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年度の協議会の活動報告 WG FD WG A ,800 FD Writing Across the Curriculum FD FD WG

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関西地区FD連絡協議会

Kansai Faculty Development Association

KansaiFD NEWS

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August 2013

http://www.kansai-fd.org/

Contents

● p.1 ご挨拶 p.2 2012 年度の協議会の活動報告     『ライティング指導のヒント』刊行しました p.4 会員校における FD の取組と課題(その 12)  流通科学大学 ミニコラム 大阪体育大学 p.5 会員校における FD の取組と課題(その 13)  大阪河崎リハビリテーション大学 p.6 総会の報告  プログラム・開会挨拶 p.7 講演・FD 活動報告会 2013 p.8 ワーキング・グループからのお知らせ   FD 連携企画 WG、FD 共同実施 WG、広報 WG、 研究 WG p.10 関西 FD の活動を観る 大阪大学、滋賀県立大学 p.11 協議会からのお知らせ p.12 事務局より

節目

を迎えた関西 FD

大塚 雄作

京都大学高等教育研究開発推進センター・センター長  第 6 回関西 FD 定期総会を無事に完了できたことにまずは心よりの御礼を申し上げたい。昨年度は定足数 割れし、委任状の導入も思案したが、「協議会」は会員校が集まって協議する趣旨が原点にあり、組織を代表 してどなたかに参加いただくことにこだわってみた。その代わり、文科省から阪大に移られたばかりの若手 のホープ、喜久里要氏に高等教育行政の最新の動向に関わる講演をお願いし、情報共有、情報交流の場とい う点を強調してみた。そのおかげもあり、123 法人中 65 校の参加を確保することができ、また、講演やポス ターによる FD 報告会は好評もいただき、関西 FD 総会の意義を再認識いただけたのではないかと思う。しか し、京大センターに付いていた特別経費が本年度より打ち切られ、関西 FD の財政状況が厳しくなった。特 別経費の支援によって蓄えられていた繰越金で 2 年程はやりくりできるが、特別経費の再申請、会費の節約 も試みていくものの、会費の値上げなども考えていかざるを得ない状況である。それだけに、関西 FD のあ り方について原点に立ち返って考えていくべき時期にも差し掛かっていると言える。会員校諸氏と共に、ピ ンチをチャンスにすべく、知恵を出し合って一段の飛躍を期していきたいと思う。

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 FD 連携企画ワーキンググループでは、2008 年の発足以来、 「思考し表現する学生を育てる」をテーマにシンポジウムや ワークショップを開催してきました。その成果をまとめてこ の 3 月に刊行したのが、本書『思考し表現する学生を育てる ライティング指導のヒント』です。本書の目的は、大学での ライティング指導について、教える側が何らかのヒントを得 られるよう、多様な切り口から、具体的な事例とそれを支え る考え方を紹介することにあります。  本書は 7 つのテーマ、全部で 12 の章からなります。まず、 ざっと目次をご紹介しましょう(所属は刊行当時)。  イントロダクション―ライティングを指導するということ (京都大学:松下佳代・田川千尋・坂本尚志)   Ⅰ ライティング指導のフレームワーク 第 1 章 思考し表現する力を育む学士課程カリキュラムの構築     ―Writing Across the Curriculum を目指して

(桜美林大学:井下千以子)  Ⅱ レポート・論文の作成指導 第 2 章 「十字モデル」で協同的に論文を組み立てる (関西大学:牧野由香里) コラム 1 「十字モデル」を使った試み     ―卒業研究の「プレゼミ」として (関西大学:齊尾恭子・橋寺知子) 第 3 章 モジュールに基づいた小論文作成技法 (大阪市立大学:小田中章浩)  Ⅲ 初年次教育 第 4 章 初年次アカデミック・リテラシー科目「日本語の技 法」 (立命館大学:薄井道正) 第 5 章 自己省察としての文章表現     ―「日本語リテラシー」の教育実践を事例として (京都精華大学:谷 美奈)  Ⅳ 学士課程を通じたライティング指導 第 6 章 専門教育・卒業論文につなげる初年次教育     ―ピア・サポートの取り組み (関西学院大学:土井健司・小田秀邦) 第 7 章 読書感想文から臨床実習報告書までのライティング指導 (大阪河 リハビリテーション大学:髙橋泰子)  Ⅴ 卒論・ゼミ指導 第 8 章 自分のテーマを 2 年間かけて卒論に仕上げる     ―学びのコミュニティづくりとグループ学習の技法 (獨協大学:北野 収)  Ⅵ 理系のライティング指導 第 9 章 論文作成のための科学的和文作文法指導 (滋賀県立大学:倉茂好匡) コラム 2 大講義で書くことを通じて学ばせる (大阪工業大学:矢野浩二朗) 第 10 章 工学系のためのライティング指導 ―導入教育から実験レポートまで(関西大学:池田勝彦)  Ⅶ コピペ問題とコピペ対策 第 11 章 コピペ問題の本質 (金沢工業大学:杉光一成) 第 12 章 コピペ対策の実践―コピペ検出システム (阪南大学:花川典子)  おわりに (立命館大学:安岡高志)  巻末資料 1 「論文の書き方」本から見るライティング指導の位置 (坂本尚志) 2 関西地区 FD 連絡協議会・FD 連携企画 WG シンポジウム・ ワークショップ(2008 年度∼ 2011 年度)の概要(田川千尋)

『ライティング指導のヒント』刊行しました

担当 WG 名:FD 連携企画 WG 『思考し表現する学生を育てるライティング指導のヒント』 (ミネルヴァ書房、2013 年 3 月、A5・272 ページ、本体 2,800 円+税) 京都大学 高等教育研究開発推進センター 教授 松下佳代

