• 検索結果がありません。

精神発達に遅れをもつ子ども達の生活空間の再構成に関する研究(第1報) : 大学および附属校教官による教育的遊戯療法に関する予備的研究を通して

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "精神発達に遅れをもつ子ども達の生活空間の再構成に関する研究(第1報) : 大学および附属校教官による教育的遊戯療法に関する予備的研究を通して"

Copied!
17
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)Title. 精神発達に遅れをもつ子ども達の生活空間の再構成に関する研究(第1報 ) : 大学および附属校教官による教育的遊戯療法に関する予備的研究を 通して. Author(s). 後藤, 守; 後藤, 恵美子; 金澤, 克美; 帰家, 大祐; 三浦, 哲; 高畠, 晋; 渡辺, 泰行; 小坂, 千華; 木村, 裕昭; 山田, 浩富. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 47(2): 135-150. Issue Date. 1997-02. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/2170. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 北海道教育大学紀要 (第1部C) 第47巻 第2号 i i i i l i doUn fEduca t t t Journa lo r1okka s on (Se c onIC) Vo v cr yo .2 .47 ,No. 平成9 年2月 February,1997. 精神発達に遅れをもつ子 ども達の生活空間の再構成に関する研究 (第1報) --大学および附属校教官による教育的遊戯療法に関する予備的研究を通して--. 後藤. 守・後藤恵美子・金津克美・帰家大祐・三浦 哲. 高畠 晋・渡辺泰行・小坂千華・木村裕昭・山田浩富. は じめ に. 本論文は北海道教育大学札幌校特殊教育学科教官と附属札幌小学校特殊学級の教官が研究チームを組み研 究を進めている 「精神発達に遅れをもつ子 ども達の生活空間の再構成に関する研究」 の中間報告を中心にま と め て いる. 特 に, こ こ で は, 生 涯 に おけ る人 との 出会 いの 体 験の も つ 意 味 もさ る こと なが ら, 一 日 の短 い. スパ ンの中でも展開する人との出会い, 交わり, 別れといった一連の社会的活動の流れの中での体験を通し て, 子ども達が人とのかかわりの枠組を形成し, 真の 「生きていく力」 を得ていくための手がかりを求めて い る-. 近年の都市化・過疎化現象に伴う社会的変化, あるいは, 情報システムの急激な発展に伴う生活環境の変 化は, 個人の次元を越えた社会全体の大きな流れとして, 日常生活におけるわれわれの生活様式に影響を与 え続けている. そのような生活様式の変化は, 子ども達の直接的な生活経験を希薄化させ, 教育の世界が最 も求めているはずの 「心豊かで, 自らの力を発揮して生きていくことのできる人間を育成する」 という課題 996). このような状況の中で学校は 「社会のひずみを背 に大きな影響を与え続けている (後藤・後藤, 1 負う子ども達」 が自らを蘇生させていく場として, いかにあるべきかと考える時, 「学校という場」 の持つ 意味につ いてもう一度, 捉えなおす必要があるように思われる. そのためには, 本来, 楽しいはずの教科学 習が 「明日のために, 将来の受験のために」 という大人の論理の中で苦しい教科学習として課されてしまい がちな子ども達がおかれている現状を無視することはできない.そしてまた, 「今, ここに生きていること」 を自らの信条とする子ども達の心に, 重く, 消すことのできない不安感を抱かせ続けている 「大人の側の過 剰な期待」 の持つ意味につ いても考える必要があろう. 近年, 増加の方向にある非行, 登校拒否, 校内暴力, いじめ, 心身症, 自殺などの問題が, 子どもの成長・発達にかかわる学校と家庭を含む社会の教育力が問わ れている社会的課題であるとの指摘には誰も異論はないであろう. この種の問題が取りあげられるたびに, その要因として 「受験戦争の激化」 「学歴偏重社会」 「地域や家庭の教育力の低下」 などが指摘されるが, 現実にはその指摘が直接, 問題の解決の糸口にはなり得ず, ますます, 問題の深刻さを深めている様子さえ 感じられる. それはこれらの要因がどれひとつ見ても社会のシステムの中に食い込んだ構造的なものである ために, 対症療法的手だてだけでは打開でき得ない性質のものが内包されていることと関係している. ある 意味では, これらの指摘されている課題の存在はわれわれの社会の熟成度を示す指標と見ることができるよ うに思われる‐ このような視点から, 子どもを取り巻く生活空間を見ることによって, 今まで見過 ごしてきた地域や学校 あるいは家庭で取り組むべき課題が浮きぼりにされよう.. 135.

(3) . 後藤. 守・後藤恵美子 ・金津. 克美・ 高畠. 晋・渡辺. 奉行. 工. 行動空間療法に関する研究の背景 障害という言葉を聞くと多くの人々は, 「体の不自由な子ども」「目の見えない子ども」「耳の聞こえない 子ども」 を目に浮かべがちである. 確かに障害をもつ子 ども達は このような問題を持っている場合が多い , ので, 「障害」 という 概念 の も つ ひとつ の側 面 を表 し てい る と 見る こと が でき る しか し この よ う な見 方 ‐ ,. は障害をもつ子 ども達を症例別に分類する上で都合の良さがあるが 教育的視点か ら見た場合 十分である , , と は言え な い.. ここでは, 発達臨床心理学的かつ 教育臨床的視点から 我々がこの2 0年来, 研究チームの共通認識として , 捉えている 「障害という問題を構成している要因の関連図」 を提示して見よう 図1は 障害という問題を . , 構成している要因と, それらの相互の関係を概念図としてまとめたものである この概念図に基づいて障害 . の問題を考えてみると, 「障害の重さ」 はX軸要因 (表出行動の特徴) Y軸要因 (X軸に対する環境からの , 反応のひずみ) Z要因 (Y軸に対する子どもの反応のひずみ) が, かけ算的に組み合わされた値 (図でいえ , ば体積) で捉えることができる‐ X軸要因の背景には, 視覚, 聴覚, あるいは知能などの要因が考えられる 一般に障害特性に言及する時 . , このX軸要因を重視する傾向があるが, むしろ, これらの3つ の軸の変数のうち 特に重視すべき変数はY , 軸要因であろう. ここで注意すべきことは, Y軸要因は子どもの表出行動が弱ければ弱いほど そのひずみ , の割合を大きくするという形で, 単純にX軸要因に従属しているものではないということである むしろ ‐ , X軸要因を受け止める環境の側が, X軸の要因をどのような側面から捉え意味づけるかと言った評価的態度 によっ て, 大きく変化する性質を持っていると見てよいであろう Y軸要因の単位を拡大していくと それ ‐ , はその子どもを取り巻く地域社会の評価的態度 (例えば偏見など) とも関係する 社会病理学的変数として , 見ることができよう. 現在, 教育現場で問題とされているいじめの問題などは このY軸要因が大きく意味 , を 持つ と 考え る. 図1. 障害と いう 問題を構成する 要因の 関連図. Z軸要因 Yに対する子どもの 反応のひずみ. X軸 要因. Y軸 要因. 表出行動の特徴. Xに対する環境からの 反応のひずみ. これまでの説明から明らかなように, 発達的, 関係的視点から 「障害」 を捉えて見た場合 子どものもつ , 「障害という問題」は, 子どもがまわりのさまざまな人とのかかわりあいの中で蓄積してきた いわゆる 「累 , 積的ひずみ現象」 を指していること, そして, この 「障害という問題」 を増幅させる部分に 環境の側の働 , きかけが大きく関係していることが理解されよう このような 「障害」 に関する理解の仕方にたてば Y軸 . , 要因のひずみを最小限にとどめ, プラスの方向へ環境要因を変換させていくことが 重要であるという理解 , に到達する. 障害をもつ子どもの保育や教育の実践が, 子どもの生活習慣の自立 教科学習の取組にとどま , らず, 子ども達のおかれている社会的場の整備 (それはとりもなおさず Y軸要因によるひずみの補整を意 , 味している) に全力投球しているのは, 以上述べたことと関係している 交流教育 統合教育 あるいは . , , , 136.

