シューマンの「森の情景」作品82の第5曲(懐かしい風景)に関する演奏解釈
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(2) 188. とくに、その理由としては、全体を通し強拍の3達音 符で和音が解決しているためである。したがって、 〔L. H.〕は休符であるが、和声進行は記述のように推察で きる〔楽譜参照〕。 それぞれの重心は、各グループの1昔日であろうが、 エネルギーの減衰を補うために2小節1拍目まで、それ ぞれ1昔日をテヌートして差し支えない。 2小節2拍目 からのグループは、 3小節目の2分音符が倍音であり、. 備の役割を果たしている。. 音長・音積からも重心と判断でき、 4小節1拍目まで1 グループ〔イ〕を形成している③。. のFdurに転調しているところまでの上行形を1つの複 合グループ〔ウ〕と判断した。重心は最高音の1 7小節. 1 5-1 7小節1拍目までは今までとは違い、初めて 3連音符ではない8分音符群が現れている。 まず、極細グループを見てみると、 1拍目に〔R.H.〕 は筒音〇、 〔L.H.〕に4分音符△となっており、 1拍 ずつのグループ分けが考えられる。和声進行は1 6小節 1拍目で解決しているように見えるが、基本形でないた めに経過音的意味合いがせい.したがって、 1 7小節目. IfflH。. 〔4小節2拍目∼20小節1拍日〕 まず、 1 2小節1拍目では、 1-4小節1拍目のグルー プ分けと同様に考えられる。 〔ア〕④・④'+ 〔イ〕⑤、〔ア〕⑥・⑦+〔イ〕⑧ 4小節1拍目までと異なる点は、 〔L.H.〕にも3達音 符が現れている。詳細に見てみると、 ④・④'のグルー プは、和音はD-Tで解決しているが、バスのf音は持 続音的役割を果たしており、解決はしているものの基本 形ではないため留まらない雰囲気を醸し出している。さ らに、装飾音を伴い倍音的に使われていることがわかる。 これは、前の3連音符の3昔日が7度下行するエネルギー の反動から発生していると考えられる。重心は、強拍の 装飾音符であり、静かなジェットコースター型と判断で きる。 6)は、 〔イ〕と同型である。 7小節1拍目の〔R.H.〕 が単音のため〔L.H.〕の2分音符を内声部を使って3 連音符でバウンド分割し、エネルギーの減衰を補い8小 節1拍目のソプラノのg音にうまく溶け込むように解決 させている。 また、 7小節1拍目の3連音符の2書目をf音ではな く、敢えてfis音を使い、単なる経過音ではなく椅音的 役割により、いっそう、上行形のdim.をし易くしてい ることは見逃せない。 8小節2拍目から1 2小節1拍目までも上記と同様で. ⑫・⑬は、前述の考え方と同様。したがって、 〔a〕 でのグループは〔ア〕 + 〔ア〕 + 〔イ〕のフィギアパタンではぼ統一されていることがわかる。. 〔20-40小節1拍目〕 ⑮は〔イ〕の変形で、前の〔イ〕グループまで2分音 符であった倍音が4分音符に分割されている。その理由 として、 〔R.H.〕は直前の順次下行形の3連音符から 一挙に5度跳躍、 〔L.H.〕は7度下行し、音巾は19 度と最大で、そのエネルギーも増大しアナクルーズを形 成している。それを治めるためには、解決音-戻る程度 では不十分であり、 4度下のC音でやっと一時的治まり を見せるoしかし〔L.H.〕は23小節目の1オクター ブ上行跳躍が2 4小節1拍目のf音で治まりきれず、す ぐに3達音符が現れ、次グループへつないでいる。 2 3 小節目に現れた内声部は⑤と同様の理由である。 ⑰は〔イ〕と同型のフイギアパターンである。また、 それまでの2分音符の椅音は、次小節1拍目へ同和音内 で解決していたが、ここではⅣ-Vと進み転調している。 したがって、小節は取り立てて分かれていないが、半終 止の意味合いが強いと判断できる。 ⑬∼⑳は①∼(卦とはぼ同型であるが、転調を戻すため に〔R.H.〕の旋律は長3度上から始まっている。 〔L. H.〕ははっきりとV-Iでグループ内を解決させるバ. 〔ア〕 〔ア〕 〔イ〕となっているが、ここで注目すること は〔R.H.〕が上行形で〔L.H.〕も持続音が放たれ、. スが現れ、 30小節2拍目からもとのパターンに戻って. Ⅴ-Iのはっきりした解決がわかる〔ア〕グループになっ ている.このグループの重心は、強泊の装飾音と判断で きる。. H.〕と〔R.H.〕の音巾が最大となって解決しているわ. ⑨グループは④・④'と同様に考えられるが、 ⑲は 1 4小節目が同和音であり、 1 5小節目からリズム型が 変化していることより、 3連音符3つで複合の1グルプとした。この14小節2拍目の3連音符は、 1拍目の 装飾音が前小節のそれより1音付加されたことより、 d 音がf音まで放り出され、それが治まるために発生した ものである。しかし、あまり治まり過ぎないように〔L H.)は1オクターブ下行し、次グループの上行形の準. いるOしかし、 (釘のように倍音-入る前に、一旦〔L. けではなく、ともに下行して30小節2拍目のバス音C 音が③のそれより1オクターブ上であることから、エネ ルギーが小さいことがわかるO の、の、⑳の〔R.H.〕のグループを〔L.H.〕のグ ループが切れ切れにならないようにつないでいる。 ⑳の装飾音符はのからの上行形のエネルギーが増大し て発生したもので、そのエネルギーが3 4小節2拍目の b音まで放り出されて抜けそのまま下行し、再び3 5小 節1拍目に向かってエネルギーが増大している。その大 きさは、 ⑳の内声部に3連音符の上行形が現れているこ.
