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異性間骨髄移植後の血液細胞におけるキメリズムの分子遺伝学的・分子細胞遺伝学的検討

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Bull. Mukogawa Women's Univ. Nat.Sci., 41,7-13(1

9

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武庫川女子大紀要(自然科学)

異性間骨髄移植後の血液細胞におけるキメリズムの

分子遺伝学的-分子細胞遺伝学的検討

家 本 敦 子

(武庫川女子大学家政学部食物学科)

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Atsuko Iemoto

Department of Food Sciences, Faculty of Home Economics, Mukogawa Women's University

Nishinomiya 663

Japan

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2)3)4), 骨髄異形成症候群

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4)5)6)などの血液疾患や代謝異常症前)9)10)等 の治療法として最近注目を浴びている.わが国でも

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年に急性リンパ性白血病に対して第一例目の

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が行われて以来,

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の予後を左右 する因子として最も注目されているのは,移植された 骨髄細胞の生着率12)と移植片対宿主

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, GVH)反応13)である.そこで本研究では,

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によって移植された骨髄細胞の生着率を検討す ることを目的とし,分子生物学的・分子細胞遺伝学的 手法を用いて基礎的研究を行った. 現在まで,移植された骨髄細胞の生着率の検討に は,異性間移植

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症例において,血液 細胞でのX,Y染色体の存在を分裂中期細胞を用い た染色体分析によって検討することが唯一の手段で

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-7-あった. しかしこの方法では,移植された骨髄細胞が まだ十分に分裂していないため,分裂中期細胞が得ら れない移植直後の時点での生着率を検討することは困 1 .材料

材料および方法

難である.またこの方法では分析対象が分裂中期細胞 A) Bリンパ芽球様細胞株(B-lymphoblastoid cel1 に限られるため,細胞分裂周期に入っていない分裂間 line, LCL) 期(interphase)細胞の由来を検索できない.さらに染 正常男性,正常女性末梢血B・リンパ球からEpstein -色体分析では,染色体分析の数が一般的には20-50 Barr Virus (EBウィルス)を用いて樹立した17)18) 樹 個にとどまるため,低頻度のキメリズムが見逃される 立株のうち正常男性由来の株はEB-NL-Ma, 正常女 可能性もあった.以上の点から染色体分析から計算さ 性由来の株はEB-NL-Haを用いた. れた生着率が,骨髄における実際の生着率と一致する B)末梢血(PB), 骨髄液 (BM) かどうかについては疑問がもたれて来た.一方,末梢 へパリン採血を行った. BMTを受けた患者(レシ 血ではレクチン等を加えない無刺激培養では分裂細胞 ピエント)についてはBMT前と後に, PBとBMに は得られず,染色体分析は不可能で、あることから,生 ついて検索した.移植の供与者(ドナー)については 着率の検討には不適当であった PBを用いた.コントロールとしてBMTを受けてい そこで我々は染色体分析を用いず y染色体特異 ない血液疾患患者のPBとBMを用いた.異性間移植 DNAの 検 出 を 試 み る こ と と し た . こ の た め に のBMT例として,レシピエントが女性/ドナーが男 polymerase chain reaction (PCR)法と fluorescence 性を3例, レシピエントが男性/ドナーが女性を5例 in situ hybridization (FISH)法を用いた. PCR法 について検討した. は, DNAポリメラーゼ反応を利用して適当なプライ 2. PCR法によるY特異DNAの検出 マ ー を 用 い る こ と に よ り 本 鎖DNAをテンプレー A)細胞の限界希釈法によるYαサテライト DNA トにして相補的なDNAを合成することができ,少量 の検出

のDNAから目的のDNA部分を約100万倍に増幅で EB ・NL-Ma株 浮 遊 液 を 段 階 的 に PBS(一) きることでよく知られるlの15) 一方FISH法は,プ (phos pha te-buff ered saline)で希釈し,最終的に

