問い続ける子どもの育成を目指した社会科授業設計-概念探究型社会科における仮説の機能を手がかりとして-
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(2) 晋の連続性を保つことができる。社会認識. ベルAの仮説を設定すれば,説明的知識を. 形成をはかる上では,問いと知識の分類を. 獲得することが可能となる。④現行の社会. 明らかにし,説明的知識,概念的知識の獲. 科授業は,問い続けるものになっていない。. 得が求められる。これらの知識の獲得が,. ことが明らかとなった。. 社会科で「問い続けること」につながる。. 4 問い続ける子どもの育成を目指した社会 2 概念探究型社会科における「仮説」. 科授業. 社会科授業の中で,仮説を立てる仮説的. 1から3の研究成果にもとづいて,問い. 推論(アブダクション),帰納法,演緯法. 続ける子どもの育成を目指した社会科授 業モデルを提示した。仮説の設定において,. という段階を経ることによって,獲得した. 説明的知識を概念的な知識へと高めるこ. 子どもの学習の経験,とりわけ概念的知識. とができる。これを社会科授業設計に組み. や概念装置を生かせる授業設計となって. 込むによって,社会科で「問い続けること」. いる。つまり,子どもが「間い続けること」. が可能になる。. によって知識を成長させる授業モデルと. アブダクションとは,仮説を設定するた. なっており,十分な成果を上げていると判. めの思考の働きであり,「発見の方法」でも. 断できる。. ある。仮説を検証することによって,説明 的知識のコードを増殖,蓄積させることに. w 研究の成果と課題. なる。帰納的に説明的知識の共通項を抽出. 本研究の意義は,社会科で「間い続けること」. することによって,概念的知識,r概念装置」. を定義し,アブダクション,帰納法,演繹法と. になる。これらが新たな社会事象を探究す. いう段階を授業設計に組み込むことによって,. る際,演線的に機能し,仮説を設定して探. 授業モデルを提示したことである。. 究することを可能とする。すなわち,社会. 今後の課題は,①設定した仮説のレベルをさ. 科でr間い続けること」を可能にする。. らに詳細な段階に区分していくこと,②社会科 の各分野で子どもたちが間い続けることが可能. 3 「仮説」に着目した現行社会科授業分析. になる授業モデルの開発を進めること,③r間. 1,2の研究成果にもとづいて授業分析. い続ける子どもの育成を目指した社会科授業設. フレームワークを作成し,現行の社会科授. 計モデル」の有効性を,実践を通して明らかに. 業40事例を分析した。その結果,. すること,の3点が挙げられる。. ①学習問題に対して,予想と仮説が明確に 区別されていない。②仮説の設定は,学習. 主任指導教員 岩田 一彦. の方向性を立てることに有効である。③レ. 指導教員 米田 豊. 一337一.
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