(3) シューマンの「森の情景」作品8 2の第5曲【懐かしい風景〕に関する演奏解釈. とを見ても明白である。 ⑳∼⑳は⑳∼⑳に準ずるが、 〔R.H.〕に4分音符、 〔L.H.〕に3連音符が現れている形に変わっている 〔音型についてはフレーズで論ずる〕Oさらに、 〔R.H.) では単音ではなく和音で動いていることがわかる。 39小節1拍目では、音高・昔積ともに最高となって いる。. 40小節2拍目∼43小節1拍目は、 1-4小節1拍. 189. 3-4小節のⅤと比較すると緊張度も高く重心と考えら れる可能性が高い。しかし、下行形の勢いが余って後続 昔群は再び上行し、すぐに減衰できず3小節目の倍音を 生み出している。つまり、重心が後ろへ移行していると 考えられる〔ジェットコースター型〕。 したがって、 (9(参はアナクルーズ、 ③の倍音を重心と する17,レーズ〔1〕と判断できる.以下、フレ-ズの 考え方はほぼ同様である。. 目と〔R.H.〕の旋律線は同一である。しかし、 〔L.H.). ※ 〔1〕は曲全体のintr0.的役割でもありテーマでも. の和音は進行しているものの、バスのf音は持続音的効. ある。. 果を出し、和声進行もはっきり表面化させず、不安定感. 奏するときには、 31小節目に向かってcresc.していく. を出している。したがって、 〔L.H.〕は1グループと. が、 1つ1つの3連音符は1昔日に軽くアクセントをっ. し、重点は4 1小節目の2分音符△とした。. けて2-3音にかけて抜き、浮いた表現を心がける。そ. ⑳では③と異なり解決もなくすぐに〔ウ〕のグループ 群に入っている。. して、 1昔日の3度の下行形を使ってcresc.していくと、 重い表現にならず軽快さを保持できる。. ⑳は〔ウ〕の変形であるが、 〔L.H.〕の1拍目は休. 2小節目の上行形はそのままdim.しないで3小節目. 符が現れている。したがって、 ⑪よりはエネルギーの小. まで音量はそのままにしておき、- 2分音符を使ってテヌー. さいグループであることがわかる。当然のことながら、. トすると良い。その時、それまでの3連音符群の勢いで. 3連音符にバウンド分割する力もなく最高音もg音に留. アゴーギクが生じ、それを治めるために多少、長めに奏. まり、エネルギーは減衰を始めている〔釣鐘型〕。. するとうまくフレーズの末尾を表現できる.以下、どの. 〔L.H.〕はその逆形で〔R.H.〕の最高音・g音で最低. フレーズも同様に考えられる。. 音C昔まで下行し、音巾も最大になった後、その反動で 上行しながら治まっている〔ジェットコースター型〕。 したがって、音型で判断すれば⑳アナクルーズ、 ⑳デジ. ※ 〔2〕の重心の7小節目に向かってのアナクルーズ は徐々にcresc.と考えず、グループ内のアゴーギクを考. ナンスの1つの複合グループと考えられる。. えていきたい。したがって、 4小節2拍目のf音から後. のは①で治まりきれなかった残力で再び現れているエ. 続音g音に抜くと浮いた表環が可能となる。装飾音符も. コーであるが、後続音がg音ではなくC音に下行してい. 大げさにならぬように音量ではなくほんの瞬間、軽く重. る。しかし、まだまだ治まりきれないエネルギーは内声. さをかける程度に留め、小さなうねりで進んでいくよう. 部に筒音を生み、 4 7小節1拍目のb音っまり次グルー. に奏する。この時、あくまで拍節感が変わらないように. プの⑬でやっと治まっていると見て取れる。したがって、. 気をっける。 ④'は反復進行であるため、エコー的に④. ⑬から始まるコーダ風のグループ群の前に、一旦エネル. よりやや音量を控えると良いが、 6小節1拍目の3連音. ギーが減衰している状態がわかる。. 符後半からの上行形を利用し、 7小節目のa昔に向かっ. ⑲・⑲'はフイギアパターンにより同型〔ェコー的〕. てcresc.していくとうまく表現できる。併せて、 6小節. の2グループとしたが、極細グループは1小節1グルー. 目の〔L.H.〕のf-dの下行形でcresc.すると広がりが. プと判断できる。. 出る。それを7小節目の〔L.H.