近世の幼児語(二〇〇七年度卒業論文要旨集)
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(2) 近世の幼児語. 国語学研究室 四一一四 乗田 真実. 国語学研究室 四一六二 霹木 育子. 浜松方言における﹁ずら﹂﹁だら﹂﹁ら﹂の用法. 本研究は、静岡県浜松市における﹁ずら﹂﹁だら﹂﹁ら﹂ の用. はあまりされていない。故に浜松において実地調査を行い、浜. 法について扱ったものである。県内でも浜松を対象とした研究. 本研究は、近世の幼児語を対象とし、幼児語の特徴と機能を 明らかにしようとするものである。近世の小説や、戯曲、方言. で研究されてきた伊豆、沼津、焼津など静岡県内における浜松. 松における﹁ずら﹂﹁だら﹂﹁ら﹂の用法を調べた。また、今ま. 集など五十一の資料から、合わせて百六十語の幼児語を収集し、 形態・発生・用法の三観点から考察した。. 以外の地域での用法と浜松での用法を比べ違いがあるかを調べ. それぞれの観点において見られる特徴は、子どもに言葉への 親しみやすさ、言葉が指し示すものへの親しみやすさを与える. 調査結果から使用方法は静岡県内でほぼ共通であるといえ. み上げ、面接調査を行った。. た。実地調査では用意した調査項目について口頭で質問文を読. 幼児語の形態は、日本人になじみの深い語彙であるオノマト. 機能があると結論付けた。 ペと共通するものが多い。近世のオノマトペにおいて使用頻度. 老年層の中でも七十代以上のみの使用で、それも﹁だら﹂との. の高い ︹AンAン︺ ︹A−A−︺ ︹ABAB︺ は、近世の幼児語 る。﹁だら﹂﹁ら﹂は全ての層で使用されているが、﹁ずら﹂は においても多く見られる形態である。これは、その幼児語がオ. と﹁だら﹂はほぼ同じ用法であるが、疑問詞疑問文への使用と、. 併用である。ここから﹁ずらLは衰退しているといえる。﹁ずら﹂. 接続助詞や終助詞の付加ができるのは﹁ずら﹂のみである。ま. ノマトペに由来するか成人語に由来するかに関わらず現れる特 づけるためだけではなく、意味や用法を変化させるために、全. は存在しない。﹁ずら﹂と﹁だら﹂にはこのような違いがある。. た﹁だら﹂はそれのみの一文が存在するが﹁ずら﹂ のみの一文. 徴である。成人語に由来する語は、単にオノマトペの形態に近. 頭辞﹁お﹂、接尾辞﹁こ﹂等︶ が用いられることも多い。. て語形が変化している。幼児語には、親しみを付加する接辞︵接. た﹁ら﹂について他市と比べると﹁ら﹂が名詞に付加すること. のみに適応する表現には他の方言が用いられ表されている。ま. 現代ではほぼ﹁だら﹂﹁ら﹂が使用され、先に述べた﹁ずら﹂. 詞用法が見られる。物事にあえて名前をつけることで親しみを. また、幼児語は名詞であることが多い。動作語においても名 表し、物事を認知しやすくしていると考えられる。. は浜松では一般的ではない。. 58.
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