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トリハロメタン生成に及ぼす臭素イオンの影響

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Academic year: 2021

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(1)

(31)ト

リ ハ ロ メ タ ン 生 成 に 及 ぼ す 臭 素 イ オ ン の 影 響

国立公衆衛生院

○相 沢

貴 子

栗 田工 業(株)鈴

国立公衆衛 生院

真 柄

泰 基

1.は じめ に 水 処 理プ ロセ ス の一 つ で あ る塩 素 処 理 に よ り,水 中 の有 機物 は塩 素 と反 応 して,ト リハ ロ メ タ ン(以 下,THMと 略 す)な ど低 沸点 有 機 ハ ロゲ ン化 合 物 になる。水 道 水 にお け る ク ロ ロホル ム の全THMに 占 める割 合は一 般に高 いが,臭 素 を 含 むTHMも 存 在 す る。 塩 素 化 有 機 物 と 臭 素 化 有 機 物 との 生 体 に 及 ぼ す 影 響 を 比 較 す る と 後者 が 高 い こ とが 多 い 。 しか しな が ら,塩 素 処 理 に よ る臭 素化THMの 生 成機 構 に関 する報 告 は 少 い。 河 川 水 な ど表 流水 中の 臭素 イオン は0.02∼0.2mg/l,海 水 に は55∼60mg/l存 在 し て い る 。 島 嶼 の 貯 水 池 や 河 口部 の 表流 水 を 取水 して い る浄 水 場 の原 水 は風 送 塩 や海 水 の 影響 を受 け る ので 臭素 イオ ン濃 度 は 高 い もの とな る。 原 水 中の臭 素 イオ ンが臭 素化THMに な る理 由 としては,臭 素 イ オ ンが 塩 素 に よ り次亜 臭 素 酸や 次亜 臭素 酸 イオ ンに酸 化 され,こ れ が 有 機物 と反応 す るた め と考 え られ てい る。 この こ とを 示 す事 例 報 告 もあ る。 しか しな が ら原 水 中の 臭 素 イ オ ンの影 響 を 明 らか に す る定 量 的 な報 告 は な い。 そ こで,フ ミン酸 を有 機 物 と して,こ れ らの こ とにつ い て研 究 し たの で報 告 す る。 2.実 験 2.1試 料 芝 生 腐 葉 土 よ りBlack, Christmanの 方 法 を 用 い フ ミン酸 を 抽 出 し,こ れ を 試 料 と し た 。 実 験 に は,こ れ を0.1N, NaOHで 溶 解 し,0.45μmの メ ン ブ レ ン フ ィ ル タ ー で 濾 過 し,1,000mg/lの 濃 度 と した も の を 原 液 と して 用 い た 。 な お,こ の フ ミ ン 酸 のTOC当 量 は0.96で あ る 。 2.2試 薬 標 準 試 薬;ク ロ ロ ホ ル ム(CHCl3),ジ ク ロ ル ブ ロ モ メ タ ン(CHCl2Br),ジ ブ ロ モ ク ロ ル メ タ ン(CHClBr2), プ ロ モ ホ ル ム(CHBr3),臭 化 カ リウ ム,水 酸 化 ナ ト リウ ム,硫 酸,サ ラ シ 粉,臭 素 水,L― ア ス コ ル ビ ン 酸 精 製 水;蒸 留 ・イ オ ン交 換 水 に 塩 素 水 を 少 量 加 え た の ち,約1時 間 煮 沸 し,THMお よ び 残 留 塩 素 を 完 全 に 除 去 し, 精 製 水 と し た 。 塩 素 水;サ ラ シ 粉 に 塩 酸 を 加 え て 塩 素 ガ ス を 発 生 さ せ,硫 酸 で 洗 浄 後 精 製 水 に 吸 収 さ せ て 作 成 し た 。 2.3塩 素 お よ び 臭 素 処 理 方 法 フ ミン 酸5mg/lを 含 む 供 試 水 を20℃ で 恒 温 と し,所 定 の 有 効 塩 素(臭 素)濃 度 と な る よ う に 塩 素 水 ま た は 臭 素 水 を 加 え る 。 つ ぎ に,所 定 のpHに な る よ う に0.1N,H2SO4ま た は0.1N,NaOHで 供 試 水 を 調 整 し,び ん に 満 水 に した 後,密 栓 し,反 応 時 間 だ け 静 置 す る。 2.4ヘ ッ ドス ペ ー ス法 に よ るTHMの 定 量 塩 素 お よ び 臭 素 処 理 水 の20mlを 容 量26.g±0.1mlの バ イ ア ル ビ ン に 採 取 し,残 留 塩 素 お よ び 残 留 臭 素 を 消 去 す る た め に,少 量 のL― ア ス コ ル ビ ン 酸 を 加 え て,シ リ コ ン ゴ ム 栓,ア ル ミキ ャ ッ プ で 密 栓 す る。 つ ぎ に,こ の バ イ ア ル ビ ンを 激 し く振 と う した の ち,25℃ の 恒 温 水 槽 に1時 間 放 置 し,気 相 の 一 部 を ガ ス タ イ ト シ リ ン ジ で50μl採 取 し,ECD