2012 年度の協議会の活動報告

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■ 3 つの特徴  ライティングに関する本は山のようにあります。でも、本 書には他書にはない特徴があるのです。 その 1: 教員向けにどう指導するかが書かれている  これまでの本はほとんどが、学生向けに「論文の書き方」 を書いた本でした(本書の巻末資料 1 でご確認ください)。本 書は、教員の側に立ってどう指導するかを書いた本です。ラ イティング指導のためのカリキュラム、教材、手順、集団編 成(ピアサポートや学生コミュニティ)、評価、組織体制な どが説明されています。指導を受けて、どう学生の文章が変 化したかという事例もあげられています。 その 2: 大学の規模・タイプや専門分野や学年が、バラエティ に富んでいる  本書は、FD 連携企画ワーキンググループのシンポジウムや ワークショップで講演や事例紹介をしていただいたもののう ち、とくに他の大学の先生方にも参考になりそうなものを選 んでいます。これまでのライティングの本は、初年次教育用と 卒論用に偏っていますが、本書では入学前教育・初年次教育 から卒論指導まで、学士課程の全学年をまたがって、事例が 掲載されています。まさに、 Writing Across the Curriculum で す。また、大学の規模・タイプも、大規模総合大学から小規 模単科大学まで様々ですし、専門分野も、人文・社会科学系、 自然科学系、医療福祉系をカバーしています。さらに、大学 教員の多くが頭を悩ましているコピペ問題に関する章もあり ます。アカデミック・ライティングだけでなく、エッセーを 書くことで学生が自分を見つめとらえ直していくという大学 生版生活綴方のような章もあります(第 5 章)。 その 3: すぐ使える素材がオンラインで提供されていて、自 分流にカスタマイズできる  本書に掲載されている教材のかなりのものが、関西 FD の ウェブサイトからダウンロードできるようになっています (http://www.kansai-fd.org/activities/wg/book_writing.html)。 し かも、ファイル形式が Word か Excel ですので、自分なりに カスタマイズすることができます。とくに第 4 章の立命館大 学・薄井先生はすべての教材をウェブサイトにアップロード してくださっていて、立命館大学で組織的に取り組まれてい る初年次アカデミック・リテラシー科目「日本語の技法」を、 読者が、自分の大学の授業向けにアレンジできるようになっ ています。第 5 章の京都精華大学・谷先生のエッセーによる 「日本語リテラシー」指導や第 10 章の関西大学・池田先生の 実験報告書の指導の教材もオンラインで提供されています。 ■ 購入の方法  本書はもちろん通常の方法で購入できますが、関西 FD の 会員校の方であれば、著者割引(2 割引)でご購入になれま す。送料はかかりますが、とくに冊数が多い場合は、かなり お得です。詳しくは、このニュースレターの「ワーキンググ ループからのお知らせ」コーナーをご覧ください。 *   *  本書はさまざまな大学・学部に所属する多くの教員の協働 の産物です。本協議会にとっての初めての出版物でもありま す。どの大学、どの学部の教員でも、この本のどこかの章か ら、きっとライティング指導のヒントが得られるはずです。 ぜひ手にとってみてください。 (第 5 章より)

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会員校における FD の取組と課題(その 12)

 流通科学大学では、全学的授業公開制度を軸とした FD 活 動などにより、授業内容・方法の改善に熱心に取り組んでき た。その結果、2002 年度から 2007 年度にかけて授業改善アン ケートの満足度・理解度などが順調に向上してきた。本学で は、低年次から高年次にかけて、学年進行とともに満足度・ 理解度が向上する傾向が顕著である。当初は低年次学生の値 が顕著に向上したが、2006 年度頃から 1 年生のこれらの数値 が伸び悩み、逆に低下する傾向が生じ、2008 年度には全学の 値でも伸びが止まった。  授業方法の改善には全学で取り組み、実際に教員の授業改 善の努力は増加し、双方向授業等の取り組みも増加してはい たのだが、そのような、個々の授業の改善だけでは、入学す る学生の意欲や学力の多様化には十分には対応できないと いう状況に直面したのである。  そこで、2009 年度から、順次、入学前教育の充実、授業 におけるきめ細かい学力把握と学習支援センターの連携、1 年の各種コンテストの充実、一部の基礎演習クラスで宿泊・ 野外活動型の研修の実施などに取り組んだ。また教務委員会 と連携して低年次の多人数講義の解消に取り組んだ。さらに 2011 年度のカリキュラム改革では、教養科目として新たに 「課題を発見して考え抜き解決する力、チームワークやリー ダシップといったコミュニケーション能力、自己管理能力や 実行力を含む前向きな態度を養う科目(プロジェクト基礎科 目)」を 10 科目設置した。  2009 年度からは授業改善アンケートの質問項目等を大き く変更したので、それ以前との単純な比較はできないが、上 記のような改革も功を奏したのか、「授業に満足したか」「成 長や変化を実感できたか」「シラバス記載の目標に到達した か」といった質問項目の数値は 2012 年度までの 4 年間、ゆ るやかにではあるが上昇傾向にある。  しかしながら、入学する学生の意欲や学力の多様化はさら に進む傾向が顕著であり、授業の運営に困難を感じる教員も 多い。各種のコンテストや、宿泊・野外活動型の取り組み、 プロジェクト基礎科目などは、参加者の満足度が高く、顕著 に成長する学生もいるが、全員が参加するわけではない。こ のようなことや、本学の大学改革における目標、「学生に将 来の夢や目標を早期に発見させ、 学生が気づいた時に、必 要なことが学べる 教育制度の構築」を実現するためにも、 抜本的な初年次教育改革を実施することになった。  2015 年度の入学生から、初年次教育を通じて、将来の夢や 目標、学問的興味や関心等を見つけさせ、またどのような学 修をし、学生生活を送る必要があるのかを考えさせるプログ ラムを開始する。第 1 セメスターでは従来型の授業は一切行 わない。第 1 セメスターを 2 分割し(第 1 クオーターと第 2 クオーター)、第 1 クオーターで、自己探求や学修と自己実 現プログラム(=気づきのプログラム)などを実施し、第 2 クオーターで能力や必要に応じて、基礎技能・基礎知識習得 のための科目や、少人数・双方型の教養科目などを選択する。 さらに入学直後に宿泊・野外活動型の研修や、夏季に海外研 修を実施する予定である。  教学支援センターは、このような抜本的改革に対処するた め、「入学前教育を含む初年次教育等の在り方に関する研究 及び推進をするとともに、本学学生に対する学修支援並びに 教育支援を行う」ことを目的として、高等教育研究センター と教養センターを合併して 2013 年 4 月に設立された。今後 も他大学の事例などにも学びながら、改革を進めたい。  学士力答申をはじめとする近年の中 教審答申では、大学が取り組むべき課 題の一つとして、「学生の質保証」が掲 げられている。本学学習支援室は、必要 最低限の英文法知識を問う「英語基礎 学力試験」を全学生に課し、あわせて各 週 2 回、昼休みに試験対策講座を実施す ることで、この質保証へのファースト・ ステップを提供してきた。正課外の試 験対策講座(以下「英語講座」)を行う のは、本学の非常勤講師を兼務する学 習支援室のチューターである。講座に は複数の専任教員が臨席し、問題演習 に取り組む学生に助言を与える。授業 の模様は、出席できない学生に貸し出 す目的で、毎回 DVD に録画している。  英語基礎学力試験と英語講座のセッ トは、学生の基礎学力の底上げと、教員 相互の授業参観・授業録画・非常勤講師 の授業改善とを一体的に行うものとし て、大学にとっても、また学生にとって も、価値ある取り組みになっていると自 負している。FD は学生のためのもので ある。アカウンタビリティーを果たすこ とが自己目的化してしまうことのない ように、本学は、今後も「学生の役に立 つ FD」に取り組んでいきたい。

