バシイの『歌唱法』における「作曲」概念と「イタリア趣味」の意識 : 17世紀後半のフランスの音楽観についての一考察
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(2) 甲南女 r大 学研究紀要第45号. 文学・ 文化編 (2009年 3月 ). seigneur de Freneuse(1674-1707)の 両者 が,伊 仏趣. お ける歌 曲法 につ いて著作 では,メ ルセ ンヌの『 音楽. 味 につ いての著作 を出版 し合 い,論 争 を巻 き起 こす. 汎論 Han■ Onie universelle』 (1636-37)の 中 の歌 曲 に. 4。. ラ グネ は小 論 『 イ タ リア様 式 とフ ラ ンス様 式 の 比較 ′ θ η s Pα rα ノ υ ′ θルsI′ α′ ノ. θJs』 (1702)を 書 き θ ′ルsЛり″σ. ,. つ いての項 目における,作 曲家 の装飾法 の比較 (353-. 422)や ミレ Jean Milkt(1618-84)の 『 歌 唱法 Zα. 護 し,そ れに対 し熱烈な リュ リの信奉者で あるル・ セー. 'α r′ r』 力αη′ θ ル わJθ η θ ノ ノ θ θ ルθル,θ 夕 ′ (1666)が 主 “ こで な ものであ る。 そ も主 に さまざま装飾法 につ いて. ル は , 自著 『 イ タ リア 音 楽 と フ ラ ンス 音 楽 の 比 較. 詳述 されてい る。 また同時代 の イ タ リアでの歌 唱法 に. sJ9ν θ α ν ″θ θ ′グθ′ ′ α′ Jθ ′ αrα ブ sθ ″ ab ノ α ″ν sブ 7ν θ ブ “ ルα″fθ なθ』 (1705-1706)に お いて ,彼 の フラ ンス批. つ いて は,半 世 紀 以 上 前 にす で に カ ッチ ー ニ Giulio. ローマ滞在 中 のオペ ラ観 劇経験 か らイ タ リア音楽 を擁. Cο η. bθ. Caccini(c1545-1618)が 『 新 音 楽 Nuove. musiche』. (1601)を 出版 して いた。 これ は,当 時彼 が フ ィ レン. 判 を受 けて反論 して い る。 その約60年 の 間 に, フラ ンスの作 曲家 ,声 楽教師 で あ った バ シイ Bё nigne de Bacilly(1625-1690)が. ,. ツ ェの知識人 サー クルの 中 で,新 しい作 曲法 や演奏法 を もつべ きだ と考 え られた歌 曲 につ いて,そ のかた ち. s Rθ ″α ηνθ. と表現方法 を説 明 し, さ らにそ の方法 を使用す る実 際. r』 ttα ′ θ ′θ ′ (1668)を 出版 し. の歌 曲を数 曲含 んだ もので あ った。通奏低音 の時代 が. (以 下『 歌 唱法』 と略す ),そ の記述 の 中 で イタ リア の. 始 まる17世 紀初頭 の理論 の本質 と歌手 の演奏表現 につ. 作 品や歌 唱法 に触 れ, フラ ンスの歌 曲 や歌 い方 との ち. いての重要 な史料 と して,今 日で も必読文献 とな って. が いにつ いて述 べ て い る。興味深 いのは,彼 が ,上 記. い る。. 自著 の 『 歌 唱法 に つ い て の 興 味 深 い 注 記 sθ s ε νrJθ ν. s夕 rノ. 'α r′. ル. bJθ. の例 とは異 な り,趣 味論争 を巻 き起 こ したわ けで はな. と りわ けカ ッチ ー ニ に比 較 す る と,一 方 のバ シイの. く,そ の記述 か ら伊仏 の両者 の音楽 を熟知 しまた実践 す る者 と して,独 自の意 見を述 べ て い る点 であ る。 バ. 『 歌 唱法』 は,今 日知 名度 は低 く,実 践 的 に使 用 され. シイは この『歌 唱法』 において,具 体 的 な装飾法 につ. は,体 系的 な著作 とい うよ りは,類 似 した記述 を何度. いて詳 しく述 べ てい るだ けでな く, さまざまな興味深. も繰 り返す部分 も多 く,当 時 の音楽界 や現 役声楽家 に. い記述 を している。 その一 つ が上述 の「 イタ リア趣味」. つ いての見解や批判を述 べ ている部分 も多 い。 したが っ. へ の言 及 で あ り,ま た当時 の「 声楽教 師」 の あ りか た. て実際 は教則本 とい う体 をな していない部分 もあるが. につ いての彼 な りの意 見であ る。. その 多岐 にわた る内容 や量 か ら,そ して当時 の エ ール. 17世 紀 は 18世 紀 に比 較 す ると,著 作物 の 出版 も数 の. 上 で少 な く,格 段 に情報量 が少 ない。本稿 では,そ の 貴重 な史料 の一つ と して バ シイの『 歌 唱法』 を取 り上 げ,そ の記述 か ら,17世 紀 当時 フラ ンスにおいて,当. ることはほ とん どない。 た しか に声楽 の教則本 と して. ,. につ いての考 え方 や,文 字通 リエールの演奏法 や装飾 法 な どの 歌 唱実 践 法 を具 体 的 に 明 らか に して お り. ,. 『 歌 唱法』 は重 要 な位 置 に置 くことがで きる。 彼 は, この も っと も重要 な『 歌 唱法』以外 に,声 楽. 