〕の上行形を使って dim.していくと穏やかに締めくくることができる。な. 〔フレージング〕 グルーピングを基にフレージングを考察していくこと. お、ここでのcresc.の意味はあくまで〔2〕内での表現 であり、ディナミ-クは極控え目にすべきであろうO. とする。 曲全体を通して〔ア〕 + 〔ア〕 + 〔イ〕の3グループ を統合して1つのパターンが形成されていることがわか る。 まずは、それが1つのフレーズになり得るかどうか検. ※ 〔3〕では〔R.H.〕の装飾音符にテヌートをかけ ながらグループごとにどんどんcresc.していくと良いO 〔L.H.〕は、多少Ⅴ-Iを考慮し、強相の音量を控え 浮いた感じに抜くと和声進行がうまく表現できる。. 討してみる。. 〔4〕は〔3〕の解決音から始まっており、完全にエ まず、 4小節2拍目までを見ると、 2小節1拍目の. ネルギーが減衰していないことを示している。それを一. es音〔最低音〕に向かって3連音符の順次上行形をモ. 層顕著に表しているのが⑪のリズムの変化である。また. チーフとして下行している。この2小節目の和音はⅡで、. ⑬の後半で和音の解決も見られず転調していることから.
(4) 190. も判断できる。したがって、類同の要因による4小節単. と同類のフレーズと考えられる。全体的に音高も最低で. 位のフレーズ分けはできず、 20小節1拍目までの8小. エネルギーはついに減衰しきったと判断できる。. 節を1フレーズ〔4〕と解釈した。加えて〔4〕の⑨⑲. ※ 〔5〕は〔4〕の末尾の音量程度で始め、 23小節. は〔3〕の治まりきれないエネルギーを引き続いて減衰. 目前後でディナミークを少しつける程度に留める。さら. させていくデジナンスとも見て取れる。. に〔6〕は〔5〕でdim.した音量で奏し始め、 27小. ※したがって、奏するときには〔3〕のフレーズの末. 節目の侍音も多少テヌートをつける程度でどんどんdim.. 尾の解決をあまり弱くしすぎず、そのままの音量で〔4〕. していくと良いOしたがって、エネルギーは減衰の一途. に突入させ、 ⑨⑬のうねりを使ってdim.する。. をたどっているため、必然的にnt.せざるを得ない。そ. ◎作曲者は、 12、 13小節のg音に<>をつけてい. して、 28小節1拍目の4分音符も消滅するまでフェル. るが、そのことを物語っていることがよくわかる。した. マータをっける必要があろうO. がって、少しテヌートをかけるとうまく表現できる。. ◎作曲者が2 6小節目でEtwas Laugsamerと指示し、. ⑪では1拍ずつ、 〔R.H.〕は下行形・ 〔L.H.〕は上 行跳躍を使って1昔日にアクセントをしっかりつけ、 2. 2 8小節2拍目からIm Tempoとなっているのはその理 由であり、分析と一致したといえる。. 書目に抜きながら1 7小節1拍目の最高音C昔に向かっ てcresc.すると良い。. 〔7〕は〔1〕のフレーズの変形であるため再現部と. ◎作曲者は敢えて⑪の1拍ずつスラーをつけて分けて. も捉えられるが、 〔a〕が20小節で形成されている整. おり且つ<をつけ、 C音はfと指示しているのはこうい. 合性を考えると、 4 0小節2拍目からが再現部であると. う理由からであろう。. 判断するほうが好ましいように思われる。. このフレーズのアナクルーズはそれまでのフレーズよ. 〔L.H.〕の4分音符は〔6〕で減衰しきったエネル. り長く、エネルギー量が増大していることがわかる。そ. ギーがさらに放り出された状態の〔R.H.〕を補うため. れによりクライマックスもすぐには治まらず、その余剰. にⅤ-Iで支えている。したがって、この下行形で再び. エネルギーにより17-1小節目は、 〔L.H.〕も8. エネルギーは増大し始め、 3 1-3 2小節1拍目では治 まりきれず、その余剰エネルギーで〔8〕は〔7〕の終. 分音符から3連音符に変化している。ま.た、 〔R.H.〕 は1 7小節1拍目の最高音C音からまだ上のd音へ放り. 結音a音から上行形を形成する。. 