ロープDNAを用いたハイブリダイゼーションによ 300μlにl細胞とし,この希釈液を 100μlずつ1.5ml り,遺伝子マッピングや染色体の同定に用いることが エ ッ ベ ン ド ル フ チ ュ ー ブ に 分 注 し た . 遠 心 し て できることで知られている16) 細胞周期は光学顕微 PBS(一)を除去後, H20 10μlを加えて電子レンジ 鏡下では,分裂期(M期)とそれ以外の分裂間期(00 で3分加熱処理し,これをテンプレートとしてPCR 期, 01期 S期, O2期)に区別される.細胞周期の 法を50サイクル行った. 長さにかかわらず分裂中期は約1時間で,分裂間期の B)男性・女性由来のLCLを混合した場合のYαサ 方がはるかに長いが,染色体分析は分裂中期に限られ テライト DNAの検出

る. FISH法は,分裂間期細胞でプロープがハイブリ EB-NL-Ma株とEB-NL-Ha株を1:1)(4, 1:1031:

ダイズするシク事ナルの数,大きさ,位置を分析するこ 1021:101:21:1の割合に混合し,各割合の総数 とで染色体数や染色体異常を推定することができる場 を1()4個とした. PBS( -)で3回洗浄後, PBS(一) 合があるため,分裂中期細胞に限られていた染色体分 を除去, H20 30μlを加えて電子レンジで3分加熱処 析を,分裂間期細胞に適用することを可能とした.検 理し,これをテンプレートとしてPCR法を50サイ 査対象の骨髄細胞では 950/0以上が,末梢血白血球で クノレ行った. はほとんどが分裂間期にあり,分裂間期細胞を対象と C)抽出DNAからのYαサテライト DNAの検出 したFISH法では,少量の検体を得るのみで分析が可 注射筒にへパリン採血したPBおよびBMの中に, 能である PBS(一)を 1'"'-'2倍量吸引し,針を上に立てた状態で、 以上から, PCRとFISHの2法は, BMT後未だ 数時間静置後,有核細胞を含むパッフィーコート部分 骨髄細胞が少ない時期にでも生着率の確認が可能であ までを血柴とともに, 50ml遠心用チューブに移す. り,また正確な生着率の判断がで、きると考えられたた これをPBS(一)で希釈,遠心分離(12

rpm,10分) め,これらの2法を併用して異性間移植症例における する. PBS( -)洗浄を2回繰り返し,有核細胞を分 骨髄細胞の生着率の検討を行った. 離した. LCLの場合は 105細胞をPBS(-)で2 洗浄して用いた.

(3)

-8-異性間骨髄移植後の血液細胞におけるキメリズムの分子遺伝学的・分子細胞遺伝学的検討 これらの細胞より IsoQuick(Nucleic acid extrac -tion kit, MicroProbe)を用いてDNAを抽出し,こ れをテンプレートとしてPCR法を行った. DNA抽 出法はIsoQuick kit使用方法の説明書に従った. D)PCR法の反応液 PCR液 の 組 成 は 10倍 PCR緩 衝 液 (100mM Tris-HCl 緩衝液~pH8. 3}, 500mM KC1, 15mM MgClz, O. 01010 ゼラチン)5μ1, 1.25mMの 4dNTP(dATp.dGTp.dCTp.dTTP, Pharmacia)を 8μ1, 10010ホノレムアミド (Boehringer)5μ1, loong/μl のプライマー2種 各1μ1,Taqポリメラーゼ (Perkin -Elmer-Cetus) 1ユニットにテンプレートDNAを加え 総量 50μlとし, 500μlエッベンド‘ルフチューブにい れ, ミネラルオイル(Sigma)を約100μl重層した. Y 染色体動原体部分のDYZ3ローカスのαサテライト DNAを増幅するPCRプライマーとしてはWittらの 報 告 聞 に よ る Yl:5'・ATGATAGAAACGGAAA TATG・3', Y2:5'-AGTAGAATGCAAAGGG CTCC-3'を用いた. E)PCR法の条件とY特 異DNAの判定 PCR法の条件はdenaturation:95oC, 30秒 ann伺ling :54t, 10秒, extension:72 oC, 30秒で50サイクル行った. 機器はDNA thermal cycler(Parkin-Elmer-Cetus) を用いた. PCR後 の サ ン プ ル は NuSeive GTG agarose (FM C) 2怖 にSeaKem agarose (FMC) 1怖 を 加えて作製したゲノレに, TAE bufferを用いで泳動 し , エ チ ジ ウ ム ブ ロ マ イ ド で 染 色 U V照 射 下 で DNA増幅バンドの有無を検討した. 3. FISH法による染色体DNAの検出 A)ハイブリダイゼーションプロープ ハイプリダイゼーションプロープとしては

