Visual Display Terminal(VDT)作業による瞬目回数・涙液量の変化と屈折矯正方法との関連
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(2) . 川崎医療福祉学会誌 原 著.
(3) ( )作業による 瞬目回数・涙液量の変化と屈折矯正方法との関連 難波哲子£½¸¾ 堀田咲子£¿ 田淵昭雄£½. 要 約 コンピュータ端末を使って行われる. ( )作業は年々増加している.. 作業に従事している人たちから眼の疲労感や乾燥感などの自覚症状の 眼症またはテクノストレス眼症として社会問題になっている. 本研究では 作業による瞬目回数と涙液量の変化をソフトコンタクトレンズ( ),ハード コ ンタクトレンズ( ),眼鏡を装用および裸眼で比較検討し , 作業時のテクノストレス眼症の それに伴って ,長時間の. 訴えが多く報告されており ,. 予防について検討した .. 名眼の健常者とし ,内訳は 名 眼, 名 眼で ,年齢は平均 歳( 歳)であった . 作業は ,ノートパソコンを用い !"#$ %& で文章入力を行った .瞬目回数と涙液量の 測定を 作業開始前 ,開始 分後 , 分後 , 分後に検査して ,被検者の意識調査をあわせて 対象は屈折異常以外に異常を認めない. 眼,眼鏡. 眼,裸眼. 名. 名. 行った .. 作業前に 比べて 作業後では 平均 '( ' )減少した( ).涙液量は で 作業により減少を示した( ). 意識調査では ,疲労感や乾燥感が と で多く,眼鏡装用で少ない結果であった . したがって , 作業を行う際には疲労軽減のために適度な休憩と涙液量の減少予防に心掛ける その結果 ,瞬目回数は 屈折矯正方法に 関係な く ,. 必要がある.以上の結果からテクノストレス眼症を予防する屈折矯正には ,涙液量の変動や乾燥感の 少ない眼鏡装用が適している.. 緒. 燥感を訴えて ,涙液分泌能は作業時間とともに減少. 言. することが報告されている .ド ライアイ発症の. 一 般 に コ ン ピ ュ ー タ 端 末(
(4) )を使って行われる作業は 作 業と言われている.この 作業に従事する人た. 誘発はコンタクトレンズ( 以下 業での涙液量と. ちは年々増加しており,作業者は眼を中心とした肩,. 装用との関係については明らか. にされていない.. 作業を行う際,屈折矯正 作業に最も適した屈折矯正方法および 作業時. 手,腰,足などに疲労感を訴える事例が増加してい る .本事例は. )装用による可 作. 能性が示唆されている .しかし ,長時間. そこで,本報告では. 症候群と呼ばれ ,特に眼症 . 方法の違いによる瞬目回数,涙液量を測定し ,. 眼症またはテクノストレス眼症 として 近年,社会問題になっている.長時間の 作業 状は. 間を検討した.. では ,瞬目回数の減少および涙液量の低下が誘発さ. 対象および方法. れ ,涙液検査と角結膜評価法によってド ライアイの. 眼症の原因. 一症状とされている ,しかし ,. .対象. の特徴は涙液の異常のみならず ,角結膜上皮障害を. 対象は ,屈折異常以外に異常を認めない健常成人. 名眼( 男性 名 ,女性 名),年齢は 歳 ( 平均 歳)である .また ,屈折異常がある. 伴うとされている .. 作業により自覚症状として眼の疲労感や乾. 川崎医療福祉大学 医療技術学部 感覚矯正学科 川崎医科大学 眼科学教室 医療法人 大本眼科医院 ( 連絡先)難波哲子 〒− 倉敷市松島 川崎医療福祉大学
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(7) . 難波哲子・堀田咲子・田淵昭雄. または眼鏡で屈折矯 正している者とし ,遠見矯正視力を とした. 屈折矯正被検者はソフトコンタクトレンズ( ) 装用者 名 眼,ハード コンタクトレンズ( ) 装用者 名 眼,眼鏡装用者 名眼である.裸眼 被検者は日常使用している. とにより瞬目回数が変化する可能性があるため , 被検者に瞬目回数を測定していることを告げずに測. 定した.撮影した映像は再生し , 分間の瞬目回数. . を計測して , 分間あたりの平均値を算出した . . .涙液量の測定. 常が検出されたが ,遠見裸眼視力. 8-*