出され、さらには装飾音符を生み出しているため、これ らのグループもクライマックスの延長であると考えられ m ※したがって、 17、 18小節はそのままの音量で奏 し、 19小節の〔L.H.〕でdim.するとうまく治まる。 ◎作曲者が1 8小節目の3連音符ごとにスラーをつけ ているのはこの理由であろう。 ※したがって、作曲者は曲の最初のアウフタクトの小 節でPと指示しているが〔R.H.〕のみの単旋律という こともあり、あまり弱くし過ぎず、軽快に奏することを 心がけるほうがPの感じを表現し易い。実際にPで奏す るのはむしろ〔2〕と思ったほうが良い。 〔5〕の始音は〔a〕の終了音f音から始まっている。 〔3〕 - 〔4〕のフレーズの関係の類同の要因から判断 すると、 〔5〕は〔4〕のデジナンスで減衰しきれない エネルギーを治めようとするフレーズであるともとれる。 ここで注目する点は⑮で、倍音が4分音符に分割されて おり、併せて今までの〔L.H.〕の2分音符も4分音符 に分割されていることである。さらに24小節1拍目の 〔L.H.〕は4弟音符ではなく3連音符に分割されてい る。したがって、エネルギーはまだ減衰しきっていない ということがわかる。 〔6〕の始音も〔5〕の終了音から始まっており〔5〕. 〔8〕は〔1〕 〔2〕のフレーズとリズムパターンは. 類同しているものの、初めて順次進行形の3連音符群が 現れている。詳細に見てみると、 〔7〕のデジナンスの 解決の残力で3 2小節2拍目の3連音符は放り出され、 一旦3 3小節1拍目のf音に5度跳躍下行し治まったと 同時に、再び3 4小節2拍目の最高音b音に向かって上 行を始める。この時バス音は〔7〕の終結音f音と同音 でアナクルーズを支えており、持続音的意味合いが強く、 終始緊張感を保っている。しかし、このバスでは〔R. H.〕の増大するエネルギーを補いきれず、そのために 内声部が現れている。これは順次下行形で〔R.H.〕と の音巾を徐々に広げ、クライマックスでともに上行跳躍 するまでエネルギーを増大させている。当然のことなが ら、 34小節1拍目の〔R.H.〕の装飾音符はそれまで の上行形が勢い余って発生したもので、それが最高音の b音まで跳躍させている35-36小節は〔8〕のデ ジナンスではあるがバスは引き続きf音で、緊張感はま だ緩んではいないことがわかる。 〔8〕 〔9〕は転回対位法になっており、反復進行形 である。 (9〕の〔R.H.〕はグルーピングで述べたよ うに、順次下行形をたどりながらエネルギーは増大し、 その勢い余って3 9小節1拍目の和音に跳躍し、 〔L.H.〕.
(5) シューマンの「森の情景」作品82の第5曲〔懐かしい風景〕に関する演奏解釈. との音巾も最大でクライマックスを形成している。 〔8〕. 191. 目はa音まで跳躍し、 3連音符に分割されているが、 4. から〔9〕に入った瞬間はエコー的であるが、広がりも. 4小節ではg音までに跳躍も留まり、リズムも8分音符. あり抑揚も大きい。エネルギー量を比較すると、 〔9〕. のままである。 〔L.H.〕も前半では〔R.H.〕とともに. >〔8〕ということがわかると同時に、 〔9〕は展開部. 8分音符の分割で上行しているのが、ここでは下行形で. のクライマックスのフレーズであると判断できる.さら. しかも1拍目は休符になっている。したがって〔10〕. に、曲全体のクライマックスでもある。. の後半は前半のクライマックスの変形であり、 〔1〕の. ※したがって、 〔7〕は〔6〕のdim.したままの音量. 後〔2〕がすぐ現れず、回想的に〔4〕を使って先にク ライマックスを作っているのと同様である。 ⑳は最高音. で始めるべきであろう。 ◎作曲者がPと指示している意味は、この理由からで. g音も境れ〔10〕のクライマックスであろうが、その. あると分析できる。. 後続音だけでは治まりきれず反復形の⑳を再度発生させ. 3 1小節目のb音までは大げさなcresc.は避け、ここ にテヌートをかけるくらいがちょうど良い表現になるで. ている。しかし、 d音ではなくC音まで下行してもまだ エネルギーは減衰しきれず、 4 6小節1拍目には筒音が. あろう。本格的には〔8〕からcersc,が始まるので、つ. 