時 の音楽家 が どの よ うに音楽 を提 えて いたか, と りわ. tё 曲集 と して ``Recucil des plus beaux ticrs qui ont ё. けイタ リア趣 味 へ の意識 と,声 楽教師 につ いての記述. nlis en chant, avec le nom des auteurs, tant des airs que. か ら実践家 の音楽行為 につ いての考 え方 の一 面 を明 ら. des paroles''(1661),. か にす る。. d'airs bachiques"(1677),. me recucils Premier et deu対 ё “. そ して “ Premier et deuxiё me. recuells d'airs spirituels a deux parties''(1692)を 出 1。. バ シ イ の『 歌 唱 法 に つ い て の 興 味 深 い注 記 』. 版 してお り,ル イ 14世 の絶対 王 政 の もと,宮 廷 の音楽 活動 が ます ます盛 ん にな ってい った 17世 紀後半 に,活 発 に声楽教師・ 作 曲家 と して活動 していた ことが窺 わ. バ シイはバ ス・ ノルマ ンデ ィ出身 で,17世 紀後半 に. れ る。. 主 にパ リで活躍 した声 楽教師,理 論家 ,作 曲家 である。 彼 につ いてのそれ以上 の詳細 は明 らかでない。 しか し. 2。. 「 声 楽 教 師 」 の あ りか た. い くつ か残 された声 楽教本 のみが,当 時 の演奏慣習 を 示す文献 と して知 られてお り,上 述 した よ うに 17世 紀. この『 歌 唱法』 は全 3部 の構成 とな ってお り,そ れ. の 史料 は数 が少 な い 中,『 歌 唱法』 は と りわ け フラ ン. ぞれ「 声楽 一 般」,「 声楽 を歌詞 につ け る こと」,そ し. スの声楽 の実践 につ いての文献 では も っと も重要 な も. て「声楽 を フラ ンス語 の歌詞 につ ける こと」 とい うタ. のの一つ とい って よいで あろ う。 17世 紀 の フラ ンスに. イ トル をつ けて い る。 バ シイは,第 1部 に「 声楽教師.
(3) 三島. 郁 :バ シイの『 歌 唱法』 におけ る「 作 曲」概念 と「 イタ リア趣 味」 の意識. の選択 ,そ して教 師が もつべ き質」 と題す る第 10章 を. た り,場 合 によ って は省 いた りとい う行為 は至 極 当然. 設 けた。 自 らが声楽教 師 であ った ことで,ま た 同時代. の ものであ った。. の 同僚 た ちへ の提言 を含 め るべ く語 るべ き ことが多 く. しか しそれだ けでな く,み ずか らが作 曲 もしな けれ. あ った ことが考 え られ る。 18世 紀 の フルー ト奏者 の ク. ばな らな いのであ る。 む ろん この作 曲 の意味 も当然 19. ヴ ァ ンツ Johann Joachim Quantz(1697-1773)も 同. 世紀以 降 の 時代 とは異 な る。 ロマ ン主義 の時代 には. 様 に「 よい教 師」 につ いての項 目を設 け,「 あ るま じ. 独創性 やオ リジナ リテ ィが求 め られ,作 曲行為 もその. き教 師」 の姿 を,具 体例 を挙 げて延 々 と数 ペー ジに渡. 体現 とな らな くて はな らない のは 当然 で,個 別性 ,特. り述 べ てい る ことが,よ く知 られてい る。. 殊性 がそ こに求 め られ る。 しか し17∼ 18世 紀 の作 曲 に. ,. バ シイに お いて もこの よ うな「 あ るま じき」教 師 に. お いて は事情 は異 な る。 上述 した「 シ ンプルな記譜」. つ いて批判 をす る箇 所 は多 いが,彼 の約 25ペ ー ジにわ. とい うものにその性質 が表れ てい る ともいえ るが,作. た る教 師 につ いての記述 において一 貫 して い るの は. 曲 とは細 か い演奏 の指示 にいた るまで 曲を作 ることで. 教師が言語 の発音 , シラブルの長短 の理解 ,そ れ に合. はな く,あ る作品 の概念や枠組 みを呈 示す る ことであ っ. わせ る適 切 な音楽 の理解 ,教 師 の演奏能力 ,教 師 自身. た。 したが って この 当時 なにか 常 に新 しい もの を打 ち. の作 曲能 力 ,教 師 の 即興 や装 飾 づ け (diminutiOn)の. 出す ことではな く,む しろある規範 の 中で「 趣味 よ く」. 能力 を も ってい るか どうかである。. 音楽 の枠組 みを作 ることな ので あ る。 これ につ いて記. ,. 彼 は最初 に声楽教 師 た る者 の あ るべ き姿 につ いて 4. 述 した のは,お そ ら く声楽家 が,実 践 の 際 に曲 の大枠. 項 目を設 けて い る。 それ らを 中心 に 冒頭 に述 べ てい る. や概念 を無視 して細 部 に入 って しま う ことが あ ったか. 鍵 とな る表現 を以下 の表 1に ま とめた。. らで はな いだ ろ うか。. これ らの項 目は, このあ と20数 ペ ー ジにわた って何. またそ の理 由 と して「 作 曲家 と して活 躍 して い る者. 回 も繰 り返 し述 べ られ,ほ とん どの重要 な 内容 は ここ. との比 較 を恐 れ る」 とい う記述 が あ るが,そ の意 味 で. にあ ると言 って もよ い。. は,(2)に おけるよ うに,彼 らの作 った「美 しい旋 律」 にかなわない との意識 が あるか らだ とす る。 