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検 出 器 付 ガ ス ク ロ マ トグ ラ フ に 注 入 す る 。THM は ピ ー ク 高 か ら 検 量 線 法 に よ っ て 定 量 す る。 ガ ス ク ロ マ トグ ラ フ 条 件 カ ラ ム;20%シ リコ ンDC-550,ク ロ モ ソ ル ブW(AW-DMCS)φ3mm×2m,温 度;カ ラ ム 90℃,検 出 器130℃,キ ャ リヤ ー ガ ス;N260ml/ min 2.5残 留 塩 素 お よ び 残 留 臭 素 電 流 滴 定 法 に よ り 測 定 した 。 Chlorine dosage 10.0 mg/l, pH 7.0 Reaction time 24hr

Fig.l Relationship CHCl3 produced and Humic acid concentration 3.結 果 及び 考 察 3.1フ ミ ン酸 のTHM生 成特 性 フ ミン酸 の標 準 原 液を 種 々の希 釈 率 に な る よ う 希 釈 して供 試 水 を 作成 し,こ れ に塩素 注 入 量 が10 mg/l,pH7.0,温 度20℃,反 応 時 間24時 間 の一 定 条 件 の も とで 反 応 させ,THM生 成 量 と残 留塩 素 濃 度 を 測定 した 。生 成 す るTHMは ク ロロホ ル ム が 主 で,ジ ク ロル ブ ロモ メタ ンが痕 跡 程 度 認 め ら れ た 。 フ ミン酸 濃度 とTHM生 成 量 お よび 残留 塩 素 濃 度 との関 係 をFig.1に 示 す 。Fig.1よ り,反 応 後 の残 留 塩 素 が1mg/l以 上 存 在す る範 囲 に おい て,THM生 成 量 と フ ミン酸 濃 度 との間 に(1)式で 示 され る 関係 が成 立 す る ことが 分 る。 (1) THM;THM生 成 量(μg/l) C;フ ミ ン 酸 濃 度(mg/l) す な わ ち,THM生 成 反 応 は,丹 保 が 北 海道 泥 炭 地 水 につ い て報 告 して い るの と 同様 に,前 駆 物質 で あ る フ ミン酸 濃 度 の ほぼ1次 反 応 で あ る。 フ ミン酸濃 度 を5mg/l,塩 素 注 入 量 を10mg/l と し,pHを4,7,10の3条 件の もとで生成す るTHM の 時間 変化 を 求 め た結 果 をFig .2に 示す 。Fig.2 は24時 間 反応 させ た 時のTHM生 成 量 に対 す るt 時間 反 応 させ た 時 のTHM生 成 量 の 比で 示 して あ る。 この結 果,THM生 成 速 度 は反 応pHに か か わ らず,(2)式 で 示 され る こ とが明 らか とな った。 (2)