現れ、内声部をも生み出し、やっと治まったと判断でき. なぎ的フレーズと捉え、軽めに仕上げるとメリハリが出 る。. る。 〔⑳>①〕。 ※ 〔10〕の開始音は再現部ということを強調するよ. ◎作曲者は31小節目に<>、 32小節2拍目にfp. うにしっかりと始める。. と指示してあるのはこの理由からであると分析できる。. ◎作曲者がd音にf pと指示してあるのはその理由で. ※ 〔8〕では34小節2拍目b音に向かい〔R.H.〕. あろう。. は上行形を使ってcresc.していくと良いが、 3 4小節1. 4 3-4 4小節目のcresc.もあまり大げさに考えず、. 拍目の装飾音の後続昔はとくに抜けないように気をつけ. 44小節2拍目のクライマックスのg音にテヌートをか. る。その余剰エネルギーでb音にアゴーギクが生じるた. け、 45小節2拍目g音にもややテヌートをかけ、 46. め、多少アクセントをつけ長めに奏するとクライマック. 小節の内声部の旋律を抜けないように丁寧にdim.する. ス感が増す。その時、バスのf音はかなり強めなタッチ で始めなければ3小節問を支えられないので注意する。. と〔10〕をうまくまとめることができる。なお、 45 小節目2拍目からはエネルギーもほとんど減衰している. また、内声部は下行形のため抜けていかないようにする. ので、当然rit.せざるを得ない。. と一層cresc.に寄与できる。のも余りdim.せず、そのま ま〔9〕に進むと良い。. ◎作曲者が44・45小節2拍目にfp、 Etwas Langsamerと指示しているのはこの理由からである。. 〔9〕の〔L.H.〕は音域が〔8〕より1オクターブ 低いため〔R.H.〕の旋律線と同様な感じで奏してもェ コー的には聴こえる。しかし、それよりも〔R.H.〕の. 〔11〕では〔R.H.〕が〔10〕の末尾の46小節 2拍目からテーマが現れているO類同の要因からフレー. 38小節までをdim.し、 39小節の和音にテヌートを. ズを考察すると、 50小節2拍目までを1フレーズとし. かけるくらいで十分表現できると思われる。. たいところであるが、カデンツァの完了も見られず、さ らに⑳と⑬'が反復進行形〔エコー的〕でつながってい. 〔10〕を〔1〕と類同の要因により考察すると、 4 3小節1拍目までを1フレーズと見ることができる。し. るために分けないはうが好ましいであろう。 53小節2 拍目でやっと和声進行の完結が見られるが、その末尾が. かし、和声進行を見てみると、 47小節1拍目でやっと. 56小節目まで続いており、ここまでを1フレーズとし、. 解決を見ることができ、 7小節で1つのカデンツァを形. 曲全体の末尾であると解釈した。. 成していると見て取れるOまたバス音は4 2小節2拍目. ※したがって、ディナミークはpの音量内で少しつけ. ∼4 4小節目までは例外であるが、 4 0小節・2拍目のf. る程度で十分であろう。強いてつけるとすると、 48小. 昔が4 6小節目まで持続音的役割を果たしていることが. 節2拍目は治めず4 9小節1拍目にcresc.し、 b音にテ. わかる。以上のことを併せ考えると、長めではあるが4. ヌートをかける。 51小節1拍目も同様であるが、 51. 7小節1拍目までを1フレーズ〔10〕と判断できる。 〔1 0〕の後半は〔1〕の旋律線と同型であるが、バ スのf音は〔7〕 〔8〕の続きのように同音で保たれて. -52小節目はエコー的であり2皮目はテヌートも多少 控えると、その後も一層dim.していき易い。. いる。したがって、 〔8〕で治まりきれなかったェネル. ◎作曲者はb音にfpを指示している。 〔10〕の末尾と〔11〕の始まりは重なっているた. ギーがまだくすぶっており、この下行形で再び増大し、. めに、 46小節2拍目と47小節1拍目のどちらからイ. ⑳.⑳が〔ウ〕の変形を発生させている。しかし、前半. ンテンポに戻すかということを考えてみると、 〔R.H.〕. のそれのように勢いはなく〔R.H.〕では1 6小節2拍. の旋律は4 6小節2拍目から始まっているものの、内声.