しか し当. 2.1.声 楽家 の作 曲行為. 時「 当然 であ り」 したが って「敢 えて記述 も しない」. まず (1)に お いて は,声 楽教育 が歌 唱教育 のみ だ. 演奏慣習や作曲慣習 には当然触れな い ことを考 え ると. と考 え る者 に とって は驚 く項 目であろ う。 これ につ い. その「美 しい旋律」 が決 して独創 的 である必 要 はな く. ては この後 に も度重 ねて述 べ てい る。 す なわ ち,当 時. みずか らが歌 う媒体 がみずか らか ら発す る ことの重要. 演奏家 は一― 声楽家 のみな らず 器楽奏者 もそ うで あ る. 性 ,必 要性 を彼 が感 じて いるか らであろ う。. ,. ,. が一― ,紙 の上 に記 譜 された もののみ を演奏す るとい う ことはな く,あ る ときはメモの よ うに,あ るときは. 2。. 2.歌 詞 の 内容 ,発 音. 台本 の よ うに, シンプル に記 譜 された楽譜 を利用 しな. また作 曲 と演奏両方 に関わ るのが,(3)に あ るよ う. が ら演奏 して い くの が常 であ った。 したが って演奏 の. な音楽以前 に重要 と もいえ る歌詞 につ いてであ る。歌. 過程上 でみずか らが即興 してなん らかの音 を付 け加 え. 詞 の 内容 の理解 ,そ の シラブルの長短 ,ア クセ ン トを. 表 1:「 声楽教師」に関するバ シイの主なコメン ト ペー ジ数. 主 な コメ ン ト. 60. 声楽教 師 の 中 にエール の作 曲を全然 しな い者 がい る。. 60. (作 曲を しないの は)旋 律 へ の才能 が欠如 してい るか らで もあ り, どの よ うに歌詞 に旋律 を与 えて いいかわ か らない。. 言葉 の意 味 につ いての認識 が欠如 して い る。 しか しシラブルの長 さにつ いての認 識 の欠如 は さ らにひ どい 自分 で は全然作 曲 を しないの に,声 楽 の方法論 の知識 で,他 の作 曲家 の作 品を変更 した り装飾 した りす る多 くの者 が い る。彼 らは第 2連 の装飾 の スペ シ ャ リス トだが,(中 略)オ リジナル の 曲 を作 る ことにはま った く時間を使 わなか った。 62. 作 曲 も,装 飾 の発 明 も,そ の適用 もわか らな い。彼 らは演奏 だ けに注意 を払 い,そ れ ゆえ果 て しな く模倣者 で あ る。 第 2連 を作 曲す る能力 , シラブルの長 さの規則 の 中に収 め る能力 ,言 葉 の適切 な発音 と表現 に従 う こと,詩 人 の考 えを洞 察 し,歌 詞 を適切 に解釈 す る能力 ,上 手 に歌 い,同 時 に うま く朗 唱 で きる能力 ,自 らテオル ボ で伴奏 で きる能力 が声楽教 師 には必 要 で あ る。.
(4) 甲南女子大学研究紀要第45号. 文学 0文 化編 (2009年 3月 ). 含 めた発音 は古今東西 において歌 唱 に必要 な項 目であ. ないが,ほ とん どの声 楽家 は この よ うな立場 で演奏 し. る。 しか しバ シイが と りわけ強調 して何 回 も繰 り返 し. てお り,さ らにその あ りか たは,17世 紀当時 とは異 な っ. てい るのが, シラブルの長短 の認識 であ る。彼 は具体. て 当然 で あ るので批判 され ることはない。 しか し当時. 例 を挙 げて はいないが,彼 自身 がおそ ら くフラ ンス語. は真 の音楽家 には作 曲行為 が重 要 か つ必要 であ った こ. の シラブル における長短 へ の認識 が甘 い まま,言 語 の. とがわか る。. 性質 を無視 して音楽 が つ け られた歌 曲 に数 多 くあ た っ. さ らに「 しか しこの種 の人 は信用 を受 ける し,耳 を. て きた ことが容 易 に想 像 で きる。 それだ け にそれを戒. くす ぐるもの によ って判断す る聴 衆 が 多 いか ら,作 曲. め る態度 を示 して い ると考 え られ る。. 家 が 演奏 で きな い ときよ りは批判 は少 ない」 とバ シイ. シラブルの長短 に関す る具体例 を挙 げる ことにす る。. は述 べ る。 当時 よい声 さえ もち,歌 う ことがで き,さ. バ シイは「 alllOns,marchons,couronsの よ うな活発 さ. らにそ の結果「聴衆 の耳 を くす ぐる」 ことがで きれば. を もつ 単語 にはその速 度 を表現 す るよ うな動 きに し. 世 間 の 目には十分 であ ったが一一 その よ うな聴衆 をバ. ま た long_tempsや lentmentは ゆ っ くりの リズ ム に」 と. シイは批判 してい るのだが一― ,バ シイの求 め る音楽. した上 で,以 下 の よ うな例文 を与 え,音 の長 さにつ い. 能力 はそれで はま った く不足 して いた。 この「耳 を く. て説 明 して いる (1668:124)。. す ぐる」 とい う表現 は 17世 紀 か ら18世 紀 にか けて. ,. ,. ,. 「 内容 の浅薄 な, しか し表面 的 には人 を引 きつ け る」 音楽 に対 して頻繁 に用 い られて いた表現 であ る。. Je n'ay pas long― temps a souffrir。 