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中級学習者の日本語学習過程に関する一考察 : 予備教育既習者クラス聴解テストの結果を基に

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Academic year: 2021

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(1)二三, u4 円 中級学習者の 日本語学習過程に 関する一考察. 一. 予備教育既習者クラス 聴牌テストの 結果を基に一 松. 由美子. 田. ( キーワードコ. 聴 解文、 聴牌過程、. 発話過程、 個別性、 学習ストラ テジ一. はじめに. 横浜国立大学の 留学生セソタ. 一 予備教育における. 既習クラスでは、 佐々木 教. 授を中心とした 担当教員の話し 合いの結果、 コミュニカティブアプローチを 取 り. 入れた教授法をべ ー スとしてカリキュラム・デザイソを. 決定し 、 6 か 月の日. 本語授業が展開された。 その間になされた 教室活動はコミュニケーショ の開発を重視して 編成されてあ り、 4. ソ 能力. 「読み」を核としながら、 同時に総合的に. 技能を開発、 促進するような 活動を伴. う. プロバラムとなっている。 具体的な. 活動の種類は 聴 牌 ・会話に関するものだけでも、 読解文の要約や 意見交換、. レ. アリア、 ディベート、 トピックに関する 会話文聴 牌 、 あ るいはプロジェクトワー ク等、. 多様であ り、 学生の自主性に ポ イソトをおいたものだった。. こうしたさまざまな 活動を通じ、 5 人の学習者はどのような 力をつげていっ たのだろうか。 本稿ではクラス 終了時にアチーブメントテストとして. 行った 聴. 解試験の結果をもとに、 それぞれの学習者の 学習達成状況を 概観した いと思け 。. 聴 解試験はテープ 教材を聞き、 その要約報告や 関連した話題に 関し、 意見を述 べるといった 形式で行った。 こうした課題は 学習者にとって、 (1)必要な情報 を 聞き取り、. (2)その情報を再構成して (3)談話の状況に 応じて相手に 伝える、. という認知過程が 必要となり、 生活レベルにおいても 専門領域においても、 何 らかの形で要求されると 考えられる。 これら 聴 解から発話に 至る過程において 学習者が示す 特徴を調べ、 その共通性、 及び個別性の 一端に触れてみたいと 思 ぅ. 。 また、 その際、 どのような学習ストラテジ ーが 使われていたかという 視点、. 一. 18. 一.

(2) からも考察を 加えてみたい。 1. 聴 解試験 試験の実施日は 1994 年. 9 月. 13 日の午後であ り、 約. 3. 時間をかけて 実施した。. 方法、 手順は次の通りであ る。 1一1. 試験用 聴 解文. 佐々木教授の 指導に基づき、 次の 2 種類の聴解文を 作成した。 ①記事 聴 解文. :. 新聞の記事文を 佐々木教授が 読み上げ録音したもの (1). ②会話 聴 解文 : 新聞記事の内容を 基にした佐々木教授と 松田講師による 会話 文を録音したもの。 (2) 1一2. 試験の手順. は )まず、. 試験のやり方について、 全員に説明する。 その後個別に 学習者 (A 、. B 、 C 、 D 、 E) (3) を教室に呼び、 記事 聴 解文を を 述べさせた。. 1. 回 聴 解させ、 全体の要旨. その際、 メモは自由にとってよいことにし、. 発話の際にメモ. を見る 、 見ないは自由とした。 教師の指示、 および学習者の 発話を録音した。. (2@ 話 聴 解文を話のまとまり 毎に区切って 聞かせ、 要旨を述べさせたり、 質問 に 答えさせたりした。 学習者の理解の 程度に合わせ、 同一段落を繰り 返し 聴. 解させる等、 学習者の発話をできるだ. け 多く. 弓. l き 出すよ. う. 配慮した 0 メモに. 関して 掛 1)と同様とし、 これも録音した。. (3陣 習者. 1. 人当たりの所要時間は 約 20 分程度としたが、 各学習者の日本語の レ. ベルに合わせて 進行したため、 発話量は必ずしも 一定ではない。(4). (4@ 音部分の文字化 録音した談話を 文字化した。 学習者の発話は 大ぎく①要旨報告に 関する発話、 ②関連話題に 関する発話、 ③日本語学習ストラ テジ 一に関する発話、 の 3 つ に 分かれている。 ①は記事文及び 会話文を聴解し、 内容に関しての 要旨を報. 古 している発話。 ②は①以外に、 記事に関連した 発話. ( 主に、. 意見や各国の. 状況等に関しての 教師からの質問に 答えたもの ) 、 及び、 この 2 種類の発話 以外は主に日本語学習に 関してのストラ テジ 一に関するものだったため、. れを ③とした。. 一. 19. -. こ.