(6) 192. 部と〔L.H.〕の解決は47小節1拍目であるため、こ こからテンポを戻すべきであろう。. 参考楽譜 1、ウィーン原点版:音楽之友社. ◎作曲者が4 7小節にIm Tempoと指示しているのは この理由であろう。. 2、 A.コルト版: Editions Salabet. ※この曲は全体を通して戯れるような感じを3連音符 で表し、最後まであまり留まらず軽快にスケルツアンド 風に奏すると良い。 ◎作曲者はそのことを曲首にSchnellと指示し、アッ プテンポを要求している。. 4、全音楽譜出版社. おわUに 上記の分析結果のとおり、すべての作曲者の指示記号 は分析と一致したことが証明できた。 次回の第6曲では、上記の結果を踏まえ、より詳細に 分析していく所存である。 〔注〕 保科洋著「音楽における表現の基礎について」 『教 材の研究と指導』全日本学校音楽研究会、 1 9 8 8年9 月. 冠t%」閥. 1 、池内友次郎・長谷川良夫・石桁真ネ峰他共著『和声・ 理論と実習I』音楽之友社、 1964年4月 2 、池内友次郎・長谷川良夫・石桁真礼生他共著『和声・ 理論と実習Ⅱ』音楽之友社、 1 965年5月 3、池内友次郎・長谷川良夫・石桁真礼生他共著『和声・ 理論と実習Ⅲ』音楽之友社、 1 966年7月 4、保科洋・田畑八朗共著『和声応用の楽しみ』音楽 之友社、 1985年3月 5、保科洋著『生きた音楽表現へのアプローチ.D音楽 之友社、 1998年5月 6、新山鼻弓著「シューマンの「子供の情景」作品 1 5に関する演奏解釈〔1〕」 r兵庫教育大学紀要』 第15巻第2分冊、 1995年 7、新山奥弓著「シューマンの「子供の情景」作品 1 5に関する演奏解釈〔2〕」 『兵庫教育大学紀要』 第16巻第2分冊、 1996年 8、新山虞弓著「シューマンの「子供の情景」作品 1 5に関する演奏解釈〔3〕」 『兵庫教育大学紀要』 第17巻第2分冊、 1997年 9、新山鼻弓著「シューマンの「森の情景」作品82 に関する演奏解釈〔1〕」 『兵庫教育大学紀要』第 18巻第2分冊、 1998年 10、新山真弓著「シューマンの「森の情景」作品82 に関する演奏解釈〔2〕」 『兵庫教育大学紀要』第 19巻第2分冊、 1999年. 3、 G.へンレ版.
(7) シューマンの「森の情景」作品8 2の第5曲〔懐かしい風景〕に関する演奏解釈. 193. On Interpreting ``Waldszenen Op.82 by Schmann - Freundhche Landschaft Mayumi NIIYAMA. In order to play a piace of music to perfection、 we need to properly understand the piece in advance with in some good framework. There are, however、 not very many works on constructing theories of music analysis. This paper shows how effectively one of such theories works to understand Schumann's "Waldszenen" Op.82, employing a mathod designed by Hoshina (1988)、 and claims that correct analysis is the first step to any good performance..
(8) 194. Freundliche Landschaft (i; ま ) ゥ 17JQ JS ItVib f¥ I 碑. T二一 -ォ 蝣 " 一 r,? . ...一一 d P「 ■ ■ 「 サI.ー l「 Arr t^y--- 1 -1 I >iv- -- - 「w v ? L ▼ J l . ′ mj mmr m m 一 M I VHM T O l.■ 」 担 I.- H- *J- i ^ M- II- 蝣 .!**- A1m4H一院 岩戸 一 ■ - ^■ ^m .m .、 蝣蝣 蝣M ■ - 弓 ㌻ 一 … J- 」 ー 叫 (譲p こ こ エ) 叫 I, 「 ± = =→一 ′ r担 芦 一 一 )」千 貞 ▼ ー ■ J J ) ) 望 E Z L l 蝣 9◆ . 一声亡 声畏 i.サ #I ・ 一 L 6:. W. 廿. K ^ K rw i73 _^ il^ 5 紺 ^. だ 1^-1/. 皿. q. urci堊 童 童 童 童. 日独 )【 「一 一 `弘一. Iこ ユ ; 題 .ノ. L# ). 【 J ,. 「 rIT π 「 蝣 n. rv -tI-. , # 」. ===x Ttr‥. ^ r-fォ. = 一 =一1品一. 