J'ay long― temps a souffrir.. 2。. どち らも「長 い 間 long― temps」 とい う単語 を含 み. ,. 5.バ シイの声楽教 師観 バ シイが は じめに述 べ た 4項 目は, この第 10章 に述. そ の単語 には長 い音価 が与 え られ ると考 え られが ちだ. べ てい るす べ てであ るとい って もよ い。 上 の項 目の直. が ,「 最 初 の 文 は否定形 を も って い るので,二 番 目の. 後 には,(6)に お けるよ うに, さ らにみずか らテオ ル. 文 の ときよ り長 くあ る必要 はない,あ るいは速 い リズ. ボで伴奏 がで きる能力 も付 け加 えてお り,そ の後 は少. ム は必 要 で はない」 とバ シイは述 べ るのであ る。 す な. しず つ 表現 を変 えなが ら (あ るいは ときにはほ とん ど. わ ち歌 詞 の 内容 を単 に逐 語 的 に表す ので はな く,文 全. 変 えず に),歌 唱 にまつ わ るあ らゆ る能力 につ いて説. 体 や詩 の もつ意味 を考 えて音 を つ けよ, と言 ってい る. いてい る。. ので あ る。. も っと も回数 が 多 く強調 されて い るのが ,実 は基本 中 の基本 であ る「 シラブルの長短」 と発音 へ の認識 で. 2。 3。. 「 第 2連 の装飾 の スペ シ ャ リス ト」. あ る。 これは いつの 時代 において も歌詞 が あ る限 り. (4)の 項 目も第 一 の項 目の「 作 曲」 と関 わ る。 こ. つ いて まわ る問題 であ る。. ,. こで は他人 の 曲を変更 した り装飾 を つ けた りはで きて. そ して も っと も特徴 的 な彼 の主張 は「 作 曲」 がで き. も,歌 い手 みずか らが作 曲 しない ことに対 して の批判. る教 師 で あ る こ とで あ る。「 作 曲」 とい う能力 は特別. であ る。 ここで述 べ られ る「第 2連 の装飾 の スペ シ ャ. な もので あ ると思 われが ちであ るが一― む ろんだれ に. リス ト」 とは面 白 い表現 であ る。 第 1連 では, どち ら. で もで きる行為 で はないが一― ,上 述 した よ うに,当. か といえば シンプル に装飾音 も少 なめに歌 う ことが 多. 時 の作 曲概念 と19世 紀 のそ れ,そ して今 日のそ れ とは. いの に対 して,次 の連 で は演奏 効果 もね らって,同 じ. 異 な る。 したが って この「作 曲」 につ いて は 17世 紀 の. 旋律 の上 に装飾 を つ けて演奏す る ことが定石 であ る。. 作 曲慣習 につ いての認識 が必 要 であ る。作 曲 につ いて. したが って これ はそ の よ うに既 存 の 曲 に対 して は装飾. は 当時 は,オ リジナ リテ ィよ りはオ ー ソ ドックスが求. をつ ける ことがで きるに もかかわ らず ,い ざ 自分 で一. め られ る時代 であ った。 む ろん作 曲家 ごとに異 な った. か ら曲を作 ることがで きな い者 へ の批判 であ る。. 特徴 が あ った ことは事実 だが,そ れが第 一 に求 め られ ていたわけではない。当時 の演奏慣習 の基本 としてあ っ. 2。. 4.「 模倣者」 そ して 最 後 の (5)に お いて 批判 して い るのが ,上. た通奏低音 の バ ス とそのハ ーモ ニー の上 に一― それ 自 体 がかな りの程度定型 であ るのだが一― ,旋 律 的 な ラ. 述 した よ うな装飾音 さえ つ ける ことがで きな い者 が い. イ ンを作 ってい くので ある。 その旋律 の ライ ンは,そ. る ことで あ り,そ の よ うな者 を「果 て しない模倣者」. の細部 の作 りにお いて彫琢 され る必要 はな く,む しろ. と呼 ぶ。現在 の声楽家 を当時 のあ りかた と比 較 はで き. その基 本的 な 曲 の コ ンセプ トを超 えないよ うに中庸 に.
(5) 三島. 郁 :バ シイの『 歌 唱法』 にお ける「作 曲」概念 と「 イ タ リア趣味」 の意識. す る ことの ほ うが と りわ け フラ ンスで は求 め られて い. 上ヒ較 してい る。 この項 目では,イ タ リアに言及 した部. た。 したが って作 品 自体 の質 にはオ リジナ リテ ィを求. 分 を取 り上 げ,バ シイが イタ リア趣味 の作 曲や歌 唱法. めないのであ る。 しか しその一 方「 出版 された作 品 に. に どの よ うな意見 を も ってい るか につ いて分析 す る こ. 完全 に頼 るよ り, 自分 自身 の作 品を使 いな さい」 (166. とにす る。彼 のイ タ リアに関す る記述 の 中で主 な もの. 8三. 69)と 述 べ ,音 楽家 自身 か ら発 す る ことに意 味 を. を以下 の表 2に ま とめた。. もたせ よ うと,音 楽 その ものの 出所 にはその人 の オ リ ジナル を求 めて い るのが興 味深 い。. 3.1。. 伊仏 どち らが「 優越」 ?. これ らの記述 には,既 述 した エ ール論争 にみ られ る. 3.