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染 色体のYq12部分を検出するDYZlと, y, X, 8お よび 17番 染 色 体 の 動 原 体 部 分 のαサテライト DNA (alphoid repeat)を検出するDYZ3,DXZ1, D8Z1 およびD17Z1を用いた.これらはいす.れもビオチン ラベルで市販されているプロープ(Oncor)である. B)染色体標本の作製 ヘパリン採血したPBおよびBMより有核細胞を分 離した.これはDNA抽 出 法 の 有 核 細 胞 分 離 法 に 準 じ,同時に行った.0.075M KC1, 室温で20分間, 低張処理を行い,酢酸1容ーメタノール3容で固定し た.遠心後,酢酸ーメタノールを加える操作をさらに 2回繰り返した.スライドグラス上に固定された細胞 懸濁液を数滴滴下し,火炎固定を行った. C)FISH法 FISH法 は 高 橋 ら の 方 法20)21)を一部改変して行っ た.スライド標本はホルムアミド7容 -2xSSC 3容 の液中で70o C, 2分間の変性を行った.次に氷冷し た70010エタノール ,100010エタノー/レを各10分間通 して風乾した.プロープとしては1伽g/μlピオチン標識 されたプロープDNA2μlを用い, 10mg/mlトランス ファーRNA(Sigma) 0.25μ1, lOmg/ml変性サケ精子 DNA (Sigma) 0.25μ1, ホノレムアミド10μlを混合し, 750 C, 10分間,変性を行った.一方, 20x SSC 2μ1, 10mg/ml牛血清アルブミン(Boehringer)1. 5μ1, 50怖 硫酸デキストラン (Sigma)4μlを混合し,これに上記 変性プローブDNA液を加えてハイブリダイゼーショ ン液とした.このハイブリダイゼーション液を変性し たスライド標本にのせ,その上にパラフィルムをかぶ せて,気泡を除去しながら溶液を均一に拡げて,湿室 で 4時間ないし18時間, 370 Cでハイブリダイゼー ションを行った. ノ、イブリダイゼーション終了後,パラフィルムを除き, スライド標本をホルムアミドl容ー2xSSC 1溶液に 漫し,時々振温しながら, 30分間, 42tで洗浄した. その後2x SSC, 1 x SSCで室温,各10分間, O. 1010 トリトンXを加えた2xSSC,2xSSCで各10分 間 洗 浄 し た . つ づ い て2.5mg/mlアピジン・FITC液 (Boehringer)を 1010牛 血 清 ア ル ブ ミ ン を 加 え た 4xSSCで500倍希釈し,スライド標本上にのせ,パ ラフィルムをかぶせ 5分間室温でインキュベートし た . そ の 後O.1010トリトン Xを 加 え た4x SSC, 4xSSCで室温,各10分間洗浄した.次に20μg/ml となるように0.1明 ト リ ト ンXを加えた4xSSCで 希釈したピオチン(フナコシ)液で5分間室温で反応さ せ,前回と同様に洗浄した.再び上記のアピジンー FITC染色液で5分間室温でインキュベートし,同様 に洗浄した.その後プロピディアムアイオダイド液 (100μgのプロピディアムアイオダイド (Sigma)をグ リセロール90ml,diazabicyclooctain(Sigma) 1. 25g, PBS(ー)lOml , pH8.8に溶解したもの)で封入して 30分以上カウンター染色した後,蛍光顕微鏡(Nikon FLUOPHOT)B励起を用いて観察した. FITC特 異 蛍光の有無はB励起IF520'"'-'545フィルターで、確認した. 写真撮影はコダッグエクタクロームASA400で、行った. D)検出率 コントロール検体のPBまたはBM細胞を用いて分 裂間期核1000個以上をカウントし,シグナル数ごと に割合を計算した.またBMT症 例 に つ い て も 同 様 に, ドナー細胞の数を百分率で表した.