肌 レ〝‥1 lx m. ◆. - h一 x m▲ F.I t am m 【 ■ .■ 一 .I 対甜. imm ;r iM m . 一 ■ ′ ...I こ 寸. I. 声 脚. 一五 b .. 朗. ". - 準. 車. ■. ′ ■. 訂 亘り一 虚」 - レ■ 叫且 U 」.ふ 一J‡ Lー古市 ▲. (7 ノW. ▲. 望. F TM m 一.. I 塑. !蝣"蝣ォ一.. ●ー -. 盟. 一 ll . 一 l l一 l」. ′. 臥. .. lf f trt…M T 2 vf -声 1. ■ ■ -■ - - . ■ ■ -- l . ■ .■ ■ ■ -■ ■. ▼¥ ′ 11 1・ . l -<-1. 止し-. 蜘 ,カ i ー /ii irォ VBtd-. ① ^. 工. ▼ .一 室 m 1. ぐ .u削. ー ■ - J. ‥ー. 当. 牒. J JLJlP. .. -- , ♭事 】-. g. P. P. E. Al. ′「 「. .. , Jl 、 n u tm ti 一 蝣H K ^ W 'I . . 0. ■一戸. -. ▼fi i i>. 18. ^ rj .. ・. _ -*<L _._. W. ー- ー. l. -. 」. 卓. 一. .. IF. サ A 1. h」. 」. ′ iH u. It. j. I-. '^ vm mma^ r -^ ttm im ttm mmm -. -. ■. 甘●. &. ‖. 、 λ0. ー. ▲◆ -L h一 ^ m wm i【 l▼J -一 ■". -■. 」■■ -. ■ ■ 一-. ▲ タ. 一. . ... 1 . ... .. = -. . = J-. = -. = -. tC :V. ^. O. i.. m. J. i il ^ 蝣 11 i I. ■ ■- 【 ● 1 1^"ォ ・ .! P im ar Q S SvI]. . IM TWT1 I W ... ∫ I(I).. 一. h一 . - I.L- I.. I 111 1 -■ ■ ■ 由-. ◎ D. '. I 蒜 一. 」 ■. LJ. I-. .. 、. I. -. ◆. `降). 一 哩. 蝣 蝣 .. '▲ le ^ s ! . I-. m.I-. *..^m.^m^^m. ㈲. .. 川. ==. '. -1- ふ■J. 語コVt k. h【. mr ^ am r*. .. ◎. ■ 一 一▲ -. 一M M H BH IKIIIM W H H Hi^ ^ H 石 i _ _t ^ i- b n ^ ^ iv -^ u▼ l一. -ll面. ■1 一 一 . ′ J 一.】. - B MH BH HI^ 蝣PTI. ▲. I'J U II…Jbt仙 山 一 Jしー 蝣 n^ i w ・). = = I-. ▲. ■. -L ー叫. ◆. im m ar a u a a M M 蝣蝣 ・"^ mam a i ^ f ZL ^^ m^^^^ ^m fm w-J^ ^m ^ ^ m^ ^H ^ Htm - P E l J l ■ ■■ ..■ ■ ....■■ ■ .■ ■ ■ ■ ..■ ■ ■ ..■ . .. t7J. F. . 一 -a a.一一. 蝣 w. 一一 車-. ■一 着一■ー. `今. n *r?Z ^ :「 V*. L▼ aaii^ Bv aa w 「 ▲W jIHBr^BM Mt.一 一 #1サV ^i I ォJ -. ー. 1. 壬. 0 5.. ′ ..一 .一 ォ-. T ir i. iW i *- 蝣FT $」 -W. -. ▲ -一 r l. 卑. ▼. n判 - I 一 ,m. 二. l一 *i. ..
(9) シューマンの「森の情景」作品8 2の第5曲〔懐かしい風景〕に関する演奏解釈. leh 、. ォ). .. ′ Tl*V I icjl f I ,一 Ll一 ■ ■ lワ 蝣 蝣 蝣蝣 Hi" I 一 .. m) i 一 一 雷.. v-. I ' ぎ(!・ l. <. 一 一 一. -. =. 1 "-. - -. ;. -. 車 ⑲ f. m. 飢. rr 蝣 r i. ㊥ ‥ :. " 1、 慧. 「 且. H u tav ^ M -. .I † r V-. 、■. 「.′ ′ ▼ . ・ 蝣ォ ・ >蝣. l胤 ‥. w. 柵. rw n 一 ′ 1 _^^__ l壬 車 ′. E「. 一. 一 .そ. 飼. in m :′ 1■ ■一 ■一 山. -. t、 蝣 '>/n 一 .. L一 k a mi▼ . . 」] L J -」. 一 一 ■. L ii.i I j も. 工8-Tf t ,. ′ ∃ 鮎. -■ ■ ■ .■ ■ ■ ..... 皇. ( 蝣 o La -. -. -. -′ 一 . if I朱. 主. ▲. 蝣・ i -蝣I f l u i^ n. r 「 -「. 「 一蝣 ・ ォ 蝣蝣 合 = 1■ .