第7回 麻 布大学 生殖
・
発 生 工 学セ ミナー
89第
7
回
麻布大学
生
殖
・
発
生
工学
セ ミナ
ー
ヒ
ト
卵
子
の
凍結保存
ヒ
ト卵 子
バ ン
ク
の
実 際
一
桑 山
正
成
加藤
レディス ク リニ ッ ク先端
生殖 医学研 究所
はじめに 我が国で は現 在 10組に 1組の夫 婦が不 妊で悩んで お り,
その5
分の 1が 不 妊 医 療 を 受 け,
新生児の う ち すで に97
人に1
人 が 体 外 受 精 由 来で ある。 不 妊 原 因は男 性 因 子と女 性 因 子に 二分 さ れるが,
遺伝的 材 料 と な る 卵 子 と胚 が 着 床 す る 子 宮 を持つ 女 性 要 因 が 全 体の7
割 を 占め る。
不 妊 症は,
治 療 し な くとも直 接 身 体 的に は重 大 な 支 障 を きたす もの で はな く,
ま た不 妊で ある事実 を認め た くない患 者が多い た め, 概 して治 療の 開 始 時 期 が 遅 れ が ちで ある。一
方で,
女 性には年 齢 要 因に よる絶 対 不 妊があ り, 治 療 開 始 年 齢 が 高い 場 合に は,
その疾 病 的 不 妊 原 因 が 解 決 さ れて も,
年 齢 要 因によ り妊 娠 す るこ とがで き ない 。 女性の妊 孕 性は35
才 頃 か ら減 少 し,39
才 を超える と その傾 向 は 顕 著にな り, 妊 娠 率 が 有 意に低 下 する だ けで な く,
胎 児の 染 色 体 異 常 率の上昇 も 見ら れ る。
そ して閉 経 を待 た ず,45
才 を もっ て卵 子の 老 化に よ り妊 娠の可 能 性はほ ぼゼロ となる。
当 院では 年 間 1万 例 以 上の 体 外 受 精 治 療 を 行っ て い るが,
患 者の平 均 年齢は約39
才であ り,
多くの女 性 患 者 が 年 齢 性 不 妊 とい う一
般 不 妊 治 療の タ イム リ ミッ トに直面 してい る。
一
方,
男 性不妊に対 する近 年の 治 療 技 術 開 発は目 覚ましく,
体外受 精や顕微授 精 技 術の 確立によ り,
精 巣 内か ら1精 了で も得 ら れ れば,
これを もと に正 常な産 子へ と結びつ けるこ とが 可 能 と なっ た。
さ ら に無 精 子 症患者に おい ても,
その一
部は精巣内に,
精 子細 胞 あるい は 精 母 細 胞 な ど,
精子のも と と なる 精 細 胞が存 在し て お り,
これ ら を 用い た治 療 法が臨 床応用 されつ つ ある。 し か し な が ら,
男性 患 者の妻 が高 齢であっ た場 合 , 夫の治 療を待つ 問に妻の卵 子 が老 化し,
妊 娠 する こ と が で きなくな る ケー
スが少 な く ない。 そこで,
妻の卵 子を少 しで も若い うちに 採 取 し,
凍結 保存して お くこ とで,
卵子の 老化を防 ぐこ とが 可 能となる。 我々 はもともと この 目 的,
す なわち夫婦 間の 不 妊治 療の一
環と して,
卵子の将 来 的 本 人 利 用のた めの卵 子セル フ バ ン ク を実現 する た め, 卵 子 凍 結 保 存 技 術の 開発を行っ た。 ヒ ト卵 子 凍 結 保 存1卵 子バ ンク設立 の背 景1972年, マ ウス胚で成功例が示 さ れ た凍 結保 存技 術 (緩 慢 凍 結 法 )は, その後 様々 な 動 物 種の胚 や 卵 子へ の応用が試み ら れ
,
実に多くの哺 乳 動物 胚で素 晴 ら しい 保 存 性 が 示 され た。 この技 術は1983 年より ヒ ト体 外受精プロ グラ ム に導入さ れ,
墓幹技 術の一
つ として広 く世 界 中に普 及 し,
胚の凍 結 保存に日常 的に用い ら れて き た。
し か し な が ら受 精 前の卵 子は 低 温 感 受 性 が 高 くかつ 物 理 抵 抗 性に乏 しい た め,
緩 慢 凍 結 法に よ る保 存は極めて困 難で あっ た。 1985年, 新 しい凍 結 保 存 法,
ガ ラス 化 保存法が開 発 され,
