25(LS/MB)において発現抑制が始まり、

E8.5-E11.5の始原生殖細胞では完全に発現抑制されていることが明らかになった。さらに、DNAのヘ

ミメチルを検出できるHairpin Bisulfite Sequencing法を用いてLINE-1領域を解析し、始原生殖細胞に よる DNA 脱メチル化が一方の鎖で特異的に非メチルとなるヘミメチルを経ているか否かを検証した。

ES細胞による解析の結果、Np95-/- ES細胞では野生型ES細胞に比べ、全体的なメチル化が減少し、

一方の鎖に非メチルが偏ったパターンが増加していることが明らかとなった。さらに、E7.25エピブラスト、

E9.5-12.5 の始原生殖細胞および E10.5の体細胞を用いて解析を行なった。その結果、E10.5-E11.5 の始原生殖細胞において LINE-1 領域の DNA 脱メチル化が観察され、また一方の鎖に偏ったヘミメ チルの割合もその時期に急激に上昇していた。この結果は、Np95 の発現抑制と活発な細胞増殖が DNA複製に依存した受動的な DNA脱メチル化を誘導している可能性を強く示唆している。そこで、こ の可能性をさらに検証するために、G1/S 期の進行および細胞増殖に異常がある HP1γ KO 始原生 殖細胞を用いてBisulfite Sequencing解析を行なうと、LINE-1(type Gf, type A)領域およびSINEs(B1,

B2)領域において、DNA 脱メチル化抑制が見られた。このことから、始原生殖細胞における脱メチル化

はNp95が発現しないことにより、一方の鎖特異的に非メチルとなるヘミメチルを経て行なわれる複製に 依存した受動的な機構が関与していることが示唆された。

参照

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