Humic Acid 5mg/l, Chlorine dosage 20.0 mg/l

Fig. 2 CHC13 producing velocity

Chlorine applied

Humic Acid 5mg/l,Reaction time lday

Fig.3 Relationship CHC13 produced with chlorine applied

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THMt;t日 間 反応 後 のTHM生 成 量(μ9/l) THMs;1日 間 反 応後 のTHM生 成 量(μ9/l) t;反 応 時 間(日) フ ミン酸濃 度 を5mg/lで 一 定 と し,塩 素 添 加 量を 変 化 させ て 反応 させ,24時 間 反 応後 に 生 成 したTHM量 と塩素 添 加 量 との関 係 を求 め た。 結 果 をFig.3に 示す。 な お,Fig.3は 塩 素 添加 量10mg/lの 条 件 で生 成 した THM量 に対 す る比 で示 して あ る。 この 結果 にお いて も反 応 のpHに か か わ らず,THM生 成 量 と塩 素 添加 量 との 間 に は,(3)式 で示 され る関 係が 成 立 す る こ とが 明 らか とな った 。 (3) THMce;塩 素 添 加 濃 度Cl2(mg/lに お け るTHM生 成 量(μg/l) THMlo;塩 素 添 加 濃 度10mg/lに お け るTHM生 成 量(μg/l) また,上 記 の 実験 結 果 よ り反 応pHとTHM生 成 量 の 関係 を 求 め る とFig.4の よ うで あ る。塩 素 添加 量 にか か わ らず,THM生 成 量 と反 応pHは 同 じ勾配 を 持つ 直 線 で示 され,(4)式 が成 立 す る。 (4) THMpH;反 応pHに お け るTHM生 成 量(μg/l) THM7;pH7に お け るTHM生 成 量(μg/l) (1)式 ∼(4)式 よ り,実 験 に 用 い た フ ミ ン 酸 のTHM生 成 量 を 示 す(5)式 が 得 られ る 。 1.10 0.27 1.59 0.22 〔THM〕=0.33〔C〕 〔Cl2〕 〔pH〕 〔t〕  (5) こ れ らの こ と よ り芝 生 腐 葉 土 よ り 抽 出 した フ ミ ン酸 の THM生 成 は フ ミ ン 酸 濃 度 と反 応pHに 強 く支 配 さ れ る こ と が 明 ら か と な っ た 。 Humic Acid 5 mg/l Fig. 4 Effect of pH to THM produced

Humic Acid 5mg/l, Chlorine applied 10mg/l, pH 7.0, Reaction time 24hr

Fig.5 Effect of Br toconstitutions of THM produced 3.2臭 素 イ オ ン共 存 時 のTHM生 成 フ ミ ン 酸 濃 度5mg/lの 供 試 水 にBr-を0∼2mg/l (0∼25μM)の 範 囲 で 添 加 し,反 応pH4,7,10の 3条 件 で,塩 素 添 加 量10mg/l,反 応 温 度20℃ の 一 定 条 件 で 塩 素 処 理 した。Fig.5にpH7の 測 定 結 果 を 示 す 。 な お,PH 4,10の 条 件 に お け るTHMの 生 成 パ タ ー ン もFig.5と ほ ぼ 同 じ で あ る 。 供 試 水 中 に 臭 素 イ オ ン が 存 在 し な い 条 件 で はCHCl3の み が 生 成 す る が,臭 素 イ オ ン を 添 加 す る と 臭 素 イ オ ン 濃 度 の 増 加 に つ れ て,い ず れ の 反 応pHに お い て もCHCl3は 減 少 し,CHCl2Br,CHClBr2,CHBr3が 生 成 し,こ れ らの 総 量 と し て 示 す 臭 素 化 ト リハ ロ メ タ ン生 成 量 が 増 加 す る 。