(4) . 精神発達 に遅れをもつ 子 ども達の生活空間の再構 成に関する研究. アラスカなどでの取り組みに見られるインクルージョンの取り組みなどは全て, X軸要因とY軸要因との適 切 な マ ッ チ ン グを 志 向 して い る か らで あ る (後 藤 他, 1995). しか し, この 取 り 組 み の 方 向 につ いて は是. と認めながらも, 現実的には教育現場の状況を見ると多くの課題が残されている. 例えば, 障害をもつ子ど もの親の多くが切望する 「普通学級への入級」 をひとつ取って見ても, その課題の重さ が指摘できよう. な ぜなら, 現在の普通学級は, 学校教育法の中では 「通常の学級」 と言われながらも, 様々な特性をもつ児童, 生徒から構成されている集団にはなっておらず, ある意味では年齢, 能力特性などにおいて等質化の傾向に ある. つまり, 障害をもつ子 ども達の親が期待できるほどの教育の場になりきれるかどうか, 疑問の残る部 分が多い‐ この問題は学習面に比重をかけた論理が優先すればするほど複雑化する. このことは, 障害をも つ子 どもに限らず, 健常といわれている子どもも遭遇 している危機的状況である. 例えば, いわゆる 「落ち こぼれ」 の問題は, それを端的に表している. この点に関して, さまざまな子ども達とのふれあいの機会が, 日常的に少ないといった指摘があるが, 障害児の学級の方がその工夫において優れている面がある. 少人数 規模の学級, 複数担任制の活用, 日常の生活を重視した教育内容の構成, 交流教育を通した生活空間の拡大, ひとりひとりの個性に配慮した指導の工夫など, そのきめの細やかさにおいては, 障害児学級の教育に見習 うべき点が多い‐ たとえば, 北海道教育大学附属札幌小中学校・特殊学級 (ふじのめ学級) の研究紀要 「自 分の考えを生かしてやり抜く子どもを育てる指導法を求めて」 に記載されている教育実践では, 「自らが選 995). そこ ぶ世界の中で学習を進める授業」 を追及している (北教大附属特殊学級研究紀要 第25集, 1 では, 主体的に学習の方向を選択し, 教師と共に授業を作り上げていく 「生きた学習集団」 のあり方が追及 されている. これまで, 各地の学校で 「生きた授業作り」 「個を重視した授業の展開」 など, この種の研究 主題を設定し研究実践に着手 した経緯があるが, ともすれば, 教師側優位の論理が優先して, 最終的には従 来通りのティ ーチングスタイ ルになって しまいがちである. その意味では, 障害児の学級の指導と運営の世 界をもう一度, 反鋼して見ることによって, その子どものもつ特性を最大限, 尊重しながら展開 している教 育の世界を指導の視野に入れることができるように思われる.. ロ. 行動 空間療法に関する研究の経緯と本指導法の輪郭 子どもの生活空間の再構成の取組にあたって, 生活・行動空間の持つ意味について考えた場合, そこには ふたつの課題が内包されているように思われる. そのひとつは 「応答する環境作り」 であり, もうひとつは 「構造化された場の構成」 である. 従来の指導スタイルはともすれば 「刺激の与え手」 としての指導者の取 組を重視する. 指導者 (あるいは環境) の側からの初発優位の働きかけや, ともすれば, 一方向的になりが ちなかかわり行動は, 子どもの能動的, 自発的な表出行動を低減させがちである. この点を克服するひとつ の試みとして, 子どもの側から繰り出してくる表出行動に対 して, 受容的かつ肯定的に応答し, その表出行 動を応答の脈絡の中で補完し, かつまた, 必要に応じて意味づけを与えるようなかかわりが考えられる. 同 時にまた, 拡散しがちな子どもの行動を間接的に方向づけたり, 安定化させる意味で 「場の設定」 の工夫も 必要とされよう‐ すでに, われわれは以上述べた課題意識から, かかわり行動の発達に課題を持つ子 ども達のグルー プ指導 のあり方についてひとつの方向性を提示してきた. この取組は3つの研究プロ ジェクトで構成され, 段階的 に進められてきた. 第1期の研究 プロ ジェクトは, われわれが行動空間療法と名 づけている指導法の開発に 98 3). 982, 後藤・小 笠原・後藤・福原, 1 97 4, 三浦・佐藤・後藤, 1 かかわっ た取組である (後藤, 1 この第1期の研究 プロ ジェクトは札幌市近郊の市の心身障害児訓練センターの開設準備とその後の実践活動 と連動させて計画されている. 第2期の研究プロ ジェクトはこの指導法による指導の展開の推移を重視した 137.

(5) . 後藤. 守・後 藤恵美子・ 金津. 克 美・ 高畠. 晋・渡辺. 奉行. 分析法の開発に関する取組が中心的課題とされ, 札幌市近郊の町の福祉センターに開設された障害幼児の指 導訓練部門での指導実践と連動させて進められた (小笠原, 198 3, 後藤・小笠原・後藤・福原, 1 98 4)‐ 行動空間療法による指導では時間と空間を他者と共有する中で生起する行動を重視し, そのような行動が 生起しやすいような場を設定して指導を展開していくところに力点がかけられている. そこでは, 子どもの かかわり行動の自発的な生起を重視し, かかわり行動の連鎖の中で, その行動がひとつの方向性を持つこと ができるようなセラ ピスト間の相互連関性を持った動きが要求されている. この指導法の基本的骨子は以下 の3点に要約される. これらは, 日常の臨床実践, 特に, 第1期, 第2期の研究プロジェクトの推進の場と なった恵庭市心身障害児訓練セ ンターでの取組の中で構築されたものである. ( ) 物理的場の構成:具体的にはプレィ ルームの中央に2段重ねの舞台を設定し, 空間が構造化されやす 1 いよう に 工 夫 し て いる こ と‐. 2 ) 遊具の選定:遊具は大型組立て ブロック (滑車をつけると, それに乗って移動が可能) のみに限定し, ( 共通の素材を通して人とのかかわりや集団としての共通の動きが作りやすいようにしていること. ( 3 ) 心 理 学 的・社 会 的場 の 構 成 : セ ラ ピス ト集 団の 中 にチ ーフ セラ ピス トを お き, その チー フ セ ラ ピス ト. は他のセラ ピスト達と子どもとのかかわりの中で全体の活動の流れを方向づけ, より密度の高い行動空 間 が構 成さ れ るよ う な展 開 が要 求さ れ て い る. 従 っ て, こ の 行動 空 間療 法 で はCom muni i ve Space cat (以 下, C o空間と言う) と名 づけられた プレィ ルーム中央にある舞台上の空間が集団の構成メ ンバー に と っ て, どのよう な 活動の 場 とな っ てい る か, ま た, チー フ セ ラ ピス トを軸 と した活動 の流 れの 中で どの よう な か かわり 行動 が展 開 して いる かが 焦点 とな っ て いる‐ ち な み に, C o空間をとりまく周辺の 空 間 はRoundSpace (以 下, R o 空 間 とい う) と名 づ け られ て おり, C o空間が比較的静的で限定的 である の に 対 して, R o 空 間 は動 きの 大 き い, いわ ゆる 「動 空 間」 と し ての 特 性 を 持 っ て いる‐ ま た, 指 導 中 は特別 に編 集さ れた バ ッ ク グラ ウ ン ドミ ュ ー ジ ッ ク が 用 い られる‐. 以上が行動空間療法の指導骨子であるが, この療法では広い意味でのコミュニケーショ ン能力の育成に主眼 がおかれ, 対人関係の量的な増加と質的な高まりが課題とされている. この療法がさらに意味ある指導理念を 生み出すためにはこの方法による指導実践を的確に把握し, 評価できる枠組が構築される必要がある. そこで, われわれは, 新たな分析方法, すなわち行動空間分析法を開発し, 小集団場面における各構成員のかかわり行 動の構成度を測定し, 指導の様相と推移を分析してきている (詳細については, 後藤・小笠原・後藤・福原, 1983, 1 984, 小笠原・後藤, 1989, 後藤・小笠原・後藤・福原, 1991, 小笠原, 1993 を参照さ れたい)‐. この間, 北海道教育大学があいの里に移転したことに伴い, 大学独自の研究用の実験プレィ ルームが確保 されたことによって, 附属札幌小・中学校特殊学級 (ふじのめ学級) と有機的な連携をとり組織的な研究に 着手することができた. 第3期の研究プロジェクトは, これまでの研究の総括と附属校児童を対象にした形 成 実 験 が 中 心 と し て 設 定 さ れ, そ の い く つ か は 論 文 と し て ま と め ら れ て い る (Gotoh E‐ 1993, 金 津, , , 1994, Kanazawa, Gotoh,and Gotoh, 1995, 金 揮 ・後 藤 ・後 藤, 1995, 後 藤, 1995)‐. 以上, 述べた臨床実践と研究の蓄積の中で第4期の研究プロジェクトが平成7年度から開始されている. それ は本論文の中心的テーマである附属校ふじのめ学級の教育課程の「領域・教科をあわせた指導」の中で「遊びの指導 (小学校特殊学級のみ)」 を媒介項として, われわれの形成実験の取組をふじのめ学級の教育実践に有機的に連動 させようとする試みである‐ 幸いなことにふじのめ学級の教職員の全面的な協力を得て, 共同で行動空間療法の 世界をふじのめ学級の体育館をベースにして展開することが可能となった. この取組はまだ, 予備的研究の段階 にあるが,その取組の一端を次節で報告することとする.なお,この研究実践と併行させて, ミニチ ュ ア プ レィ ル-. ムを用いた行動空間療法の取組が進められているが詳細については第2報で報告する(金津, 1 9 9 6) .. 138.

