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離婚母子世帯の生活問題

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離婚母子世帯の生活 問題

Labor and Life Problem in Fatherless Family formed by Divorce

1

. 問題の設定 本稿の課 題は、上 田市において実施 した 「母子 (父子)世 帯生活実態調査」 の結果 を報告 し(.1)そ こでの離婚母子世帯 の家族危校へ の対応 と現在 の 家族生活 問題 の実態 を明 らかにす ることにあ る。 ここでは、 さしあた り、家族集団ない し家族 員 の生活を維持す るために必要 な機能 に障害 が生 じ てい る場 合、 これを家族生活問題 と規定 しよ う。 この家族機能 に もいろいろな区分 が考 え られ る・が、 考察 では経済的機能、家事サー ビス較能,保護 ・ 養育的機能 とい う3つを と りあげ る。従 って、家 族生活問題 とは、家族集団ない し家族 員の生活 の 維持 ・存続 に必要な これ らの諸機能が円滑 に遂行 され ない状態を さす ことにな るだろ う。 周知 の よ うに、離婚、遺棄、家 出な どに よる生 別,病気、交通事故 などに よる死別 を原因 とす る 家族解体 に よって生 じた世帯を、従来、 「欠損家 族」 (brokenramily) と称 して きた。その語感か らも推察 され るよ うに、 この 「欠損」 とい う概念 には、単親 とい うことだけで 「正常家族」(nor malramiユy)にたい して 「異常」であ り、 「母親 の疾病や売春や家 出、そ して子 どもの非行、学業 不 振な ど、深刻 な社会病理現 象を発生せ しめ る

2

.

'

とみ る見方がひそんでいた。そ して,往 々に して こ うした偏見や ステ ィグマが母 (父)子をい っそ うの苦境 にたたせ ることに もな りかね なか った。 こ うした、いわば 「予言 の自己成就」的結果 を も た らしかね ない ものにたいす る批判をふ まえてだ され て きた のが単親世帯(oneparentfamily)と い う概念 なのであ る(.3)こ うした理解 はすでに定着 した とい って よいが、 ここで重要な ことは、実は、 こ うした概念 の展開 自体が、単親世帯 の家族生活

Mitsuru Takahashi

問題の実態 を とらえる場 合 に も、形態 に よって 「 問 題家族」(problem family)とみ るのでほな く、 家 族生活 の琉能障害をつぶ さに考察す る必要を示 唆 してい る, といえ よ う。 ところで、 こ うした点は、生活問題 の内容につ いて も指摘 で きる。つ ま り、単親世帯の問題 とし て、母子世帯 の場合には経済的問題、父子世帯 の 場 合 には家事 ・育児機能 の障害 が と くに指摘 され て きた のだが、 しか し、実態はそ うだ として も、 こ うした最初 の重点のお きかた 自体 が、性別分業 意識 を前提 に した見方であ ることはい うまで もな い であろ う。 母子世帯にか ぎって も、家族生活問 題 の内容や程度、 これ に対応す る際 の資源 。対応 の あ り方 も、当然、そ の単親世帯がいか に形成 さ れ たか に応 じて異な る点に、我 々は十 分留意 して 考 察 をすすめなけれ ばな らないのであ る。本稿 で 離婚母子世帯に焦点をお き、 これ と生 別母子世帯 お よび父子世帯 とを比較 しつつ、 さらに労 働 と生 活 問題を トータルにつかみ、その特徴 を別 出 しよ うとす る意味 もここにあ る。 考察では、 まず第1に,離婚 に ともな う家族解 体 を前危機段階としてみる。なぜなら、 この危校-の対応過程 と適応水準が後 の家族危機 の内容 とそ の困難 の程 度 とを規定す ることに もなろ うか らで あ る。 まず、離婚 とい う家族危機- の対 応 を規定 す る資源 の内容を、①個 人的資源- 資格、地位、 年 齢な ど。(む 家族的資源- 家族関係 、親族関 係 な ど.(封コ ミュニテ ィ-的資源 - 近 隣関係、 社会福祉施策の利用な ど、 3つ の点か らみ るとと もに、次 に、離婚-の対応過程 を簡単 にみ る。第 2に、離婚後 の母子世帯化に よ り生みだ され る基 本 的問題 として、①就業 の問題、② 家事 ・育児サ ー ビス遂行 の問題、③子 どもの養育問題 、垣)住宅

(2)

問題 として と りあげ、 これ らをそれぞれ 労働問題 と生活問題 としてで きるだけ関連 させなが ら考察 しよ う(C4)最後に、簡単 に全体 を ま とめ ようC

2

. 離婚への対応 と資源

単規世帯の形成 と離婚 ここでは母子世帯、 と くに離婚母子世帯 の生活 問題 の現状を考察す るが、先 に も述べた よ うに、 従来、単親家族 の生活問題 として、母子世帯の経 済的問題 あるいは父子世帯 の家事 ・育児機能の遂 行上 の困難な どが指摘 され て きた。だが、 こ うし た問題を考察す るにあた っては、単親世帯 の形成 過程 の違 いに もとづ く内容的な、 また、程度上 の 相違 に注 目してみ る必要があろ う。そ うした点か らい うと、離婚世帯を と りあげ る意味 もここにあ るのだが、近年 におけ る生別単親世 帯の増大、 と りわけ離婚単親世帯の増大 が顕著で ある。 そ こで、 まず、単親世帯にな った理由を表1の 生死別構成 に よ りみ ることに しよ う。表1にみ る よ うに、全体 では死別世帯28.9%,生別世帯68.1 %、不 明0.7%とい う構成 を示す。 ここか ら生別 世帯が全体 のほぼ7割を占 るとい う特徴 を指摘す るこ とがで き よう。 しか も、 この うち離婚母子世 帯 の割合は著 しく高 い比率を占め る。全 国的に も 死亡率の減少 と離婚率の上昇 とが相即 して生別世 帯の比率を押 しあげてい るが,上 田市 の場合に も 離婚世帯の比率の高 さが際立 ってい る。角度を変 えて単年度の発生件数をみ ると一層 これが際立つ。 昭和60年 の1年間に発生 した単親世 帯 の うち、死 別26.9%、生別73.6%とな り、後者 の うちの80.8 %が離婚を理 由 とす るものであ った。従 って、単 親世帯化 とい う危機- の対応 を考察す る場合、な か で も離婚を理 由 とす る世帯 の分析 が重要であ る 蓑 1 単親世帯 にな った理由 実 数 u) 構 成 比 伊 母 子 父 子 不 明 計 母 子 父 子 不 明

死別 交通事故死病 死 17032 221 27 19935 24.04.5 29.61.4 25.97.4 24.4.36 坐 別 離 婚 419 40 16 475 59.4 54.0 59.3 58.9 別居 .家 出 33 7 1 41 4.7 9.5 3.7 5.1 障 害 22 0 0 22 3.1 0.0 0

.