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CHBr3はBr-の 増 加 に 伴 い 指 数 関 係 的 に 増 加 す る が CHCl2BrはBr-が 約0.8mg/l(10μM),CHClBr2は 約1.2 mg/l(15μM)で 極 大 値 を 示 し,Br-が それ 以 上 に な る と 減 少 す る 。 各 反 応pHで の 臭 素 化THM生 成 量 とBr-濃 度 と の 関 係 を 示 す とFig.6の よ う で あ り,(6)式 が 成 立 す る 。 (6) THMBr;総 臭 素 化THM生 成 量(μM) Br-;Br-濃 度(μM) k;定 数pH4, 0.05, pH7, 0.13, pH10, 0.22 す な わ ち,臭 素 化THM量 は共 存 す るBr-の ほぼ 一 次 反 応 と して 示 さ る こ とか ら,そ の生 成 機 構 と して は 下記 の 反応 に よ りBr-が 塩素 によ って 次亜 臭素 酸 また は 次亜 臭素 酸 イオ ンに酸 化 され,こ れ が塩 素 と同様 な 反応 様 式 で フミン酸 と反 応 してTHMを 生 成 す るもの と考え られ る。

Humic Acid 5mg/l, Chlorine applied 10mg/l, Reaction time 24hr Fig.6 Relationship Brominated THM

Produced and Br-coexist

臭 素 化THM生 成 量 はBr濃 度 の 増 加 と と も に 増 加 す る が,総THM 生 成 量 は あ るBr-濃 度 ま で は 増 加 し な い 。 こ れ はBr-の 増 加 と と も に CHCl3が 減 少 し,あ たか も 減 少 した CHCl3がCHCl2Br,CHClBr2へ 転 換 す る よ う に 変 化 し,そ の 総 量 が 保 存 さ れ る よ う な 反 応 が 進 行 す る た め で あ る 。 しか し な が ら,pH4で 約 8μM,pH7で 約75μM,pH10で 約 3.5μMのBr-濃 度 に な る とCHBr3が

Table.1 The constitution of THM produced

生 成 し 始 め る 。生 成THMの うち 塩 素 を 含 むTHM(CHCl3, CHCl2Br,CHCfBr2)とCHBr3と に 区 分 し,こ れ ら の 量 とBr-濃 度 との 関 係 を 示 す とTable.1の よ うで あ る。 す な わ ち,CHBr3を 除 い たTHMの 合 計 は,Br-濃 度 に 関 係 な く ほ ぼ 一 定 で あ り,CHBr3の み がBr-濃 度 に 比 例 し て 増 加 し,総THM生 成 量 が 増 加 す る。 した が って,CHBr3 が 生 成 し な い 条 件 で は,CHCl2Br,CHClBy2は 競 合 反 応 で あ りそ の 構 成 比 は 異 る が,そ れ らの 総 量 は 一 定 に な る こ と が 明 ら か と な っ た 。 試 料 水 へ の 添 加Br-量 と 生 成 した 含 臭 素THM中 の 臭

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素 量 との 比 を臭 素 化率 と して求 め,こ れ と添 加Br-量 との関 係 をFig.7に 示す 。 臭 素化 率 は添 加Br-量 に関係 な く,同 一pH条 件 で は ほ ぼ一 定 の値 す なわ ちpH4で28%,pH7で6. 8%,pH10で10.2%で あ る。 同様 にBr-の 存 在 しな い ときの 塩 素 のTHMへ の 転 換 率 を求 め る と,0.1%∼0.5%の 値 を示 し,臭 素 化 率 に比 べ て 低 い こ とが分 った。 この こ とよ り, 次亜 塩 素 酸や 次亜 塩素 酸 イオ ンよ りBr-が 塩 素 によ り酸化 され て生 成 す る 次亜 臭 素 酸 や 次 亜 臭 素 酸 イ オ ンの 方 が フ ミン酸 と反 応 して THMを 生 成 しや す い もの と結 論 づ け られ る。 Br-の 共 存 す る状態 に おい て もTHM生 成 は,(6)式 の定 数(k)とpHと の関係 を 示 すFig.4か ら, ク ロ ロホ ル ム生 成 反 応 と同 じpHの 影 響 を 受 け る こ と が 明 らか で あ る。 次亜 臭 素 酸 と次亜 塩 素酸 の 解 離 定 数 の差 か ら,次 亜 臭素 酸のTHM生 成能 が高 い とい う 説明 もあ るが,pH4あ るい は10と い う条 件 で の 実 験 結 果 か ら考え る と必ず し も解 離 定 数 の差 の み で 説 明 出来 な い と思 わ れ る。Fig.8は,フ ミン酸 と塩素 と の反 応過 程 で 脱 塩素 し,pHを 変 更 させ た後 のTHM 生 成 状 況 と脱 塩 素,pH調 整 しな い系 のTHM生 成 状 況を 示 した も ので ある。 フ ミン酸 と 次亜 塩素 酸(イ オ ン)が 反応 してTHMを 生 成 す る反 応 は,Rook, 富 田 らが 示 して い るよ うに,大 き く2つ の反 応 か ら 成 り立 って い る こ とがFig.8よ り明 らか で あ る。 す な わ ち,フ ミ ン酸 とハ ロゲ ンか ら中間 体 を生 成 す る 反 応 と中間体 か らTHMを 生 成 す る反 応 で あ り,前 者 の反 応 は ハ ロゲ ン量 に 関係 しpHに 関 係 しな い反 応