(4)

-9-結果および考察

1. PCR法による Y特 異 DNAの検出 A)限界希釈法によるYαサテライト DNAの検出 .... PCR法を行った計 30個中, 12個に PCR産物が検 出された(図1). 300μl中に 1個の細胞があるように 希釈されたものを 100μlずつ 3本のチュープに分注を 行ったため,理論的には3本のチューブのうち 1本に のみ細胞があることになり,実際1/3の確率で PCR 産物が得られた.このことは絶対数として1個の細胞 があれば Yαサテライト DNAが検出できることを示 していると考えられた. B)男性・女性由来の LCLを混合した場合の Yαサ テライト DNAの検出

EB-NL-Ha株 104個に EB-NL・Ma株 10個を加えた 場合 PCR産物が検出された(図 2 lane7). しかし 104個 に 1個加えた場合には検出されなかった(図2 lane 8). これらの結果から 103個に 1個の割合で Y 染色体をもっ細胞があれば PCR産物が検出できるこ とがわかった. DYZ3は 1細胞あたり 3000copyある と報告22)23)されており,このような高感度で検出で きることが判明した. C)男性・女性由来の LCLを混合し抽出した DNA からの Yαサテライト DNAの検出 計 105個の LCLを用い EB-NL-Ha株 105個に EB-NL-Ma株102個の割合で混合した場合, PCR産物が 検出された(図 3lane7). 105個に 10個加えた場合 は検出されなかった(図 3lane 8). これらの結果は 上記と同様に103個に1個以上の頻度で陽性細胞が存 在すると PCR法において全てポジティブになること を示している. 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 ーーー Fig.1. PCR analysis of Y-αsatellite DNA using limiting dilution → 170・bpY嗣chromosomespecificPCR product lane 1: DNA sizemarker(phi X Hae m digest) lane 2: positive control lane 3-17: Five sets of 300μ1 PBS(一)containga male derived-LCL were evenly divided into fifteen tubes. Each tube was used as a PCR template.

1 2 3 4 5 6 7 8

Fig. 2. PCR analysis of Y-αsatellite DNA using mixed male-origin and female-origin LCL. → 170-bp Y -chromosome specific PCR product lane 1: DNA sizemarker(phi X Hae m digest) lane 2-8: LCL mixture of male-origin and female -origin at a ratio of lane2; 1 :0, lane3;1: 1, lane4; 1:2, lane5; 1:10, lane6; 1:102lane7; 1: 10,3 lane8; 1: 10,4 wasused as a PCR template. PCR法を用いた Yαサテライト DNAの検出は迅速 で,検体採取後3時間以内に結果を得ることが可能, しかも高感度で少量の残存細胞を検出するには適して いた.しかし以上の結果から,男性由来細胞が1/103 以上の場合,正確なキメリズムやモザイクの頻度の判 定は困難で、あることが判明した.

1 2 3 4 5 6 7 8

ー惨' Fig 3. PCR analysis of Y-αsatellite DNA extracted from mixed male-origin and female-origin LCL.

→ 170開bpY -chromosome specific PCR product lane 1: DNA sizemarker(phi X Haem digest) lane 2-8: DNA extracted from LCL mixture of male -origin and female-origin at a ratio of lane2; 1:0, lane3; 1:1, lane4; 1:2, lane5; 1:10, lane6; 1:102lane7; 1:10 l3 ane8; 1:1 was u04 sed as a PCR template. 2. FISH法による染色体 DNAの検出 A)検出対象となる細胞 男 性 由 来 の 血 液 細 胞 を 用 い て DYZl プロープで FISH法を行うと,単核球,頼粒球のいずれにおいて も,ハイブリダイズするシグナル 1個が検出された (図4). このように FISH法を用いれば,これまで 分裂中期細胞が得られないため染色体分析は不可能で A M U

(5)