学生の役に立つ FD

大阪体育大学学習支援室・主任 藤田大雪

ミニ

コラム

初年次教育の持続的改革に向けて

流通科学大学教学支援センター・センター長 南木睦彦

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会員校における FD の取組と課題(その 13) 

はじめに  「月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也」、ふとそ んなことを思う。毎年入学してくる学生たちの能力は多様化 しており、大学教育も日々見直しを求められている。学生の ニーズに対応するために、本学教員も現在進行形で試行錯誤 を続けているところである。その一部を紹介したい。 ライティング指導に取り組む必要性  本学は、リハビリテーションの専門療法士を養成する 1 学 年 160 人定員の小規模大学である。本学のような医療系の教 育は他の学術分野よりはシステマチックに映りやすいが、変 化する社会のニーズに即していくことも不可欠である。  近年リハビリテーション分野では、医療機関のみならず、 保健、福祉機関等の各専門職種との連携が強く提唱されてい るが、現場ではなかなか一堂に会することができないため、 電子カルテなどの媒介を使って情報を共有する必要がある。  しかし、文章作成経験の少ない学生は、事実、考察、推測 を明確に分けての的確な記述ができず、カルテ作成のための ライティング指導に取り組む必要があったのである。 入学前教育・初年次教育  入学試験には多様な方式がある。特に学力をさほど問わな い推薦入試や AO 入試を経て入学してくる学生に対し、本学 ディプロマポリシーに向かえるレディネスを付けるため、入 学前からリメディアル教育学習を行っている。その一つとし て以下の 3 つの課題からなるライティング指導がある。 ① 課題図書に対する感想文の作成  医療系エッセイ 2 編に対し、それぞれ 400 ∼ 800 字程 度の感想文を作成させている。「日本語作法」の体裁が 整っているか(敬体と常体が混在していないか、誤字脱 字はないか等の 6 項目)を主にチェックしている。勿論、 添削した感想文はコメントを添えて学生に返却する。 ② 意味調べ  課題図書の文中にあったわからない単語を列挙させ、 その意味を調べさせている。文章の作成能力が低い学生 ほど単語の列挙数が少ない、もしくは提出しないという 傾向があり、学生の学習態勢を早期に教員が把握するこ ともできる課題である。 ③ 漢字学習  リハビリテーション分野ではよく目にするが通常の 生活では非日常的といえる熟語 100 語を入学前に示し、 入学直後に書取りの試験をしている。9 割以上の点数を 合格ラインにしており、殆どの学生が 1 回で合格する。 不合格点をとる学生は、入学後の科目試験でも成績不振 となるとの追跡調査結果が出ている。  上記の課題によって、入学当初から各学生のライティング 能力及び、大学生活において指導上配慮を要する学習不振、 学習意欲の低い学生を把握することができる。  初年次教育としては、上記の情報を利用したレポートの書 き方やポートフォリオなどの指導に取り組んでいる。また、 療法士を目指す学生の自覚と感心を高めるためにも、早期臨 床体験学習(early exposure)を行い、臨床現場を見て日誌・ レポートを「書く体験」を意識して機会を増やしている。 3 年次及び卒業学年の指導  3 年次になると臨床実習でも患者の症状等の評価、訓練目 的の策定、プログラム立案等の高度な内容が求められる。と ころが、書くという出力レベルの前に、患者の様子を見てそ の話を聞くという入力レベルでの教育を要する学生がいる。 患者から強い口調で「これはどうなっているんですか!」と 言われているのに単なる質問として応答し、さらに相手を憤 慨させてしまったりするのである。  ライティングと並行して、まず相手の感情を読み取り、適 切に対応する訓練を行うことが、不可欠となっている。  ライティング指導としては、臨床実習における日誌(カル テ)の書き方、症例報告書の書き方を中心にしている。  昨今、臨床記録の書き方として、SOAP(subjective, objective, assessment, plan)を用いる施設が増えている。S は主観的情 報、A は客観的所見という分類は理解してしまえばわかりや すいが、学生には S と O との区別が難しいようである。O は 身体所見、検査所見の 2 つ、S は導入、現病歴、既往歴、そ の他の 4 つ、と教えてまずはパターン化し、患者の症状を一 つずつ記述させることにより思考を整理させる。その後、患 者の生活環境や家族のこと、他部署の情報なども含めてカル テとして記述できるように導いている。  さらに、最終学年の臨床実習では、SOAP を取りまとめて 計画→訓練実施→検証(評価)→改善という PDCA サイクル を体験させ、それを症例報告書として作成させている。大部 分の学生は時系列に記述してしまいがちであるが、繰り返し 取り組ませることで症例報告書も適切な SOAP の形に落ち着 いていく。いずれにおいても地道な指導を要する。 おわりに  本稿で紹介した内容は、「ライティング指導のヒント」( ミ ネルヴァ書房、2013 年 3 月)に執筆したものである。  本学でのライティング指導は、現在もなお改善を続けてい る。日々変化する学生に対する小規模大学ならではの細やか な指導によって、本学ディプロマポリシーを実現しようと努 めている。  「舟の上に生涯を浮かべ馬の口とらえて老をむかふるもの は、日々旅にして、旅を栖とす」−奥の細道にあるように、 一教員として学生と向かい合うことは、学生と共に日々新た な旅をしているようなものだと感じる。旅人たる学生各自の 脚力と行き先に応じた道程を示すことが、水先案内人たる現 代の大学教員に求められているのではないだろうか。