Reaction period (day)

Humic Acid 7mg/l, Chlorine dosage 10mg/l

Fig.8 Behaviours of CHCl3 produced by changing the reaction pH

Fig.9 Effect of chlorine applied to constituents of brominated THM produed で あ り,後 者 の 反 応 は ハ ロゲ ン 量 に 関 係 な くpHに 関 係 す る 反 応 で あ る 。 これ ら の こ と か ら も,Br-の 影 響 は反 応pHと 切 り離 して 解 析 す べ き も の と 考 え られ る 。 フ ミン酸5mg/l,Br-濃 度12.5μM(1mg/l)で 一 定 と し,添 加 塩 素 量0∼15mg溜 〔0∼210μM〕 を 変 化 させ た結 果 をFig.9に 示 す 。 塩 素 量 が 増 加 す る と生 成THM量 も 増 加 す る が,あ る 塩 素 濃 度 を 越 え る と 逆 にTHMが 減 少 す る こ と が 明 らか と な っ た 。 こ の 現 象 はCHCl3,CHCl2Brは 塩 素 量 に 比 例 して 増 加 す る の に 対 し,CHClBr2,CHBr3は あ る 極 大 値 を も っ て 変 化 し,極 大 値 後 減 少 す る割 合 がCHCl3,CHCl2Brの 増 加 す る割 合 に 比 し て 大 き い た め で あ る 。 CHCl3,CHCl2Br,CHClBr2お よ びCHBr3の 標 準 液 を 塩 素 処 理 お よ び 臭 素 処 理 した 結 果 をTable.2に 示 す 。 ま た,フ ミ ン 酸 を 臭 素 処 理 し た 結 果 をFig.10に 示 す 。 CHCl3, CHCl2Br, CHClBr2お よ びCHBr3は 実 験 条 件 下 に お い て 塩 素 お よ び 臭 素 に よ っ て 変 化 し な い 。 フ ミ ン

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Table. 2 Deformation of THM by Chlorine or Bromine

(Chlorine

applied

10 mg/l,

pH 7.0 , chlorine

contact

periods

24hr)