-異性間骨髄移植後の血液細胞におけるキメリズムの分子遺伝学的・分子細胞遺伝学的検討

Table 1. Detection rate of number of chromosomal signals by FISH method. あった穎粒球細胞等で、もプロープ DNAとハイプリダ イズするシク.ナルの存在が確認で、きた.ただし変性の 際,核が変形するために細胞の種類を形態学的に判定 することが困難な場合もあった. D17Z1 AU1A 司 , h 勾 3 A ﹃ 0.20/0 0.4 98.8 O 0.6 D8Z1 0.5% O 99.5 O O DYZl 0.4% 99.2 0.4 O O No. of signals

1000 B M cells obtained from a male control subject were examined. The centromeric probes,

DYZ1, D8Z1 and D17Z1, were used to detect the number of chromosomes in interphase nuclei of B M cells. 3.症例の検討 A)症例 1(31歳男性)急性非リンパ性白血病 1992年 3月,非照射レジュメで女性のドナーから BMTをうけ,現在まで 1年 6カ月経過している. BMT後 1日で白血球数 700/cmmとなったため, granulocyte colony stimulatingfactor(OCSF)が2 日間投与された. BMT後 3日目の染色体検査では 100怖 が ド ナ ー 由 来 と さ れ た(表2) が , 経 時 的 に FISH法を行った結果, BMT後 3日目ではまだレシ ピエント細胞が 86%残存していた. しかし 11日目で は 5%以下に減少し,以降も 3%以下を保ち生着が確 認された. Fig. 4. A Y -chromosome was detected in each interphase nucleus from male-origin B M cells using FISH method with DYZl probe DNA. A granulocyte

B monocyte

ゆ :DYZl・positivespot

Table 2. Cytogenetical and molecular genetical analyses of B M cells after BMT. Case 1 (31year-oldmale):acutenon-lymphocytic leukemia chromosome

*

*

0

7

0

PCR Y-specific DNA FISH *OJO Date ofsampling l

+

+

+

+

+

+

8.0 14.0 83.0 97.6 97.7 98.8 99.2 19921 31 8 ( 2days) 319( 3days) 3/13( 7days) 3/17(l1days) 3124(18days) 417 (1month) 19931 31 9( lye釘) lα) Date of BMT:1992/3/6, ( B恥1T

*

Number, of Y -negativecells/total number of cells counted.恥10rethan 1000 B恥1cells were counted. As the donor is a female, no DYZl positive spots could be observed in the donor-derived cells.

*

*

Y chromosome negative cells/ 20 B M cells - A ) :period after B)BM細胞での FISH法による染色体 DNAの検出 BMTをうけていない男性コントロールの分裂間期 BM 細胞を用いた場合の FISHシグナルの検出率を表 1に示した. Y染色体は性染色体なので核内に 1個の シク.ナル, 8および 17番染色体は常染色体なのでそ れぞれ2個のシグナルが検出されることになる. DYZlではシグナル1個が 99.2%, D8Z1ではシグナ ル2個が 99.5%,D17Z1ではシグナル2個が 98.8% であった. DYZlで 2個, D8Z1および D17Z1で 4 個が確認された細胞も, DYZlで 0.4%, D17Z1で 0.6明確認された,これは分裂準備期(O2期)細胞を 示しているものと考えられる.またシグナルが検出さ れない細胞は , DYZlで 0.4%, D8Z1で 0.5明, D17Z1で 0.2明であった. 以上のように今回の方法では, FISHシグナルの検 出率は99%以上と高く,どのプロープを用いても同 様の結果が得られたため見逃しが少なく,キメリズム 頻度の正確な判定に有用と考えられた.また,検体採 取から8時間""-'1日で比較的迅速に結果が得られ 枚のスライド標本から 1000個以上の細胞がカウント できることが多く, 1000個カウン卜するのに要する 時間も, 10""-'30分と短い.このため臨床検体にも迅 速に適応できることも解ったため, BMT症例の検討 に用いることができると考えられた.

