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小学校特別支援学級における家庭との連携促進を目指したコンサルテーションの検討 : 自閉症児への言語指導を通して

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Academic year: 2021

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(1)小学校特別支援学級における家庭との連携促進を日指したコンサルテーションの検討             ∼自閉症児への昌語指導を通して∼                             特別支援教育学専攻 障害科学コース.                                     M110981神脇貴子 I.問題と目的  特別支援学校学習指導要領には学校がその目的を 達成するため、地域や学校の実態に応じ、家庭や地. かにしていく。. 皿 研究1. 1.目的. 域の人々の協力を得るなど地域社会との連携を深め.  コンサルティ①(小学校特別支援学級担任)とコ. ることと記されている。また学校と家庭が協力し、. ンサルティ②(対象児の保護者)の連携を促進して. 両場面において一致した指導を行えばその効果は一. いくためのコンサルタントの関わり方の検討をする. 層高くなる(松岡・長澤,2004)と述べられている。. ことを目的とする。.  一方で特別支援学級の担任は特別支援学校教諭の. 2.方法. 免許状を取得していなかったり、初めて特別支援学. 1)参加者. 級を担任する場合は専門性が不足していることに悩.  自閉症児を「クライアント」、その学級担任を「コ. むことがある。さらに学校の中で1人であったり、. ンサルティ①」、それぞれの支橡児保護者を「コンサ. 障害ごとに学級がわかれているため、相談相手が学. ルティ②」、そして筆者は「コンサルタント」として. 校の中にいることが少なく孤立しやすい。それらの. 本研究に参加した。. ことに関して、廣瀬・伊藤・井伊(2003)は自閉症児を. (1)クライアント(対象児). 指導する教師へのアンケート調査を行った。その結.  X市立X小学校の特別支援学級に在籍する自閉症. 果、教師が望む支援として、自閉症教育の研修の必. 児3年生A児と2年生B児の2名、Y市立Y小学校. 要性と指導マニュアルの要望であったことが報告さ. の特別支援学級2年生C児1名の計3名であった。. れており、指導への助言を求めている現状がある。. 心理検査状況をTab1e1参照に示した。.  そのなかで、学校現場では、親から音声言語を形.     TabIo1  ■   ソトの  ;. 成してほしいという強い要請があり、無視できない 現実がある(長沢・藤原,1996)。さらに自閉症児の家. 族より、学校での様子を話せるようになれば、とい う要望を受けうることも多い(山本,1997)。言語獲得. の指導を行う中で、長沢・藤原(1996)らは、学校・. 家庭で同様の手続きを適用することで、獲得にもよ り一層の効果があると述べられている。さらに日常 的な場面を使って指導する機会利用型指導法を適用 し形成していく(小笠原・関・河野,1993)ことが要. 現状           検査状況. 学校  イア. x ^児 市 立 x. 小 学 校  旧児. v.         ’絵画語彙発達検査 発語はあるが要求・報告に          C^7:4V^実施不能 関する発語には困難を示し          田中ビネ知能検査 ている凸.          C^ 7=4 M^2=21032 物の名前を絵やカ」ドを見 て答えられる。要求に関し新版K式発達検査 では教師をその場へ連れて生活年齢:7歳10か月 行くなど言語を発すること認一知・適応12歳6か月 はない白報告書棚こっいて言語・祉会=2歳4か月 も発することはない凸. 立. 肝㌘誓込J墓サ驚葦凝驚票月. 小. インはできるが一言語を発す          認知・適応=1歳10か月 ることはない。具体物と写言語.祉会=1歳1か月. 市. Y  C児. 学 校. 真のマッチングができる。. (2)コンサルティ①(学級担イ9. 求言語が出現し、日常生活において般化する可能性.  コンサルティ①につてTab1e2に示した。. があると述べている。機会利用型指導法と適用し指.      Tab1o2‘コンサルテ11=つし、て コンサルティ①. 導することで連携にも有効にはたらくだろう。.  そこで指導の技法や方法など相談の役割を果たす コンサルタントの存在が必要となってくる。これま. ^兄キ旦f壬. 日児担イ壬血. でのコンサルテーションの研究ではコンサルタント の有効性が認められている(加藤・大石,2004)が、学. 級担任と保護者の連携を促進していくためのコンサ ルタントの関わり方の検討が必要となってくる。.  本研究では、学校と家庭が協力した指導事例とし て、要求・報告言語の獲得をねらいとし、機会利用. 現状. 冊歳代男性。初めて特別支援学級を担任す. 目児担任β C兄キ皿f壬. る、.研究開始時は特別支援学級を抑任してか ら2年目であった。特房■」支援学校教諭の免言午 状は取得していない。. 50歳代男性。X市立X小学校で初めて特別支援 学級を担任する。研究開始時、特別支援学級 を抱任して6年日であった自特別支援学校教 論の免許状は取得していない。 30歳代男性。今年度から初めて特別支援学級 の担任をす乱特別支援学校教一諭の.免許状は 取得していなL・。. 40歳代女性、.特別支援学級の経験あり。特別 支援学校教諭の免許状を取得している。. 3)コンサルティ②(保護者) 4)コンサルタント(筆者). 型指導法を用いて、学校・家庭の双方において実施. 3.実施場所と期間. していく。学校と家庭とが連携することを目指した.  1)実施場所:X市立X小学校・Y市立Y小学校と. コンサルタントの関わり方について検討することを 目的とする。合わせてその指導の効果と課題を明ら. もに特別支援学級と職員室、喫茶店にて行う。  2)実施期間.