(3) 2.. 聴解 過程. 2一1. 語彙 数. まず、 学習者がどのように 聞き取っているかについてのひとつの 報告文に使用された 語彙 数. ( 異なり語数 ). に表した。(5)表 中の. り、 聴 解の際に学習者が 認知、 記臆 したものの指標として 考えて. よいと 思、 われる。(6)次に の 語彙であ. 1. 現れた語彙のうち、 各聴 解文に使用されて. 「再生語彙」とは 学習者の報告文に. いる語彙であ. を調べ、 表. 目安として、. 「他の語彙」とは、 報告文に使用された. 再生語彙以覚. り、 聴 解文の内容を 理解した上で、 報告文構成の 際に必要な語彙と. して学習者の 持っ既習の語彙から 選択されたものと 考えられる。 また、 それら の 語彙の中で、. 記事 聴 解文中の出現頻度の 高いものがどのように 学習者の報告. 丈 に現れているかを 表 表 1. 2. に示した。. 各聴 解文における 語彙 数 使用状況と学習者の 聞き取り状況. く聴 解文に使用された 語彙数の比較. ノ. a. 記事 聴 解文中の使用語彙 数 :. b. 会話 聴 解文中の使用語彙 数. :. 143. 重複語彙 数 58 千 その他 33 = 91. 40.6%). c . 会話文と記事文の 重複率 ( 重複語彙 数 / 記事文中の使用語彙敬二. く 記事 聴 解文 ノ 学習者. A. 発話 数 再生語彙 数 ( 再生率. :%). B. C. D. E. 4. 5. 5. 3. 17. 12. 24. 11. (11.9). ( 8.4). (16.8). ( 7.7). 他の語彙 数. 5. 7. 14. 1. 語彙総数. 22. 19. 38. 12. 発話 数. 10. 5. 2. 24. 3. 再生語彙 数. 21. 32. 15. 40. 11. く 会話 聴 解文 ノ. ( 再生率. :%). (23.1). (43.9). (35.2). (12.9). 他の語彙敬. 3. 6. 5. 12. 2. 語彙総数. 24. 38. 20. 52. 13. 一. 20. 一.

(4) 表2. 記事 聴 解文における 語彙の出現頻度と 学習者の再生状況. D. 木 木 水 木. C. 求. B. 本木 木木 木. A. 寒 水. a. 求. ホ. ホ ホ ホ ホホ. b. 木 木 水 木 木. 氷. d. c. 木 木. ネ 木 木. e. f. h. g. i. 寒. 求. 氷. 求. 求. j. 求 水 木. k. l. m. n. o. 水 木. p. q. r. s. t. 語彙. 10 (7)(7)(6)(6)(6)(5)(4)(3)(3)(3)(3)(3)(3)(2)(2)(2)(2)(2)(2). / (. ホは 学習者の発話 丈 に再生. 表. 1. ). 数字は記事文教材中の 使用回数. に示す通り、 学習者は基本的には 聴 解文で聞き取った 話 彙を 手掛かりに. して、 報告文を構成しているのがうかがわれる。. また、 表. 2. からは、 記事文に. おいて出現頻度の 高い語彙ほどよく 聞き取っている 傾向がみられ、 繰り返し使 用される語彙をキーワードとして. 記憶するという、 効率的な聴牌ストラ テジ一. を 共通して使っていることがうかがわれる。. らず、 殆ど発話に使われていない よ. う. :. 語彙もあ る。 例えば、. 対 「先生」の. 「教師」. に記事文出現数と 学習者の使用数が 逆転している 例もみられる。 これは. 「意味を持っ 昔 彙. 反対に出現頻度が 高いにもかかわ. :. 教師」を学習者が 聞き取る際に「類似の 意味を持っ身近な 話. 先生」として 変換して認知するか、. な 類似の語彙「先生」を. あ. るいは、 発話の際により 発話に容易. 選択するか、 いずれかの認知操作を 行. う. ことを示して. いると思われる。 語彙の聞き取りの 範囲の広さとしては C が比較的平均して 聞き取っているこ とがうかがわれる。 2 一2. 聴 解文による違い. 一方、 表. 1. から明らかなよ. う. に、 語彙の再生率は 記事文と会話文によって. なり差があ る。 会話 聴 解文と記事 聴 解文の語彙資料重複率が 40%. あ. か. るため、 会. 話文 聴経 時には記事文 聴解 による聞き取りが 促進効果を与えていると 思われる。 一. 21. -.