-. U サ・ I t i M U Jm n rn r z^ I LL r t 蝣 T 7. 他. i- m ^ :i*m m mm蝣1 蝣iv Mmm m m- l 1Lー ‥ -. ^-. tr n. r. 琶 am 一 .. t;. 蝣蝣 蝣*サ/ IT IM ^ -. > 蝣. Tl. 蝣 II I 蝣 一 .一 ′. ①. - 1L、L 一!. lォUlM itiM ^ m 】 mm ^ 蝣m m v am J J. V .・ .・ ..・ ・ . . I ,㌢ . IT* I Illl....・. 81r i. 山 1ォM. 195. 蝣 II r^M .^M ii l 」■ふ. 主. 」. 「 石. 唱. Y 一 . - I. w a i 乙- .. .r t I .-. if. T i. IX. 市. -. -. r ;サ^ ^ -. -. i. .. 祇 「、. L1 ) I :▲. a1;;^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ ^ -. ¥M I I′ trxim 【-. -. I I サ - "蝣 - 蝣 ′一 .m m m im ]^ ^ m m mm m 蝣 ・ 蝣K f l n m m m mm ^ m ^. ㌢ 主 la ◆ i ォm a iv ^ B H mm n ttim m一 E i. 41^. IW >^ I-. J j.. 肥■ 伸一. Im 'S ifi flti M M :!一 K U 'JB B M I】 I, 」一 一 ふ..一一. -. l-. 一. J&* #蝣 1-. 六. ^. -. t .1. r+i-. ^ i 表■" " 〟" ■■■" ■. .. R. 『. 一 ^a Ji-L、 r- m m ^ ^ ■ 甘 え. h. I- 蝣 【. &. 蝣 -. 蝣 :サ 蝣 蝣蝣 蝣一^ 蝣ism n :ti** M aH i^ HB U乱. i if *. 蝣 i 1^ ^ l匝 ▲. .. 「 事. 蝣 0 -. mr ^ - r. の. t %・I .a. ▼蝣 ・ 蝣 If 、 一JTL f i* _ i -^ - r ^ l , r す T ? 61yi. I. .'n * X " I. f¥ I q g g V IL# I 1 L. I w¥サv 、 LJ ・ ) < 1. . *ォ 11/. rT rm ¥ . 溝 ヒ .. i n. h h i^ .L. .. JqIr ′. 一 * I. . i. 一_. ョ:. .. 皿. . -. ■. .-. f. -. F. 亡. .. .. .. .. .. I l. J r ℡■細■ 〇円題l書う L LJ J l,-. - ◆権. I ♭ 声. ,A. L. T ?育 の. ズ. I M ^i ^ 1▼ ′. エ. 1. 一 L. I. 一 .、/-<-ォ 、. ^. ‥. 昌 平一 カ. 」. - mmi - f. ‥ 7>. d. ョ. ⑳. ..一 、 . . T相. 蝣 *蝣. 訂潮*e3vbhb H ^H H !" ■■■m J 幽u r a ir 'H ー. m l 「 一 一. lIぺ■ 一 ..■ I V 1 I′ .■ r 蝣 サ ォ ォ ! ・ ・^ 蝣 蝣蝣 蝣 蝣蝣 蝣 H 1 ー ′ . 蝣蝣蝣蝣M M l 」- ▲ _ l ◆ 旨享 ♭声 寡 .. .. ′. ^. h h j lL 一一」. ⑳. . 工. 潮. ⑳′. ra o n^ ^ aB l ー r 題8 喜ロv r. 夢書 - 一 .ー u&t V J-m m m m % ■ ■一 ba- J - ...・ ..■ - .・ .・ .・ . 呈 - 雷 { = ォ. 辛. Ifit V. i .. A瑠 穐. 48. .h. I. 蝣 (T *. ⑳= ト. I d 一 fL) m u a▼m * ァif ーノ r L l h . . r. 惣. hJ. ^-. 、「 ー「. rrtrサ -^ - ^ " i r1 -蝣 H .H f -M M - 」 サS M L.一 m^ M M m mmiAir *jam lIl. -. ー 'm . ). - ■-. ー. 声望 ー. h恥. 一一 ▼. ^^ -. 1. 品. ⑳ 肋 「「 「. 一 」- 」 J. i^ M. L ・ ・ !>!ォ" m m ^ m a^ t^ m ^ r ^ mm a m m m n * r ? ー ′サ│^ "N H^ ^ ^ 一 tIK ニ C V H a^ 'M I 一. I. CJサ. ^ M ^ -. I. ^. . .. ▲ .- P 一 .. ド . lr . 1 1 1 一. ∼一 什 .′ w mj m rサ i. 甘. tさ l "JA-. l .. rt r l-. t - -1. `′ t L-. 、 t.
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