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Study on Preparation and Characterization of New Bismuth Oxides by Hydrothermal Reactions 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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氏 名 SAIDUZZAMAN MD 博士の専攻分野の名称 博士(工学) 学 位 記 番 号 医工農博甲第21号 学 位 授 与 年 月 日 令和元年9月26日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当 専 攻 名 機能材料システム工学専攻

学 位 論 文 題 目 Study on Preparation and Characterization of New Bismuth Oxides by Hydrothermal Reactions

(水熱反応による新しいビスマス酸化物の合成および特性評価に関する研究) 論 文 審 査 委 員 主査 教 授 熊 田 伸 弘 教 授 田 中 功 教 授 武 井 貴 弘 教 授 和 田 智 志 准教授 綿 打 敏 司 准教授 上 野 慎 太 郎

学位論文内容の要旨

新しい材料の開発のためには、合成のための新しいプロセスの開発も重要である。数多 くある無機化合物の合成プロセスの中で水熱反応はエネルギー消費が少なく、環境に優し い手法である。また、水熱反応では反応時間が速いだけでなく、粒子サイズおよび形態制 御、不純物混入の低減などの長所がある。水熱反応における粒子サイズおよび形態制御は 出発物質の割合、pH、反応温度および反応時間の調整によって制御が可能である。このよ うな水熱反応の特徴を生かして本研究では酸化物の通常の合成法である固相反応では合成 が困難である 5 価のビスマスを含む酸化物の合成を試みた。その結果として水熱反応によ って 2 種類の新しいパイロクロア型酸化物(Ca2Bi2O7、Sr2Bi2O7)および高結晶性のビスマス 酸バリウム(BaBi2O6)を合成することに成功し、それらについて放射光X線データによる結 晶構造の精密化、フェノール分解による光触媒活性および第一原理計算による電子密度解 析等の特性評価を行った。これらの化合物を含む多くの 5 価のビスマスを含む酸化物は出 発物質としてNaBiO3.nH2O を用いた水熱反応によって合成することができるが、この出発 物質の正確な結晶構造は明らかにされていなかった。NaBiO3.nH2O の結晶構造については 1955 年に B. Aurivillius がその粉末 X 線回折パターンから空間群 P3 (#143)で、格子定数が a = 5.605 Å, c = 7.425 Å であることを提案しているだけで、それ以降にこの化合物の結晶 構造に関する報告はなされていなかった。

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そこで、本研究では出発物質に用いる NaBiO3.nH2O の結晶構造の精密化を放射光 X 線 回折パターンを用いて行うとともに、放射光X 線回折パターンの高温 in situ 観察を行った。 その結果、NaBiO3.nH2O の結晶構造は稜共有した BiO6八面体によって形成された層状構 造を持ち、その層間ではNa イオンが水和水によって八面体的六配位されていた。この化合 物は脱水によりイルメナイト型構造に変化するが、脱水時に中間相を経ることがわかった。 また、脱水に伴い層が互いに平行移動することでイルメナイト型構造に変化すると考えら れた。この化合物の水和相および脱水相ともにフェノール分解に対する可視光応答型光触 媒活性を有することを確認した。第一原理計算による電子密度解析を行い、両相ともBi の 6s と O の 2p による s-p 混成軌道によって形成されるバンド構造によって高い光触媒活性 を持つことを明らかにした。 NaBiO3.nH2O を用いた水熱反応によって 5 価のビスマスを含む 2 種類の新しいパイロクロ ア型酸化物Ca2Bi2O7 および Sr2Bi2O7を合成し、その結晶構造および電子構造を調べた。こ れらのパイロクロア型酸化物はB サイトが 5 価のビスマスだけによって占有された初めて の例である。放射光 X 線回折パターンによって行った結晶構造の精密化により格子定数は それぞれa = 10.75021 (5) Å および a = 10.94132 (6) Å と計算された。室温で 6GPa の高圧力 で成形した試料について電気抵抗率を測定した結果、室温での電気抵抗率はそれぞれ0.1 お よび0.03Ω.m であり、1.8K までの温度依存性では半導体的挙動を示した。磁化率の温度依 存性では温度に依存しない弱い常磁性を示した。第一原理計算による電子構造解析の結果 では金属的であることが示されたが、A サイトのアルカリ土類金属と O の 2p 軌道の無視で きるほどの混成と伝導帯の弱い重なりにより半導体的挙動を示すと考えられた。また、こ れらの化合物には光触媒活性は確認できなかった。

最後にNaBiO3.nH2Oおよび Ba(OH)2.8H2Oを出発物質に用いて水熱反応による高結晶性

の BaBi2O6の水熱合成、結晶構造の精密化、光触媒活性および電子構造解析について述べ

た。Ba(OH)2.8H2O の代わりに BaCl2.8H2O を用いた場合には結晶性が低い BaBi2O6しか合

成できていなかったが、出発物質を代えることで結晶性の高い生成物が得られることを明 らかにした。高結晶性のBaBi2O6を合成できたことにより放射光X 線回折パターンを用い て正確な結晶構造パラメーターを決定することができた。この化合物は PbSb2O6型構造を 持ち、空間群はP-3m で、格子定数は a = 5.57534 (6) Å および c = 5.7381(1) Å であった。こ の化合物は出発物質である NaBiO3.nH2O と同様にフェノールの分解について可視光応答 型の光触媒活性を示すことを明らかにした。また、第一原理計算による電子構造解析の結 果より、その電子構造はNaBiO3.nH2O のそれと類似していることがわかった。 以上のように本研究では水熱反応を用いて5 価のビスマスを含む新しい化合物を合成し、 その結晶構造、電子構造および光触媒活性等の諸特性を明らかにした。また、これまでに 多くのビスマス化合物を合成することができた出発物質の結晶構造を明らかにすることが でき、その反応機構や新たな化合物創出のための重要な基礎データとなると考えられる。