酸 の臭 素 処 理 で生 成 す るTHMはCHBr3の みで あり,臭 素 添 加量 約50μMでCHBr3生 成 量が 最 大 とな り,臭 素 添 加 量 が 多 くな って もそ れ以 上 増 加 しな い。 ま た,残 留 臭 素 濃 度 が 低 くて最 大 生 成 量 を示 す こ とも,塩 素 の 場 合 のTHM 生成 と異 って い る。 しか し,こ の最 大CHBr31μMと 同 一 のCHCl3 1μMを 生 成 させ るの に必 要 な塩 素量 を(3)式 より 求 め る と65μMと な り,上 記 の50μMと それほ ど大 きな差 は な い。 また,最 大 生 成 量で あ る1μMは,Fig.5に 示 すBr-の影 響 を 受 け ないTHM生 成 量 と も一 致 して い る。 これ ら の こと よ り,塩 素 あ るい は臭素 の みが存 在 し,他 のハ ロゲ ンの影 響 を 受 け ない よ うなハ ロホル ム反応 は化学 量 論 的 に 同一 の もの で あ る と考 え られ る。 しか しなが ら共 存 時 に, THM生 成 量 がFig.7に 示 され る ご と く,単 一 ハ ロ ゲ ンの 場合 よ り多 くな る理 由 は 明 らか でな く,こ の こ とにつ い て は今 後 の 課題 と した い。 4.お わ り に フ ミン酸を モデ ル物 質 と して,そ のTHM生 成 反 応 の特 性,ま た 臭素 イオ ンが共 存 す る とき の臭 素 イ オ ンの 影響 につ い て検 討 し,THM生 成 量 あ るいはTHMの 構成 に関 し て 実 験 式 を提 示 す る こ とが で きた 。 しか しな が ら,そ の 詳細 な反 応 機 構 の解 明 に 関 して は不 十 分 で あ り,ま たTHM を 生 成 す るハ ロゲ ン化 有 機物 の挙 動 ・評 価 に つ いて も検 討 す べ き 問題 が 多 く残 され て お り,こ れ らにつ い て は今 後 の 研 究 課題 と した い 。(な お参 考文 献 は 紙 面 の都 合 で省 略 した 。)

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リ ハ ロ メ タ ン 生 成 に 及 ぼ す 臭 素 イ オ ン の 影 響

岐 阜 薬 科 大 学

○ 小 瀬 洋 喜,石

川 哲 也,佐

藤 孝 彦

1.試 料 につ い て 試料 の フ ミン酸 抽 出 にBlack,Choistuanの 方 法 によ る ア ルカ リ抽 出 法 を採 用 して い るが,演 者 らは アル カ リ抽 出法 と水 抽 出 法 と を比 較 し,両 者 に ト リハ ロメ タ ン形 成 能 の 差 があ り,水 抽 出物 の 方 が形 成 能 の 高 い こ とを 認め て 報告 した 。水 道 原 水 中 の フ ミン質 は雨水 に よ る浸 出 物 が主 要 成 分 と考 え られ るの で,臭 素 イ オ ンの 影響 を水 抽 出物 につ いて 検 討 す る こ とが重 要 で は な いか。 なお,水 道 原 水処 理 か らみ る と,フ ミ ン酸 よ りも フ ル ポ 酸 に焦点 を あて て検 討 す る ことの必 要 性 を 報告 して き たが,臭 素 イオ ンの 影 響 の検 討 も フル ボ酸 に つ いて 明 らか にす るこ とを 望 みた い。 2。 塩素 およ び臭 素 処理 方 法 に つ いて 「所 定 のpHに な る よ うに 調 整 し反応 時 間 だ け静 置 」 して い るが,フ ミン質 との反 応 で は経 時 的 にpHの 移 動 が認 め られ るの で,反 応終 了時 のpHを 測定 し,条 件 と して のpH設 定 につ いて の 内容 を 明確 に して ほ しい。 