(5) で報の再Ⅰ こ は要し後 p. わ な 思 、れ いる か。 と. 諸ル留別の除 会べ学を干を レは桂君D. で等ががと聴 詰問道理ぃ事 談質相無た記 めててはえ 、 後 せっの加ず 解れよすをま. の春遍、たら 語内普にっか 本その心かさ 日量適中な潔 のい共をれ簡 者なに性らの 習ら者別待客 Ell2 字な習個が内 には学のタと うれ、若一致 ょげら習デ報 D 一33たなか学部情 べし値は一 で、て す生 迎新 口以 で親タこにい C561 項、 一こうつ し 1のでデ 。よに 法の、るす告 方るてれ示報 B189 のい っわが旨 0の. と記す1 6 ろはレがぅ達発か会 てりま み事彙態ょ伝 、る、し取で を土語状る、上は等スきの つと交情 惟男、 いすの約が示ぅ聞る ま法言は 昔文文 解解 の解もで、 る間吉例程講応情 、たがる情 若穂分分く 劣時報や過の対 にし容い 単記会 3 ①② 検 のし表. 一. 22. 一.

(6) A. と. C 、 及び、 B. と. E の 2 つのグループに 分 げられる。 B と E は前述の要旨 10. のうちでも、 特に ポ イソトとなる 察を豊富にする②大学などの を 育てること ). 3. 点. ( 理科離れに対する. 考え方は①実験・ 観. 入試を改善する③化学の 面白さを教えられる 教師. をほとんど把握している。 A はその学習歴と 日本語が専門分野. であ ることから当然としても、 ここでは C の聴牌力 め 良さが目立つ。 一部内容 把握に勘違いがあ ったものの、 情報量としては A より多い。 また、 報告文とし ての完成度も 高い。 C は 聴 解の際、 ハソバル でのメモを多く 残しているが、 単 語 レベルのメモに 基づき、 これだけの文を 構成するのは 全学習期間. 1. 年に満た. ないことを考えると、 かなりの伸びを 示していると 言えよう。 漢語に対する ハ ソ. グル発音の類似性がかなり 有利に働いた 可能性もあ るが、 やはり社会的な 話. 題を豊富に盛り 込んだテキスト 選択が適切であ ったことや、 会話文の聞き 取り、 読解文要約等の 教室活動が総合的に 効果をあ げたのではないかと 考える。. 対して B. と. E にとっては 書 ぎことばによる 新聞記事文の 聴解は少し不利に 働. いたようであ る。 B は日本での留学経験もあ るせいか、 会話文に出てくる 種類 の 語彙は非常に 豊富であ るが、 反面書きことばには 弱い。 また、 E も漢語理解 力 め 不足が聞き取り. 2一4. 過程においても 負担になった 可能性があ ると考える。. 学習ストラ テジ一. メモに関しては A 、 B 、 C が特に熱心に 取っていた。 特に B は最初あ まり メ. モを取らなかったが、 記事文での要旨報告が 必ずしも充分にできなかったとい ぅ. 意識からか、 会話文摘 解 に際しては多量のメモを 残している。 そのせいか、. メモを取る前と 後では報告量がかなり 違っている。 教師の質問に 対応する以外. にも積極的に 報告しているところをみると、. メモがかなり 効果的に使用されて. いることがわかる。 また、 C の記事報告発話部分は. 5 人中一番長く、 しかもそ. 0 発話は途中殆ど 途切れることなく 整然と続いている。 これは C の 文 構成 力に. 負うところが 大きいが、 いずれにしてもまとまった 内容を聴解し、 要約すると きは短期記憶力に 頼るだけではなく、 それを 補 9 手段としてメモ 等の視覚的な 手 掛かりを残すといったストラテジ. ーも 欠かせないということであ. ろう。. E は聴牌に関する 自己報告の中で、 単語レベルでは 聞き取れるが、 わからが. 一. 23. 一.