バ. シ イ の 「 イ タ リア 趣 味 」 へ の 言 及. イ タ リアに対す る優越感 はない。 (1)な どをみ ると. ,. む しろイタ リア の エール が本来「力強 さ」 を もち,そ 『 歌 唱法』 において もっと も興味深 い記述 の一つ が. れ に対 しフラ ンスの音楽 が相対 的 にそ うではな い と し. ,. 第 一 部 ,第 12節 の「 声楽 の装飾音 につ いて」 の部分 に. てい る ことがわか る。. お け る,「 イ タ リア風」 の作 品や歌 唱法 へ の言及 で あ. (2)に 関 して は,バ シイは こ う述 べ た後 に,「 この. る。彼 が『 歌 唱法』 を出版 した 1668年 は,上 述 の ボエ. イタ リア優位 が,イ タ リア語 が フラ ンス語 よ りも自由. セ が 宮廷 に務 めていた 際 のルイ 13世 の 時代 か ら少 し下. があるか らか どうかは,わ か らない」 と述 べ てはいる。. り, フラ ンスで は絶対 王 政 のル イ 14世 が権力 を伸 ば し. しか し, フラ ンス語 の レシタテ ィー フにおいて,音 楽. てい った 時期 で ある。彼 はそ の数年前 にヴ ェルサイユ. が言語 の規則 ,す なわ ち シラブルの長短 やア クセ ン ト. 宮殿 を建立 し,太 陽王 として君臨 し,そ の宮廷 では リュ. に縛 られて拍子 や音価 が記 譜 上規定 され るの に対 し. リや カ ンプラな どが多 くの 曲を王 のために演奏 し,そ. イタ リア語 の レチタテ ィー ヴ ォにおいて は,記 譜 にお. の音楽 こそが フラ ンス趣味 の 曲 と して享受 されていた。. いて はむ しろ 自由であ り,奏 者 が演奏 の詳細 を決定す. す なわ ち,そ こでイ タ リア音楽 は フラ ンス音楽 とは少. ることはた しかであ る。 さ らに,イ タ リア語 で はそ の. な くとも同等 には扱 われてお らず , も っぱ らル イ 14世. よ うな 自由が許 され るだ けでな く, フラ ンス語 で は じ. の意 向 に したが って,ル イ らが踊 るため の舞 曲,貴 族. な い, シラブル の母音字省略. たちが個人 的 に楽 しむ クラヴサ ン曲,そ して宮廷 での. ば単語 を短 くす ることがで きるとす る。. ,. (ё. lision)に よ って望 め. 日曜 の ミサのための宗教 曲 な ど,そ のす べ てが フラ ン. (3)に つ いて は,フ ラ ンス語 の「 c」 が 閉 じた母 音. ス様式 で書 かれ,演 奏 されて いたはずであ る。 バ シイ. で あ り,イ タ リア語 の「 0」 の ほ うが開 いて いて い る. はその 中 で イタ リア風 の歌 曲や音楽 につ いて意見 を述. ことで,表 現 しやす い ことには変 わ りはな いが,そ れ. べ て い るの であ る。 したが って実践 的 に歌 唱につ いて. は両 国 の作 曲家 の能力 の優劣 ではな く,そ れぞれ の特. 述 べ る中 で, フラ ンスに お いてイ タ リアに触 れ るとい. 質 によるちがいであることを述 べ ていると考 え られ る。. う ことは,そ れだけ趣 味 の違 いへ の意識 が 高 か った と. したが って エール を作 曲す る ことがで きるには,元 来. いえ る。. の イタ リア人 の才能 によ ってイタ リア人 が優 れて い る. この第 12節 の項 目で は,そ の後半 に装飾法 につ いて. とか,あ るいは もとも と備 わ るイタ リア語 の美 的特徴. 具体 的 に述 べ て いるのだが,そ の前 にかな りのペー ジ. とい うもの によ ってそ ち らが優 れて い るとい う結論 を. 数 を割 いて, フラ ンスの エー ル とイタ リア の エ ール を. 下 す こ とはな い. 5。. す なわ ちそれ ぞれ の 言語 の 性 質 と. 表 2:バ シイの『 歌唱法』 (1668)に お けるイタ リア趣味 に関す る主 な コメ ン ト ペ ー ジ数. イタ リア趣 味 に関す る コメ ン ト イタ リアの エール は フラ ンス人歌手 が歌 うと,力 と表現力 が失 われ るので,あ ま りよ く響 かない. 92. イタ リア のエール は,特 に長 い レチ タテ ィー ヴ ォの部分 で は,ほ とん どが フラ ンスのそれ に優越 して い る。. 96. イ タ リア語 は語末 に「 o」 を も って い るが それ は我 々の「 e」 に相 当す る。 しか しそれが理 由で力強 さと表 現力 が あ るか らとい って,美 しく,す ば ら しいエール を作 曲す る能力 において, フラ ンス人 を凌駕 して い る わ けで はな い。. 98. レチタテ ィー ヴ ォ と,長 く曲が りくね った 曲 において は,フ ラ ンスの エ ールがイ タ リア起源 の もの に比 べ て 不利 で あ る。. 99. あ らゆ る優 美 さとい うものイタ リアの声楽 に見 いだせ るので,イ タ リア の音楽 を演奏す るときに下手 にな る の に,逆 に フラ ンスの音楽 を演奏す る とき うま くい くことな どあ り得 ない。. 103. 我 々の フラ ンスの エ ールで は,受 け入 れ られ るい くつ かの言葉 と表現 のみ しかない。 それ は限 られて い る。. ,.