(6)

B)症例 2(36歳 男 性)慢性骨髄性白血病 1986年 6月,女性のドナーから BMTを受け,現在 まで 7年経過している. BMT後 3年の 1989年 6月, 慢性骨髄性白血病に特異な bcr-ablmRNA24)25)は陽 性, BMT後 5年の 1991年 6月 6年の 1992年 3月 には陰性となっている(表3). BMT後 5年の 1991年 以後, PCR法によるYαサテライト DNAの検出は 骨 髄 細 胞 に お い て 常 に 陽 性 で あ る . 染 色 体 分 析 は 1990年まで 46,X Xで 5年経過後の 1991年 6月 46, XYが 33個中 3個観察されているが 6年経過 後の 1992年 3月の 20個の分析では 46,X Xが 100070 であった. BMT後 5年からFISH法による生着率の 検討を行った結果,常に 98%以上と高い生着率が得 られた. この症例では,染色体分析では 100% ドナー由来細 胞とされたが, FISH法では O.6~ 1. 5怖の低頻度の レシヒ・ェントの細胞の残存を検出した.経過に示した ように, レシピエント細胞はいったん消失したが, その後再出現していた(図 5). しかし現在のところ bcr-abl mRNAは検出されず,これは CML再発とは 考えられない. Fig. 5. In case 2, DYZl positive B M cells(1. 5%) were detected after 5 years of B恥1T. ゆ:DYZl・positivespot C)症例のまとめ 上 記 2例以外に BMT患者 6例で, BMT後の FISH法を行って生着率の検討を行った(表4). いず れも生着率は 87.0~99. 8%と高く,正確な生着率を 確認できた. 以上の結果から1/103とし、う低頻度キメリズムの 出が確実な PCR法と,正確な生着率の判定が可能な FISH法を併用することは,骨髄移植の予後判定を正

Table 3. Cytogenetical and molecular genetical 確にするうえで,大変有用と考えられた.

analyses of B M cellsafter B恥1T. Table 4. Surviving rate of donor cells after B MT Case2(36year-oldmale) :chronic myelogenous leukemia detected by FISH method. Date of sampling FISH PCR chromosome bcr-abl

*

0

/

0 Y・5問ificDNA

*

*

%

mRNA 1989/6(3years) N.T. N.T. l飢O

+

1991/6 (5years) 98.5

+

90.9 1992/3 (6years) 99.4

+

l

.0 Date of BMT: 1986/6/13, ( ) :period after B恥1T,N. T. :not tested

*

Number of Y -negative cells/total number of

cells counted. More than 1000 B M cells were

counted. As the donor is a female, no DYZl positive spots could be observed in the donor-derived cells.

*

*

Y chromosome negative cells/ 20 B M cells CASE Disease* SEX(R/D)** 3 4 5 6 7 8

SAA SAA ANL ALL CML Mf

F/M M/F M/F F/M F/M M/F Time after BMT

*

*

% lmonth 2months 4months 6months lyear 2years 3years 7.0 89.7 83.0 97.0 94.7 95.0 99.8 87.0 88.7 97.4

*

SAA:aplastic anemia, ANL:acute non

-lymphocytic leukemia, ALL:acute lympho

cytic leukemia, CML:chronic myelogenous

leukemia, Mf:myelofibrosis

*

*

RecipientlDonor

*

*

*

Number of donor-origin cells/ total nu m-ber of B M cells counted. More than10

B M cells were observed. つ ん 1 i

(7)