0 2.7 未 婚 の 母 12 0 0 12 1.7 0

.

0 0.0 1.5 生 死 不 明 5

0

1 6 0

.

7 0

.

0 3.7. 0

.

7 そ の 他 6 3 0 9 0.8 4.1 0.0 1.1 N A 8 1 0 9 1.1 1.4 0ー0 1.1 計 707 74 27 808 100.0 100.0 100.0 100.0 表2 単規化までの結婚継杭年数 3年未満 3- 9年 10-14年 15-19年 20年以上 N A 計 母 離 実 数 47 176 100 54 21 20 418 千 世 帯 死婚 構実 成数 ll.29 42.265 23.958 12.429 5.026 4,82 100.0202 別 構 成 . 4.5 32,1 28,7 20.8 12.9 1.0 100.0 父子世 帯 実 数 6 22 26 13 2 7 74 ー

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64-ことをあ らためて確認 で きたであろ う。 次 に、対 象世 帯の基本的属性を発生年度 の特徴 にみ ると、年 度的に母子世帯 の死別世帯におけ る 45- 49年 の比率が17.3%で7.5ポイ ン トはか り と高い。 これ にたい して離別世帯では55- 59年 が45.9%, 60年以降 の比 率が17.0%でそれぞれ 4.8ポイ ン トと4.1ポイ ン ト高 く、後老 の方が比 較的新 しい形成 に よるものであ ることが察知 で き よ う。 だか ら、結婚年数 について も死別世帯 と生別世 帯 とでは著 しい相違 がみ られ る。す なわ ち、表2 にみ るよ うに、死別世帯では10年以上 の年数が60 %を越 えてい るが、離婚世帯は40%に とどまって い るし、 また、 5年末蒲の世 帯が30%を離婚世帯 では示 してい ることに も明 らかであろ う。 こ うし た結婚継続年数 の相違 は、単親世帯化以前 の家族 の凝集性 の相違 とともに、現在 の家族組綴化の程 度、 したが って危機 にたいす る様 々な家族的資源 に も反映す ることはい うまで もなか ろ う。 資源 と対応過程 これか ら中心 に と りあげ る離婚母子世帯の場合 には、単親世帯化す る前になん らかの理由に よ り 夫婦間に葛藤や紛争が生 じていた と考 え られ る。 従 って、家族の もってい る株能水輩や統合性 ・凝 集性の水準 は通常 の家族 よ りも低い ことが予想 さ れ よう。 しか し、 こ うした離婚以前 の家族生活 の 内実的面を報告す る用意がないので、 ここでは形 態的な面か ら単親世帯化 した時点 を中心 に家族の 資源 を と りあげ よう(.5) 個 人的資源 :と りわけ就労については個 人的資 源が重 要な意味を もつ。 これを年齢、資格、就 労 状況 とい う点か ら考察 しよ う。 単親世帯 になった ときの年齢 の特徴は どの よ う な ものであろ うか。結婚年数や年次か らもただ ち に推察 され るよ うに、年齢的には30歳未満 が25.4 %、 30-34歳 が32.8%、35-39歳が23.0%、40歳 代 が15.3%とい う数値 にな ってい る. これ を死別 世 帯 と比較す ると、20代、30代 で10ポイ ン トづつ 高い数値 とな ってお り、つ ま り、比較的年齢 が苦 い とい う特徴 を もつ ことがわ かろ う。 この ことは 労働市場 との関連でいえば、年齢的 には就 労を容 易 にす ることになろ うが、ただ、子 どもの養育 と い う問題を惹起 させ るよ うな年齢 で もあ ることに 十 分注意 してお く必要があろ う。つ ま り、女子 の 年齢 別労働力率の推移 に よれ ば、 ツー ・サ イ クル 塑就 労の谷間にあ り、子育ての時期 として労 働力 率の急減す る時期にあた るわけであ る。 家 族危機- の対応 の個人的資源 の うち、就 労 と かかわ るのは資格の有無であ る. なん らか の資格 を石す るものは全体 の65.3%であ るが、この うち の主 要 な ものは 「自動車の運転免許」 と 「簿記 ・ 珠算」 であ る。 しか し、 これ らの資格 が直接彼女 た ちの就労 の条件 とな っている とはいえない。現 在 の職業が資格 と相関 してい るものは、有資格者 の65%を占め る 「看護婦 ・保健婦」や53.8%の 「 理 ・美容師」 な どの専門 ・技術的な職業 に限 られ てい る。 したが って、 あま り大 きな意味 はな く、 今後 におけ る資格取得について も希望す る ものは 表3 世帯類型別の就業状況 (単 位 :%) ■常 勤 臨時′し ト 自 営 内 職 その他 就業せず N A 計 単 演 未小 一 中 学 生就 学 児 19.18.8 123.48.2 5.12.3 4.52.3 4.2.53 42.63.66 12.,13 100.0100.0 高 校 .就 労 子 20.7 23.0 8.0 2.3 6.9 36.8 2.3 100.0 単祖 未 就 学 児 25.0 8.3 0

.

0 8.3 0

.

0 58.4 0

.

0 100.0 親竺 小 . 中 学 生 28.3 13.0 6.5 0

.

0 8.7 43.5 0

.

0 100.0 と母 高 校 .就 労 子 33.3 26.7 0.0 0

.

0 0

.

0 40.0 0.0 100.0 そ の 他 20.7 20.7 0

.