(8) 9:.;7 ,昭 和薬品化工)を用いて片眼ずつ行った( 図 0 ).涙. 法による自覚的屈折矯正では矯正不能の. 液量の測定は ,点眼麻酔をしないで片眼下眼瞼に綿. 被検者はオートレフラクト メータにより軽度屈折異. ,レンズ交換 名眼で ある. の種類は ,高含水 が ' ,その中の 'が 週間交換終日 である. また,被検者の涙液分泌量は以下にのべる綿糸法に よる. の正常範囲内であることを確認した.. .方法 . . 作業環境. 作 業 は ,() *+ !* 型 , カ ラ ー 液 晶 ド ッ ト( -.(/ ) と &0) *+ !* 型 12/ , カ ラー液晶 3 4 液晶 ド ット ( -.(/ )を用いて,被検者の興味がある文章が 掲載されている書籍から !"#$ %& を使用し て ,文書入力を 分間行った . 作業条件は ,「 作業における労働衛生. 涙液量の測定は,綿糸法(. 糸の先端を挟み込み,両眼を閉瞼し. 秒後に開瞼さ. せて綿糸を取り出し ,涙液で変色した部分の長さを. 作業前の綿糸を用い た涙液量は全例 の正常範囲内で , 測定して求めた .また ,. 未満の異常値を示す例はなかった .瞬目回数と涙液. 作業前, 作業 分間後, 分間後に行った.. 量の測定は , 分間後,. 管理のためのガイドライン」 に基づいて設定した.す. Æ( Æ ), 湿度平均 '( ' ),室内照明の平均は 5 ( 5 ),液晶デ ィスプレ イ上の照度は約 5 ,キーボード ・書籍上の照度は約 5 とし ,液 晶デ ィスプレ イと被検者の眼との距離は " に保ち,見下ろし角度を Æ に設定した. なわち,日常生活環境下の室温平均. . .瞬目回数の測定. 瞬目回数の測定は ,デジタルビデオカメラレコー. /6/! 7
(9) ( -6 )を用い 斜め前方より撮影し た(図 ).被検者が瞬目回数の測定を意識するこ. ダー. て ,被検者の座位から. 図. 綿糸法を用いた涙液量の測定 矢印は綿糸を示す .. . .意識調査. 作業を行った被検者に対して実施 の装用歴」, 「 日の装用時間」, 「 インターネットなどを含む 作業の頻度」, 「 回の 作業時間」, 「日常での眼の乾燥感」, 「今回の 作業下で の眼の疲労感」, 「今回の 作業下での眼の乾 燥感」の 問であった. , については ,いつか ら自覚症状があったか ,また については眼以外の 調査は ,. し た .調査項目は , 「 眼鏡・. 身体的症状があれば具体的な回答を求めた . . .検定 結果の検定には 図. 作業中の瞬目回数の計測. 有意な差とした .. $ 検定を用い ,危険率 '未満を.
(10) 作業による瞬目回数・涙液量の変化と屈折矯正方法. . 図 作業時間による瞬目回数の変化 △はソフト コンタクトレンズ( )装用,×はハード コンタクトレンズ( )装用,○は眼鏡 装用,□は裸眼を示す. * は 作業前と作業
(11) 分後を比較. 装用・ 装用で有意差あり( ),眼鏡装 用で有意差あり( )を示す . ( ), * は 作業前と作業 分後を比較. 装用・ 装用・裸眼で有意差あり, 眼鏡装用で有意差あり( )を示す . *
(12) は 作業前と作業 分後を比較. 装用・ 装用・眼鏡装用で有意差あり( ) を示す. * は 作業前の 装用と裸眼, 装用と眼鏡装用の間に有意差あり( )を示す. * は 作業前の 装用と裸眼の間に有意差あり( )を示す .. . . . . . . 結 果. . 作業と瞬目回数との関係. 作業開始前の瞬目回数( 平均値 標準誤差( 回+分 ))は ,図 に 示し た通り ,裸 眼者回+分であり , 分間の 作業に よって 回+分に低下した.さらに , 分間の 作業の継続で 回+分 , 分間の作業継続で 回+分の瞬目回数を示した .瞬目回数は. 分間の 作業によって著し く減少するが ,以後 被検者の. の変化はなかった .. で矯正している場合 作業前の瞬目回数は裸眼 者と同様に 回+分であった.また, 装用 によって屈折矯正している場合, 作業前の瞬 目回数は , 装用者で 回+分, 装用 者で 回+分であり ,裸眼者 ,眼鏡装用者と は有意に高い値を示していた( ). 