従 来の緩 慢 凍 結 法で は凍 結 保 存 が 困 難で あっ た偶 蹄 類 胚 など耐 凍 性の低い胚の迅 速かつ 効 率 的 な 凍 結 保存 が 可 能 となっ た。
し か し依 然これ らの ガ ラス保 存 法 を 応 用 して も,
物 理 抵 抗 性の低い卵 子で は凍 結 失 敗 例 が 相 次 ぎ,
その 原 因として高 濃 度の凍 結 保 護 物 質 を含むガラ ス化 液に よる MII プ レー
トの損 傷が指 摘 さ れ た。
手 法の改 良 が すで に80
年 代に行 き 詰 まっ て い る緩慢凍結法を尻 目に,
ガラ ス化 保 存 法はその後,NII-Electronic Library Service 90 麻 布大 学雑 誌 第9
・
10巻 2004年 多 くの 低 温 生 物 学 者 らの手によっ て改 良 さ れ 続 け,
近 年,
冷 却!加 温 法の劇 的 な 改 善によ り,
課 題であっ た溶 液の毒 性 問 題 が 解 決 さ れ,
細 胞 非 侵 襲 的 な,
極 めて有 効 な 卵子/胚の凍結保存法と して完成さ れた1) 。 こ の低 毒 性ガ ラス化 液 と超 急 速 な 冷 却!加 温法を用 いた最 少 容 量 冷却法,
す なわちCryotop
法 (図 3)で は,
各 種 動 物,
発 育ス テー
ジの胚 は も ちろ ん,
ヒ ト 未 受 精 卵子におい て も保存融解 後の極め て高い生存 率が得ら れ,
さらに 顕微 授 精後の正常 受精率が90% 以 上 と,
非 凍結卵子の成 績 と比較し て も遜色が な く,
その後の胚 発 生や胚 移 植 成 績 も良好であっ た。
これ まで凍結保存卵子由 来胚を移植した29症例 (平均 移 植 胚 数 2.
2 個1
移植 )の うち12例に妊 娠成立 (GS 確 認 :妊 娠率 41.
3%)が確 認さ れ,
すで に5例の正常 な挙 児が得られ てい る。 こ の手法が追試さ れ た米国,
メキシコ,
コ ロ ンビ ア に おい て も同様の好成績が得 られ,
同技術の再 現 性も証 明さ れ てい る。 マ ウス未 受 精 卵.
f・
を 用い た アニ マ ルモ デル試験 でも 同法に よ りほ ぼ 100% の生存 率が得ら れ,
従 来の ガ ラ ス化保 存 法で 問 題となっ てい たス ピン ドルの異 常もCryotop 法では 発 生しない こ とが明ら か とな り,
その安全性 の 高さ が証 明さ れ てい る。 こ の効果 的かつ 安全 なガ ラス化 保 存技 術の 完成に より,
卵子を臨床 治療目 的 で一
時的に保 存す る卵 子バ ン クの 設立 が可 能となっ た。
生 殖医 療 分 野 に お け る卵 子 凍 結 保存の意 義 : 卵子 バ ン ク 卵子バ ンク に は,
自己の卵 子を将 来 本 人が利 用 す る た め に保存 する セ ルフ卵 子バ ンク と,
卵 了提 供 プ ロ グ ラム に用い る第三者の卵 子を保 存 する ドナー
卵 子バ ン クの 2 種類がある。 (1)卵子セ ル フ バ ンク (本 人 利 用の た めの卵 子バ ンク) 1)ガン患 者に おける治 療後の妊 孕 性維持未 婚 女 性に おける白血病など で は
,
骨 髄 移 植 をは じ め と す る造血幹 細 胞 移 植に よりその 多 くが治 療 可 能となっ た反 面,
化学 治 療の た め多量 に 投 与 さ れた 抗癌 剤お よ び放 射 線 治 療の 副 作 用に よりほ ぼ全 例が 不妊とな る現実がある。
し か し な が ら, 骨 髄 移 植 治 療 前の 寛 解 期に, 男 性 の場 合は精子,
既婚の女 性の場 合は受精 卵 を採 取 し て凍 結 保存 し,
治 療 後, そ れ ら を 融 解 してIVF −ET
するこ とに より,
こ の医源性不妊を 回 避 する こ と が 可能 となっ てい る。
し か し未受精 卵 子は , その凍 結 保存 技術が確立さ れ てい な かっ た た め,