(7) い 言葉に出会うと、 それが何か考えてしまう 間に今まで聞き 取ったことが. われてしまう. ". と述べている。 未知の語彙が 聴牌に不利に 働くのは言. う. "こ. までも. ないことだが、 同時に聞き取れない 要素に対するこだわりや 不安がマイナスに 働くことが示唆される。 3.. 発話過程. 談話の中で学習者の 会話力の高さは a. 相手に必要最低限の 情報を伝えると い 9. 段階から b. その情報をより 効果的に伝えるというレベルに. と考えられる。 例えば「冬休みはど. う. するんですか」とし. 移行していく. 目上の人からの 間. ぅ. いに対して、 最低の情報を 伝える手段として、 「スキー」という 表現から「 ス キ 一に行く」、. 度は高くなる。. さらに「スキ 一に行こ. うと. 思っています」という 表現へと完成. こうした発話をするためには①正しい. 確さ ③発話場面に 応じた表現の 選択といった. 語彙の選択② 文 構造の正. 要素が必要になってくる。 つまり、. 学習者は語彙を 基本的な文として 組み立てる段階を. 経て、 談話の流れをスムー. ズに 進めるためにも、 話者の意図を 正確に相手に 伝えるためにも、 相手の発話 に対応した効果的な 文末表現を使い 分け、 かつ、 相手によって 発話 文の スタイ かな 変えるという 方向に向かって 習得していくのではないかと 考える。 3一1. 文 完成度. ここでは学習者の 発話 丈 において、 以上の要素がどの 程度満たされているか を 概観することにする。. 性. :. 上述の観点から 学習者の発話 丈 について、 Ⅲ意図伝達. 学習者の意図が 聞き手に伝わっているか (2度構造の正しさ. 正しい構造となっているか 文末対応. :. ( 文の始まりと. 終わりで. " ねじれ ". :. 文が基本的に. がないか等 ) (3). 文末が相手の 発話に対して 適切に対応しているか (4@ 遇表現. であ る聞き手に対して 基本的に丁寧体を 使っていたか、 度の判定を行った。 判定は. 1. の4. :. 教師. 項目から文の 完成. 発話文中にそれぞれの 項目が満たされていたか 否. かで行い、 全発話文中、 各項目が満たされていた 発話 文 がどのくらいの 割合を 占めていたかを 算出し、 数値が高いほど 完成度が高いとした。. 一. 24. 一. (8).

(8) ). 教師 /S. Ⅲ意図伝達性. ウ 有り. T : 出双講演会って 何ですか。. (2反 構造. 中正しい. S : 高校に行って. (3度 未 対応. ウ 非対応. (4@ 遇表現. ウ 不適切. ( 実際の発話文例. T「 :. :. 学習者. 講演のようにする‥. ( 期待される発話文例 ). S. :. 高校に行って ノ.. 表4. /-. 講演のようにすることです. 談話 丈 における文の 完成度. 学習者. 意図伝達性. 交構造. 文末対応. 待遇表現. A. 100 .0. 93 .3. 82 .4. 62.5. B. 88 .9. 61.4. 14.7. 7 .0. C. 100.0. 90 .0. 80 .0. 86 .2. D. 100 .0. 93 .3. 85 .7. 92 .9. E. 100 .0. 78 .6. 50 .0. 57 .1. ( 単阻. %). 表 4 をみると、 やはり、 学習者は双述した 段階を追って 発話文を発達させて いく傾向が読み 取れる。 まず、 基本的な意図伝達性に 関しては、 全員ほとんど 問題がない。 B については、 記事文の要旨報告に 際し、 語彙の列挙にとどまり、 意図不明な発話が 若干みられたが、 その他は発話自体の 意図が不明であ ること はなかった。 しかし、 文 構造は学習者によって 個人差があ る。 A 、 C 、 D はこ の 程度の会話では 文の完成度はほ ぼ 同じレベルと 考えてよい。 文 構造もこまか い 点を除けばかなり 正確に組み立てられており、. 文の. " ねじれ ". もほとんどみ. られない。 語彙や細かい 表現力を身につけてゆ げぼ 、 順調に伸びてゆくと 思わ れる。 B に関しては、 発話を聞いていると、 文の組み立てより 語彙優先、 つまり伝 えたい情報をまず 優先させようとするストラテジ. ー をとっている 印象を持つ。. B は日本語学習歴も 長く、 日本の高校に 留学していたこともあ. り、 特に同年代. 0 日本人との会話経験は A と共にかなりあ る。 そうした経験を 通して、 耳で 捉. えた豊富な語彙を 持っていることが 教室活動においてもうかがわれるが、. それ. らの語彙情報の 断片をどのように 文の中に組み 込んだら効果的かということに. 一. 25. 一.