異性間骨髄移植後の血液細胞におけるキメリズムの分子遺伝学的・分子細胞遺伝学的検討

5) De Witte, T. et a1., Br.J.Haematol., 74, 151-155 (1990) 1. PCR法 6) Appelbaum, F. R. et al., Ann. Int. A)PCR法の感度 Med., 112, 590-597 (1990) 男性・女性由来細胞を混合した場合11103という低 7) 加藤俊一,医学のあゆみ, 164, 703 -706 頻度でYαサ テ ラ イ トDNAが検出された. 限界希釈法により 1細胞からYαサ テ ラ イ ト DNA が検出された.このように検出率が高いことは,低頻 度のキメリズムを見逃さないが, populationの変化 を観察するには適さなかった. B)PCR法の迅速性 PCR法を用いたYαサ テ ラ イ ト DNAの検出は検体 採取後3時間と迅速であった. 2. FISH法 A)FISH法の感度 FISHシグナル検出率は 99%以上と高く,どのプ ロープを用いても同様の結果が得られた. B)FISH法の迅速性 FISH 法のシグナル検出は検体採取から 8 時間 ~1 日と比較的迅速に結果が得られた. C)FISH法の検出対象となる細胞 細胞の種類にかかわらず有核細胞であればシグナル が検出で、きたため,従来は検討が不可能であった分裂 間期細胞を対象とすることができた. D)FISH法を用いた場合のキメリズムの定量性 FISH法を用いると異性間骨髄移植において生着の 確認,移植後のキメリズムの解析が定量的に行えた. 3. PCR法での 11103L、う低頻度キメリズムの検 出と FISH法を用いた定量的キメリズムの判定は骨髄 移植の正確な予後判定のため大変有用であった.

謝 辞

本研究を行うにあたり,ご指導頂きました,兵庫医 科大学遺伝学教室古山順一教授,橋本知子講師, 第2内科武元良整講師に深く感謝致します.

1 ) 岡 本 真 一 郎 , 浅 野 茂 隆 , 最 新 医 学 47, (1993) 8) Krivit, W. et a,.1 N. Engl.J.Med., 311, 1606-1611 (1984) 9)Krivit, W. et a,.1 N. Engl.J.Med., 322, 28-32 (1990) 10) Aubourg, P. et a,.1 N. Engl.J.Med., 322, 1860-1866 (1990) 11) 岡本真一郎,医学のあゆみ, 164, 685 -689 (1993) 12) Nemunaitis, J. et al., Blood, 76, 245 -253 (1990) 13) Morishima, Y. et a1., Blood, 74, 2252 -2256 (1989) 14) 榊佳之,実験医学, 8, 1008-1011 (1990) 15) 加 藤 都 之 進 , 蛋 白 質 核 酸 酵 素 35 , 2957-2976 (1990) 16) Takahashi, E. et al., Hum. Genet., 86, 14-16 (1990) 17) Hashimoto, T. et al., Hum. Genet., 63, 75-76 (1983) 18) 古山順一,橋本知子,新生化学実験講座 18 細 胞 培 養 技 術 , 東 京 化 学 同 人 , 東 京 pp. 249-254 (1990) 19) Witt, M., and Erickson, R. P., Hum. Genet., 82, 271-274 (1989) 20) Takahashi, E. et al., Hum. Genet., 88, 119-121 (1991) 21)高橋永一,実験医学別冊細胞工学ハンドブッ ク,羊土社,東京, pp. 111-116 (1992) 22) 中 込 弥 男 , 中 掘 豊 , 田 村 高 志 , 細 胞 工 学 , 8, 845-849 (1989) 23) 中 込 弥 男 , 永 測 成 夫 , 中 掘 豊 , 蛋 白 質 核 酸 酵素, 37, 2191-2195 (1992) 1129-1135 (1992). 24) Nakamura, E. et al., Br. J. Haematol., 2) Gluckman, E. et a1., Blood, 79, 269-275 78, 130-132 (1991) (1992) 25) Miyamura, K. et al., Blood, 79, 1366-1370 3) Bortin, M. M. et al., Bone Marrow 升'ans・ ( 1992) plant,. 10, 113 -122 (1992) 4) 金丸昭久,医学のあゆみ, 164, 694 -698 (1993) 円 ペ d

Fig 3 .   PCR  a n a l y s i s  of Y ‑ α s a t e l l i t e  DNA  e x t r a c t e d   from mixed male ‑ o r i g i n  and f e m a l e ‑ o r i g i n  LC L . 
Table 2 .   C y t o g e n e t i c a l   and  molecular  g e n e t i c a l   a n a l y s e s   of  B M  c e l l s   a f t e r   BMT.  C a s e   1 ( 3 1  y e a r ‑ o l d  m a l e )  : a c u t e  n o n ‑ l y m p h o c y t i c   l e u k e m i a  c h r o m o s

参照

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