未婚の女 性 ガ ン患 者に は その 道は閉 ざさ れて い た。 2001 年, 我々 が卵 子の凍 結保 存 技 術を確立 し たこ と を知っ た 血液 内科 医か ら,
未 婚の 白血病 女 性 患 者の卵 子 を 骨 髄 移植 治療 前に凍結 保 存して もらえない か,
とい う 依頼があっ た。 直ち にその実 現へ 向けて,
採 卵の 可 能 性,
リス ク, タ イ ミ ン グ やス ケ ジュー
ルなど , 専 門家 技術会 議お よ び倫 理委員 会に おい て十 分に検 討,
協議 さ れ た後, 同 年に第一
例が実 施さ れ た。
2)高齢不妊に備え た若年時に おける卵 子 保 存 女 性の 妊 孕 性は一
般に35
才 頃 か ら減 少 を は じめ,
その傾 向は40 才を越 える と顕 著となる。
そ して 45 才をもっ て閉 経を待たず に, ほ ぼ全て の女 性は妊 娠 する能 力を失 う。 し か し な が ら現 代 社 会におい て は 多くの女 性が,
晩 婚 や 職 業 的 理 由 など に よ りこ の生 殖 年 齢 内に伴 侶と出 会い, 子を生む機 会を逸 する場 合が少なくない。 晩 年におい て も 自 らの子 を得 るこ と がで き る男 性と性の差がある に も関わ らず,
男 性 型の社 会 構 造に より,
女 性 にとっ て の 出 産 が,
そ れ まで積 み 上 げて き た キャリアの致命的 なハ ンディ と なる現 実 問 題 が 存 在 してい る。
これらの性 差 別 を 解 消 し, 自分の人 生の , 適 した 時 期に子供 を持て る よ うにする技 術 として卵 子の セ ル フ バ ンキン グ が注目 さ れは じめて いる。
3) 夫が不 妊 治療中で ある高 齢婦人の妊孕 性維 持 生 殖 補 助 医 療で は,
男 性 因 子 不 妊 症におい て,
精 液 ある い は精 巣 中に例 え1細 胞で も正常 精子が存 在 す れば,
顕 微 授 精 (lntra Cytoplasmic Sperm Injection;ICSI
)に よ り正 常 な 受 精 卵 を作出 するこ とが 可能と なっ て い る。
無 精 子 症 患 者の約 15% に は,
精巣内に 精 子の も と と なる精 細 胞,
す な わ ち精 子 細 胞,
精母 細 胞 あるい は精 祖 細 胞が存 在し て お り,
現在,
これ らの細 胞 を体 外で精子に発 育 させる技 術が確立さ れ つ つ ある。
しかしなが ら,
40 才を越 えた女 性は段階 的に卵 子 老 化によっ て絶対不 妊へ と 移行するため,
不 妊 男 性の妻がこ の精 子形成!完成培 養 技術を用い た 治 療 法の 臨 床 応 用 を待つ 間に,
年齢を重 ねて子 供を 作る機 会 を 失うこ と と なる。 そ こ で,
あら か じ め,
妻の健 康な卵 子 を 凍結保存し て お くこ と に よっ て,
こ の高齢由 来不妊に対応 するこ とが 可能である。 N工 工一
Eleotronio Library第7同 麻 布 大 学 生殖
・
発生 匚学セ ミナー
91
(2) 卵 子バ ン ク (第三者 利 用のた めの バ ンク) 欧 米 をはじめ とする多くの国で は,
早 期 卵 巣 不全 や両 側 卵 巣 摘 出 女 性 など, 本 人 卵 子に よ る妊 娠が不 可 能,
ある いは困 難な場 合,
精 神 的,
身体的に健 康 な 第 三 者 か らの提 供 卵 子を用い た体 外受精が,
不 妊 治 療の一
つ と して 目常 的に実施さ れて い る。 我が国 で は現 在,
この卵 子の Donationは凵本 産 科 婦 人 科 学 会の ガ イ ドラ イン で認め ら れてい ない が, 近 く,
患 者に卵 子 が 全 くない症 例に限っ て実 施 可 能と な る見 通 しで あ る。 提 供 者の卵 子が凍 結 保存に よりバ ンク で きる よう にな れば, 提 供 者 が 都 合の 良い 時に採 卵でき,
凍 結 卵 子の状態で,
必 要な場 所まで輸送,