0 3.4 3.4 51.8 0.0 100.0 N A 0.0 22,2 0.0 0.0 0.0 77.8 0.0 100.0 計 19.5 21.1 4.8 3.1 4.8 45.5 1.2 100.0

(4)

22.8%と極 めて少ないO では、単親世帯になった ときの母親の就労状況 は どのようであ ったろ うか.全体では45.5%と、 約半数の ものが就労 していなか った。就労 してい た ものの就労形態 としてほ常勤36.0%、臨時 ・パ ー トが38.6%、 ついで 自営が8.8%、内職は5.7 %に とどまってい る。 やや先は しった分析にな るが, ここで特徴的な 点は家族形態の相違に よって就労状況に違 いがみ られ ることであろ う。表3にみ られ るよ うに、 「 単親 と子 ども」の形態では、未就学児を含む世帯 の非就業率が63.6%と著 しく高 く、小 ・中学生世 帯、高校 ・就労子世帯にな るにしたが ってこの比 率は42.6%か ら36.8%- と低下す る。 これ とは逆 に常勤率が高 まってい る様子が察知で きよう。た い して、 「祖父母 と単親」をふ くむ形態では臨時 ・パー トの比率が高 ま り、結果 として非就業率が 減少 してい る。つ ま り、子育ての時期 の非就業化 と祖父母 とい う機能代替 の可能性の有無が就労 と 密接 に関連す るものであることを示 している、 と いえよう。 家族的資源 :離婚に ともな う家族危機に対応す るための資源 として、第2に、家 族的資源がある。 マ クパ ガンによれば、 こ うした資源 として家族 のもつ統合性、凝集性、組織性や柔軟性な どが指 摘 されてい るが、離婚世帯の場合 には家族形態に み る機能代替 の可能性や親族的資源が重要な もの となろ う。 とりわけ親族的資源は死別世帯の場合 とは著 しく異なる特徴を示す ことであろ う。 世帯類型は、いろいろな基準か ら考 え ることが 可能である。 ここでは 「単親 と子 ども」を2世代 世帯、 「祖父あるいは祖母 と単親 と子 ども」 の世 帯を3世代世帯、 「その他の世帯」の3類型を設 定 し、 さらに、末子の就学年齢階層を組みあわせ て類型を次の表4の ように設定 してい る。 まず、 この分類に もとづいて単 親世帯にな った ときの世帯類型をみると、離婚世帯において とく に2世代世帯の比率が67.0%と高い。死別世帯で は61.9%、父子世帯では55.4%とな ってい る。 し た がって離婚世帯で より代替補充 の条件 に欠けて い るといえ よ う。結婚継続年数か らも推察 され る よ うに、子 どもの就学年齢階層をあわせてみて も、 表4 単親世帯の世帯類型の変化 (単位 :%) 単 親 に な った 時 点 現 在 の世 帯 類 型 離 婚 母子 死 別 母 子 父子 世 帯 離 婚 母子 死 別 母 子 父 子 世 帯 単 演 未小 . 中 学 生就 学 児 4123.4.5 29.228.2 29.624.3 42.110.5 30.75.0 25.71.4 高 校 .就 労 子 2,2 4.5 1.4 20.8 35.6 18.9 単祖 未 就 学 児 6.2 8.4 25.7 2.9 5.9 2.7 親父 小 . 中 学 生 5.0 13.4 9.5 ll.0 9.4 35.1 と母 高 校 .就 労 子 ll.7 8.9 0

.

0 3.6 4.5 6.4 そ の 他 7.4 6.4 6.8 6_9 6.4 8.1 N A 2.6 0_5 2.7 2.2 2.5 2.7 合 計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 表5 因 っ た と き の 相 談 相 手 親 姉 妹 親せき 親せき兄 弟 自分の 夫 の 友 人 公 的 民 生 いない 必 要 N A 計 知 人 機 関 委 員 な い 母 離 実 数 261 246 44 5 206 41 58 24 6 8 899 千 世1日 婚死 実構 成数 62.974 58.9144 10.5_34 1.251 49.389 9.812 13.918 5.74 1.43 1.94 (456418) ffT 別 構 成 48.0 71.3 16.8 25.2 44.1 5.9 8.9 2.0 1.5 2.0 α02) 父 子 実 数 33 .36 12 4 27 1 15 4 5 6 143 ー 66

(5)

-未就学児を 含む世帯が離婚世帯では41.4%を占め、 形態 の面か らみ るとき困難 の程 度が高い ことが推 察 され よ う。 その後、離婚 に ともな う家族形態 の変化 につい て もみてお くと、それぞれ の単親世帯形態 とも、 年齢 の経過 とともに ステージを進行 させてい るの であるが、そ こにみ られ る特徴は、父子世帯 では 祖父母 との同居 に よって直系家族化 して対応 して い るが,母子世帯 の両形態 では2世代世帯 の比率 が増大 してい ることか らもわ か るように、祖父母 と別世帯をな してい ることが察知 で きよ う。末子 に注 目してみ ると、そ の後 の経過 とともに未就学 児童 を抱 え る世帯 が減少 して、小学 ・中学生徒 を 含む世 帯が中心 とな り、離婚世帯では2世代世帯 が42.1%、 3世代世 帯が11.0%を占め ることにな る。 さらに親族的資源 の現状 をみ るために蓑 5の 「 困 った ときの相談相手」 にみ ると、母子世帯 では 離婚世帯に して も死別世帯に して も栗や兄弟姉妹 の比率が際立 って高い。 また、死別世帯では 「夫 の親戚」や 「自分 の親戚」 が25.2%と16.8%で重 要 な支 え とな ってい る。 これ にたい して離解世帯 では親- の強 い依存 と、 「友 人 ・知 人」 お よび 「 公的機関