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論文審査結果の要旨

本論文は、「Study on preparation and characterization of new bismuth oxides by hydrothermal reactions」(水熱反応による新しいビスマス酸化物の合成および特性評価に関する研究)と題 して5 章より構成されている。

第1章「Introduction」では、本研究の背景となる水熱反応の理論および応用、ビスマス酸 化物の結晶化学について予備考察し、章末では本研究の目的について述べている。

第2章「Crystal Structure, Thermal Behavior, and Photocatalytic Activity of NaBiO3.nH2O」では、

出発物質に用いるNaBiO3.nH2Oの結晶構造の精密化を放射光X線回折パターンを用いて行 うとともに、放射光X線回折パターンの高温in situ観察を行った。その結果、NaBiO3.nH2O の結晶構造は稜共有したBiO6八面体によって形成された層状構造を持ち、その層間ではNa イオンが水和水によって八面体的六配位されていた。この化合物は脱水によりイルメナイ ト型構造に変化するが、脱水時に中間相を経ることがわかった。また、脱水に伴い層が互 いに平行移動することでイルメナイト型構造に変化すると考えられた。この化合物の水和 相および脱水相ともにフェノール分解に対する可視光応答型光触媒活性を有することを確 認した。第一原理計算による電子密度解析を行い、両相ともBiの6sとOの2pによるs-p混成 軌道によって形成されるバンド構造によって高い光触媒活性を持つことを明らかにした。

第3章「Hydrothermal Synthesis of New Pyrochlore-Type Pentavalent Bismuthates, Ca2Bi2O7

and Sr2Bi2O7」では、NaBiO3.nH2Oを用いた水熱反応によって5価のビスマスを含む2種類の

新しいパイロクロア型酸化物Ca2Bi2O7 およびSr2Bi2O7を合成し、その結晶構造および電子構 造を調べた。これらのパイロクロア型酸化物はBサイトが5価のビスマスだけによって占有 された初めての例である。放射光X線回折パターンによって行った結晶構造の精密化により 格子定数はそれぞれa = 10.75021 (5) Åおよびa = 10.94132 (6) Åと計算された。室温で6GPa の高圧力で成形した試料について電気抵抗率を測定した結果、室温での電気抵抗率はそれ ぞれ0.1および0.03Ω.mであり、1.8Kまでの温度依存性では半導体的挙動を示した。磁化率 の温度依存性では温度に依存しない弱い常磁性を示した。第一原理計算による電子構造解 析の結果では金属的であることが示されたが、Aサイトのアルカリ土類金属とOの2p軌道の 無視できるほどの混成と伝導帯の弱い重なりにより半導体的挙動を示すと考えられた。ま た、これらの化合物には光触媒活性は認められなかった。

第4章「Hydrothermal Synthesis, Crystal Structure, and Visible-Region Photocatalytic Activity of BaBi2O6」では、NaBiO3.nH2OおよびBa(OH)2.8H2Oを出発物質に用いて水熱反応による高

結晶性のBaBi2O6の水熱合成、結晶構造の精密化、光触媒活性および電子構造解析について

述べた。Ba(OH)2.8H2Oの代わりにBaCl2.8H2Oを用いた場合には結晶性が低いBaBi2O6しか

合成できていなかったが、出発物質を代えることで結晶性の高い生成物が得られることを 明らかにした。高結晶性のBaBi2O6を合成できたことにより放射光X線回折パターンを用い

て正確な結晶構造パラメーターを決定することができた。この化合物はPbSb2O6型構造を持

ち、空間群はP-3mで、格子定数はa = 5.57534 (6) Åおよびc = 5.7381(1) Åであった。この化 合物は出発物質であるNaBiO3.nH2Oと同様にフェノールの分解について可視光応答型の光

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触媒活性を示すことを明らかにした。また、第一原理計算による電子構造解析の結果より、 その電子構造はNaBiO3.nH2Oのそれと類似していることを示した。

第5章「Summary and Prospects」では、水熱反応を用いた新たな特性を持つ新しいビスマ ス酸化物の探索に関する考察を述べている。

以上、本論文は水熱反応の出発物質に用いられるNaBiO3.nH2O およびそれを用いて合成

された新しいビスマス酸化物の結晶構造および諸特性を明らかにした。本論文の内容は、 Inorg. Chem.に 2 編および Chem.Select に 1 編発表されており、さらに新たな研究成果に

ついて 2 編を投稿中である。よって、本論文は博士(工学)の学位論文として、十分に価

参照

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