専門職種連携のために必要なライティング指導

大阪河﨑リハビリテーション大学言語聴覚学専攻 准教授 髙橋泰子

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総会の報告

 本協議会設立 6 年目を迎え、第 6 回の総会が、5 月 18 日に 京都大学百周年時計台記念館において開催されました。本総 会には会員校 123 法人のうち、65 法人から 118 名の参加があ りました。議事に先立ち、喜久里要氏(大阪大学)に「高等 教育の新展開と学問の雄飛に寄せて」という題目で、最近の 大学教育関連の政策動向を中心にご講演をいただきました。 議事においては、各ワーキング・グループから、昨年度の活 動報告および今年度の活動方針について報告があり、承認が えられました。また、今年で 4 回目となる「FD 活動報告会 2013」を開催し、会員校によるポスター発表とピアレビュー が行われ、FD 活動の相互交流の場を持つことができました。 今年度よりポスター発表を 3 年の 1 度のローテーション制で おこなうことになり、次年度以降もより活発な FD 活動の情 報交換・意見交換の場になることが期待されています。

■ プログラム ■

日時 2012 年 5 月 18 日(土)13:00 ∼ 場所 京都大学 百周年時計台記念館 13:00 総会  開会挨拶 大久保敦(大阪市立大学) 13:10 講演「高等教育の新展開と学問の雄飛に寄せて」        喜久里要(大阪大学) 14:45 議事  平成 24 年度活動報告について (各 WG より)  平成 25 年度活動方針について (各 WG より)  平成 24 年度決算について (事務局より)  平成 25 年度予算について (事務局より)  次期幹事校の選出について  関西地区 FD 連絡協議会の今後について  その他 16:00 ポスターセッション 「FD 活動報告会 2013」 17:30 閉会挨拶 大塚雄作(京都大学)

■ 開会挨拶 ■

 関西地区 FD 連絡協議会は今年度で 6 年目を迎えました が、いろいろな意味で一つの節目を迎えていると感じてお ります。つまり、持続的な活動の在り方を模索していく時 期にさしかかったのではないかと考えています。  平成 20 年 3 月に発行されました「関西地区 FD 連絡協 議会設立に向けて」の中で田中毎実先生が書かれた「はじ めに」を読み返し、私なりに理解いたしますと、ある程度 の大きさを持った地域で国公私立大学が直接連携を取っ て活動することを本協議会の特徴としています。これは言 い換えますと、多様なニーズに対応し、コンソーシアム方 式ではなく、相互研修方式で任務を果たしていくことに対 応した一つの在り方だと思います。またこれを支える基盤 として、事務局体制の整備、活動財源の確保、さらに各 ワーキンググループの設置などが設計されています。とこ ろが、昨年度末からこれら基盤の一部に変化が生じました ことは皆様ご承知の通りです。従いまして、今年度は持 続的な活動の在り方を皆さんと一緒に考える 1 年間かと 思っております。このことはまさに FD そのものではない でしょうか。