(6) 甲南女子大学研究紀要第45号. 文学・ 文化編 (2009年 3月. ). い うもの を熟知 した上 でな くて はな らない と し,決 し. 『 歌 唱法』 にお け る記述 の一 部 か ら,当 時 の 演奏実践. て両者 の どち らか に決定 的優位 は与 えていない のであ. 家 の趣味 に関連 した美学的 な考 え方 と実践上 の意識 を. る。. みて きた。 バ シイは,そ の多岐 にわた る記述 の 中 で も. また (4)と (6)に お けるよ うに,一 見 フラ ンスを. 項 目を設 けて声楽教 師 のあ りか たにつ いて詳述 し,ま. 批判 した り,(5)の よ うにイ タ リアを持 ち上 げ た りし. た装飾法 の項 目で は約 25ペ ー ジを使 ってイ タ リア趣 味. てい るよ うに受 け取 られ る箇所 もあ る。 しか しそ の原. につ いて も述 べ てい る。. 因 は,作 曲家 に才能 がないか らで はな く,フ ラ ンス語. よい声 楽教 師 とは,生 徒 に うま く歌 を教 え る ことが. の特質 の欠点 であると し,さ らに同時 に「 ガヴ ォッ ト. で きる教 師 だが,実 際 はそ のため には,声 楽全般 ,あ. サ ラバ ン ド,メ ヌエ ッ ト」 な どの フラ ンス特有 の舞 曲. るいは音楽全般 を カヴ ァーす る知 識 と能力 が必 要 であ. の ジ ャ ンル を取 り上 げ る ことで (1668:98),両 者 の. り,ま た彼 が述 べ るそ のよ うな能力 を もつ の はほぼ理. バ ラ ンスを保 とうとい う態度 がみえ る。 さ らに「 イ タ. 想 に近 くさえ思 え る。 しか し実 際 に彼 の まわ りに多 く. リアの歌 だ け,あ るいは フラ ンスの歌 だ けを歌 う こと. 存在 しそ うな,「 耳 を くす ぐる」 歌 ばか りを歌 い,ま. に成功 して い る」 演奏 家 を非難 して い る. 彼. た 自分 で は作 曲 はおろか装 飾音 さえ つ けな い,た だの. は他 の箇所 では,一 方 が他方 の様式 を身 につ けるのは. 「模倣者」 の よ うな声楽家 にはな るな と,声 楽 を学 ぼ. ,. (ibid。 )。. 難 しい と しなが ら, しか しどち らか一 方 しか演奏 で き. うとす る者 へ の戒 め と して書 いているよ うに も思 え る。. ないのであればそれが不足 だ と して い るのであ る。. と りわ け実践家 の「作 曲」 の必要性 につ いての執拗 な 主張 は,演 奏家 と作 曲家 が分業 されて しま ってい る今. 3。. 2.対 立す る趣味 にあ らざる伊 と仏. 日か らみ る と興 味深 い。 しか し上述 した よ うに,「 作. バ シイは この よ うに, どち らか一方 を よ り優 れた と. 曲」 とい う行為 が今 日考 え られ る もの とは異 な り,む. は言 わず , フラ ンス とイタ リアの音楽 それぞれが もつ. しろ基 本 の音 楽行 為 で あ り,「 型」 と もいえ る もの を. 性質 を誠実 に分析 し,ま た仮 にそれぞれ に優位 な点が. 作 る作業 な ので あ る。 それ は演奏行為 に も似 てお り. あ ると して も,す べ ての点 において優 れて い ると決 め. 当時 ではまさに大 きな旋律 を小 さな音価 に分割 した り. つ ける ことは決 して して いない。彼 の主 張 は, フラ ン. 新 たな装飾音 を付 した りな ど,奏 者 の創造 的 な行為 と. スかイ タ リアか とい う後 の伊仏 の趣味論争 におけるよ. して捉 え られ るが, しか しまたそ こにロマ ン主 義 にお. うに,イ デオ ロギ ー上 で語 る もので はな く,む しろ中. けるよ うな創造性 が必 要 なわ けで はない。. 立 的 に歌 詞 ,そ の言語 ,そ. の違 いにつ いて述 べ る。 さ らに両者 の趣味 につ いて述. また『 歌唱法』 の 中 に見 出 しがあるわけではないが しか し十分 な量 を もつ 「 イタ リア趣味」 へ の言及 も重. べ るたびに必ず ,そ れが演奏 によ っていか よ うに も変. 要 な記述 であ る。 ここでは伊仏 の趣 味論争 の勃発前 の. 化す ることを付 け加 え ることを忘 れな い。 す なわ ち. 時期 に, フラ ンスでいかにイ タ リアに触 れ られて い る. れて い るが ,そ の書 「 あ る種 の歌 は楽譜 上 で はあ り遮ゝ. かの一 端 をみ る ことがで きる。面 白 いの は,彼 が どち. れて響 く」 (1668:1 かれた音 のみ を演奏す る とあ りあゝ. らか に肩入 れす るので はな く,あ くまで 中立 的 な立 場. 03)と 言 い,作 曲 と演奏実践 の両方 につ いて常 に 目を. にい る ことで あ る。 どち らかを批 半Jす るために批半Jを. 配 ってい る ことがわか る。 それ は上述 した「 声楽教師 の選択 ,そ して教師が もつべ き質」 において述 べ られ. す るので はな く,む しろフラ ンス風 や フラ ンス語 ,フ. て い るよ うに,実 践者 の声楽教師 が,教 え る能力 ,歌. 「 イ タ リア」 を使 用す るので あ る。 す なわ ち,イ タ リ. う能力 だ けでな く,作 曲す る能力 や装飾音 をつ ける能 力 を もつべ きだ とす ることと も関わ る (1668:60D。. ア語 やイタ リア趣 味 を知 ることによ り,歌 詞 の解釈 や その表現 ,言 語 上 の特質 ,そ の音型 やハ ーモ ニ ー,そ. それ は この後 によ くみ られ るフラ ンスの絶対 的 な優位. して演奏法 における美 的価値 の多様 な物差 しを もつ こ. を述 べ る もので もな く,ま たやみ くもにイタ リア擁護. とが可能 とな り,そ れ によ って 自分 の 国 であ るフラ ン. 派 で もな いのであ る。. スの音楽 の性質 が よ り明 らか にな るので あ る。 しか し. してそれ に付す音楽 の性質. ,. ,. ,. ,. ラ ンス趣味 とい うもの をよ り明 らか にす る装置 と して. ,. 18世 紀 になると,伊 仏 の趣味論争 にはよ リイデオ ロギー. 4.お わ りに :理 論 家 と実 践 家 の. 的 な意 味合 いが増 し,両 者 の立 場 が,批 判 のための批. 交 差 点「作 曲」. 判 の よ うに,音 楽 的特徴 をす べ て批 判 の対象 に して し ま う ことにな る。. 本稿 では,17世 紀後半 フランスの声楽家バ シイの. これ らの二 つ の項 目,す なわ ち声楽教師 の あ りか た.
