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2006 年度研究室便り

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Academic year: 2022

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2006 年度研究室便り 

卒業生・修了生の皆様におかれましては、益々ご清祥のこととお慶び申し上げま す。

現在、西洋史学研究室のスタッフは、ドイツ中・近世史がご専門の神寳秀夫教授を はじめとして、インタナショナル史の山内昭人教授、フランス中世史の岡崎敦助教授 の3名の先生方で構成されております。さらにドイツ現代史の星乃治彦先生をお招き し、中世から現代までの幅広いテーマをカバーする演習が開講されました。また、12 月には神戸大学の大津留厚先生による「ハプスブルク帝国における教育と民族――

コメンスキー・シューレの闘い――」と題する集中講義が行われました。他方、歴史学 研究を実践するための基礎を学ぶ実習が行われており、西洋史学の分野における知 的生産技術の修得、つまり、歴史学の理論的な把握やデータ処理、さらには、自分の みつけたテーマに沿って、研究史をフォローして実証作業をし、議論を構築するという、

卒業論文作成にかかわる一連の技術・方法論について、大変きめ細やかな指導が 行われています。卒業論文に向けては、例年通り、卒論構想発表会が3年生の冬を 第1回とし、最終的な研究題目を決定する4年生の11月の第4回まで催されており ます。

学会・研究会活動につきましては、10月と3月には九州西洋史学会、12月には九 州史学会西洋史部会が開催され、秋の九州西洋史学会では「西欧中・近世における 国家の統治構造と機能」と題するシンポジウムが行われました。また、「近代国家研 究会」やラテン語読書会「タキトゥスの会」に加え、「西欧中世史料論研究会」も本格的 に立ち上げられ、盛んな研究会活動が行われております。4月にはオルレアン大学現 代史助教授フレデリック・アタル先生を九州日仏学館、駐日欧州委員会および福岡 EU協会の共催でお招きし、岡崎敦先生による通訳で「ヨーロッパの大学――中世か ら現代へ――」と題する講演会が催されました。シャンパンがふるまわれた懇親会は、

大学関係者のみならず、福岡在住の外国人など一般参加者も交えて、大変賑やかな 会となりました。11月には西欧中世史料論研究会の一環としてリル第3大学のブノワ

=ミシェル・トック教授をお招きし、「10−13世紀の西欧における私文書について」およ

び「西欧中世における文書史料と資料管理」と題する充実した二つの講演会が行わ れ、仏語・英語による活発な討論が展開されました。このように本研究室は、九州に おける西洋史学研究ならびに国際的学術交流の拠点として、周辺の大学や研究教 育機関と連携しつつ、研究教育・社会活動を推進しております。

本研究室に所属する院生・学部生・研究生はあわせて34名で、大変活気に満ち溢れ ています。昨年再開された合宿をこの夏は天草で行いました。修士課程を修了した

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大場はるかさんはドイツ学術交流会の奨学生として留学先のミュンヘン大学で元 気に研究を進めております。8月には交換留学生としてミュンヘン大学に留学中であ った4年生の安部真代さんが帰国し、今度は3年生の杉崎愛さんがストラスブール第 2(マルク・ブロック)大学に留学する予定です。早くから海外の本場での実証作業を 意識して研究を進めてきた本研究室の伝統は、近年のグローバル化を通じてさらに 揺るがぬものとなっております。イギリス現代史の古藤史彦君もすぐれた修士論文を 作成し、修士課程を修了致しました。現在は、フランス中世史の千原隆太君とイング ランド・フランス中世史の安部恵理香さんが修士論文作成に向けて日々精進致してお ります。また、博士後期課程では、スイス政府給費留学生としてバーゼル大学に留学 していたドイツ・スイス中近世史の森崇浩君が11月に帰国し、古代ローマ史の谷本拓 也君やブルガリア社会主義運動史の岡部直樹君とともに、それぞれ博士論文作成を 目指して、日々邁進しているところです。最後に、本研究室の助手で近世フランス史 を専攻する小山啓子さんが講師として神戸大学に転勤されることになり、中世後期フ ランス史を専攻する私、中堀博司がその任期を引き継ぐことになりました。本研究室 の良き伝統を後進にしっかり伝えたいと願っております。

研究室の様々な活動や最新のニュースにつきましては、下記の本研究室HPも是 非ご覧下さい。末筆ながら、皆様のご健勝ならびにより一層のご発展を心よりお祈り 申し上げております。

・九州大学文学部西洋史学研究室HP(http://www.lit.kyushu-u.ac.jp/his_west/)

会員近著紹介

・ティル・バスティアン(星乃治彦ほか編訳)『アウシュヴィッツと「アウシュヴィッツの 嘘」』白水社(白水Uブックス、1080)、2005年。

2006年5月

(中堀博司) 

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