プロトカドヘリン-9の機能解析
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(2) 2012 年度. 修士論文要旨. プロトカドヘリン-9 の機能解析 関西学院大学大学院理工学研究科 生命科学専攻鈴木研究室. 平. 哲郎. 脊椎動物の組織は細胞が規則正しく並ぶことによって形成されている。その組織構築 に重要な役割を果たしているのが、細胞間接着タンパク質であるカドヘリンである。カ ドヘリンは Ca2+依存性の細胞接着タンパク質であり、多細胞体の構築・維持に不可欠 な分子と考えられる。カドヘリンはスーパーファミリーを形成しており、多種のカドヘ リンが同定されている。その中でもプロトカドヘリンは最も大きなサブファミリーを形 成する分子で、神経系において多く発現しており、脳神経系の形態形成やシナプス形成 などに関与していると考えられている。しかし、神経組織形成に果たす個々のプロトカ ドヘリンの機能はほとんど解明されていない。当研究室では、ほとんど機能が明らかに なっていなかったプロトカドヘリン-9 (Pcdh9)に注目し、アフリカツメガエルを用いて 研究を行ってきた。まず、Pcdh9 の発現時期や局在を調べるために、Pcdh9 モノクロ ーナル抗体を作製した。その抗体を用いて、各発生段階のアフリカツメガエル胚の Pcdh9 発現量を調べた結果、ステージ 31 付近より発現が開始し、その後発現量が増し ていくという結果が得られた。また Pcdh9 の局在を in situ hybridization 及び、免疫 蛍光染色を用いて調べた。in situ hybridization では、ステージ 31 では神経管にのみ 局在していたが、ステージ 35 以降では網膜の神経節細胞層、内顆粒層、外顆粒層にお いても発現が見られた。また免疫蛍光染色においても同様にステージ 31 では神経管に のみ局在し、ステージ 35 以降では網膜においても発現を示した。免疫蛍光染色では、 Pcdh9 は内網状層、外網状層といったシナプス層に多く局在していた。また、アフリカ ツメガエル胚にアンチセンスモルフォリノオリゴ(Pcdh9-MO)を顕微注入することによ って Pcdh9 の翻訳を阻害すると、眼の縮小及び欠損が見られた。これらの変異は Pcdh9-MO と Pcdh9-mRNA を共注入することでレスキューされた。また Pcdh9 翻訳阻 害による変異体を切片化し観察した結果、それらの変異体は眼の層構造が崩れているこ とが観察された。視細胞外節や神経突起が正常に分化しているか調べるために、ロドプ シンやアセチル化チューブリンの抗体を用い、免疫蛍光染色を行った。その結果、分化 は正常にできていたが、局在に異常が見られた。また Pcdh9 翻訳阻害は細胞増殖や、 細胞死に与える影響を調べるために、リン酸化ヒストン H3 を用いた免疫蛍光染色や TUNEL 染色を行った。その結果、Pcdh9 翻訳阻害は細胞増殖には影響しないが、死細 胞の数を増加させることが明らかとなった。これらの結果より、Pcdh9 は網膜の層構造 形成や、神経細胞の生存に関与していることが、示唆された。.
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