関西地区 FD 連絡協議会 第 6 回総会

大阪市立大学学長特別補佐 大学教育研究センター副所長・教授 大久保 敦

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 昭和 46 年の中教審の答申は今でも光を放っている重要な 答申の一つだが、「多様な資質をもつ学生に対して教育活動 の工夫や組織的な体制の確立が必要である」と、今と変わら ぬ提言を行っている。今の教育上の課題は、ユニバーサル化 しているから起こっているのではなく、大学という機関が本 質的に抱えている課題。大学の自主性・自律性や私学の自主 性( 私学の自律性 という考え方もこれからは求められる) を強調する際に、根本の「学問の自由」という観点に立ちな がら、誰にとってのどのような学問をどのような責任で果た していくか、ということが課題である。  平成 36 年に 18 歳人口は 110 万人を切る。その上、今後 10 年で ICT 教育が更に飛躍的に進展し、通学制の大学にとって 独自性縮退の危険性が高まる。国際競争力を備えた大学によ る寡占、学費高騰に伴う「安くて、早い」高等教育が忍び寄 り、公財政の硬直化がこうした事態に対する財政支援の支障 要因となる。今のうちに大学は自己分析をし、学生の状況を 理解して取組を差別化し、学生のために必要な組織改革をし なければ、国立大学であっても相当な淘汰に晒されるだろう。  昨年の中教審答申は、議論の材料として「学修時間」に フォーカスしているが、当然、勉強時間が増えればいいとい うものではなく、その質が問われる。質向上のためには、授 業方法の改善もあるが、組織的な対応がどの程度可能か。今 後の FD には、「どう学ばせるか」のステップから「組織の教 育力をどう向上させるか」へ、更に「組織の役割分担をどう 図り、教員それぞれの力量をどう最大限発揮させれば、学生 のための効果的かつ体系的な学びは実現するか」という段階 への移行とともに、必要な方策と実践を期待したい。大学教 育は、主体的に学び・考え・行動する力を鍛えるように質的 転換が求められる。個々の教員や組織全体の「力」を分析し、 教員と職員のベストミックスを図り、主体的学修を仕組むと いう発想も要求されるであろう。そして、何よりも、それら が「開かれ、発信するアカデミアへの脱皮」という観点と相 まって、社会に対し打ち出されていることが必要だと思う。  本総会において、「FD 活動報告会 2013」が行われました。 今年度で 4 回目の開催となります。本報告会では、会員校 で組織的に取り組まれる FD や教育改善の活動についてポス ター発表の形式で情報交換すると共に、各発表に対して組織 間で簡潔なコメントを交換するピアレビュー活動が行われ ました。本年度より、会員校がローテーション制(3 年に一 度は発表)で発表することになりましたが、これまでで最多 の 25 の会員校から 28 件の発表があり、過年度以上に盛況な 会となりました。発表のポスターは、協議会ウェブサイト上 で閲覧できます。また、会員校間のピアレビューコメントは、 MOST の関西 FD コミュニティ内および PDF ファイルにて、 会員校の教職員のみに公開・共有しています。各会員校の今 後の FD 活動にご活用下さい。会員校の皆様方におかれまし ては、次年度の報告会へも積極的なご参加、ご協力をよろし くお願い致します。 ■「FD 活動報告会 2013」発表校一覧(五十音順) 大阪キリスト教短期大学、大阪府立大学、大谷大学・大谷大 学短期大学部(2 件)、関西大学、関西医科大学、畿央大学、 京都学園大学、京都光華女子大学、京都産業大学(2 件)、近 畿大学、神戸薬科大学、滋賀大学、滋賀県立大学、四條畷学 園短期大学、東洋食品工業短期大学、同志社女子大学、奈良 大学、姫路獨協大学、兵庫教育大学、びわこ学院大学・びわ こ学院大学短期大学部、武庫川女子大学、立命館大学、流通 科学大学、和歌山大学(2 件)、和歌山県立医科大学

■ 講演 ■「高等教育の新展開と学問の雄飛に寄せて」

■ FD 活動報告会 2013 ■

大阪大学 総務企画部 経営企画課長 喜久里 要氏

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ワーキング・グループからのお知らせ

□今年もワークショップ、やります  本 WG では、2008 年度から 4 回にわたり、「思考し表現 する学生を育てる」というテーマでシンポジウムやワーク ショップを開催してきました。2012 年度は本の刊行のた めにお休みしましたが、2013 年度は復活します。今回は、 文部科学省大学間連携共同教育推進事業「〈考え、表現し、 発信する力〉を培うライティング/キャリア支援」(関西 大学・津田塾大学)の一環として位置づけ、関西大学・津 田塾大学共同主催、関西地区 FD 連絡協議会共催として実 施します。詳細は決まり次第、本協議会のウェブサイト、 ML 等でお知らせします。  *ワークショップ  「レポートライティングに関する授業設計を考える    ―思考し表現する学生を育てるⅤ―」  ・日時:2013 年 12 月 14 日(土)13 時半∼ 17 時半(予定)  ・場所:関西大学千里山キャンパス  ・登壇者: 杉谷祐美子氏(青山学院大学)、大島美穂氏 (津田塾大学)  ・定員:40 名程度 □『思考し表現する学生を育てる ライティング指導のヒント』が著 者割引で購入できます  会員校の方に限り、本書が著者 割引(2 割引)でご購入になれます。  件名に「ライティング指導のヒ ント購入希望」と明記の上、「ご 氏名」「ご所属」「送付先ご住所」 「購入冊数」を記載し、下記あて E メールでお申し込みく ださい。出版社から直接、代金引換でご送付いたします。    送料は 380 円かかりますが、書籍代は 2 割引(マイナス 588 円)になりますので、1 冊でもお得です。送料は何冊 でも同じですので、複数冊購入いただくとさらにお得にな ります。ぜひまとめてご購入ください。 【申込み先】 京都大学高等教育研究開発推進センター松下研究室 担当:林 路子 E-mail:michikoha@gmail.com

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D 連携企画 WG

 「初任教員向けプログラム:通称カンジュニ」を実施し て 3 年目に入りました。初年度の参加者数はのべ 65 名で したが、2 年目にあたる昨年度は 100 名近くにまで増えて います。今年度すでに公開された 2 つの研修会にはすでに のべ 46 名が参加しており、この制度が少しずつ定着して きたことがうかがえます。  今年度の今後の公開予定については、随時 HP に最新の 情報を公開しておりますので、ごらんください。     関西 FD の HP のバナーをクリックしてください。 http://www.kansai-fd.org/activities/wg/program_for_junior_faculty.html  共同実施 WG では、この制度をよりよくしていくために 主催校とは別に、独自の事後アンケートを実施しております が、今年度の参加者からは、以下の声が寄せられています。  「初めて他校の研修会に参加させていただきましたので、 全てが目新しく、実施校と本校との違いや本校の特色を改 めて考える機会になりました。ありがとうございました。こ のような研修会が多くあれば、大学教育全体の底上げに繋 がると思いました。」(国立大学・准教授・女性・37 歳)  「なかなか自校単独ではできない現状がありますので、 このような制度があると気軽に参加させていただけるの で大変有難いです。」(私立大学・講師・女性・35 歳)  「他大学の研修会を受講することで、視野が広がるとと もに、いろいろ比較しながら良い点を取り入れることがで きるので、良い制度だと思います。」(私立大学・教授・男 性 62 歳)  本プログラムに研修会を公開するメリットとして、「研 修会への参加者の増加と多様性の確保」、「自校の取り組み の PR」、「研修会の検討による、自校の研修プログラムの 改善」などがあげられます。公開は、研修会の一部のみで も構いません。また、単独で研修会を実施することが困難 な大学については、共同実施 WG による支援を受けること もできます。  貴校で、参加者が少なくもったいない研修会はありませ んか?自大学の参加者ばかりで、研修がマンネリ化してい ませんか?  是非、カンジュニへの参加とともに、研修プログラムの 公開についてもご検討ください。