3.フ ミン酸 のTHM生 成 特 性 につ いて Fig.1に お いてTHM生 成 反 応 は ほぼ1次 反応 で あ るの に,残 留 塩 素 の 減少 は1次 反 応 で は な い。 グ ラ フに は残 留 塩 素 の減 少 を 曲線 と して示 して い るが,こ れ は二本 の 折 線 と して 示 され るべ き もの で は な いか。 また, 塩 素 要 求 量 とTHM生 成 反応 と の関 連 を どの よ うに考 え た らよ い か。 4.臭 素 イ オ ン共 存 時 のTHM生 成 Fig.9に お いて 「あ る塩素 濃 度 を越 え る と逆 にTHMが 減 少 す る こ とが 明 らか に な った 」 と結 論 して い るが, 図 中 のTHM,Brominated,THMを 図 の よ うに曲線 で結 ぶ こと は正 しいか 。 この図 は最大 値 に達 して 横 に 結 ぶ のが正 しい と考 え られ る。 繰 り返 し実験 の結 果 を うか い た い。 なお,図 中 の化 合 物名 の指 示 と,文 中 の 化 合 物 の動 向 とが一 致 しな い ので,整 理 の うえ示 され た い。 ま た,他 の実験 結 果 で示 され て い る よ うにpHの 影 響 が大 き いの で,本 実 験 で のpHを 示 し,他 のpH条 件 で の結 果 を も示 され た い。 Fig.8の 結 果 か ら 「Br-の 影 響 は反 応pHと 切 り離 して解析 すべ き もの と考 え る」 と結 論 して い るが,中 間 体 よ りのTHM生 成 はpHで 律 速 され るの で,む しろ逆 の結 論 とす べ きで はな いか。 Fig.10でBr2 50μM以 上 添 加 によ りCHBr3生 成 量 が一定 とな り,残 留臭 素 量 が増 大 す るの は,フ ミン酸 に よ るBr2消 費 の 限界 を こえ たか らで は な いか。Fig.1の 塩 素 添加 にお い て もフ ミン酸5mg/lか らのCHCl3 生 成 量 は ほ ぼ1μMと 示 され て い る。 臭 素 添加 につ い て もFig.1と 同 様 の実 験 を 行 い 「臭素 添 加 量 が多 くな っ て もそれ以 上 増大 しな い」 との結 論 を再 検 討 して ほ しい Fig10の 左 の 文 中 「共存 時 にTHM生 成 量 がFig.7に 示 され る ご と く,単 一 ハ ロゲ ンの場 合 よ り多 くな る理 由 は 明 らかで な く」 は,「Fig.5お よ びFig.6」 の ミス タ イプ で あ ろ うか。 塩 素 と臭 素 共存 時 には,臭 素 の活 性 化 エネ ル ギ ーの方 が 塩 素 の活 性 化 エ ネル ギ ー よ り も小 さ いた め反 応 し易 く,し たが って臭 素 量 の増 大 と と も に塩 素 との反 応 部分 に臭 素 の反 応 が行 われ,臭 素 化 物 の量 が 増大 す る。こ の反 応 がTable.1に 示 され るTHM c1の 部 分 で あ る。 塩素 に代 っての 臭 素 の結 合 が進 行 す ると と もに,易 反応 性 の臭 素 に対 す る 可反 応部 分 か ら臭 素 化 物 が生 成 す るが,こ の部 分 は塩 素 との反 応 性 を もた ぬた めCHBr3の みを 生成 す る。 この 反応 はTable.1 に示 され るCHBr3部 分 で あ る。 こ う考 え る と共 存 時 のTHM生 成 量 の 増大 を 説 明 で き る。