(7) 郁 :バ シイの『 歌 唱法』 におけ る「作 曲」概念 と「 イ タ リア趣 味」 の意識. 三島. の 中 で記述 されていた「作 曲」 と「 イタ リア趣 味」 の 問題 は一見 無 関係 の よ うに もみえ るが,実 際 はそ うで はない。 さまざまな趣味 を身 につ ける ことが声楽教 師 に とって必 要 であ ることは言 うまで もな いが,「 作 曲」 行為 も,ま た演奏法 において も, こ う した趣 味 の 問題 と切 り離す ことはで きない。 すなわ ち作 曲や装飾音 の 付加す る際 には,勝 手気 ままに作 るわ けで はな く,そ の基盤 となるオー ソ ドックスな定型 を作 る必 要 がある。 その ヴ ァ リエ ー シ ョンや変形 を作 る際 に も,伊 仏 それ ぞれの趣 味 へ の意識 を強 くもち,そ こに 目を配 ること. 参考文献 Cθ rrθ Qρ οη. `力. ηεθ νθ′ .ノ ー 5。. クソrθ s a♭ (θ θ. “ ακグ &,θ Jθ わν グ ルのsJθ 。16,no。 1:73-85。 ′ θsθ ′′ θ′′ θrθ 2 Jagcr,Atrid de.2005。 Cttθ ルθ ν. `浴. εttθ J滅 7″ 力θJグ. J“ `′. ttθ jグ Eθ η. `4. 力ο″α sα ε″ α ′″ Hwtθ s'Pα ′ グ 7″ α。 “. J″. (doctoraalscriptie,Universiteit van Amstermdam). http://www.musicologyon1/MAthesesohtml(2008年 10月 25 日最 終 ア ク セ ス ). Jonckbloct, Wo J.A.《 % Land, Jo Po N。 , edited. 1882. νsた α′ θ s “. rθ θκ(売 ′ ′θθ θ′ ανν. Cθ rrθ `フ. 助 ッgθ ″s.Leidcn: Brill.. グθ Cθ ″s″ ″′ グ′. 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(8) 甲南 女 子 大 学 研 究 紀 要 第 45号. 文学・ 文化編 (2009年 3月. ). http://wwwolet.uu.n1/∼ RudollA.Rasch/persona1/dmh12.htm. (1767,1776)も フラ ンス版 に書 き直 し, これ も成功 し. (2008年 10月 24日 最 終 ア クセ ス). た 。 す る と 「 イ タ リア派 」 が ,《 良 い 娘 La buona. r′ α ′ rθ ,ε θ ′ ルをルθ″ εル′. Rousscau,Jcano c.1710。. α θ″ ′ ρθ夕r ⊇prθ ηグrθ a c/7α ″′. Minkoκ. Reprint,. ′力ε θ. ngliuola》. j′. `θ. リアで最 も人気 の あ った ピ ッチ ンニ を ナ ポ リか ら呼 び. 夕s,9zィ θ. 5ё d.Genё ve: “. よせ ,グ ル ックに対抗 させ た。 また 《タウ リスのイ フ ィ. 1976. Rё irnpression de l'ё dition. ゲ ニ ア Iphigenic en Tauridc》. d'Amsterdam. Rodis―. Lewis, Geneviё. Dufourt, Hugues, Joё. グθ ′ α. l―. た。. 3. ⅣIarie Fauquct et Fran9ois Hurard,. ・ θ SSα JS νs′ 9ν θ ・ “. グ. 'θ. s′. (1779)が 初演 され,一 年. と少 しお いて 1781年 に, ピ ッチ ンニ の 作 品 が 初 演 され. 1992.“ Musiquc et passions au. ve。. XVHe siё cle (Monteverdi et Descartes)。 " edited by ニセψ rj′. (1760)と い うオ ペ ラで 大 成 功 を した , イ タ. ′ グθ 力ど′ Jg夕 θ θ. βみ οs9β 力jθ .Paris: Klincksieck.: 127-140. j′. メル セ ンヌ らは 1640年 に,バ ンとボ エ セ の二 人 に 建 築 家 ・ 美 術 家 で あ る ヴ ァ ン 0カ ンペ ン Jacob van Campen(1596-1657)の 詩 に 曲 を付 け させ た。 バ ンが ,. 9/Dθ sε α′たS .From manuscripts α″グ Cο ′s′ α″ク″ Httg`″ S ノ635-ノ 6イ ア. その エ ール の 中 で 実 践 した 「 普 遍 的 な音 楽 の 作 曲法」. ■ow in the Bibliothequc Nationale forrnerly in the posses―. 楽 しませ る もの,人 生 を少 し甘 くして くれ る もの」 (ホ イヘ ンスヘ の書簡 :1640年 H月 29日 )(Jonckbloet 1882:. Roth,Leon,edited by.1926.Cθ. θ rrθ 平フ ο″グθ ′ε. を彼 らは強 く批 判 し, メル セ ンヌは「 音 楽 は心 と耳 を. sion of the late HaHy Wilrrlot Buxton, F.RoA.S.Oxford:. 135)と し,ボ エセ を擁護 した (三 島 2006)。 