屈折異常を矯正している場合, 作業を 分 間続けた時の瞬目回数は眼鏡装用者で 回+分 に , 装用者で 回+分に , 装用者 で 回+分に 低下し ていた .これら 分間の 作業後の瞬目回数の低下は裸眼者と有意性は なかった .また , 作業を 分間, 分間継続 一方,屈折異常を眼鏡,. には ,眼鏡装用者の. . した後でも瞬目回数の変化は. 分後の値と同様な値 ).. を示し ,裸眼者と同様に変化がなかった( 図. . 作業と涙液量との関係. 作業の継続による涙液量の変化を屈折矯正. 方法の相違によって調べて ,涙液量を綿糸の濡れた 長さ(. )で表わした.. 作業前の涙液量 は (平均値 標準誤差)を示し , 分 間の継続 作業後でも を示し ,作 作業者が裸眼の場合には ,. 業時間の経過に伴う有意な減少はなかった .. で矯正している 被検者では , 作業前の涙液量は図 に示した また ,屈折異常を眼鏡または. ように ,矯正方法の相違による作業前の涙液量には. 作業の継続による涙液 装 用者の作業開始前の涙液量は であった が , 作業を 分間続けると に減 少した( ) ( 図 ). 差はなかった .また ,. 量の有意な減少は示されなかった.しかし ,. . 作業と意識調査. 裸眼および 屈折異常を眼鏡または. で矯正し. 作業による眼の疲労感と乾 ). 眼の疲労感を訴えた被検者は眼鏡装用者 名中 名 ( ' ) , 装用者 名中 名( ' ) ,裸眼者 ている被検者の. 燥感を調査した .その結果を表 に示した(表.
(13) . 難波哲子・堀田咲子・田淵昭雄. 図
(14) 作業の継続時間による涙液量の変化 △はソフト コンタクトレンズ( )装用,×はハード コンタクトレンズ( )装用,○は眼鏡 装用,□は裸眼を示す. *は 装用時の 作業前と作業 分後に有意差あり( ),**は 作業 分後 の 装用と 装用の間に有意差あり( )を示す.. . 表. . 作業による眼の症状. :ソフトコンタクトレンズ :ハード コンタクトレンズ. 名( ' ), 装用者 名中 名( ' ) 名( ' ),眼鏡装用者 名中 名( ' ), 装用者 名中 名( ' ), 装用者 名中 名( ' )の順に増加した . 名中. 者に比較して顕著に多かった .これは ,コンタクト. の順に増加した.また,眼の乾燥感は,裸眼 名中. レンズが眼表面にとって異物であることを示してい. 考 察 長時間の. 作業をする場合,作業者の屈折矯. の初期装用者に , また ,眼球乾燥感を訴える 装用者に多く報告. る.この瞬目回数の増加は , されている .. .涙液量 フェノールレッド 糸による涙液の分泌量検査は , 検査時間が. 秒と短時間で行えること ,角結膜に対. 正方法の違いによる,瞬目回数と涙液量に及ぼす影. する障害が少なく,測定結果が容易に読み取れるな. 響,最適な屈折矯正方法を検討した.また,. どの利点があり,信頼性が高い .本法は涙液欠乏. 業による眼の疲労感や乾燥感を調査した.. の可能性のある眼の発見に有効であることが報告さ. .瞬目回数. れており ,. 作. 作業の継続によって瞬目回数は , 作. 業前と比較して減少することが示された .佐藤ら . 回+分 で ,ワープ ロ入力時には 回+分と + 程度. は,健常者における前方視の瞬目数は. ている .. 装用者の涙液量測定に利用され. 分間程度の継続的 作業 装用者では 分以内の継続的 作業では有意な 裸眼者の涙液量は. では経時的に有意に減少することはなかった.. に減少すると報告し ,本報告において同様の結果が. 減少が示されなかった .しかし ,以後の作業継続に. 得られた .これは ,. よって急速に涙液量が減少することが明らかとなっ. 作業下で画面上の目標と. なる部位を見失わないよう,画面を凝視することに. た.これは瞬目回数の減少により眼表面の露出時間. より瞬目回数の減少が生じ たと考えられる .本. が長くなり,涙液の蒸発が亢進したためと考えられ. 作業開始前においてソフトあるいは を装用者の瞬目回数は裸眼者や眼鏡矯正. 作業では書籍,キー. 報告では. る.また,文章入力を行う. ハード. ボード ,画面を往復して見ることから視線が上向き.