(2)  A児:2011年11月∼2012年4月  B児:2011年11月∼2012年9月  C児:2012年5月∼7月. (2)A,B,C児それぞれの家庭場面での生起回数. 3.結果 1)A,B,C児それぞれの学校場面での生起回数. 2)A,B,C児それぞれの家庭場面での生起回数. 4一手続き.   クライアントの指導法とクライアントヘのコン. IV総合考察. サルティ①②の連携についての手続きをTab1e3に.  本研究の成果から機会利用型指導法と段階的な指. 示した。. 導を行ったこと、また学校場面と家庭場面の両場面. 5.評価. において指導を行ったことは要求言語・報告言語を. 1)記録用紙に記入されている連携の生起回数. 獲得していく上で有効であったことがわかる。今後.  (1)A児:コンサルティ①②の連携の生起回数. の課題として、コンサルタントとコンサルティ①と.  (2)B児:コンサルティ①②の連携の生起回数. の関係や同意と説明についての検討と、コンサルテ.  (3)C児:コンサルティ①②の連携の生起回数. ィの不満が残らないようなコンサルタントのフェイ. 2)コンサルティ①②へのアンケート.  担任の先生と保護者に自由記述で記入するアンケ. トアウトの仕方について検討していかなくてはなら ない。. ートを実施した。 製舳. 6.結果. 1.連携の結果(Tab1e3参照). 2.連携の生起回数. A児とB児のコンサルティ①②の連携はFi&1,.  仙                                      購.掃‘1. Fig.2に示した。. ポ。             舳に榊三. 皿研究2言語指導事例の効果の検討   昌^昌目賞}昌=1=一;害畠ユ白日畠^昌自ヨ宗一1■昌巴目昌畠目星…麩畠一1. 1.目的. ‘・・.2 6児 =ンサ’I’テイ(=)と鯉OO選略■■’Oキ5リとリ‘O果,□.  機会利用型指導法を用いて、学校の生活場面にお いて要求言語・報告言語の指導を行う。さらに保護.  撒. 者の協力を得て、学校と家庭で連携し、獲得を目指. コンサルテイ①. し指導する。その指導の効果と課題について検討す     介入しない コンサル             介入する. る。. 2.方法. クライアント. タント. 1)参加者、実施場所、期間は研究1と同様。.  鵜. 2)指導方法をTab1e3に示した。. コンサ’けイ②. 3)要求言語・報告言語の獲得状況についての評価. F屯3コンサルタントの関わり方. (I)A,B,C児それぞれの学校場面での生起回数 丁{1.3 コンサルタントからの 実   及び絡.            コンサルティ①と②の連携につ ヨンサルティからの連携の提案            し、ての曲吉果 コンサルティ①とヨンサルティ         }の授業開始前に先通の記録用紙2011年1■月∼12月まで連操に 策一般階から第四股附 ②との連携については、コンサ         を前盟し。言幅指構についての方ついての方法を提碇しない。 まで設定し言語指構の ルタントが方法を提案した後に         法と保護者との連絡のやり取りの2012年1月∼3月までは連携に 指導を千〒う口 行われる回数が端えた。         記録を確認した・       っいての方法を提案す乱 =1ンサルタントがコンサルティ         通に■回書謂連絡をする由児亡の 学校で第…段階が獲視 ②に握寅後。意識をして連絡撮         様子と言語指構の進み具合を確 できたら同じ二指導法で               同上 に書くなどの工夫をし、回数が         帆その他、児童の気になる行動 策…段階を始める。 凸曽えていた,         などの相談を受ける。.               目ンサルクントとヨンサルティ①       指導方法・その他               ②とのミーティング ヨンサルティ①. コンサルティ② 目児. コンサルティ①. 期の授業開始前に先還の記録用紙2011年■■月∼201,年3月まで を確脳し・言帽拍構についての方は連挑についての方法を提供し 澁・ 第一段階から第四股附             なし、o まで設定し言語拍構の 毎通■回、学校外にて児竈の様子 指導をf〒う。 と担任の悩みや保健者とのやりと             2012年5月∼7月までは連鴉に りについての1ンサルテーション.             ついての方法を提供する. を千〒りた^. コンサルテイ②. コンサルタントが方法を提案し. なかつた時はを一度もなかつ た.提尭した後は日ンサルティ ①とコンサルティ②とのやり取 りの回数が増えた。また、言語 獲得の宿業の内容だけでなく他 の相談も嶋加した.. 同」=. コンサルタントがフェイトアウ トしてから,ンサルティ①との 連絡の回数が増加していりた。 コンサルタントとは■還阯こ■. 学校と同じような場面 通に1回電語連絡で言語指構の様 設定をしていたが、目 子一を碗盟し、次の段階に進むかど 児の様子や興映によつ うかの相談をする。宝だ、毎日児同上 て言語指導の内容を控 資を迎えにくるので、その時に今 えた。 日の学校での様子を伝えた。. 回から2過”に1回に減らし. ■ヵ月に1回の電酷連絡から 困ったときにメールでのやり取 りに変化していつた。. Cリ己. ヨンサルティ(D. 第一段階から第四段階         毎還1回授業終了後1時簡程度。 まで設定したが、段階         先撮の児貨の様子・言語獲得の拍 が終わりた時に□ンサ         導についてのコンサルテーション ルティ①と次の段附の         をfテ。た口. 連携についての方法を提案しな. ことを相談した白. 日ンサルティ②. 学校で第一段階を獲得         研究についての説明と指導の仕方 してから書前テスト第         を研究開始前に説明するロ ー段階^と進む。. 同」=. 提案はしなかつたが、何盧か連 絡のやり取りをし、お互いの指. 揮などの仙靱交換ができてい たロ コンサルティ⑪が学校での様子 を知らせ、目ンサルティ②に 「家庭ではどうですか」などの. 主任指導教員   指導教員. 井澤信三 井澤信三.

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