(6) . . 精神 発達に遅れをもつ 子 ども達の生活空 間の再構成に関する研 究. 皿. 行動 空間療法の世界を導入 した 「遊びの指導」 の実際 図2は附属札幌小学校特殊学級 (以下, ふじのめ学級という) の教育課程の構成を図にまとめたものである. 図で示されたように, 、じのめ学級の教育課程は, 各教科, 道徳, 特別活動, 養護・訓練の領域別の指導内容 を選択したものを指導の形態別に再構成し直し, 授業時数を配当して年間指導計画を作成したものの二層構造 9 9 3) になっている(ふじのめの教育課程, 1 . これによれば, 本研究の中心的課題となる「遊びの指導」は指導 の形態別に見れば, 「領域・教科を合わせた指導」と「領域・教科別の指導」のうち, 前者の指導形態に分類されて いる. ふじのめ学級での 「遊びの指導」 のねらいは 「簡単なルールのある遊びの楽 しさを味あわせながら, 教 師や友達とのかかわりを促し, 進んで集団の活動に参加しようとする態度を養う」 とし, 子ども達に身につけ 2 )対人関係の広がりと深まり,( 3 )活発な動きと ( させたい力として, 1 )集団遊びへの興味・関心とルールの理解,( 自主的な集団参加, の3点をあげている. これらの視点は行動空間療法の世界が求める 「時間と空間を他者と 共有する中で, 個のもつ特性が関係の中で付加価値を持った新たな世界を限りなく形成し続ける動的な営みの 中で結果する力」 と極めて共通した内容のものとなっている. そこでは年齢の壁, 障害種別の壁, そして, あ る意味では障害の重さの壁を越えた次元での 「人と人との出会いのあり方」 を志向していることが指摘される. 図2 小学校特殊学級の教育課程の構成. r. …の頒. ・ー「. r 1. ー 同 家 罰 区 爾”厩 廊 罰キ [踊国司. …指 導内 容 …. …. ー 一「 T酉ー… 糞 ー 善 .. 陸 1 型. 体. …指導の … …形態. … 領域・教科を合わせた指導. 領域別・教科別の指導. 教科別の指導. 重. 量. 薄. 墨. 聾. 習. g 墓. 領域B. 型 語. 数. 楽. 作. 響 育. 動. ここでは学校教育の視点から見た子どもの生活空間のあり方と発達臨床心理学的視点から見た子どもの生 活空間のあり方の共通項を, いわゆる 「遊びの指導」 の中に求め, 双方の立場の研究者同士が共通の課題を どのように捉えているかを通して子どもの生活空間の拡大に寄与する 「遊びの指導」 の持つ特性を明らかに していきたい‐ このような課題意識から進められた 「行動空間療法を導入した遊びの指導」 の実践を以下の 2つの取組に分けて分析し, 考察を加えることにする. 1. 第1期 「遊びの指導」 の実践 第1期の行動空間療法を導入したあそび指導の実践は1 995年11月~1996年2月にかけて計3回, ふじ のめ学級体育館において, ふじのめ学級小学部の低学年 (1~2年生) および中学年 (3~4年生) の学級 に在籍する児童1 4名を対象とし,指導担当者は大学側スタッフ 3名(チー フ ティ ー チ ャ ー お よ びサ ブ ティ ー 139.

(7) . 後藤. 守・後 藤恵 美子・ 金津. 克美・ 高畠. 晋・渡辺. 奉行. チャーを含む), 附属校教官3名 (小学部1~4年生の学級担任全員) の計6名で構成されている‐ 「遊びの指導」 が実施された体育館の物理的場の構成に関しては, まず 体育館の中央に前述した舞台が , 設 定 さ れて い る‐ 大型 組立 て ブ ロ ッ クの コ ーナー が 設 置さ れ, 自 由に持ち 出 しの できる ブ ロ ッ ク が積 みあ げ られ てい る. ブ ロ ッ ク は6連つ な ぎの もの, 4 連つ な ぎの もの, 2 連 つ な ぎの もの が 用 意 さ れ, そ れ らを組. みあわせて, 乗物用のブロックカーにもできるように滑車も用意されている. また, 指導の開始から終了ま で バ ッ ク グラ ウ ン ドミ ュ ー ジ ッ ク が 流 れる よう に配 慮 し て いる.. ここでは19 96年度からの本格的な指導実践に先がけて年度当初に開かれた打ち合わせにおける話し合い と, 初めてこの指導に携わった指導者 (附属校教官) を対象としたアンケート調査の結果, および話し合い の時に実施されたSD法を用いた行動空間療法による 「遊びの指導」 に対するイメージ調査の結果を中心に 考察を加えることとする‐ 話し合いは, 第1回目の指導場面を録画したビデオを視聴し進められた. ( 1 ) この指導に初めて携わった指導者の印象および意見 ( ) 物理的場の構成について a 体育館中央に設置された舞台について,. i ブ ロ ッ ク でつく っ た 車が スム ー ズ に上 が っ たり 下 が っ たり で き. るた め に,段 差 をなく して ス ロ ー プ に して みて は どう か」 , 「舞 台 が 中央 にあ る とそ のま わり を ブ ロ ッ クカ ー がま わ れ て, ブ ロ ッ クカ ー 同 士 がぶ つ かる こ とがな いので は」「ち ょっ と休 みた い とき に舞 台の 上 で休 め る」 , 「舞台 に上 がる とま わ り で みん な が どんな こ とを や っ ている の か見る ことが でき る」 さ らにア ンケ ー トの ,. 中で 「だんだんとみんな舞台の近くに集まって来て盛り上がるよさを感じましたが, あの遊具と舞台のつ な がりがよく分からなかった」 等, 舞台の保持する特性や使われる遊具との関係性を考慮した考えが出された. 舞台そのものの大きさについては, ふじのめ学級体育館には小さ過ぎるのではないかという意見が出された. この 舞 台 は7 m × 7mの大学プレィ ルームを対象に考えられたものであり, 今後の指導ではこの舞台の大き さ (27 0cm × 27 0c m) を検討していくことが課題とされた. ( b ) 遊 具 の 選 定に つ いて. 遊具については子 ども達が大きな車を作って乗ったり, カルピスにみたてて飲む動作をしていたりと, 子 ども達が喜んで自由に自分の世界を表現していたこと, 多様な組み立てが可能で移動特性を備えている遊具 の特性を示唆する考えが出されている. さらに, アンケート調査の中で 「道具を使うよさが十分に出ている 遊具だと思った. まず, 遊具に向かい, 自分の世界で遊ぶうちに友達と合体したり, 押し合ったりと関わり あいのもてるよさがあるように感じた」 と, ここで用いられている遊具が対人関係行動の媒介となることが 記述されていた. ( ) 心理学的・社会的場の構成について c 背景に流れている音楽については, 話し合いの場でほとんど話題に上がらず, アンケートの中で 「使用し ている音楽の種類によって気分等に影響を受ける子供もいるのかもしれない」, 「音楽があまり聞こえてこ な か っ た 印象 があ る. 子 ども にと っ て はも っ とイ ンパ ク トの あ る 曲や な じみの ある 曲の ほう がい いよう に も. 思えますが」 等の考えが記述されている. また, 複数の指導者がいたことに関して, 実際に指導にあたっ た 教諭は指導場面で他の指導者の動きに目を向けて, 他の指導者がどのような対応を子どもにしていたのか, 指導者の手を望んでいる子どもに手が足りていたかを気にかけていたことがわかっている‐ ( ) SD法を用いたイメージ調査 2 行動空間療法を導入した 「遊びの指導」 に対するSD法を用いたイメー ジ調査では, 井上他 (1 985) の 研究を参考に調査対象に照らして15項目の形容詞対, すなわち, ① 「たくましい-弱々しい」, ② 「良い 140.