「民生委 員」 の比率がやや高い、 とい え よ う。す なわ ち、単親世帯化の理 由の相違 に よ って、家族 システム的資源 の位置づけが異 な るこ とを指摘で きよ う。 こ うした傾 向は、資源 その ものを表現 した もの ではないが、表6、 この1年間 の親族 との関係に も示 されてい る。 とくに、その形成理由か らして も当然の ことともいえ よ うが、離婚世帯 では 「夫 の親戚」 との関係が希薄 とな り、全体的 に離別世 帯 の方が親 族関係はやや 薄 く、親 に集中す るよ う であ る。 コ ミュニテ ィー的資源 :この資源 の内容 として ほ、家族以外 の人 々あ るいは集 団的な関係、次に み る福祉施策の利用な どの制度的 な支援 な どがあ げ られ る。 この点 も地域におけ る単親世 帯 の生活 を維持す る うえで重要 な側面 であ ることはい うま で もない。 単親世帯にな った際 の居住地についてみ ると、 父子世 帯では93.2%のものが上 田市を居住 地 に し てい るのが際立 ってい る。 これ にたい し母子世帯 の うち、死別に よるものは82.7%でやは り比率が 著 しく高いが、離婚母子世帯は70%をやや欠け る 数値 とな ってい るO これ にたい し県外が13.6%、 県 内が7.4%とな り、婚 出先で単親世帯 とな り、 や がて実家 のあ る上 田に戻 った ものが多 い と推察 表6 単 親 世 帯 の 親 族 関 係 自分 の親 兄弟姉妹 自分の親戚 夫臼の親戚 なか った N A 計 母 千 世二田● 推 実 数 272 320 160 20 16 18 806 宿 構 成 65.1 76_6 38.3 4.8 3.8 4.3 (418) 死 実 数 119 170 91 108 4 6 498 田 刺 構 成 58_9 84.2 45.0 53.5 2.0 3.0 (202) 父子世帯 実 数 28 50 34 14 5 4 135 表7 母子世帯にな り困 ったこと 経済的 困 難 就職先 住 宅 l子 どもの世話 相相 手談 なか った その他 N A 計 母 千 世廿 節 実 数 327 113 153 107 67 37 13 3 820 婚 構 成 78.2 27.0 36_6 25-6 16_0 8.9 3.1 0

.

7 (418) 死 実 数 105 54 22 47 65 35 15 4 347

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され る。 I この点か ら、各琴 由別の居住歴か らも推察 され るように,近隣関係 におけ る普段 のつ きあいに若 干の相違がみ られ る。すなわち、離婚世帯では 「 あい さつ程匿」が33.3%で死別世帯 よりも9ポイ ン トばか り高 く、逆 に、 「相互訪問」では17.5% で12,2ポイソ ト少ない。多いのは 「立 ち話 し程度」 の45.0%である。死別世帯の方が離婚世帯 よ りも より親密な交際を しているといえ よう。 「つ きあ いな し」が離婚世帯で2.9%あることも象徴的で あろ う。 集団参加については どうであろ うか。 「参加な し」 とい う世帯か らまずみると、離婚世帯は41.9 %にたい して死別世帯 は32.7%とい う数値をみせ る。 したが って、離婚世帯の参加が低い ことがま ず指摘できよ うO と くに 「町内 ・婦人会」 28.7%、 「趣味 の会」 9.8%で、それぞれ死別世帯にたい して13.4ポイントと11ポイン トほ ど参加率が低い. このなかで唯一高いのは 「宗教団体」の10.0%に とどまる。 離婚への対応 :では、離婚- の対応をいかには か ったのか。 これをみ る前に、表7に より、単親 世帯にな った ときの生活障害 の内容を全体的に鳥 取 しておいた方が よいであろ う。死別世帯にたい す る特徴をみ ると、 「なか った」 の比率にみ るよ うに、離婚世帯の方が 「困 る」 と認識す るものの 比率が高い といえ よう。その内容のなかで も経済 的困難の比率が全体 の80%と際立 ってい る。 また、 住宅の比率 も著 しか った ことが窺われ よう。 ここ で現在の状況 について も確認 してお くと、依然 と して 「暮 しむ き」 とい う経済的側面 の困難,そ し て 「住居 のこと」 とい うものの比率が高い。 こ うした経済的困難や住宅問題にたい して離婚 母子世帯は どの ように対処 したであろ うかO表8 ほ、単親世帯にな った ときの対応 を示 してい る。 これに よると、 「仕事を続けた」 あるいは 「働き にでた」 ものの比率が離婚 ・死別世帯の区別な く 比率が高 く、共通 した対応であった ことがわか る。 その労働をめ く・る問題については後 に考察 しようC ただ、離婚世帯の対応で特徴的な ことは、 「慰 謝 ・養育料」 の比率の高 さはい うまで もないのだ が、 「親 の援助」 とい うものが44.7%と突出 して 表8 母子世帯になった ときの対応 仕 働き 夫 千 預 慰謝 夫 険保 借 演 演戚 公的 そ N 計 事を ∼こ 仕の か働 金引 料 の過 金 金 援の に 撹 の A 読 汁 た た出 事つどい たに出き 出きし 義育費 職金 煤償金 助 たたよっ 関の援助 他 離 実 数 176 160 1 7 79 42 3 3 44 187 37 47 5 1 792 婚 構 成 42.1 38.3 0.2 1.7 18.9 10_0 0.7 0.7 10.5 44.7 8.9 ll.2 1.2 0.2 (418) 死 実 数 74 66 16 5 65 4 39 67 ll 29 7 21 4 1 409 別 構 成 36.6 32.7 7.9 2.5 32.2 2.0 19.3 33.2 5.4 14.4 3.5 10.4 2.0 0_5 (202) 表9 母 子 世 帯 の 年 金 受 給 児

l

日 衣 老 過 厚 各 労 母 坐 その他 何 NA 計 コヽ二 逮 節 族 坐 く 千 活 ち jlt 辛

災 年 年 年 共

医 保 受 当 手義当 害追児 金 金 軍金保貝険● 組防J。三ゝ

療費袷付 護 いてなし、汁 離 実 数 37 357

0

25 2 1 1 2 109 16 3 40 13 606 婚 構 成 8 9 85.4

0

.

0

6.0 0.5 0.2 0.2 0.5 26.1 3.8 0.7 9.6 3.1 (418) 死 実 数 13 24 9 13 143 68 12 lO 49 1 4 7 10 363 - 68

(7)

-い ることであろ う。 ここか らも先にみた ような 「 親 戚」 を 含めた親族関係 の重要 さが指摘 で きるで あろ う。たい して死別世帯 の場合 には、 「預金 の 引 きだ し」 ほか、その形成理 由か らも察知 され る よ うに 「夫 の仕事

「退職金

「保険金 ・補償金」 の比率が比較的高い。 最後 に、福祉施策 の利用状況 であるが、表9か ら一見 してわか るように、離婚世帯の方が年金 の 受給種 目が少ない。先 にみた ライ フステージ上 の 問題で 「児童扶養手 当」が圧 倒的 に多 く、ついで 「母子 医療費給付」、 「児童手 当」 とい う脂 にな ってい る。 これ にたい し死別世 帯は 「遺族年金」 「厚生年金」 な どが中心 であ る。離婚世 帯の場合 の生活 保護率の相対的な高 さは、次 に詳 し くみ る この家族 の生活困難 を象徴 してい るとい って よい であろ う。

3

.