ちなみ に ホ イ ヘ ンス COnstantun Huygens(1596-1687)は オ ラ ンダの ウ ィ レム 3世 の秘書 官 ,オ ラ ンダ総督 で知識人. Clarendon Press.. Waard,. Comё lis. ′ Cθ rrθ Ψ θ. `ブ `7″. de,. εθ. Lイ. publi6e. P.物. et. rj″. `ブ. e. annotё. par.. 1967-69.. ″J“ θ ligjθ 夕 χ ブ ルを,lsθ ′′θ ″ノ “. ,. .. .・. 音 楽 愛 好 家 で あ り,当 時音 楽 家 の ネ ッ トワー クの 中心. Vol.HI(1631-1633),X(AoOt 1640… Fin 1641).Paris:. にいた。. ЁditiOns du Centre National de la Recherche Scientiflquc. Walker, Do P。 1976。. Joan Albert Ban and Mersenne's “. Musical Competition of 1640,". 4. ′ θ κ s.57, no. んイ ′グ Lθ ′ タ s′ ε α. の上 声部 の 同一 音型 の執拗 な反 復. 3: 233-255. wans,. Peter。. 2004.. “Sonade,. que. me. veux. 死 の カ リヨン caril―. Cerf 1705,4:21)),旋 律線 にお ける 2声 部 にお いて ,減 4度 進 行 ,そ して 4小 節 目の 6度 や H小 節 目の 9度 な どの 跳 躍 進 行 )な. ど,音 程 幅 の 動 き の 激 しさに つ いて 批判 し,そ して繋. j″ g ′ br′ ゲ "JsSθ ― ノσθ∂ノσ∂7. 's― Gravenhage:. Worp,J.A.,uitgegeven door。 19H-1917.Dθ. 留音 のな い和音進 行. (「. 想像 で き る うる限 りの あ らゆ る. 5.: 1649-. 悪 い進 行」),そ して「 どぎつ い不 協和 音 を さ らに引 き 立 たせ る」 速 度 0表 情 記 号 (第 1声 部 が 「 Grave」 ,第. 1663);(d. 6.: 1663-1687). 2声 部 と通 奏低 音 部 が 「 Largo」 )(1705,4:21)に つ. (http://www.inghist.n1/Onderzock/Prttecten/Huygens: 2008. いて ,そ の よ うな ハ ーモニ ーが 「 自然 な 耳 に は死 ん で. 年 10月 25日 最 終 ア ク セ ス)``Brieven Constantun Huygens. い るよ うな」 (1705,4:22)も ので あ る とす る。 三 島. Maninus NjhoI(d。 (d。. 1.:1608… 1634);(d。. 2.:1634-1639);. 3.: 1640-1644); (d.4.: 1644-1649); (d。. 2008)を 参 照 。 一 方 の ラ グネ は次 の よ うに反 論 す る. 1608-1687" in: “Instituut voor Nederlandsc Geschiedenis". 「 フラ ンスで は常 に同 じ和 音 ,同 じ色合 いで 多様 さがな く,驚 き もな い。 す べ てが予測 で きる」 (1702:60-61)。. }王. 1. リュ リのオ ペ ラ 。セー リア 《ア シス とガ ラテ Acis ct. Galatё e》. と,ペ ル ゴ レー ジの オ ペ ラ・ ブ ッフ ァ 《女 中. 奥 様 La seⅣ a padrona》. グル ックは ラ シー ヌの 悲 劇 に基 づ いて 書 いた 台 本 に よ って 《ア ウ リスの イ フ ィゲ ニ ア Iphigenic en Aulide》 (1774)を パ リでの上 演 を考 えて フラ ンス語 の 台本 に作 曲 し,そ の後 《オル フ ェウス とエ ウ リデ ィー チ ェ orfeo ed Euridice》. 「 フラ ンスの エ ールで は,常 に甘 く,気 楽 で,な め らか で ,筋 道 の 通 った ものが 求 め られ る。 しか し曲全 体 が. (1733年 初 演 )に お いて 「 ラモ. 対 ペル ゴ レー ジ」 の 図式 がつ くられ る。. 2. (「. 横 の 音 程 幅 (第. "Eα rヶ M2/s'C.32,no.1:27-47.. ν α′ Cο ′s′ α″′ グ′ Huソgθ ″s. ,. Юn de mo■ 」 (L. tu?':. Rcconstlucting French ldentity in thc Wakc of CorcHi's op.5。. ル・ セール は, コ レッ リの トリア・ ソナ タにつ いて. 6の 和音 の 連 続 も含 め 6度 の 多用 ,同 様 の 箇所 の二 つ. (1762;1774)と. 《アル チ ェステ Alcestc》. 常 に同 じ調 子 で しかない」 (1702:30-31)。. 5. 「 も し SignOr Luiggiの よ うなす ば ら しい歌 手 の イ タ リアの作 曲家 が フラ ンス語 で 曲 を書 いて も, フ ラ ンス 人 ほ ど もうま くで きないだ ろ う」 (Bacilly 1668:97)。. 「 イ タ リアの 内 な る音楽 の才能 が理 由 で あ るか,イ タ リ ア語 は美 しい エ ール に 曲 を つ け るの に我 々の もの よ り も合 って い るか どうか」 (ibid。 ).
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