(8) . 精神 発達に遅れを もつ 子 ども達の生活空 間の再構成に関する研究. 「 「 一 悪い」 ,③「暖 かい- 冷 たい」 , ④ 「消 極 的な- 積極 的な」, ⑤ 陽気 な - 陰気 な」, ⑥ 明 る い- 暗い」, ⑦ 「や わ らかい - かた い」, ⑧ 「静 か な -騒々 しい」, ⑨ 「好き な -嫌 いな」, ⑩ 「のん びり した- こせ こ せ した」, ⑪ 「活発 な - 不 活 発 な」, ⑫ 「丸い. 四角 い」, ⑱ 「弱 い- 強い」, ⑭ 「安 定 した-不 安 定 な」,. ⑮ 「鋭い-鈍い」 を構成した. その結果, 指導場面の録画 ビデオを視聴後に参加者全員で実施した 「行動空 間療法の世界」 に対するイメージにおいては, 回答者全員に一貫する傾向として, この指導法の世界が 「暖 かい」 「積極的な」 「陽気な」 「明るい」 「好きな」 「活発な」 という肯定的なイメージを持って捉えてい ることが指摘されている. さらに, 指導場面における 「子どもの様子」 に対するイメージは, この指導法の 世界のイメージを特徴づけるこれら6つの形容詞に加えて, 「たくましい」 という形容詞を加えた7つの形 容詞が回答者全員に共通する傾向として表されている. 以上のように, この指導に初めて携わった指導者が行動空間療法の基本的枠組みから自己の印象, 考えを 表出し得たこと, さらにSD法を用いた行動空間療法を導入した遊びの指導に対するイメージ調査の結果か ら, 指導に携わっ た参加者全員に共通の肯定的なベースがあることを指摘し得ることは, 1 9 95年度に実施 された 「行動空間療法を導入した遊びの指導」 の実践が, この取組に携わった参加者間に共通のベースを構 築していく上で意味ある実践であったことを示唆しているものとして捉えられよう. 2. 第2期 「遊びの指導」 第2期の行動空間療法を導入した遊びの指導の実践は1 996年6月から7月にかけて計3回実施された. ここでは第1回目の 「遊びの指導」 を中心に指導の流れを通して行動空間療法を導入した 「遊びの指導」 の 特徴を見ていくことにする. ( 1 ). 「遊 びの指 導」 のメ ンバ ー の構 成. 「遊びの指導」 のメ ンバーの構成はふじのめ学級小学部に在籍する児童1 5名 (1~4年生・男児8名, 女児7名), および, 指導担当者6名の合計21名から構成されている. 指導対象児15名のうち, 新1年生 4名を除いて他の11名の児童は第1期 「遊びの指導」 の実践に参加した児童達である. また, 指導担当者 の大学側スタッフ2名, および附属校教官1名は第1期 「遊びの指導」 の実践経験者である. 大学側スタッ フの 2名 は第 1期 と 同様, チー フ ティ ー チ ャ ー とサ ブティ ー チ ャ ー を担 当 してい る.. ( 2 ) 物理的場の設定 第2期も第1期と同様, 体育館中央に2段重ねの舞台を設定している. 第1期の実践にかかわる意見を採 用 し, 第2期では舞台の大きさの調整をした. 下段を25c 5c mの段差のある正方形とし, 広さを40 m× 405 7 0c m (第 1期 で は270cm × 2 c m) に拡大した‐ 上段の円形の舞台は第1期と同様, 25c mの段差をもち, 直 径は1 80cmと し て い る. ( 3 ) 資料の収集の方法 VTRのカメラを2台用意し, チーフティ ーチャーの動きを中心にした録画資料の収集と, 本指導法によ る 「遊びの指導」 場面での児童の動きを捉えるために, 特定の対象児を中心にした録画資料を収集すること に努 め た. ま た, チー フ ティ ー チ ャ ー, およ び, 前 述 の特 定の 対 象児 に ワイ ヤ レス マ イ ク を 携帯 し て も らい,. 音声言語行動に関する資料の収集をした.. 141.

(9) . . . 後藤. 守・後藤恵美子・金津. 克美・高畠. 晋・渡辺. 泰行. ( 4 ) 第2期 「遊びの指導」 の展開 ここでは, 第2期3回目の 「遊びの指導」 の展開の様相を指導の流れの節目毎に ビデオ録画資料から映像 資料 (写真) を抽出し, それに基づいて説明を加え, 行動空間療法を導入した 「遊びの指導」 の特徴を浮き ぼり にする.. 写真説明資料1 「遊 びの指 導」 の は じま り - は~ い, かっ ちゃん です-. 1 ず. き 講. 躍 ” 一 -一 . . 三こな 「. . 写真説明資料2 ブ ロ ッ ク コー ナ ーの 子 どもた ち. ・” - -ビー .. 1. しE11. . \ もぎ\ \ ′ . . 「為. 矧ぎ. . .r. . 一どんキ ー ” ゼ ー . !. 、. お{ 錆「. …. . . ” ・ 1 r .hリ ′r. . 〜ノ. ご ー ト ’ , 即 ふきで ノ琴謙三 、. - -- - --. ,,. も r 縁 繍謹 美 一 ご も * ,. 諦 ぎ . そ 幅 . ′. “. 142. た 声望 i. きき 雄 , 一. . - rll1 E ,. ‐「 ー ー 1L. 、. . にいこう」. . ‐. 写真説明資料3. . ′. . . . モール、 ・、 . ノ. . . . そ ぎ 重多 警護;ム. ず . . - ぼく, く るま を 作 るん だ-. ”』 … ニ キf. . . ・ミ ー Mヒヒ ニニ ー - -.

(10) . . . 精神発達に遅れをもつ子ども達の生活空間の再構成に関する研究. 真 説 明 資 料 4 写 舞台の周辺で遊ぶ子どもたち. . ち厳 罰 声 望r 豊 た. - トンネ ル作 るの 手伝 う ん だ-. . [ ー イ す ぎ 常 ,尋 . . . . 、 t. “ -一. --. 一 碧. 、 「 れ. ま. も, ,. コミ. -. 写真説明資料5 チ ー フ ティ ー チ ャ ー と ブ ロ ッ ク の や り 、. ヰ. - キ ッ プの ブ ロ ッ ク よい し. キ 一,. \ , }. とり. -. 蒲. ‘ \. ′. ′.. i t - “ 」. ,. ▼. ’’ 三 紀 : . ,. 写真説明資料6 ‐“’. チー フティ ー チ ャ ーの そ ばを 通 る子 ど. 矛・ ぶ. もたち. . みん な でよ い し , よ い し. 『. 一 -- 妻」--. 一. ”. 可三 マメ÷ ‘ . ‐わあ-い ,くぐってみよう-. 燃. , ふ とご. 舞台の上のトンネル. L レ ー コ . 写真説明資料7. 朝. . 」 Lキ 鳥つき 滋 函 霜 ー も マ ー に キ L キ デザ. , ”- . ノ キーぅ “ . . 」「. = .lf 「“ 十十 十十十 十′ノ 官む. . . / ir. ′ゴ 三 顧. ー ,. J榊. . ◆-. ,. 143.