単 親 世 帯 の 労 働 ・生 活 問 題 単親世帯の労働問題 先にみた よ うに、単親世帯 にな った際 の生活障 害 のなか で も経済的困難 は80%と際立 って高い も のが あ った。 そのための対応 として各単親世 帯で は 「仕事 をつづけた」 り、 あ らためて 「働 きに

るとい う対応 をみせた のはみた とお りであ るo離 婚 とそれ に もとづ く単親世帯化に よ り、次 には就 労をは じめ ることに よ り様 々な生活問題が惹起 さ れ ることが予想 され るが、 ここでは離婚後 の女性 の労 働、そ こにおけ る諸条件に焦点 をあて問題を 明 らかに しよ う。 まず、離婚単親世帯の母親 の職業につ いて全体 的な特徴を概 観 しよ う。表10に よると、離婚世帯 では技能 ・生産工が27.3%で一番多 く、ついで事 務職17,5%、サ ービス業13.2%.販売業12.2%の 比率が高い。 男女に よる性差 が存在す ることはい うまで もなかろ うが、母子世帯 におけ る離婚世帯 と死 別世帯 とを比較 してみ ると、販売業従事やサ ー ビス業従事 の構成 がやや厚い といえ よ う。 また、 数 は少 ないが専門 ・技術職が4.3%で2ポイ ン ト ほ ど高 い ことも指摘 で きよ う。 この就業状況 を よ り詳 し くみ るために、その 「 給与形態」 をみ ると、月給 が28.6%、 日給 ・月給 が24.8%,時間給 も24.3%を占めてい る. これ と な らんで出来高払 いが7.7%と比較的高い数値を 示 してい ることも特徴的で あろ う。上 田市全体 の 動 向 と比較 して もその不安定就業 の実態 を窺あせ 表10 単 親 世 帯 の 職 業 専門 技術 管理的 事務 販売 漁業農 林 運輸 技能生産 保安敬 サー-ス業ど 分析不能 無職 NA 計 母 匪 実数 18 1 73 51 2 1 114

0

55 35 32 36 418 千 世 婚 構成実数 4.34 0.2 13 731.5 12.142 0.56 0,2 271 .358 0.0 13.20 20 8ー424 725.6 8.6 116 00.0202 帯 別 構成 2.0 1.5 15.3 6.9 3.0 0.5 28.7 0.0 9.9 ll,9 12,4 7.9 100.0 父 子 実数 2 4 3 9 2 8 18 1 6 7 2 12 74 表11 本人 の就労収 入 (1986年6月) 4万 未 満 74′万- 17′0万- 110′3万- 113′6万-- 116′9万- 2129′万- 2312′万- 31′以上- N A 計 母 樵 実 数 14 35 90 102 34 13 ll 8 6 78 391 千 世一十1書. 嬉死 実構 成数 3.69 9.010 23_041 2635_2 8,718 3.310 2_78 2.30 1.53 19.9 140 00.0176 ′而「 別 構 成 5.1 5.7 23.3 19.9 10.2 5.7 4.0 1.7 1.7 22.7 100.0 父 子 実 数 0 2 1 3 9 5 16 7 10 17 70

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るもの とな ってい る。 次に、 この結果 としてえ られ る本 人の収入につ いて表 11をみてみ よ う。み るよ うに、父子世帯 と 比較す ると著 しく収入 の少 ない ことが歴然 として い る。 母子世 帯のなか の離婚世 帯では約50%が7 - 13万 円の範 囲にあ り,かな り低い収入額 であ る ことを示 してい る。 と くに、共 働 き世帯 の一般化 傾 向に よって、母親一 人の所得 に依存す る場合 の 相対的貧困は一層深 ま らざるを えないoわが国の 男女賃金格差、単純技術や販売サー ビスとい った 職業 の低賃金、後 にみ る住居費 の支 出額 では逆 に 高い出費が強い られ てい ることか らみれ ば、経済 的困難 は父子世 帯や死別母子世帯に も増 して厳 し い もの といえ よ う。 この収入 の額 に比 して、労 働時間はか な り長い もの とな ってい る。 も っとも多いのは9時間ほ ど であるが、これが42・5%、それ以上 の労働時間で は13.6%、それ以下は35.1%とい う構成 にな る。 この労 働時間については家族形態に よる特徴的 な 相違 はみ られない。 では最後 に、現在 の仕事 にた い して どの よ うな 不満を感 じてい るかを考察 しよ う。 も っとも不満 が強いのほ 「賃金 。収入が少ない」 とい うことで あ る。 これが44.5%であ るか ら、それだけ経済的 な困難 を切実 な もの と受け とめてい るともいえ よ う。ついで、不安定就業 の現状を反映 した意識 と 思われ る 「先行 き不安」 の34.0%。さらに、家庭 での生活問題 とかかわ るところでは 「休暇が とれ ない」 の14.4%、 「労 働時間が長い」 の7.2%と い う勤務時間 の問題が指摘 されてい ることに も注 目してお こ う。 単親世帯の生活問題 従来 よ り単親世帯の生活上 の問題が種 々指摘 さ れてい る。世 帯の形態的な面だけ を と って病理家 族 とす ることはで きないわけだが、時間的に も空 間的 に も離れ た職場 で労 働生 活 を送 り、 かつ ま た家事 ・育児労働を も担わね ばな らないのであ る か ら、母親 の就業 とともに、ただ ちに子 どもの保 育、保護、教育問題、 さらには情緒的な問題で、 両親 のそろ う家族に比 して不利 な前提条件 を もっ ことは否めない。 - 70

