Thyrotropin‑releasing hormoneおよび
Histidy1‑proline diketopiperazineの体温調節機 構の成熟に及ぼす影響
著者 宮森 千明
著者別表示 Miyamori Chiaki
雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査
結果の要旨/金沢大学大学院医学研究科
巻 平成2年7月
ページ 67
発行年 1990‑07‑01
URL http://hdl.handle.net/2297/14818
医博乙第1064号 平成元年9月20日 宮森千明
Thyrotropin-releasinghormoneおよびHistidyl-prolinediketopiperazine の体温調節機構の成熟に及ぼす影響
学位授与番号 学位授与年月日 氏名 学位論文題目
昂夫祐論文審査委員主査●
副査
谷口 永坂 竹田
鉄亮
内容の要旨および審査の結果の要旨
甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(thyrotropin-releasinghormone,TRH)と,その活性中 間代謝産物であるhistidyl-prolinediketopiperazine(cyclo(His-Pro))の,幼若ラット体 温調節機構の成熟に及ぼす影響を検討した。
得られた結果は以下のごとくである。
1)生後8日齢のウイスター系ラットに1×10-10,0lesのTRHを7日間連日髄腔内投与すると,
初期には体温上昇傾向,後には体温低下傾向の二相性効果が認められた。しかし,カテコールア ミン合成阻害剤である6-hydroxydopamineの同時投与でこの効果は抑制され,TRHの腹腔内投与 では体温の変化がゑられないことより,この作用は中枢神経系のカテコールアミンを介して発現 されると考えられた。
2)生後8日齢のラットに1×10-11~10~9molesのTRHまたはcyclo(His-Pro)を7日間連日髄腔 内投与すると,TRH投与群では主に間脳,中脳,小脳,cyClo(His-Pro)投与群では主に小脳,
橋,延髄のカテコールアミン濃度の低下傾向が認められた。またTRHの髄腔内投与は,脳,心臓 および褐色脂肪織のカテコールアミン代謝回転率を約2倍に促進した。
3)生後1,2,3週目のラットにそれぞれ3,6,9×lO-9molesのTRHまたはcyclo(His- Pro)を連続7日間髄腔内投与すると,TRHを生後1週間,2週間に投与した群で,生後5週 齢において体温低下傾向を認めた。また,生後6週齢で肝ミトコンドリア分画の呼吸鎖に関 連した酵素と,糖新生系の酵素の活性を測定したところ,TRH投与群は主にcytochromeC reductase活性の低下,cyclo(His-Pro)投与群は主にmalicenzyme活性の低下をきたし,
a-glycerophosphatedehydrogenase活性はいずれの群でも上昇傾向であった。
以上の成績より,新生児ラットにTRHまたはcyclo(His-Pro)を髄腔内投与すると,体温調節 機構の成熟過程に長期的な影響を与え,この臨界期は生後2週と考えられた。また,この作用の 少なくとも一部は,中枢神経系のカテコールアミン分泌を介するものと考えられた。
本研究は〆新生仔期の体温調節機構の成熟過程に及ぼすTRHの作用を詳細に検討し,その作用 の一部は中枢神経系におけるカテコールアミン分泌を介するものであること,さらに臨界期の存 在を明らかにしたもので,神経内分泌学に寄与するものと評価された。
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