(9) 対しては比較的重きをおいていないように. 思える。 B にとっては、 今後どのよ. うにその点を 意識していくかが ポ イソトのひとつとなろ. う. 。. 文末対応と待遇表現に 関しては一層個人差が 明らかになった。 この点に関し. ては B. と. E は他の学習者に 比べて完成度が 低く、 発話の内容はともかく、 形式. としては時としてやや 幼い印象を人に 与えることがあ る。 E に関しては学習歴 がまだ浅いので、 これから現実での 会話 量 ないかに増やしていくか、 そしてそ の効果がどのように 現れるか期待したいところだが、 の 長さを 居、. ぅと、 少し危惧の念もないではない。. B に関してはその 学習歴. B の経験が会話における 聴牌. 力や コミュニケーション カ を伸ばしてぎたことは 疑. う. 余地もないが、 B. に限ら. ず 、 生活レベルで、 特に限られた 範 時の人達との 交流において、 「通じる日本 語 」が周囲に受け. 入れられ、. 学習者自身も「通じさせる」ことにのみ. 中してしまう 結果、 日本語があ るレベルで、 中間言語研究でい 石化」. し、. う. 意識を集. ところの「化. その段階から 先に進みにくくなる、 ということがあ るのではないだ. ろうか。 A の待遇表現に 関する数値が 他に比べて低いのは A のレベルから 考えると、. 言語能力の問題ではなく、 文末を最後まではっきり 言わないうちに 聞き手に引 き 取ってもらうといった、. むしろ母語話者にもみられるような 談話進行のパター. ソをとっている 可能性があ るのではないかと 考える。 3 一2. 学習者ストラ テジ一. 学習者の発話に 関する学習ストラ テジ 一に関しては、 試験結果との 具体的な 関連から前項目で 一部述べた通りだが、 その他気付いた 点について述べてみた い。. A に関しては言語能力に 関しては、 このクラスの 要求する水準を 超えていた と 思われるが、. 専門が日本語であ るだげに、 ともすると逆に 言語能力のみに 重. きを置いてしまう 傾向があ るような気がする。 ディベートなどではむしろ 言語 能力では劣る 他の. 4. 人の方が時として 活発な討議を 展開していたことからも、. 今後は、 言語能力を使って 伝える内容にどのように 幅を持たせるかが 課題とな ると思われる。 B については前述の 通りであ る。 B の持つ意図伝達のストラ テ 一. 26. 一.

(10) 一の強さを生かしながら、 伝達の効果をより 高めるような 指導上の工夫をす. ジ. べきだったのかも 知れない。 C 、 D はクラス終了時に 教室活動に対する 感想の. 一部として、 自分達の発話をチェックして 欲しかったと 述べていることから、 文の完成度を 高めるためのモニターをかなり 行っていたことがうかがえる。. ま. た 、 両者は韓国人であ るため、 韓国語と日本語の 類似性が文構造の 伸びに影響. した面もあ ると 居、 うが、 E も含めて「読み」の 効果が大きかったと 推測する。 こうした学習者の 持つストラテジ ーな 効果的に統合していくためのより の ストラテジ. ー. 上位. として、 「メタ認知ストラテジー」があ る。 学習者によっては、. 意識的にこれを 利用している 場合もあ るが、 こうしたストラ テジ 一の存在に気 付かせ、 積極的に利用させる 工夫をすることも 必要かも知れない。 4.. まとめと今後の 課題 以上、. 5. 名の学習者の 聴牌過程、 発話過程に関し、 簡単に概観した。 今回の. 談話の中で殆どの 学習者が日本語学習について、 では生きた日本語学習にならないと. いわゆる 廃 学的中心のやり 方. コメソト している。. 6. か 月の教室活動を 通. じて、 学習者は各課題に 関し各人各様の 積極性を見せた。 これは、 テキストの 取り上げたテーマがちょうど 学習者の知的レベルに 合っており、 基本的な動機 付けが充分になされた 上、 学習者の主体的な 活動を刺激したことの 表れであ ろ ぅ. 。 その結果、 学習者はそれぞれの 伸びを示し、 また、 同時に個別の 問題点も. 提示してくれた。 それは学習者だけのものではなく、. 教える側に問われる 問題. でもあ る。 言語能力そのものの 開発と共に、 それを社会の 中でいかに運用する か への発展、 また、 学習者が言語習得ストラテジ ることへの働きかけ 等、 これからの課題となろ. ーな 効果的にコソトロールす う. 。. 注 Ⅲ新聞記事は 1994 年. 9 月. 12 日付 け 朝日新聞より『がっこ. う. 解体新書一理科離れ. 防ぐために大学教員の 手で改革を団を 用いた。 ( 約 200 話 / 録音時間約 4 分 15 秒) 一. 27. 一.