(11) . 後藤. 守・後藤恵美子・金津. 克美・高 畠. 晋・渡辺. 泰行. 写真説明資料8 おわりの歌と手あそび -ま た, あそ ぼう ね -. 軸も Y ′・〆. .. .. ミ ニ J ... 三F1y. ----:-一二三;=;--・一~・-二一--“”--・ ー. . 写真1は 「遊びの指導」 の立ちあがりの段階を写している. 全員, 舞台 (C o 空 間) の上 に乗り, チー フ ティ ーチャー (写真右側) が児童全員の名前と指導者全員の名前を呼んでいる場面である‐ チーフティ ー チャーは参加者の確認を通しながら, 子どもに対して, その日の 「遊びの指導」 への動機づけをしている. このあと, 音楽が流れ大型 ブロックを用いた 「遊びの指導」 が展開する. 写真2~4は指導の展開を時間軸にそってVTRの映像を抽出したものである. これを見ると, 子ども達 の活動 が 大型 ブ ロ ッ ク の ある 体育 館の 壁面 に集 中 して いる 状 態 (写 真2) か らチー フ ティ ー チ ャ ーの空 間の. 移動に伴い舞台のあるCo空間まで広がりを見せていることがわかる (写真3). 写真3から明らかなよう に集団全体の動きと連動させながらチーフティ ーチャーが軸点をCo空間(舞台下段 ブロックコーナー寄り) に設定したことによってRo空間 (舞台をとりまく床部分) 全体に渡って構成メ ンバーの活動が広がってき てい る‐ 写 真 4で はサ ブ ティ ー チ ャ ー (写真 中 央, チー フ ティ ー チ ャ ーの となり) が チー フ ティ ー チ ャ ー を サ ポー トし, 軸 点 のた め の ベ ー ス 作り (ここで は トンネ ル作り) に必要 な ブ ロ ッ ク の補 給 を続 けて いる. 他. の指導者はRo空間のそれぞれで, 児童達と ブロックを媒介とした活動を続けている‐ 写真5~6は滑車を組み入れたブロックカーを用いてRo空間を動空間として活用している場面である‐ 写 真 5 はサ ブ ティ ー チ ャ ーの動 き に連動 して 子 ども達 が チー フ ティ ー チ ャ ー のい る軸空 間を通 過 してい る と ころ であ る‐ 写真 か ら, チー フ ティ ー チ ャ ー はつ ない であ る ブ ロ ッ ク を渡 し, 半 分 ずつ 分 けあう 活動 を通 し. て, かかわり行動を高めていることがわかる‐ この活動はRo空間が循環性を持った動空間の性格をもつほ ど, 再び, 出会う確率は高く なる. その意味ではチーフティ ーチャーを軸にして, 他の指導者がどの程度, 循環性のある動空間として, Ro空間を活用できるかが大きな鍵となろう. 写真 6で は軸 点 と な っ て いる チー フ ティ ー チ ャ ー の脇 を通 過 してい る子 ども達 の様 子 が写さ れて い る‐ 子. ども達は共通の素材を用いて, 時間と空間を共有していることがこの写真から読みとることができる‐ 指導 メンバーがチーフティ ーチャーの存在と動きを意識に入れ続けることによってCo空間を中心とした場の凝 集化 は一 段 と加 速 する. 写真 6 か ら は, チー フ ティ ー チ ャ ーが軸 点のベース作り (トンネル作り) をさらに. 進めている様子が認められる. 写真7はCo空間にトンネルを作り, 活動の中心はCo空間に移行していることがわかる. 子ども達はト ンネ ルの通過とチーフティ ーチャーとの ブロックの分けあいを通して, さらにあそびを中心とした社会的活 動の流れの中での人とかかわりたいという気持ちを高める機会が提供される. この段階では他の指導者もC o空間に自らの動きをさらに方向づける中で場の凝集化を推 し進めることが期待されている. このような活 動の流れを通して子ども達は心理学的・社会的場の密度の差異を感じる力を高めていくものと思われる. 写真8は指導も終了段階に入り, 再びあとかたづけをしたCo空間 (舞台) に集まった状態である. この 144.

(12) . 精神発達に遅 れを もつ子 ども達の 生活空間の再 構成に関する研 究. あと簡単なおわりの歌と手あそびを全員で し, 次回の指導へのつなぎをする. 以上, 第2期 「遊びの指導」 の3回目の指導を中心に, 行動空間療法を導入 した指導実践の試みをまとめ てみた.これを見ると,指導担当者が大学側のスタッフ 2名 (チー フ ティ ー チ ャ ー およ びサ ブ ティ ー チ ャ ー) と附属校教官スタッフ1名が第1期 「遊びの指導」 の経験者で, 他の2名は新規の指導者といった構成では あったが, すでに, 行動空間療法の世界が意図 している展開の様相を浮かびあがらせている.. ‐ 行動 空間療法を用いた 「遊びの指導」 における場の特性に関する検討 N ‐ ここでは,これまで述べてきた行動空間療法を用いた「遊びの指導」 において, 全体の活動の方向性を担っ てい る チー フ ティ ー チ ャ ー の 世 界 か ら, 児 童 と教 師の 遊 びの 活動 が展 開さ れ る 「行動 空 間」 を どの よう に捉 え て いる かを B -S 評 定 スケ ー ル を用 い て 明 らか に して み る こ と にす る.. 本章で実施を試みるB-S評定スケールの枠組みは, 子どもが日常, 行動する空間 (それは, 生活・保育 空間でもある) において表出する行動を, 関係的視点からとらえようとしたものである. すなわち, 自分を とりまく周囲の事物や人とのかかわり行動を対象とするものであり, それを, 指導者というその人自身の主 体 の側 か ら, ひ と つ の 枠 組 みを通 し て と らえ て いく こ と に な る. この ス ケー ルの項 目の選 択 に 際 して は, 行 動 空 間療 法 の基 本 的枠 組 み に 基 づ い てい る (後 藤・小 笠原・後 藤・福 原,1983 ; 1984 ;Go toh,1993) .. われわれが重視する基本的枠組みの中では, 障害を, その子どものもつ能力特性だけから規定するのでは なく, 子どもと環境との 「関係性」 のなかに求めていることにある. さらにまた, 障害をもつ子 どもを, 広 い意味でのコミュニケーショ ン行動面に障害をもつ子どもという視点からとらえなおしているところに特徴 を 持つ. こ こ で いう コ ミ ュ ニ ケー シ ョ ン行動 と いうの は, 単 な る情 報伝 達 と その 受 信 に と どま る もの で はな. く, 自分の感情を表現し, 他者とかかわりをもちたいという気持ちや, 自我を表出し, 相手の存在を受けと めようとする心の動きをも含めた, 表出行動全般を含んでいる‐ その表出行動は, それを受けとめる他者と の関係の中でその意味性を高めていく性質を持つ. それはとりもなおさず, 子どもをとりまく周囲の人や事 物の存在とそれに対する子どものかかわり行動を重視した取りくみの中で, 子どもが自らコミュニケーショ ン能力を高めていくことを下支えするための方向が提示されていくことを意味している. スケールの項目群は, 大きく以下の三部に分かれているところに特徴がある. ( 1 ) 指導者が, 対象の子どもと ‘どうかかわったか’ を, 指導者自身の目を通してとらえる. 2 ( ) 指導者の目を通して, 対象の子どもが, どのようなかかわり行動をしていたかをとらえる. ( 3 ) 集団としての活動の方向性や, 他の指導者との関係性につ いて, 指導者の目を通してとらえてみる. こ の 評 定 ス ケー ルの もう ひとつ の特 徴 は, 尺 度 を, 肯定 的 な意 味の 範 囲 に限 っ て いる こ とであ る. こ こ で. は, 以下のような3段階の評定尺度で構成され, さらに, その尺度の範囲内で評定できないときは図4で示 すように, 図 印 (以下 「はてなボックス」 と言う) の解答欄を設けている. はてなボックス は, その項 目に対する評定作業の停止あるいは保留を意味し, ある意味では, 評定者の価値基準の修正もしくは再構成 に深く かかわ っ て いる と 見 る こ と が で き る. 以 上 の こ と か ら明 らか なよ う に, B - S 評定 スケー ルの設定 は,. それぞれの尺度項目の評定という行動を通して, 子どものとらえ方の変容を意図したものであり, ひとつの, 指導者の評価の枠組みに対するアプローチの試みであるといえる. 1. B- S 評 定 スケ ー ル. 今まで述べたように, 子どもを取りまく行動空間 (物理的場, 事物, その子を取りまく子どもたちや指導 者など) に視点を定めてかかわり行動をとらえることを通して, 指導者の指導の世界を浮き彫りにし, その 145.