(15) 作業による瞬目回数・涙液量の変化と屈折矯正方法. . になりやすく,さらに ,一点凝視回数が増え ,眼表. 液量の測定精度が改良されれば ,明確になるかも知. 面の露出面積が拡大し涙液蒸発を助長したと考えら. れない.. 球涙液層の菲薄化が指摘されている .涙液の. ための適度な休息と涙液分泌量の減少の予防を心掛. 層全体が薄くなると表面張力の関係から. ける必要があると思われる.涙液分泌量の減少を予. れる .さらに ,長期間の. 装用者では ,眼 0) . 作業を行う際には疲労軽減の. したがって ,. が起こりやすくなる ため ,蒸発量が増加したと. 防するには ,瞬目数を意識的に増加させたり,眼鏡. 考えられる .また ,. を装用したりすることが必要である.. には水分の蒸発を防ぐ 涙. 液油層が分布されていないこと も涙液蒸発を亢 進したと考えられる.. 装用者が 分間の持続的 作業. 一方 ,. さらに ,眼鏡装用者は. 作業 分後までに疲. 労を訴える者がおらず ,他群と比較しても疲労を訴 える者が少なかった.したがって,眼鏡装用は. . した場合には涙液量に変化はなかった .濱野 は. 作業に適していると考えられる.. 長時間保たれると報告し ている .また ,横井ら . の「勧告」では ,作業が連続的に行われる場合には ,. の涙液消退速度は使用時間に比例し ,親水性が. は高含水のレンズであり,レンズ全体が涙. 日本産業衛生学会. 作業に関する検討委員会. 分ごとに 分以上の作業休止時間. は,. 一連続作業時間. 液水層として機能し ,レンズ上に油層を分布させる. を設けるべきであり,事務作業等で通常必要とされ. ことによって ,より生理的な涙液層に近い状態を保. る照明環境は. 持するようにしているためであると報告している .. 業が行われるべきであるとされている .したがっ. つと思わ. ないし < 5 において 作. このレンズの特性が装用者の長時間の持続的. て ,今後,照明等について. 作業時の涙液量に変化がなかった原因の. を検討する必要がある.. れる.. の継続的作業による涙液. 眼鏡装用者では ,. 分泌量には変化がなく,一定であった .これは ,眼 鏡装用が眼周囲の湿度を保持し ,涙液の蒸発亢進を 防ぐ 役割を担っていたのではないかと考えられる.. .意識調査. 作業を長時間継続して行うことにより ,上. 作業に適した環境. 結 論. 作業では瞬目回数は全被検者で減少し ,涙 液量は 装用者・裸眼者で減少が認められた . また , 作業による疲労感が涙液分泌量の減少 の一因であることが示唆された.したがって, 作業時には涙液の蒸散を防ぐ 目的をもって ,眼鏡装. 作業に適した屈折矯正方法 作業. 頚部交感神経系の失調が 生じ ることが 知られてい. 用が ,最も簡便な. る .本実験では被検者の眼精疲労や頚部痛などの. であることがわかった .また ,継続的な. 不定愁訴に加え ,涙液生産機能の低下を伺わせる乾. では ,作業. 燥感を訴えている.. 上大切である.. 本実験では. 装用者・裸眼者・ 装用者・. 眼鏡装用者の順で疲労感を訴える者が多く ,また ,. 作業を行うことが多い作業者では涙液量の減. 分毎に休憩をとることが眼の健康管理. 本研究を遂行するにあたり,ご協力いただいた川崎医療 福祉大学医療技術学部感覚矯正学科視能矯正専攻期生中. 少が日常的に起き,ド ライアイ様の症状が生じ易く. 西美香さん(現在:玉野市日比市民センター)に深く感謝. なっていたと考えられる.これは涙液分泌量の減少. いたします.また,被検者としてご協力いただきました川. が生じた結果と考えられるが ,実測値からは有意差. 崎医療福祉大学学生の皆様に厚くお礼申し上げます.. が示されたのは. 装用者だけである.これは涙. 文 献. )岩崎和佳子: 作業の視機能に及ぼす影響.眼科,( ),
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