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リ ハ ロ メ タ ン 生 成 に 及 ぼ す 臭 素 イ オ ン の 影 響

大 阪市 水 道 局

八 木 正 一,梶

野 勝 司

1.THM生 成量 を示 す実 験 式 に つ いて 現在 の と ころ,色 度,KMnO4消 費 量等 か ら生成 され るTHMの 予測 が行 わ れ て い るが,塩 素 と フ ミン酸 の 反 応 の特 性 か ら,実 験式 が 導 び かれ れ ば,そ の 実用 価 値 は高 い と考 え る。THM生 成 反 応 を数 式 によ り整 理 し, そ の 特性 を一般 化 され,そ れ よ り実 験 式 を導 いて い るが,最 終 式(5)の 導 入 に はか な り無 理 が あ る と思 う。 そ れ ぞれ の実 験 式(1∼4式)を 求 め るの に反 応 速度 論 的考 察 が 欠 けて い ると思 わ れ る。 例 え ば,(1)式 か ら, 遊 離 残 留塩 素 が1mg/l以 上 に お いて,前 駆 物 質 量 と生 成 す る ク ロ ロホル ム量 は ほぼ1次 反 応 と して い るが, 示 され た実 験 成 績か らは,前 駆 物質 量 と生 成 す る ク ロロホ ル ム量 は比 例 す る と しか い え な いの で は なか ろ うか 。 THM生 成 量 に関 与 す る主 要 な 因子 は5つ 考 え られ るが,そ の うち の4つ に つ いて 検討 され て い るの で,残 る1つ,水 温 につ いて も検 討 して ほ しい と思 う。 それ か ら,塩 素 に関 して は,添 加 量 とTHM生 成 量 の関 係 を検 討 して い るが,こ れ は消 費 され た塩 素 量(T HM生 成 に使 用 され た)とTHM生 成 量 の 関係 で 検 討 され た方 が よか ったの で は な いか。 2.含 臭 素THM生 成 反 応 に つ いて 演 者 等 の含 臭 素THM生 成 反 応 につ いて の考 え方 の 主 旨に は討 議者 等 も同 意 見 で あ る。 す なわ ち,1)臭 素 イ オ ンが共 存 す る と,そ の量 に応 じて含 臭 素THMが 生 成 され る。2)そ れ は フ ミン酸 に対 す る塩 素 との競 合 反 応 で あ る。3)THM生 成反 応 にお いて,塩 素 よ り も臭 素 の方 が 反 応性 が 高 い。4)含 臭 素THM生 成 反応 に お いて も,ク ロ ロホル ム 生成 反 応 と同様 に,フ ミン質 と中 間体 を生 成 す る反応 と,そ れ が加 水 分解 してTH Mに な る反 応 とが あ る。5)フ ミン質 に対 す る臭 素 イオ ン量(討 議者 は これ を 臭 素 イ オ ン比 と呼 ん で い る)が あ る一 定値 以 上 にな る とTTHM量 は増 加 す る。 しか し,個 々の 考察 過 程 に お いて は,説 明不 足 と無理 が 認 め られ る と ころが あ る。 (1)表-1よ り,含 塩 素THMの 量 は一 定 に な る ことが 明 ら か と な った と述 べ て い るが,pH4で は プ ロモ ホル ム が生 成 され て い な い と ころで,0.27か ら047μMと2倍 近 く増 加 して い る の にそ の説 明 が な され て い ない。 討議 者 等 は, これ は ク ロ ロホル ム 中間 体 の加 水 分解 が,pHが 低 いので 遅 い ため と考 えて い る。 (2)臭 素 化 率 が塩 素 のTHMへ の転 換 率 よ り高 い ことか ら,次 亜 塩 素酸 や 次亜 塩 素 酸 イ オ ンよ り次 亜 臭 素酸 や 次亜 臭 素 酸 イ オ ンの方 が フ ミン酸 と反 応 してTHMを 生成 しや す い もの と結 論 づ け て い るが,臭 素 化率 と塩 素化 率 の比較 のみ で この 結 論 を導 くの に は無 理 が あ る。 す なわ ち,塩 素 は臭 素 よ り も酸 化 力 が強 いか ら,フ ミン酸 に対 して,酸 化 剤 と して働 いて消 費 され る分 が か な り大 きい と考 え られ るか ら,見 か け上,演 者等 の い う臭 素 化 率 の方 が 高 くな る と考 え る。 さ らに 微量 で は あ って も,Br-の 酸化 に次 亜塩 素 酸 が消 費 され る。 (3)図-7(図-5の ミス プ リン ト?)よ り,塩 素 ・臭 素 の共 存 時 に は,単 一 の場 合 よ りTTHMが 多 くな る 理 由 を今 後 の課 題 と して い るが,こ れ につ いて 討議 者 等 は土 木 学 会 の委 員会(56.3)で 次 の 考 え を発 表 して い る。 上 図 に示 す よ うに フ ミン質 には塩 素 と も臭 素 と も反 応 す る部分(図 でTTHM的1.2μMよ り下部) と,塩 素 と反応 せず臭 素 との み反 応 す る部 分(図 で 約1.2μMよ り上 で実 線 よ り下 部)が あ る。塩 素 ・臭素 反 応 部 は塩 素 と臭 素 の 競合 反 応 で,生 成 す るTTHM量 は一 定 で あ る。 臭 素 イ オ ン比 が一 定 量 以上 で は臭素 反 応 部で 生 成 す る プ ロモ ホル ムが増 加 す る だ けTTHM量 が増 加 す る。 臭 素反 応 部 は塩素 の酸 化 に よ って形 成 す る もの と考 えて いる。

Fig.  2  CHC13  producing  velocity
Fig.  10  THM  produced  by  bromination

参照

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