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発症前メチルマロン酸血症の遺伝子スクリーニングおよび良性亜型の原因遺伝子単離

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Academic year: 2021

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発症前メチルマロン酸血症の遺伝子スクリーニング

および良性亜型の原因遺伝子単離

著者 坂本 修

(2)

発症前メチルマロン酸血症の遺伝子スクリーニング

および良性亜型の原因遺伝子卓離

(課題番号 18591137)

平成1 8-平成1 9年度科学研究費補助金

(基盤研究(C))研究成果報告書

平成20年5月

研究代表者 坂本修

東北大学 大学病院 講師

(3)

<はしがき> メチルマロン酸血症はメチルマロニルCoAムタ-ゼの機能低下によ る代表的な有機酸代謝異常症であり、わが国での頻度は約10万人に一 人と先天代謝異常症の中では比較的頻度が高い。メチルマロン酸血症 はメチルマロニルCoAムタ-ゼそれ自体の異常とコバラミン合成系の 異常に大別され、治療法が違ってくる。また今後の新生児マス・スク リーニングは既に欧米で行われているようなタンデムマスをもちいた 方法に移行すると考えられる。 タンデムマスによる新生児スクリーニングの普及とともに、軽症型メ チルマロン酸血症が今後見つかってくることが考えられる。この際に軽 症型のなかには良性メチルマロン酸血症と分類される一群があり、これ の本態がいまだ不明で本当に治療を要しないものかが判然としない。 今回の研究にて新生児マス・スクリーニングにて発見された患者に 関し、第一にコバラミン合成系の異常であるのか否かの診断を簡便に逮 速につける方法を考案すること、第二に軽症型(良性)例にかかわる遺 伝子の検索をとおして、病態を解明し、真に「良性」であるのかを検討 することを目的とする。 研究組織 研究代表者:坂本 修(東北大学 大学病院 講師) 研究分担者:呉 繁夫(東北大学大学院 医学系研究科 准教授) 交付決定額(配分額) (金額単位:円) 直接経費 亊I ィニ N 合計 平成18年度 テC 0 テC 平成19年度 テ 300 テ3 総計 テC 300 テs

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研究発表

(1)雑誌論文(著者名、論文標題、雑誌名等)

Sakamoto 0, et. al.

Mutationandhaplotype analyses of theMUTgene in Japanesepatients

with methylmalonic acidemia.

Journal of Human Genetics 52:48-55:2007

(2)学会発表(発表者名、発表標題、学会等名等) 坂本修 ほか 日本人メチルマロン酸血症におけるMUT遺伝子変異およびハプロタイプ 解析 第110回日本小児科科学会 坂本修 ほか 日本人メチルマロン酸血症におけるMUT遺伝子変異およびハプロタイプ 解析 第49回日本先天代謝異常学会 (3)図書(著者名、出版社名、書名等) なし 研究成果による産業財産権の出願・取得状況 なし

(5)

研究成果 1、研究背景 メチルマロン酸血症はメチルマロニルCoAムタ-ゼの機能低下によ る代表的な有機酸代謝異常症であり、わが国での頻度は約10万人に一 人と先天代謝異常症の中では比較的頻度が高い。メチルマロニルCoA ムタ-ゼはコバラミン(ビタミンB12)を補酵素とする.そのためメチ ル々ロン酸血症はメチルマロニルCoAムタ-ゼそれ自体の異常とコバ ラミン合成系の異常に大別される。後者は薬理学的量のビタミンB12 の投与により臨床症状が軽快する(ビタミンB12反応型) 。しかしB12 反応型であっても早期診断がなされなければ、重篤な代謝性アシド-シス、高アンモニア血症で発症し、死亡することも多い。よってビタ ミンB12反応型なのか非反応型なのかの鑑別が臨床上重要である。 これまでメチルマロニルCoAムタ-ゼの遺伝子(NUT)およびビタミン B12反応型メチルマロン酸血症はタイプA、タイプBの原因遺伝子(そ れぞれMMAA, MMAB)が単離されている。それぞれの遺伝子に関して欧米 人を中心とした変異スペクトラムの報告が、日本人においてもビタミン B12反応型メチルマロン酸血症血症に関して変異スペクトラムの解析 が、研究代表者の坂本によって行われている。 また今後の新生児マス・スクリーニングは既に欧米やアジアでは韓国 で行われているようなタンデムマスをもちいた方法に移行すると考え られる。タンデムマス法では従来のマス・スクリーニングで発見できな かったような有機酸代謝異常症や脂肪酸合成障害が発症前に発見され るようになる。よって発症の予防が今後の問題になる。これはつまり発 症前のメチルマロン酸血症が見つかってくることが考えられ、この際に 先述のビタミンB12反応型か否かが迅速に診断できれば、発症予防につ ながるといえる。 さらに既にタンデムマス法のパイロットスタディでは有機酸代謝異 常症の1つであるプロピオン酸血症に関して、2万人に1人検出されるo これは従来考えられていた10万に1人に比して、はるかに予想を上回