-こ うした困難 のなか で も、母子世 帯 の場合の子 どもの保護 ・養育問題や父子世 帯 の場合 の家事 の 問題ほっ とに指摘を受けて きた ところであ る。以 下 では、母子世 帯の形成理 由別 の相違 に注 目しな が ら家族の家事労働 とい う再生産労 働をめ く・って、 それ がだれ に よ り遂行 されて い るのか。 また、い か なる内容が どの程 度 の困難 と して認識 されてい るのか を考察 しよ う。 表 12 家事 ・炊事の担 当者 (単位 :%) 離婚母子世帯 父 子 世 帯 日 洗 朝 夕 日 洗 戟 夕 用 渇揺 食 食 用 描港 食 食 「コ 口口 の の 口口⊂1 の の の し たし の たし たし 負 た 月 物 除 く く 物 除 く く 太 人 80.1 71.0 81_2 71.6 50.8 33.8 37.8 32.8 本人と子ども 4_3 9.1 5.6 7.6 10.2 10.2 10.3 8.6 4.6 8.8 0.9 3.8 1.7 3.4 0.0 3.4 同居親族 7.5 6.7 8.5 9.4 27.1 37.3 36.2 37.9 子 ど も 1.2 2.9 1.5 3.2 6.8 ll.9 10.3 12.1 そ の 他 2.3 1.5 2.3 4.4 3.4 3.4 3.4 5.2 計 1

∝l

.0100.0100.0100.0100.0100.0100.01

0

0

.

0

家事機能 の遂行 と困難 :まず、家事 ・炊事楼能 の担 当者か らみ ると、表12の よ うに、離婚世帯 と 死別世帯 ともに約80%ほどが母親本 人に よ り遂行 されてお り、 あ とは本人を中心 に して子 どもと同 居親族が これ を補助す る形 で遂行 され てい ること がわか る。 この家事機能の分担 につ いて は、単親世 帯にな る以前 の役割分担や これを規定す る性別分業意識 ともかかわ り、母子世帯内部 の区分 よ りも父子世 帯 との対比 で特徴的な相違 が浮びあが って くる。 す なわ ち父子世帯では、 「日用品の買物」 につい ては5割 の世帯で父親が担 当 してい るものの、 あ との 「洗濯 ・炊事」 な どについては3割 ほ どにそ の数値 が とどま ってい る。父子世帯 の家族形態は 直系の形態 の比率が高 く、 ここか らも類推 され る よ うに、 これ を同居親族が補助す る とい う役割分 業を とっているのである。各仕事 について3割が 同居親 族に よ って遂 行 され てい るし、 また、子 ど もの手伝い とい うの も母子世帯に比 してやや高い

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比率を示 してい る。 表13 家事 ・育児の困る程度 (単位 :%) 離婚母子世帯 父 子 世 帯 日 夕 未 小 日 夕 栄 小 用 食 読 学 用 食 就 学 ー1. 口口 の 学l‖ 低学 日仁1口 の 学lH 低学 の し ノしの 年 の し ノしの 年 月. た 世 世の F月TZ). た 世 世の 物 く 請 請 物 く 請 請 二杜 寸こ因る 2.3 2.1 10.3 10.1 12.7 14.3 0.0 9.3 困 る 4.9 5.3 8.6 5.5 19.0 23,2 50.0 27.9 少 し困る 21.1 17.9 20_7 25.7 39.7 32.1 25.0 34.9 困らない 71.7 74.7 60.4 58.7 28.6 30.4 25.0 27.9 表13は、家事 ・炊事 を遂行す る うえで どの程 度 に困難を感 じてい るかをみた ものであ る。一見 し てわか るよ うに、 この機能遂行 についてはあま り 大 きな困難 を感 じていない、 とい うことがで きよ う。 「困 らない」 が70%ほ どの数倍 を示 してい る ことに もそれ は明 らかであろ う。 しか し、 ここで は25%前後 ではあるが 「困 る」 とい うものがい る ことに止 目すべ きであろ う。 と りおけ、 「日用品 の買物」や 「夕食 の した く」 ではそれ ぞれ28.3% と25.3%が 「困 る」 とい う比較的高い数値 を示 し てい る。 他方、父子世帯の場合には、 これ に比 して困難 とす るものの比率がやは り高い。 「日常 の買物」 が71.4%、これ よ りやや小 さ くて 「夕食 のした く」 が69.6%、 「食後 のあ とかたずけ」が44.6%とい う数値 とな ってい る。 子 どもの保護 ・養育椀能の遂行 と困難 :荊述 の よ うに、単親世帯 とな ることに よ り母親 の場合に は、その多 くがあ らたに就労を迫 られ ることにな る。 したが って、当然、乳幼児の抱えた母親 は子 どもの養育 をいか に遂行す るのか、 とい う問題に 直面す ることになろ う。子 どもの しつけや勉強相 手 について は帰宅後 にそれ を果す ことも可能 であ ろ うが、未就学児あ るいは小学校低学年 の児童は 日中、だれかに保護 されていな くてはな らない。 母子世帯 におけ る保護 ・養育 の担 当者 について は表14のとお りであ るが,特徴的 な ことは、先の 家事 ・炊事 とは異な り親本人の比率が低い ことで 蓑14 子どもの保護 ・養育授能の担当者 (単位 :a/a) 離婚母子世帯 父 子 世 帯 栄 小 千 チ 末 小 千 千 読 早 ど ど 読 学 ど ど 学 低ーん ち ち 学 低一三≡壬' ち ち

チ年 の 勉の 児 千年 の 勉の の の し 強 の の し 強 世 世 つ 相 世 世 つ 相 話 請 汁 辛 請 話 汁 辛 本 人 52ー5 44.9 75.0 75.1 50.0 33.3 71_7 57.1 本人 と子ども 1.6 0.9 OJ 1ー7

0

.