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D 共同実施 WG

D 共同実施 WG

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 広報ワーキンググループ(WG)は、大阪市立大学(責 任校)、和歌山大学、京都大学で構成されており、関西 FD ウェブサイトの運営・管理、年 2 回のニュースレター発 行、FD 活動報告会に関する広報業務などをおこなってい ます。今回は、広報 WG が提供しているうち、3 つのサー ビスについて紹介します。 1.関西 FD からの情報が知りたい  会員校の教職員のみなさまに、関西 FD 関連の FD イベ ントの案内等を広く周知するため、昨年度より会員校教職 員向けのメーリングリストを提供しています。すでに、70 名以上の方にご登録頂いています。関西 FD 会員校の教職 員ならどなたでも登録できますので、是非ご活用頂きます とともに、学内で大学教育にご関心のある方々への周知を よろしくお願いいたします。登録は、関西 FD ウェブサイ ト(http://kansai-fd.org/)にある黄色の枠「メーリングリス ト」からおこなえます。 2.Twitter による情報収集・情報発信をしたい  広報 WG では Twitter アカウント(@KFDA_PR)から関 西 FD の最新情報をつぶやいています。Twitter をご利用の 方は是非フォローをお願いします。また、会員校に有益な FD 関連の情報発信の際には、ハッシュタグ(#kansai_fd) の利用も併せてお願い申し上げます。 3.過去のポスター発表の内容が知りたい  FD 活動報告会のポスター発表の原稿は、京都大学が提 供する MOST(https://most-keep.jp/)と呼ばれるオンライン 環境を利用して作成することが推奨されています。MOST の「MOST ギャラクシー」より、過去のポスター一覧にア クセスできるほか、会員校の教職員であれば、MOST に登 録することで、関西 FD コミュニティ内のピアレビューコ メントを閲覧することも可能です。MOST へのご登録、ま たは関西 FD コミュニティへのご登録を希望される方は、 担当者(peer-review@kansai-fd.org)までご連絡下さい。  研究ワーキンググループ(WG)ではこれまで FD メディ ア研究 SG(主査校:大阪成蹊大学)と FD デザイン研究 SG(主査校:神戸大学)のサブグループ(SG)を中心に 活動を行ってきました。2012 年度は、FD メディア研究 SG において 4 回の研究会を開催し、また FD デザイン研究 SG では FD 講演会を企画・開催しました。  今年度もこの二つの SG を通じて FD に関わる共同研究 活動を推進していく予定です。各 SG について紹介や、今 後の活動については、本ニュースレター 11 ページの「協 議会のお知らせ」または関西地区 FD 連絡協議会のホーム ページを御覧ください。また SG への新たな参加者も募集 しております。参加ご希望の際には、fd-research@kansai-fd. org までご連絡下さい。  新たな活動テーマや SG の立ち上げのアイデア、その他 研究 WG へのご要望やご意見等もございましたら、ご自由 にお寄せください。みなさまの積極的なご参加をお待ちし ております。

報 WG

究 WG

究 WG

FD メディア研究 SG 第 17 回会合(大阪成蹊大学) 2012 年 6 月 15 日 FD 研究 WG・FD デザイン研究 SG 主催講演会 「大綱化以降の中教審答申と大学改革の軌跡:個人的メモ ワール(神戸大学)」 2013 年 3 月 22 日