(13) . 後藤. 守・後藤恵美子・金津. 克美・高畠. 晋・渡辺. 奉行. 再構成のための手がかりを提供することを意図して評定スケールを作成した. これは, 大きく3つの部門に 分かれるが, さらに, 「他者・事物への関心」 「場の共有」 「他者との遊具の共有」 「子どもの表出行動へ の応答」, などの内容につ いて, 下位項目を設定する. 図3 に表 したの がB - S評 定 ス ケー ル で, 以 下, そ れ ぞれ の項 目 につ いて説 明を し ていく こ と にす る. 図3 権郭年月 日: 年 月 日( ) 記入者名: ) 1一( a あなたはきょうの指導の中で 、子どもたちと 、一緒に遊具を使って活動できたと 思いますか 。 国 よ き た と う ( で 盟 き た と ! う し眠さ で 少 た と 鮪 〔 ) 1一( b あなたはきょうの指導の中で 、子どもたちのそばで活動していることが多かった と思いますか 。. 国 と て も わた と う ; ! め し 賜っ う ( 捻 , た と ! う し蹴患 ; 少 っ , 1‐(c ) あなたはきょうの指導の中で た 子 ど も ち の やっていることに注意や関心を向け 、 ることが多かったと思います か 。 1 1 国 ,i ふ と か と 野 て好 た 掬 も た塊 う し鵬 , キ た 少 独 ぅ ( っ 1-(d ) あなたはきょうの指導の中で 子どもたちの側からの働きかけ( 表情・身振り・ 声かけなど )を好意的に受け、 とめ応 じることができたと思いますか。 ・. . . き と た 8 う. . 国. ′ し はさ と 蝋 た z ぅ (. B ー S評定スケー ル n-( c) あなたはきょうの指導の中で 子どもたちが遊貝に 2 主意や関心を向けることが多 かったと思いますか 。. ともた と ! う. f. ー. 飾 ぅ た裸 納惚 う っ. ′ 少 し 防 と た g う っ ,. 図 (. ロー(d ) あなたはきょうの指導の中で i 主意や関心を向けることが 、子どもたちがお互いに 多かったと思いますか 。. 1. 1. 1. 国. と て も ヂ か た と 思 う か と キ た 患 う し っ 夕 は ら たは う ( ’ ) っ 1-(e 1 ) あなたはきょうの指導の中で 子どもたちがセラピストたちに注恵や関心を向け 、 ることが多かったと思います か 。. . . . か たー っ. 皿一( ) a あなたはきょうの指導の中で チーフセラピストの動きがよく見えていたと思い ますか 。. くふた と g う. 1 販, , た と 8 う. 1 、 鵬。 たほ う (. 国. 1一(e ) あなたはきょうの指導の中で 、子どもたちと一緒にあそびを発展的にしていくこ とができたと思いますか 。. 皿-〔b ) あなたはきょうの指導の中で チーフセラピストを中心とした活動の流れにのれ ていたと思いますか 。. 回 よ く き たほ う で き たほ う タ 肌脱 で 蟹さ たほう ( ロー(a ) あなたはきょうの指導の中で、子どもたちがみんなと一緒に遊只を使って活動で きたと思いますか 。 同 l f l 国. よ に 、 く肋 の れ L た と う て Z 雛 に の れ L I て 旗拡の た , 、 た と E う し 閥闘か 脚 れ 少 と ! う( 皿-(c ) あなたはきょうの指導の中で 他 セ ) 、 の ラピストたち(チーフセラピストを含む と 、よくかかわりがとれていたと思いますか 。 ー f i 可. よ ( き た琵う き と う L耀き で た ご 少 た と で g う ( ) ロー( b ) あなたはきょうの指導の中で 子どもたちがあそびの中(たまり場 )にいること が多かったと思いますか。 可 と ほ て も 飾っ た と 思 う か う 乳略 鵬っ た狙 う ( 多 た塊 肌 ) っ. 国. よ ( か か わ り が と耽と ! う か か わ り が と耽と 8 う しめか わ り が と繰と Z う ( 少 ) 皿-(d ) あなたはきょうの指導の中で 集 団 の 動 活 の れ を が 流 つ く る こ と で き と た 思いま 、 すか 。 t 1 1 国 よ き た塊 ( う で. と で き た 8 う. し 少 は き た と ! う で. (. ). 第1部は, 指導者自身が, 子どもとどのようにかかわったかについて, 指導者の目を通してとらえる項目 であ る‐ 1- a と1 -b は, 物 理 的場の 世 界 と遊 具 と いう物 との か かわり の 様子 につ い ての 項 目であ る. 遊. 具や場を媒介することにより, 子どもと直接かかわらなくとも間接的に子どもとの共有の世界を広げていけ ると考えるからである. エーc, 1-dは, 子どもに対する関心とその結果, 子どもの表出行動を受けとめ 応じるというやり取りの様子をとらえる項目である‐ 相手への関心を増していくことは, 人とかかわるうえ で非常に重要なことと思う. そのことは, 人に対するかかわりの自発性を促すことにつながると思われるか らであ る. 1 - eは, そういう関係性が発展していく プロセスをとらえようとする項目である. 第ロ部では, 子どもが, 自分をとりまく行動空間における物理的場や遊具, 人へのかかわりの様子を, 指導 者が どう と らえているかを明 らかに しよう と している. ロー a, ローb は, 1 の a, b と対応 して い て, 遊 具 と場の共有につ い ての項 目である. ロー c は, 遊具という物 への 関心 につ いての項 目で, ローdとn- e は,. やはり関心についての項目であるが, 対象は人であり, 他の子どもに対してと, 大人である指導者に対してと を別々に分けてとらえている. 第m部は, われわれが開発し, 検討を続けている行動空間療法による小集団の 指導場面において, 指導者が複数で構成されるときのセラ ピスト間の意識のつながりの様子や子どもを含む構 成メンバー全体の活動の流れに対するかかわりについて, 評定項目が設定されている. 皿-a, 皿-bの項目 は, チーフセラ ピス トとのかかわり を見る項目である. 行動空 間療 法の世界 で は, チー フ セラ ピス トは, 活動. の流れを方向づけ, 活動の場の軸点としての機能を求められている. その意味では, チーフセラ ピストと連接 した取りくみの展開は, 集団としての活動の高まりを規定する大きな要因となると思われる‐ 皿-cの項目は, 他のセラ ピス トとの 関係 を見る項 目である. チーフセラ ピス トとの かかわり とあわせ て 重要 であろう. 皿-d 146.

(14) . 精神発達に遅れを もつ 子 ども達の生活空間の再構成に 関する研究. の項目は, 集団全体の活動の流れとの関係を見る項目である. 以上が第m部の各項目についての説明であるが, 現在, 第m部については, 指導法と共に検討中であり, 詳細については次号の論文でふれることにする. 2‐ 行動 空 間療 法 を用 いた 「遊 び の指 導」 に おけ る 場 をチ ー フ テ ィ ー チ ャ ーの世 界 か ら捉 える. 本指導における指導対象集団は, 本学附属校小学部特殊学級に在籍する児童1 5名 (1~4年生, 男8名, 女7名)と,指導担当者6名の計21名で構成される‐指導担当者は,大学スタッフ 3名 (チ ー フ テ ィ ー チ ャ ー を含む), 附属校教官3名で構成され, 指導終了後本指導担当者に対してB-S評定スケールを施行したが, 996年6月から7月 に渡って進められた3回の指導のうち初回 (6/21) と, 3回目 (7/ 本研究では, 1 5) の 実 施結 果 に基 づ い て考 察 を進 める. さ らに, チー フ ティ ー チ ャ ー の 捉 え る 「行動 空 間」 を特徴 づ け る. ために, この指導に参加した学級の担任教師 (3人) の評定結果を対比させながら見ていくことにする. 学 級の担任教師の評定数値は中間数で示した. 以下に, B-S評定スケールのうち, 第工部と第D部の評定結 果を通してチーフティ ーチャーの世界から捉えた行動空間の持つ意味について述べてみよう. はじめに,初回の指導に対する評定結果について見てみよう‐全体的な印象としては, クラスター1の 「指 導者自身への評定」が下位項目間で肯定的と消極的の両極に分かれており,指導に際するチーフティ ーチャー の心の揺れが感じられる. すなわち, 子どもたちのそばで活動しているという 「場の共有 (1-b) 」 では, 評定作業の停止か, 判断保留を意味するとされる 「はてなボックス (?) 」 に評定している. また, 子ども 達と一緒に遊びを発展的にしていく 「相互交渉の項目 (エー e) 」 につ い て は 「少 しは で きた と思う」 の段 階 に と どま っ て いるの に対 して, 1 - dの 子 どもたち か らの働 き かけ に対 す る 受 けと め につ い て は 「よく で. きたと思う」 と評定しており対照的である. このような捉えは以下に述べる, クラスターロの子どもに対する消極的評価にも連動したと思われる. こ こでは5つの下位項目のうち,「子ども同士の遊具の共有」 「場の共有」 「他の子どもへの関心の向け具合」 の3項目に消極的評価をしており, 積極的な評価は 「遊具への関心」 と 「教師への関心」 の2項目である. 初 回の指 導 にお い て チー フ ティ ー チ ャ ー は, 自分 自身 の か かわり 行動 に 自信 が持 てず に, そ の ことが子 ど. もに対する消極的捉えとなって現れたと考えられる. そ れ で は, 3 回 目の指 導 におい て は どう であ ろ う か. 初 回と 比 べ てみ る と興 味深 い チー フ ティ ー チ ャ ー ‐. は, 自分自身の子どもへのかかわりについて安定した評定をしており, 多くの子どもたちとの場の共有につ いて 「多かったと思う」 と積極的評価をしている. 活動の拠点とした舞台上で, 遊具を介在した, 他の構成 メ ン バ ー との かかわ り を多く もち, 活 動の 流 れを つく れ たと捉 え て い る. こ れに対 して, エー c 「子 どもへ. の注意・関心」 の項目の評価が, 唯一, 消極的であった‐ このことは, 子どもたちへ注意や関心を向けるゆ とりがなかっ たと感じられたからであろう. そ れ で は, 学級 担任 の 教 師 は, 初 め て参加 した この指 導法 で, どのよう に捉え て いた であ ろう か チ ーフ .. ティ ーチャーの見ている 「行動空間」 を特徴づけるために, 評定結果を比較してみた. 初回と3回目の指導 の評定結果をみると, 自分自身に対するクラスター工の項目においては, 積極的肯定的な見方をし, クラス ターロの子どもに対しては消極的見方をする傾向にある. 3回目の指導の評定結果もほぼ同様の傾向にあり , 指導の経過の中で変化が見られていない. 以上 の結 果 か ら, チー フ ティ ー チ ャ ー の 評 定結 果 の特 徴 は, 子 どもの 動 き や 取組 に 関す るク ラ スタ ー ロの. 評価にあるように思われる. そこでは活動の場の中で, 子どもの動きを肯定的かつ積極的に捉えているチー フ ティ ー チ ャ ー の 姿 が認 め られる. この よう な チー フ ティ ー チ ャ ー の心 の 世界 が, 次の 出会 いの 中 で 生 きた. 行動空間を形成する取組にとって意味を持つ と思われる.. 147.