0 5.6 15.2 14.3 3.3 1.9 10.3 4.7 0.0 0.0 0.0 0.0 同居親族 ll_5 23.4 4.7 4.7 50.0 55.5 10.9 14.3 子 ど も 0.0 3.7 0.9 5.2 0.0 0.0 2.2ll_9 そ の 他 31.1 25.2 9.0 8.6 0.0 5.6 0.0 2.4 あろ う。す なわ ち、 「未就学児の世話」 では母子 世帯 内部に も相違 がみ られてお り、離婚世帯 では 本人に よるものが52.5%であ るのにたい し、死別 世帯 では18.2%に とどま り、同居親族に よるもの と同数 とな る。 これ は 「小学校低学年 の下校後 の 世話」 について も同 じ傾 向を指摘で きるが、同居 親族 に よる担 当が23%代でやや高 く、 また、離婚 世帯 では学童保育 の多いの も特 徴的であろ う。 これ にた い して、保護 ・養育楼能の遂行 にあた って、 どれ ほ ど困難 さが認識 されてい るで あろ う か。表13に よれは、 「未就学児の世話」 について なん らかの程度で も困 るとい うものは39.6%に達 してい る。 ここで指摘 してお きたいのは、祖 父母 のい る3世代世帯では この世話 について2世代世 帯 よ りも容易 であると考 え られ るに もかか わ らず、 その比率か らす ると3世代 でなん らか の程 度困 る とい うものは83.4%と著 しく数値 の高い こ と、「な い」 とい うのはみ られ ない ことである。 た い して 2世代 では 「困 らない」 ものは38.6%を示 してい る。 これが 「小学校低学年 の下校後 の世話」 にな ると違 いをみせて、なん らかの程 度困 る ものは2 世代世 帯で40% 、 3世代 で29%とな る。つ ま り、 乳幼児 の世話を父母に して もら ってい るこ とに、 ひけめを感 じてい ることが意識 の上 に反映 してい るもの といえ よ うか。 住 宅問題 :単親世帯 にな った 当初 の問 題 として 住宅問題 の深刻 さも指摘 され ていたo これ は、 と りわ け離婚 に ともな う単親世帯化 の場合 にほ よ り

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蓑 15 住 居 の 形 態 持 家 借 家 県営陛宅市営住宅防 .もート 間 借 母子寮 その他 実 家

NA

計 母 千 世-t土卜 顔 実 数 108 89 70 51 21 14 22 9 27 7 418 婚 構 成 25.8 21.3 16.7 12.2 5,0 3.3 5.3 2.2 6.5 1.7 100.0 罪 実 数 149 15 12 10 3 1 1 3 4 4 202 乍打 別 構 成 73.8 7.5 5.9 5.0 1.5 0.5 0.5 1.5 2.0 2.0 100.0 父 千 実 数 48 ll 4 6 1

0

0 1 1 2 74 世 帯 構 成 64.9 14.9 5.4 8.1 1.4 0.0 0.0 1.4 1.4 2.7 100.2 著 しい ものがあ ると考 え られ よ う。 では、現在 の住居形態についてみてみ よ う。表 15にみ るよ うに、離婚世帯 の持家率の低 さが指摘 で きるだろ う。死 別世帯 の73.8%、 父子世 帯 の 64.9%にたい して25.8%とい う数値 であ る。 した が って、離婚世帯 の場合には、住居を借 りなけれ ばな らない。 この分 として借家、県営住宅 の比率 が高 く、それぞれ10-20%を 占め る。 また、離婚 に ともな う地域的移動 に もみた よ うに実家が多 く な るであろ うし、母子寮 の比率の高いの も特徴的 といえ よう。 こ うした住居形態か らも推察 され るところであ るが、借家比率の格段 に高い離婚世帯の家賃は他 の世帯 と比 してやや高い ものにな ってい る。 3-4万 円未満 の比率は22.4%も占 ることに もみて と れ よう。 したが って、住居変更 の意志で も離別世 帯の場合には、 「変 りたい」 とい うものの比 率は 死別世帯 よ りも20ポイン トばか り高い数値 である 37.1%とな る。この不満の理 由としてほ、 「狭い ・古い」 が36.9%、 「高い」 が24.8%でしと りわ け死別世帯 と比較 してみ ると 「高い」 とい うこと を訴 えるものの比率が際立 ってい る。住宅面 で も 離婚母子世帯の困難 は よ り大 きな ものがあ る。

4

.

若干のまとめ

上 田市において実施 した 「母子 (父子)世帯生 活実態調査」 を もとに、 と くに離婚母子世帯 に焦 点をあてつつ、家族危機にた いす る資源 の相違、 そ こか ら生 じる対応や生活問題の相違 について簡 単 に考察を試みて きた。 ここで若干 の まとめをお -721 こな って結論 にか え よ う。本稿 では、労 働 と生活 問題の実態を単親世帯 の形成理由の相違 に もとづ いて分析 して きた のであるが、 これ らにいか な る 内容的 ・質的な違 いがみ られたで あろ うか。 まず 、 資 源 の問題 か らい うと、 一般 的 には、 離婚 に もとづ く単親世 帯の形成 は、 もともと家族 の も っていた横能水準や統合性 ・凝集性の低 さが 予想 され るのであ るが、第1に、個 人的資源 の う ち年齢 は他 の単親世帯 の形態 よ りも若い20-30代 が81.2%を占めてい る。 したが って、資格取得率 や就業率 ともに死別世 帯 よ りも高 い数値 を示す。 つ ま り、 よ りよい危機- の対応条件 を も ってい る、 といえ よ う。 しか し、第2に、家族的 ・票族的資 源では、 まず、未就学児 ・小中学生徒を抱 え る形 態を と り、就 労 との関連 でいえば、一姫 に、就 業 率の低下す るライ フ ・ステージに あ ることが明 ら か にな る。 これにかかわ って家事 ・育児梯 能の家 族代替可能性 を示す家族形態か らい うと、父子世 帯の祖 父母 との同居率の高 さは特筆すべ きであ る。 これにたい し、母子世 帯は 「単親 と子 ども」 の2 世代世 帯が圧 倒的 であ るが, 両者 を比較す ると、 生 別世帯 よりも離婚世帯 の方が同居率が低い, と い うことがいえ る。 さらに、親族 との関係か らみ て も、親 に集中す るの とは逆 に、他 の親族 との関 係 は比較的薄い よ うであ る。 これ と第3の近隣関 係や集団参加状況 とを勘案す ると、他 の形態 と比 較 してややネ ッ トワークが狭 く孤立 してい る, と い うことが特徴 として指摘で きるであろ う。 したが って、離婚母子世 帯 の場 合には、 この孤 立 した状況 の もとで、お もには個 別的な対応 と福 祉施策へ の依存を迫 られ てい るといえ よ う。離婚 に ともな う生活上 の困難 としてほ経済的困難 が際 立 ってお り、 これ と住 宅問題 が深 刻 なのであ るが、

(11)