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関西 FD の活動を観る

 標記シンポジウムを、去る 2 月 27 日に、大阪大学サイバー メディアセンター、同全学教育推進機構、同国際教育交流セ ンターの共催、関西地区 FD 連絡協議会協賛、日本高等教育開 発協会後援のもと、大阪大学創立 80 周年を記念して設置され た大阪大学会館にて開催した。本シンポジウムは、共催 3 部 局が行ってきた「大学教育のグローバル化に対応した FD 支援 事業(通称 GFD プロジェクト)」の最終年度報告会を兼ねて 開催し、本事業の成果を報告するとともに、学外の専門家と して、教育コンサルタントのデニ・ベルティウム博士、カナ ダ・マギル大学の教育学習サービス所長のシンシア・ウェス トン博士、ならびに京都大学高等教育研究開発推進センター 教授の飯吉透博士による基調講演、国内外の専門家を交えて のパネルディスカッションを実施した。出席者は、大阪大学 関係者 18 部局からの 44 名、学外の 34 大学および 13 企業等 の所属の 67 名の合計 111 名の参加者を得る大盛況のシンポジ ウムとなり、大学教育の国際化に向けた取り組みに関する有 益な情報および意見交換を行うことがでた。特にパネルディ スカッションでは、大学における FD の在り方や今後の日本の 大学教育の方向性に対するパネリストの忌憚のない意見を聞 くことができた。GFD プロジェクトの詳細、プロジェクトで 作成した教材の紹介、シンポジウム当日のプログラム、およ び当日利用された配布資料、スライド資料などは、GFD Web ページ(http://gfd.ime.cmc.osaka-u.ac.jp)に掲載されているの で、興味のある方は是非参照ください。  2013 年 1 月 9 日と 10 日に、筆者がボランティアで毎年開講 している「科学的和文作文法講座」を関西 FD 連絡協議会加 盟校の先生方に公開し、授業後には授業検討会の一時を持っ た。1 月 9 日には 9 名の、また 1 月 10 日には 8 名の先生方が 見学に来られた。受講学生数は 47 名だった。  授業は、2 日間 5 部構成で実施された。一日目午前は「悪 い文章の見本」を題材に、「どこが悪いか」「なぜ悪いか」を 気づかせるように展開し、午後には、「段落とはなにか」「ト ピックセンテンスとはなにか」「段落間の論理をどう作るか」 を学んだのちに、学生個々の卒業論文第 1 章の段落構成を実 際に作成させた。そして、学生たちが作成したものを筆者が 黒板に書き写し、それを題材に「どこが悪いか」「どう修正す べきか」を解説し、そのうえで「翌朝までに、各自の卒業論 文第 1 章を作成せよ」との宿題を課した。二日目午前は「段 落内論理をはっきりさせる」「そのために、単純な構成の文 を作る」「文の構造の見分け方」を学んだ。そのために、学 生が作成してきた「卒業論文第 1 章」の中から「構造が複雑 で意味不明瞭になっている文」を黒板に書き出し、その文の 構造を解析し、そのうえで具体的な修正案を提示した。午後 の前半は「主語−述語関係を明確にすること」「修飾−被修 飾の関係を明確にすること」に主眼を置き、「不明確な箇所 の見抜き方」をまず学び、その後で実際に学生が書いてきた 文を黒板に写し、「どこが不明確か」「どうすれば直せるか」 を解説した。午後の後半では、学生が作成してきた文章の段 落ひとつを板書し、これまで学んだ技法を駆使して「なぜダ メか」「どう直せるか」を解説したのち、実際に改善して見 せた。 授業後の検討会では、「学生に文の構造を意識させることが 非常に大切である」「悪い文章を『悪い』というのに明確な 理由を示せるのは強みだ」などのご意見をいただいた。特に 「学生が教員の修正したとおりに書き写すだけでは、学生の文 章力は上がらない」「学生本人が文の誤りや不適切性に気づけ るような指導が必要だ」という点では、ご参加の先生方に賛 同していただけた。長時間の授業見学の後に検討会までご参 加いただいた先生方に心より感謝する。

シンポジウム

『グローバル化する大学教育に

おける FD の課題と展望』報告

大阪大学 全学教育推進機構企画開発部長 教授 竹村治雄

阪大学

協賛事業

『科学的和文作文法講座』授業公開・検討会報告

−卒業論文等の作文指導で悩ん

でいる先生方のために−

滋賀県立大学 環境科学部 教授 倉茂好匡

賀県立大学

共催事業

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協議会からのお知らせ

■ サブグループ参加のご案内 (研究ワーキング・グループ)■

 研究ワーキンググループ(WG)では、本年度、2 つのサブグループ(SG)を中心に、共同研究を進めていく予定にしてい ます。研究 WG の活動は、単に FD に関わる情報交換に留まらず、お互いに FD を推進する立場で抱えている問題に共感し 合ったり、その克服に向けて励まし合ったりといったことを通して、エネルギー交換の場にもなっています。どうぞ、お気 軽に参画していただき、共同研究の輪を広げていっていただければと思います。  2 つの研究 SG の概要は以下の通りです。参加ご希望の場合には、fd-research@kansai-fd.org までご連絡下さい。関西 FD ホー ムページにも案内があります(http://www.kansai-fd.org/activities/event01/sg-bosyu_2010.html)。  

(1) FD メディア研究 SG

主査校:大阪成蹊大学  出欠確認研究 SG が発展した研究 SG です。FD 全般を対象 として、ICT メディア等を活用する方法や導入に際して生ず るさまざまな課題、及び、その効果等について研究します。 今年度は、SG 研究会を 4 回程度、携帯電話等を利用した授 業アンケート、出欠確認の見学会を 2 回 4 日間開催すること を予定しています。

(2) FD デザイン研究 SG

主査校:神戸大学  FD デザイン研究 SG は、FD の研修会や研修プログラムな どのあり方を、インストラクショナル・デザインの理論等を ベースに共同研究を進めることを目的とします。今年度は、 SG 研究会を 2 ∼ 3 回程度開催し、FD の評価(授業評価を含 む)や成果の検証やティーチング・ポートフォリオについて FD のデザインやコンセプトとあわせて検討し、その研究成 果を来年 3 月に京都大学で開催される大学教育研究フォーラ ム等で報告する予定です。

■ イベントカレンダー ■

2013

9 月 9 日(月)・10 日(火)【共催】関西学院大学 「大学教員のための『講義方法のブラッシュアップ』」 (関西学院大学 西宮上ケ原キャンパス G 号館 326 教室)  関西学院大学高等教育推進センターでは、関西地区 FD 連 絡協議会との共催で標記のワークショップを開催します。  このワークショップでは、「発声」、「板書」、「立ち位置」と いった基本的なことから、「授業構成」、「発問」、「教材研究」 といったことまで、実習を交えながら「講義方法のブラッ シュアップ」を行います。2 日間のワーショップを修了され た方には、本センターからの修了証書を発行いたます(1 日 目のみ、2 日間連続参加の選択が可能)。他の参加者との意見 交換等を通じて、講義を見直す視点を掴んで下さい。 9 月 19 日(木)【共催】神戸大学 「学生の学習支援について−教育学の知見を基盤とした学際 的なアプローチ−」 (神戸大学 大学教育推進機構 N 棟 402 号室)  神戸大学では、とくに、アクティブ・ラーニングやラーニ ング・コモンズなど授業外学習の支援を年次計画に掲げて、 全学的にそれを推進しようとしている。そうした取り組みの 一環として、flipping the classroom などに早くから着目して意 欲的な実践・研究をしている東京大学大学院の山内祐平先生 を講師としてお招きし、大所高所から、また、東大駒場の実 践などを含めて話をしていただく予定です。