(15) . 後藤. 守・後 藤恵美子・ 金津. 克美・高畠. 音・ 渡辺. 奉行. V. 行動空間療法を導入した 「遊びの指導」 の今後の課題 本論文では行動空間療法を導入した 「遊びの指導」 を附属校ふじのめ学級 (特殊学級) をベースにして進 めてきた‐ この間の取組をふり返って見るとこれまでの行動空間療法での臨床実践と共通な課題が今後の研 究課題として残されていることがわかる. 行動空間療法を導入した 「遊びの指導」 の場合, 極めて自由度の 高い活動の場を子ども達は提供され, 直接の指示によって動かされることの極めて少ない行動空間の中に子 ども達はおかれている. その意味では子ども達は自ら活動を選択して自分の活動の場を作りあげることが暗 黙の前提として求められている‐ そのような状況にあって指導者は どちらかと言えば子どもにボールを投げ る ピ ッ チ ャ ー と い う よ り はキ ャ ッ チ ャ ー と して の 立 ち ふ る ま い が 大 き な 意 味 を 持 っ て い る. 上 手 な キ ャ ッ. チャー, すなわち, 子ども達の気持ちを受容することのできる刺激の受け手としての指導者のあり方が求め られていると言えよう. このことが行動空間療法を導入した 「遊びの指導」 を担当する指導者に課された第 1の研究課題である‐第2の研究課題は,写真説明からも明らかなように, この指導法の場合, チーフティ ー チ ャ ーの 存 在 と動 きが 大 き な意 味を持 っ て いる こ と に 関係 して いる. この チー フ ティ ー チ ャ ー の動 き と連動. して, 他の指導者がどの程度, 活動の流れを作りあげていくことができるかがこの指導法の成果に大きく影 響する‐ このことにかかわった組織的かつ系統的な研究が求められる. 本指導法による指導のマニュアル作 りとあわせて課題として提示されよう. この指導法に関する第3の研究課題はCo空間とRo空間の空間的 特性を生かした指導に関するものである. そのためには, たとえば, Co空間の設定の有無による構成メン バ ー の 行動 の軌 跡の 差 異, ある い はC o 空 間 と R o 空 間の違 い によ っ て, 構成メ ンバ ー の か か わり 行動, 特. に, 子どものかかわり行動の形態と内容にどのような特徴があるかと言っ た視点からの研究の蓄積が求めら れる‐ すでに, われわれはこの視点に立った研究の取り組みを続けている (金津, 1994, 金津・後藤・後 藤, 1 995). 今後, 継続的に研究資料を蓄積する中で, さらに行動空間療法を導入した 「遊びの指導」 の 指導実践の精度を高めていきたいと考える.. おわ り に. 本論文は北海道教育大学札幌校障害 早教育学科が取り組んできた「障害をもつ子どもの生活空間の再構成」 に関する研究の集大成として着手した附属札幌小中学校特殊学級 (ふじのめ学級) との共同研究 「行動空間 療法を導入した遊びの指導」 に関する取組について, 本研究に着手した背景も含めて研究の輪郭を第1報と してまとめたものである‐ 本研究に本格的に着手するまでには20年の歳月を要したが, 附属校ふじのめ学級 の最も活性水準が高いこの時期に共同研究をスタートさせることができた. 「遊びの指導」 の実践では昨年 と同様, 附属校の学年担当の教官全員に共同研究者として参加してもらい指導実践を進めることができた. 本研究プロジェクトでは, 後藤守, 三浦哲, 高畠晋, 渡辺泰行が研究の基本的構想を担当した‐ また, 「遊 びの指導」 の実践では後藤恵美子 (チーフティ ーチャー), 金津克美 (サブティ ーチャー), 斉藤正子が大 学側のスタ ッフとして参加し, 附属校側からは小学部1組および2組の学級担任である渡辺泰行, 小坂千華, 995年度の 「遊びの指導」 に加わり, 昨年度にひ 山田浩富の3名の教官が参加している‐ 木村格昭教官は1 き続き共同研究者として, 本研究をサポートしている. VTR記録および関連資料の収集は本学の大学院生 帰家大祐が担当し, 学部学生石川麻美子, 武田賢美がこれに協力している‐ 執筆は, 第1章および第2章を 後藤守と後藤恵美子が担当し, 第3章は第1期 「遊びの指導」 を金津克美, 第2期 「遊びの指導」 を後藤守 が担当した‐ また, 第4章は後藤恵美子が担当した. 本研究プロジェクトは3ヵ年を当面の研究期間として 設定し, これまで, 学生の教育実習, 実地指導講師として大学の講義への協力等を通 して培われてきた附属 148.

(16) . 精神発達に遅れをもつ子ども達の生活空間の再構成に関する研究. 校札幌小中学校ふじのめ学級教官との良好な関係をベースとして, 継続的に研究と教育実践を進める予定に あ る.. 引用・参考文献 ) 三宅和夫・若井邦夫・伊藤則博・後藤 ( 1. 守・臼井 博 (1 97 2) :乳幼児発達研究法の探求 (1), 発達研究とその方法論に関する. 考察. 北海道大学教育学部紀要, 第2 0号, 1 0 5 - 141. ( 2 ) 後藤 守 (197 4) :相互作用過程分析法の検討. (三宅和夫編著) 乳幼児発達研究法の探求 (ロ). 北海道大学教育学部紀要, 第 23 号, 42 一 59.. 3 7 { ) 三宅和夫・山崎晃資・伊藤則博・後藤 守 (19 4) :幼児・児童の教育的統合, 心身障害幼児における発達臨床心理学的考察. 北. 海道私学研究紀要,. 33, 1 - 37.. 4 ) 後藤 守 (1 97 4) ;障害児の幼児期の教育と研究に関する-試論. 北海道教育大学附属札幌小中学校特殊学級 (ふじのめ学級) 研 ( 4 7 究紀要, 第5集, 1. 161.. ( 5 ) 後藤 守 (1 97 6) :母子言語関係の成立過程に関する研究 (1), ダウン症候群の幼児と母親の言語関係の分析を中心として. 北 海道教育大学紀要 (第一部C), 第2 6巻第2号, 9- 21. { 6 ) 後藤 守・後藤恵美子・広瀬. 香・木村由理 (1 97 6) :母子言語関係の成立過程に関する研究 (ロ), ダウン症候群の幼児と母親. の言語関係に関するカテ ゴリー分析. 北海道教育大学紀要 (第一部C), 第27巻第1号, 13 - 21. ( ) 後藤 7. 守・後藤恵美子・和田隆幸・広瀬. 香 (1 97 7) :母子言語関係の成立過程に関する研究 (m), 脳性まひの幼児と母親の言. 語関係の分析を中心として. 北海道教育大学紀要 (第一部C), 第2 8巻第1号, 45 - 57 . ( 8 ) 関 道子・三宅和夫・若井邦夫・田島信元・氏家達夫・後藤 守・臼井 博・佐藤公治 (1 978) :親子関係と幼児の発達に関する 生態学的研究. 北海道大学教育学部紀要, 第32号, 21 - 104. 9 ( ) 後藤 守・後藤恵美子・土佐林敦子 (197 8) :目閉性発達障害児の事例における母子言語関係の特徴について. 北海道心理学研究, 第1号, 2 - 12. ( l o ) Miyake,K., Wakai ima,N. j toh,N. ls tudina tudy on the ,K. Ta , Hamana,T. ,l , Gotoh,M, and Usui ,H. (1978) : A 1ongi ldre la ionshipsand chi ld’sbehav i lopα t 1Repor i i n 〔 lother-chi t1977一1978 ty ofEducat oraldeve ー ent on Hokka ‐ , Annua ,Facul do Uni i ty,1-8 vers . Q I )Miyake ima,N. ls ld tudyofparernt-chi ca ,K. , Wakai ,K.Tai ,Seki ,M. ,Gotoh, 1 ,and Usui ,H.(1978) : Aneco-psychologi lat i lddeve l re ion Hokkaido Uni onshi tl977-1978 i ty ofEducat opn nent ty,9-26 vers psand chi . AnnuaIRepor .Facul .. 2 ( 1 ) 後藤 守(1 97 9):心身障害児のコミュニケーション能力の発達にかかわる諸問題. 北海道教育大学附属札幌小中学校特殊学級 (ふ じのめ学級) 研究紀要, 第10集, 1一1 2. ( 1 3 ) 後藤 守・後藤恵美子 (1 981) :心身障害幼児の保育に関する発達心理学的接近. 北海道私学教育研究紀要, 第5 5号, 1- 44. ( の 三浦 哲・佐藤 文・後藤 守 (1 1 98 2) :小集団場面における関係分析法の開発に関する研究.北海道言語障害研究会会報第1 2号,3-6 . 5 Q ) 後藤. 守・小笠原詠子・後藤恵美子・福原真理子 (1 98 3) ;行動空間分析法に関する方法論的検討. 北海道教育大学紀要 (第一部. C), 第3 4巻第1号, 73 - 87. 6 ( 1 ) 小笠原詠子 (19 8 3) :集団指導場面における関係行動の推移に関する研究, 行動空間分析法による分析結果を中心として. 北海道 心理学会研究, 第5号, 7- 22. 1 ( の 後藤 守・小笠原詠子・後藤恵美子・福原真理子(1 98 4):行動空間療法の体系化に関する研究.北海道教育大学紀要(第一部C), 第34巻第2号, 77 - 86. Q 勘 井上正明・小林利宣 (19 8 5) :日本におけるSD法による研究分野とその形容詞対尺度構成の概観. 教育心理学研究, 第33巻第 3号, 69 - 76. q 9 ) 小笠原詠子・後藤 守 (19 8 9) :行動空間療法の信頼性に関する研究, 分析単位時間の検討を中心として. 北海道教育大学旭川分. 校情緒障害教育研究紀要, 第8号, 2 1- 28. ◎ 後藤 守・小笠原詠子・後藤恵美子・福原真理子 (1 991) :発達障害児のための行動空間分析法に関する研究. 北海道大学教育学 部紀要, 第55号, 3 3. 45.. 149.