こ うした問題に対 して、離婚世帯 では 「働 き続け た」 また は 「働 きは じめた」 とい う個 人的資源の 活用 である就労に よ り、 また 「親 の援助」や 「預 金 の引 きだ し」 に よ り対応 してい る。 しか も、福 祉施策 の利用 について も 「児童扶養手当」「母子 医療費給付」 な ど、限 られた ものに とどまるC さて、 この よ うな対応 の結果 として、 どの よ う な生活 問題 が生 じていたであろ うか。 まず、第 1 に指摘 で きるのは、離婚世帯 の貧困の問題であ る。 生活保護率 の相対的な高 さ。意識 の上 での経済的 困難 を指摘す る比率 も高いが、収入 の金額 につい て も母宗 の就労 に よる給与 は他 の形態 に比 して低 い もの とな ってい る。第 2に、就労か ら生 じる問 題 として長時間労働があげ られ る。 9時間以上 が 56.1%とい う数値であることに もそ の ことが読み とれたであろ う。 当然、その結果 として,労働時 間を終 えた後 の生活 に も影響す ることにな る。 考察 では、残 りの家族生活問題を、家事 ・炊事 機能、子 どもの保護 ・養育機能 と、そ して住宅問 題 とい う3つの側面か らみた。 そ こで明 らか な よ うに、前 2著 の側面 では母子世帯内部 よ りも、父 子世帯 との相違 が顕著 であ ったO まず、家事 。炊 事 では親族や家族員に代替 され、母子世 帯では母 親 本人が中心 とな り、同居親 族が これ を補 うとい う形 を とる。生活困難 の程 度 も父子世 帯で約5割 が訴えてい るのにたい し比較的母子世帯では少な い。 子 どもの保護 ・養育では、本 人に よる担 当の比 率が低い とい う特徴がみ られた。 それ だけ就業 と の矛盾 が深 い ことをそれは示唆 してい る。未就学 児 の世話 では、離婚母子世帯 で母親本人の比 率が 生別世 帯 に比 して著 し く高い。家族形態 にみた よ うに、家族 員に よる代替的校能ははた されていな い よ うな状況 にある。「小学校低学年児の世話」 では学童保育の比率が高いの も特徴 といえ よ う。 この保護 ・養育 とい う面 については困難 さを感 じ るものの比率が高い こと、 しか も、単親だけ の世 帯 よ りも意識 の上 では祖父母を含む世帯で この比 率が高い ことも特徴 として指摘 で きよ う。 最後 に、住宅問題で も離婚母子世 帯で借家率 も 際立 って高 く, しか も、高家賃 であ ることも明 ら かにな った とお りであ る。 以上、考察 して きた よ うに、母子世帯 と父子世 帯 の相違は無論い うまで もないのであるが、離婚 母子世 帯 と死別母子世 帯 とではそ の形成過程や理 由 の相違 に もとづいて、危槙 にたいす る資源の面 で も、生活困難 の程度の うえで も大 きな違 いがみ られた。 とくに、離婚母子世帯 の家族的資源や コ ミュニテ ィー的資源か らみた孤立化傾 向、そ して 生活上 の困難 さの強 さに くわ えて、 しか も、今後 ます ます この形態を とる単親世 帯 の増大 が予想 さ れ るこ とをあわせて考 え るとき、 この層 に対す る 福祉施策の展開 とそのい っそ うの充 実が望 まれ よ う。 註 (1)未調査はー長野大学家族問題研究会を構成する桜田 百合子一六改定詩朗両氏と筆者を中心に61年7- 8月 にかけて実施された。調査にあたっては上田福祉事務 所 と上田市社会福祉協議会により民生児童委員をとお して調査票が配付されー母子 (父子)世帯の母 (父) が記入する方法がとられたoなお.この調査について の全体の詳しい結果については別に報告が用意されて いる., (2)大橋薫 「母子家庭」 (大橋蕪編著 F都市病理の構造』ー 1972年)ー 180頁O氏の編になる一連の都市病理研究 には 「母子家庭」の分析がみられるがーこの うち F都 市の社会病理』 (1960年)などとt F地方大都市の社 会病理』 (1985年)や F地方中核都市の社会病理

』(

1987年)とではーここで指摘 したような視点の転換が みられるOなおーこれらの研究でも地域社会の特質と 単親世帯の問題が十分開通して分析されていないよう に感 じる。 (3)この概念の普及の転換点になったのはイギリス政府 諮問によるワンペアレント.フアミ1)一対策委員会の Fファイナ-報告』 (1974年)がだされて以降のこと である。なおーこの事情についてはー京極高宣 「イギ リスにおけるワンペアレント・ファミリー研究の動向」 (真生会社会福祉研究所 『母子研究』第1号ー 1978年ゝ 同 「イギ T)スにおける母子福祉政策

(

F現代のエスプ リ142号』 1979年)一同 「イギリスの母子福祉政策」

(

F世界の児童と母性』第10号ー 1980年)等を参照の ことQ

(12)

(4)京極高宜は、 「ワン 7 レソ ト ファ ミリーに とっ て社会福祉は どうあ るべ きか- 母子福祉の政策的枠 組 をめ ぐる再検討

-

」(

F現代の社会福祉 』 労働法 別冊筋 8号ー1981年)にお いてー単親世帯のた いす る 福祉施策の対象 となる生 活問題 としてー①貧困問題. ②家事 サ ー ビス問題ー③ 子 どもの養育問題ー④ ステ ィ グマや悩みの問題、の4つを指摘 している. (5)家族 ス トレス論 を展開 しているマ クバ ガソはー彼 の 二重

ABC

モデルの構成 要素としてー 「ス トレス源」 (stressor)一家族 による 「認知」(perception)とと もに、 ス トレスに対処す る際の 「資源」(resources) や 「対処」(coping)の仕 方をあげてい る。そ してーこ の資源の概念はー家族員 の メソ,(一個人ー集団 として の家族ー コ ミュニテ ィ-の3つの レベルで とらえ られ るとい う。 ここでて資源 内容の配置をやや変えている。

McCubbin,H.I.,C.ち.Joy,A.E.Cauble,J.X. Comeau J.M.Patterson& R.H.Needle,1980,

"FamilyStressandCoping:A DecadeReview,

"Journalof Mam'ageandtheFamily, 42:4,

855∼871.

McCubbin,H.Ⅰ.& J.M.Patterson,1981, Systematic Assesment of Family St71eSS, Re -sozL7lCeSand CopingIToolsforResearch ,Edu-cation,and ClinicalIntervention,Universityof Minnesota.

参照

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