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* 同一法人組織である大学と短期大学(部)が単一の機関として入会 新規入会校等 2013.1.1 新規入会 大阪河﨑リハビリテーション大学 2013.3.18 変更 藍野大学・藍野大学短期大学部(統合) 2013.5.1 新規入会 千里金蘭大学

事務局より

■ 会員校リスト(五十音順) ■

2013 年 5 月 18 日現在、148 校(123 法人)

編集後記

 第 10 号をお届けいたします。大塚代表の巻頭言にもあ りますように関西 FD はいろいろな意味で節目を迎えまし た。NL も本号より冊子体から電子媒体のみによる発行へ 移行となり、同様に大きな節目を迎えました。学会等での NL においても電子媒体での配信が一般的になりつつあり ます。一方で経費節減をねらいとした今回の移行に際しま しては、冊子体での継続を推奨するご意見があったことも 事実です。今後の NL のあり方について、特にその効果と 持続性の視点からさらなるご意見を賜わることができれば 幸いです。最後に執筆者の皆様、京都大学の事務局の皆様 に感謝申し上げます。 (第 10 号編集責任者:大久保敦)

2013 年度会費納入のお願い

 本年度の会費につきましては、既にお納めいただいているところでありますが、一部入金を確認できていない会員校様が ございます。恐れ入りますが、速やかに納入くださるようお願いいたします。 【振込先】 【会  費】20,000 円(年間) 【振込銀行】みずほ銀行 出町支店(でまちしてん) 口座名 :関西地区 F D 連絡協議会事務局 口座番号:(普通)1106373 <広報ワーキング・グループ> 大久保敦(大阪市立大学) 藤永博(和歌山大学) 酒井博之 田中一孝 (以上、京都大学) 関西地区 FD 連絡協議会ニュースレター 第 10 号 2013 年 9 月 6 日 発行人 大塚雄作 印刷所 株式会社 田中プリント 藍野大学・藍野大学短期大学部 *、芦屋学園短期大学、池坊短期大学、追手門学院大学、大阪大学、大阪青山大学、大阪医科大学、 大阪音楽大学・大阪音楽大学短期大学部 *、大阪河﨑リハビリテーション大学、大阪観光大学、大阪教育大学、大阪キリスト教短期大学、 大阪経済大学、大阪経済法科大学、大阪工業大学、大阪国際大学、大阪産業大学、大阪歯科大学、大阪樟蔭女子大学・大阪樟蔭 女子大学短期大学部 *、大阪商業大学、大阪女学院大学、大阪市立大学、大阪成蹊大学、大阪成蹊短期大学、大阪総合保育大学・ 大阪城南女子短期大学 *、大阪体育大学、大阪電気通信大学、大阪人間科学大学・大阪薫英女子短期大学 *、大阪府立大学、 大阪保健医療大学、大阪薬科大学、大谷大学・大谷大学短期大学部 *、関西大学、関西医科大学、関西医療大学、関西外国語大学・ 関西外国語大学短期大学部 *、関西看護医療大学、関西国際大学、関西福祉科学大学・関西女子短期大学 *、関西学院大学、 畿央大学、京都大学、京都医療科学大学、京都外国語大学・京都外国語短期大学 *、京都学園大学、京都華頂大学・華頂短期大学 *、 京都教育大学、京都光華女子大学・京都光華女子大学短期大学部 *、京都産業大学、京都女子大学・京都女子大学短期大学部 *、 京都市立芸術大学、京都精華大学、京都聖母女学院短期大学、京都造形芸術大学、京都橘大学、京都ノートルダム女子大学、 京都府立大学、京都文教大学・京都文教短期大学 *、京都薬科大学、近畿大学、甲子園大学・甲子園短期大学 *、甲南大学、 甲南女子大学、神戸大学、神戸海星女子学院大学、神戸国際大学、神戸市外国語大学、神戸松蔭女子学院大学、神戸女子大学・ 神戸女子短期大学 *、神戸親和女子大学、神戸常盤大学・神戸常盤大学短期大学部 *、神戸薬科大学、神戸山手大学・神戸山手短期大学 *、 堺女子短期大学、滋賀大学、滋賀医科大学、滋賀県立大学、滋賀短期大学、四條畷学園大学・四條畷学園短期大学部 *、四天王寺大学・ 四天王寺大学短期大学部 *、夙川学院短期大学、聖泉大学、聖和短期大学、摂南大学、千里金蘭大学、相愛大学、園田学園女子大学・ 園田学園女子大学短期大学部 *、宝塚大学、帝塚山大学、天理大学、同志社大学、同志社女子大学、東洋食品工業短期大学、 常磐会学園大学、長浜バイオ大学、奈良大学、奈良教育大学、奈良産業大学、奈良女子大学、奈良文化女子短期大学、梅花女子大学・ 梅花女子大学短期大学部 *、羽衣国際大学、花園大学、阪南大学、東大阪大学・東大阪大学短期大学部 *、姫路獨協大学、兵庫大学、 兵庫教育大学、兵庫県立大学、びわこ学院大学・びわこ学院大学短期大学部 *、びわこ成蹊スポーツ大学、佛教大学、 平安女学院大学、湊川短期大学、武庫川女子大学・武庫川女子大学短期大学部 *、桃山学院大学、森ノ宮医療大学、 立命館大学、龍谷大学・龍谷大学短期大学部 *、流通科学大学、和歌山大学、和歌山県立医科大学、和歌山信愛女子短期大学

参照

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