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る率で発見されたことになる。これの患者のほとんどは軽症ながらも治 療を要するものとして食事療法などの治療介入がなされている。同様に 軽症型メチルマロン酸血症が今後見つかってくることが考えられる。こ の際に軽症型のなかには良性メチルマロン酸血症と分類される一群が あり、これの本態がいまだ不明で本当に治療を要しないものかが判然と しない。良性メチルマロン酸血症に関しメチルマロン酸血症発症にかか わる遺伝子の検索をとおして、病態を解明し、真にイ良性」であるのか を検討することができると考えられる。 2、研究目的 ・軽症型(良性型)にかかわる遺伝子の検索をとおして、病態を解 明し、真に「良性」であるのかを検討すること ・新生児マス・スクリーニングにて発見された患者に関し、第一に コバラミン合成系の異常であるのか否かの診断を簡便に迅速につ ける方法を考案すること 3、方法 ・全国より依頼のあったメチルマロン酸血症の患者検体より、臨 床像および尿有機酸分析でメチルマロン酸の排浬が認められる ものの典型例より少ない13例について軽症・良性型とした。こ れらに関しメチルマロニルCoAムタ-ゼ遺伝子(MUT)、コバラミ

ン合成系の異常として既に単離されているMMAA, MMAB, MMACHC遺 伝子、メチルマロン酸エビメラーゼ(MCEE)の塩基解析(ダイレ

クトシークエンス)を実施した。

・全国より依頼のあったメチルマロン酸血症の患者検体より、ビ

タミンB12不応型と思われる29例に関し、MUT遺伝子の解析(ダ イレクトシークエンス)を実施した.

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4、結果

・軽症・良性型13例に対し、 MUT、 MCEE、 MMAA、 MMAB、 MMACHC遺

伝子の塩基解析(ダイレクトシークエンス)を実施したところ、 有意な塩基置換は見出されなかった。 ・ビタミンB12不応型メチルマロン酸血症29例に関し、 58アレル 中55アレルに変異がみつかった。新規の変異は4つであった (p.MIV、 C.753_753+5delGGTATA、 C. 1560G)C、 C. 209g_2099delAT) o 日本人の変異報告について既に報告された 11人とあわせ40人の変異スペクトラムを検討したところ、 5つ の変異が比較的頻度の高い変異であった(p.El17L c.385+5G)A、 p.R369H、 p.L494L p.R727‡)0 10個のSNPによるハプロタイプ は5つにわけられた。前述の頻度の高い変異のうちp.El17L c.385+5G)A、 p.L494Ⅹ、 p.R727‡は各々一つのハプロタイプに相 関しため、各々の変異は創始者効果により日本人に広まったと 考えられた。 p.R369Hは2つのハプロタイプに属し、また欧州人 をはじめ多種の人種での報告があるため、人種をこえたホット スポットであり日本人患者内でも複数の起源があると考えられ た。 5、考察 ・軽症・良性型メチルマロン酸血症の原因をなる遺伝子は今回の検 索の中では見出せなかった。メチルマロン酸代謝、コバラミン活 性化経路にはいまだ不明の点も多い。また環境因子(ビタミン B12摂取量)や、ミトコンドリア機能など修飾因子も多いため、 多様な病態である可能性も考えられた。 ・典型例におけるMUT遺伝子異常は、諸外国例とは違い、日本人例 では遺伝子異常が5つの変異に集中ているため、これらを優先し て解析することで発症前に診断がつく可能性が示唆された。

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TOUR : Tohoku University Repository コメント・シート 本報告書収録の学術雑誌等発表論文は本ファイルに登録しておりません。なお、このうち東北大学 在籍の研究者の論文で、かつ、出版社等から著作権の許諾が得られた論文は、個別にTOUR に登録 しております。 TOUR http://ir.library.tohoku.ac.jp/

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