(11) (2噺聞 記事は「. だ ・であ. 事の内容をできるだ. る」体で書かれており、 漢語も多い。 そこで、 この記. け 変えずに、. 理科離れの話題について、 二人の教師が 話. しているという 設定で再編成した。 特に学習者にとって、 理解が困難と 思わ れる漢語を他の 言葉で言い替えたり、 要点に関し例をあ げたりして、 内容を 不自然に変えずに 談話にしたものであ る。 自然さを重視して、 プト. は作成せず、 佐々木教授主導のもとに 談話を進行した。. あ. えてスクリ. ( 約 390 話 Ⅰ録音. 時間約 5 分 25 秒 ). (3洋智 者の年齢、 性別、 国籍等は佐々木教授の 論文で紹介されている。 (4)C の資料に関しては、 録音上の手違いで、 一部録音を欠いている。 (5にこでいう語彙とは、 普通名詞、 形容詞、 副詞、 動詞に限る。. (6席土語彙の中には、 記事 聴 解文中の語彙をそのまま 短期記憶として、 直接、 報告文に使用したものか、. 報告文構成の 際に既習語彙から 選択されたものが. 判別しにくいものもあ るが、 厳密な区別は 不可能であ る。 ここでは目安とし て記事文に使用された 語彙はすべて 再生語彙とした。. (7)1 発話とは①ポーズやイソトネーショ. ソ で前後を区切られている②接続詞等. で内容に関し、 区切りがあ る③途中、 聞き手の介入があ っても 文 構造上続い ている、 等の点を考慮に 入れて判定した。. (8戊未 対応は厳密にはさらに 下位の分類が 必要であ るが、 本稿では詳しい 分析 が. 目的ではないので、 別の機会に譲る。. 参考文献 (1ルベッカ,L. オックスフォ 一ド. 宍戸 通庸. ・. 伴. 紀子訳. 1994. 『言語学習. ストラ テジ 一山凡人社. (2松田由美子 NIIGATA. (3休谷修. 1992. 言語としての 日本語習得過程に 関する事例研究」. Educational Psychologist vol,9. 1979. (4個 崎 志津子 本語教育. 「第 2. 『話しことばと 1993. 3. 日本人』. 創拓社. 「ラジオニュースの 型と日本語教育への 応用」世界の. 号 一. 28. 一. 日.

(12) (5産業能率短期大学日本語教育研究室編. 1988 『講義を聞く 技術』産業大学. 出版部. (6法々 木 泰子・川口臭. 1994. 「日本人小学生・ 中学生・高校生・ 大学生と日. 本語学習者の 作文における 文末表現の発達過程に 関する一考察」日本語教育. 84 号. (7)Seljnker,L .1974 Interlanguage.in Richards,J.C .(ed.)1974 (8桁 蓋 幸生. 1984. 『ヒアリソ グ の行動科学』研究社出版. (9佃丸 淑子,吉岡薫 ,木村静子 1993 期的 観察」日本語教育 ㎝山本富美子. 1994. 「学習者の発話に 見られる 文 構造の長. 81 号. 「上級聴 牌力 を支える下位知識の 分析 一 その階層化構造. ほ ついて」日本語教育. 81 号. 一. 29. 一.

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表  2   記事 聴 解文における 語彙の出現頻度と  学習者の再生状況 

参照

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