使用時まで保 管 が 可 能とな り, 空 間 的, 時 間 的 制 約が解 除 さ れ,
卵 子の利 用 性が飛 躍 的に向上する。 さ ら に,
患 者の 治 療に必 要 な 数だけ 凍 結 卵 子 を融 解し,
受精さ せ る こ とに よ り, 限ら れ た貴重 な卵 子を, 無 駄な く有 効 に利 用 する こ と が可 能と な る。 ガラス化保存の理 論と実 際 (1)ガ ラス化 保 存 理 論 ガラ ス化 保存法と は,
高 濃度の凍 結保 護 物 質を添 加 した溶 液に よっ て細 胞を十 分に脱 水 濃 縮 後,
液体 窒 素へ の直 接 注 入に よ る急速な冷 却に より,
細 胞 内 外 を非 結 晶 化 (ア モ ル フ ァス状態 )し て凍 結保 存す る手 法である。 この手 法は細 胞へ の冷 温 障 害を回 避で きる だけで な く, 保 存 中 溶 液 内に有 害な氷 品が発生 し ない た め に,
従 来の緩 慢 凍 結 法に比較し て,
より高い凍 結 保 存 後の生 存 性 が 得 られ る。 また従 来 法に比 較 して処 理が極めて簡 易で,
プロ グラ ム フ リー
ザー
な ど特別 な 機 器 も必 要 としない た め,
実 用 的 観 点か ら臨 床応 用に極めて有 効 な手法で ある。 (2)ガラ ス化 保 存の歴 史 高 濃 度の凍 結 保 護 物 質 (Cryoprotectant;CPA )を 添 加 した水は,
低 温 下 に おい て も水 素 結 合に よ る氷 晶 形 成が著 しく阻 害 さ れ る た め, 液 体の分 子 状 態の ま ま固 化 する。
す なわち 物 理 的 な損 傷 無 く,
細 胞を 低 温で永 久 保 存 す るこ とが 可 能で ある。 1937年, 低 温 生 物 学 者Luyet に より提 唱 され たこ の凍 結手 法はVitrification
(ガ ラス化 保 存 〉 法と名 付 け ら れた2 )。 しか しなが ら十 分に毒 性の低い 凍 結 溶 液 (ガラ ス化 液)が開発 で きず,
最初の画期的 な成 功は実に半世 紀 後の 1985 年 (マ ウ ス胚3り
に な っ て か らで あっ た。 その後,
ウ サ ギ胚,
ウ シ4 ),
ブ タsl な ど11 種以 ヒの 動 物 種に おい て保 存 後の生存が報告さ れ,
今日 で は その多くの 種に おい て実用的にガラス 化 保存 技 術が 利 用さ れてい る。 手 法的に は,
初期に用い ら れ た高濃 度のCPA を添 加 し た ガ ラス化液は90 年代に 入 り,
よ り低い濃度の 溶液6)へ,
また同時に,
添加 するCPA の種 類や,
超 急 速 な冷 却一
加 温法7}の検討,
さ ら に,
専用の ガ ラ ス化コ ンテ ナT,
8)が開発 さ れ,
現 在すで に不妊治 療 分 野に おけるヒ ト卵子1
胚に おい て,
好 成績が報 告さ れてい る9・
10/, 。 (3)卵子のガ ラス保存プロ トコー
ル 我々 が用い てい る卵 子の ガ ラス化 保存の プロ トコー
ルを図 1に示 し た 。 採取さ れ た卵 子は まず卵丘 細胞を 除去し て裸 化し,
細胞 内へ CPA を浸透 さ せ る た め に平 衡液へ 浸漬す る,
J 浸 透圧 差 に よ り一
時的 に収縮 し た卵 子 細 胞 体 積 が回復 する のを待ち,
細 胞 内外の氷 晶 形成 を抑制 す る た め,
凍 結し ても氷 晶が形成さ れ ない ガ ラス化 液 中へ 卵 子を導入 し,
細 胞 外 液を完全にi
換 後,
ガ ラ ス 化保存用 に開発し た凍 結 保存 容 器,
ク ラ イ オ トッ プへ 載せ る 。 直ちに液体窒素中 (−
196℃ )に容 器 を投入 し て急速に冷却,
保 存する。 この温度域では 細 胞が ほ と ん ど劣 化 し ない た め,
品質を 良好に保 持 し た ま ま,
半永 久 的に保 存が 可能であるc、
解 凍は,
37℃ に加温 し た解 凍 液中 に,
直接凍 結卵子を導入す る ことに より急速に行い,
ショ糖を1お よびO.