(17) . 後藤. 皿. 守・後 藤恵 美子・ 金津. 克美・高畠. 晋・渡辺. 泰行. 金津克美 (1 9 91) :子どものかかわり行動の発達的変容に関する研究. ことばの発達の遅れを主訴とする子どもの事例を通して. 北海道教育大学言語障害教育研究紀要, 第4号, 1-1 4.. 鋤. 小笠原詠子 (1 9 93) :目閉性発達障害児のための関係行動分析マニュアル, 対人・対物関係面からの発達診断の試み. 北海道教育 大学旭川分校情緒障害教育研究紀要, 第1 2号, 21 一 26.. 鎧 } 北海道教育大学教育学部附属札幌小・中学校, 特殊学級 (ふじのめ学級) 編 (1 9 93) :ふじのめの教育課程, 1- 344. 艦の Gotoh,B.( ldren・ Annua1 RePor t of 1 99 4) :“BehavioraISPace TheraPy ; an al t ve aPProachto’handi ernat 1 caPPed’ chi fEducat i i do Univers 15 the RCCCD,Facul ty o ty, No. on Hokkai . ,35-42. 節 金棒克美 (1 99 5) :障害をもつ子どもの社会的場に関する研究‐ 北海道教育大学コミュニケーション障害研究. 創刊号、 1- 42. 筋) Kanazawa,K・ f ferences in Soc iaI SPace in The P1ayroom, t ・gat ・ on of Di : An 工nves , and Gotoh,M. (1995) , Gotoh,E. Through Analys i i iat i ty of Educat t ofthe RCCCD, Facul on s by The Quot ent of’Assoc ed’ Behav or ・ . AnnuaI Rcpor Hokkaido Uni i 17 ty,No. vers ,9-21.. 例 金津克美・後藤恵美子・後藤 守 (1 9 95) :障害をもつ子どもの社会的場に関する研究 (ロ). 北海道教育大学コミュニケーショ 5 - 21. ン障害研究, 第2号, 1 認 } 金津克美 (1 99 5) :ことばの遅れをもつ幼児のかかわり行動に関する実践的研究. かかわり行動係数の分析を通して. 特殊教育学 研究. 32 (5)、 7- 13. ◎ 後藤恵美子 (1 995) :保育臨床にかかわる指導者のためのB-S評定スケールの作成の試み. 北海道教育大学コミュニケーショ ン 障害研究, 第2号, 7 - 13‐ 9 - 73. 3 0 ) 後藤恵美子 (19 9 5) :札幌市における障害児保育巡回指導. 北海道乳幼児療育研究会乳幼児療育研究, 第8号, 6 ( 鯛 9 95) :障害児保育における地域的特性に関する研究 (m). 北海道教育大学僻地教育研究、 ) 後藤恵美子・金津克美・後藤 守 (1 第49号, 7 - 16. 脱 } 後藤 守・三浦 哲・後藤恵美子・金棒克美・林 政玲 (1 995) :環太平洋北部地域の 「援助を必要とする子ども」 に対する教育 的統合, アラスカフェアバンクスの教育実践の検討を通して‐ (後藤 守編) 環太平洋へき地の諸相、 北海道教育大学僻地教育研究施 設研究報告書, 17 一 60‐ 0年. 北海道乳幼児療育研究会乳幼児療育研究, 第8号, 37 - 45. ( 3 ) 後藤 守 (1 995) :北海道の障害児保育2 3 5) :自らが選ぶ世界の中で学習を進める授業. 5集 (19 9 ( 鋤 北海道教育大学教育学部附属札幌小中学校特殊学級研究紀要第2 は め 帰家大祐・安富敬亮 (1 99 5) :遊び場面における障害を持つ子どもの関係行動に関する研究. 北海道教育大学コミュニケーショ ン 障害研究, 第2号, 1 29 - 138‐ 995) :障害をもつ子どもをとりまく保育環境に関する検討, 保育所・幼稚園の保育形態および方法に関する調査結 は 6 ) 後藤恵美子 (1 果の分析を通して. 北海道心理学研究, 第1 8号, 71 一 82‐ は 99 6):子どもの保持する内化された社会的場の解発を目的とする発達臨床心理学的研究‐ 北海道教育大学コミュニケ- の 金津克美(1 ション障害研究, 第3号, 21 一 27‐ 9 96) :障害を持つ子どものコミュニケーション能力の育成に関する-考察, コミュニケーショ ( 3 8 ) 佐伯知美・宿田倫弘・彦坂幸江 (1 2 9 - 137‐ ンにおける 「情意面の共有」 について. 北海道教育大学コミュニケーション障害研究, 第3号, 1 { 3 9 ) 後藤恵美子・後藤. 守 (1 996) :21世紀の学校教育の基底にかかわる諸問題, 幼児教育, 障害児数育そしてへき地教育の世界. を通して. (後藤 守編) 環太平洋へき地の諸相 (ロ), 北海道教育大学僻地教育研究施設研究報告書, 89 一 96.. 後藤 守 (本学教授 札幌校) 三浦 哲 (本学助教授 札幌校) 後藤恵美子・金津克美 (本学非常勤講師 札幌校) 帰家大祐 (本学大学院生 札幌・岩見沢校) 高畠 晋・渡辺奉行・小坂千華・木村裕昭・山田浩富 (本学附属札幌小中学校教諭). 150.

(18)

参照

関連したドキュメント

大学教員養成プログラム(PFFP)に関する動向として、名古屋大学では、高等教育研究センターの

教育・保育における合理的配慮

ハンブルク大学の Harunaga Isaacson 教授も,ポスドク研究員としてオックスフォード

 英語の関学の伝統を継承するのが「子どもと英 語」です。初等教育における英語教育に対応でき

経済学研究科は、経済学の高等教育機関として研究者を

年間約5万人の子ども達が訪れる埋立処分場 見学会を、温暖化問題などについて総合的に

3 学位の授与に関する事項 4 教育及び研究に関する事項 5 学部学科課程に関する事項 6 学生の入学及び卒業に関する事項 7

● 生徒のキリスト教に関する理解の向上を目的とした活動を今年度も引き続き