5モ ル 添 加 し た希 釈 液を用い て段 階的に卵子細 胞 内の CPA 図1Vitrificationプロ トコー
ルNII-Electronic Library Service 92 麻布 大 学雑 誌 第9
・
IO巻 2 04年 図2 Vitrification前 後の ヒ ト卵 子 を希 釈除 去 する。 4 時間の培 養に より細 胞 膜の機 能 回復を待っ て か ら顕微 授精法に より媒 精 し受精さ せ,
さ らに5日間の発 生培 養後に胚盤胞期へ 発 育し た胚 を患者のf
・
宮 内に非 手術 的に移植す る。 (4 )ガ ラス化 保存し たヒ ト卵 了の生存性 これまで に解 凍し た 107個の卵子の 生存 率は98% で,
従 来の緩 慢凍 結 法 (22%)に 比較 して 明ら か に 高い 良好な成績であっ た。 また 生存 卵子を顕微 授精 後,
90% が雌雄両 前核の 形 成を伴う正常受精 卵とな り,
培 養後,
91% が分割,
さ ら に4 日後,
その 50% が分化し た 正常な胚 盤 胞へ 発生 し た 。 この成 績は凍 結保 存して い ない卵子 と比較して も遜色の ない良好 な値であ り,
凍結に よ る卵 子の Viabiliy lossが最 小 限 で あっ たこ と が証 明さ れ た。 従 来の緩 慢 凍 結 法では, 生存卵子の半 数が受精し た もの の胚 盤 胞へ の発生 は 見ら れ な かっ た。 こ れ まで の緩 慢 法で は妊 娠が滅 多 に得ら れ な かっ た こ と が この結 果か ら も示さ れ る。
現在ま で に同 手法を用い て 187 人の不 妊 治 療 中 患 者より498 個の卵子が凍結保 存さ れて いる。 お わ り に 毒 性の低い ガ ラス液と最 速の 冷 却/融 解 方 法で構 成 さ れ た最 少 容量冷 却 法に よ る ガラ ス化 保 存 法を用い る こ と に よっ て,
従 来,
極め て困 難iと さ れて いた ヒ ト卵 子の凍 結 保存が 可能 と な っ た。 これに より, 白 血病患 者や卵 巣ガン患者な ど,
卵 巣 あるい はその機 能 消失に よっ て妊 孕 能 を失 う状 況 に置 かれ た女 性 が, 自己卵子の凍結保 存に より,
その後の人生 におい て,
自分自身の 挙 児を得る道 が 開かれた。 すで に,
日本,
米 国お よ び中 南 米 諸 国にお い て演 図3 卵子の Vitrification用容器 「ク ラ イ オ トッ プ 」 (左 )と 卵 子 をの せた状 態の同先 端 部 (右 ) 者の技 術 指 導の も とに ヒ ト卵 子セ ル フ バ ンク施 設が 設立 さ れ,
100 名を越 える女性 達に利 用さ れて い る。
近年の卵 子 体 外 成 熟 培 養 技 術の確 立に より, PCOs 患 者な ど
,
その 臨床 応用 場 面が広がっ た未 成 熟 卵 了・
や,
さ ら に基 礎 段 階で 画 期 的 な 成 果が報 告 さ れつ つ ある様ざ まなス テー
ジの発育途上卵 母 細胞の不 妊 治 療へ の利 用 性 拡 大のた め,
こ れ らの卵 母 細 胞,
ある い は卵 巣 組 織に適 し た ガラ ス化 保 存 法の開 発を実 施 中である、, 引用文献1)Kuwayama
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pulledstraw vitrification :anew way to reduce eryoinjuries
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