学習動機と学習行動の変化―中国の大学の日本語学
習者を中心に―
著者
王 俊
号
19
学位授与機関
Tohoku University
学位授与番号
国博第182号
URL
http://hdl.handle.net/10097/00120452
論文内容要旨
学習動機と学習行動の変化
―中国の大学の日本語学習者を中心に―
東北大学大学院国際文化研究科
国際文化交流論専攻
王 俊
指導教員 佐藤勢紀子 教授
江藤裕之 教授
副島健作 准教授
1
1 はじめに
近年、外国語教育の指針は、教師がどのように効率よく知識を伝授できるかの従来の「教 師主導」から、学習者が積極的に学習へ関与する、いわゆる「学習者中心」へと転換して きている。 言語習得に影響を及ぼす様々な要因についての研究は多数なされてきた。林(1998)は 学習者の言語習得の要因には「学習者要因」、「学習環境要因」、「社会文化的要因」の 三つがあるとしている。同じ社会文化の背景における同じ学習環境の学習者間でも習得に 個別差が出てくる要因としては、やはり学習者要因が最も大きいと考えられる。それとと もに、言語学習に働きかける外部からの要因を把握できれば、これらの要因を促進させる ことで、言語学習にプラスの影響を与えることが可能になる。学習者要因の中で、学習者 の学習成果に直接影響を与える学習行動に密接に関連する学習動機の研究は、極めて意義 のある研究であるとされている。1970 年代から、学習動機の研究は社会心理学や教育心理 学等の関連分野で多く行われてきた。 第二言語習得研究分野でも、学習者要因の学習動機の研究が盛んになっているが、それ らの研究は、全体としての枠組をもって行われてきたというよりも、個々の要因について、 統計的手法を用いて、個別に行われる量的研究が中心であった(林 2006)。しかし、学習 者を特性によって捉える手法は、学習者をステレオタイプに当てはめて理解してしまう危 険性が伴う(浜田 2004)。したがって、学習者の実態を把握するため、個々の学習者に焦 点を当てた質的研究の手法により、その学習プロセスと学習者要因を総合的に見ていく必 要性があると思われる。 一方で、国際交流基金(2013)の調査によると、2012 年に中国の日本語学習者は 100 万 人を突破し世界 1 位になった。その中で、中国の高等教育機関における日本語学習者数は 67 万人を超え、中国における日本語総学習者数の約 65%を占め、日本専攻学習者は 24 万 人を超え、非専攻日本語学習者は 36 万人に達している。しかしながら、これだけ多くの学 習者がいるにもかかわらず、中国における日本専攻学習者や非専攻日本語学習者を対象と する研究は極めて少ない。とりわけ、非専攻日本語学習者の中の日本語双学位学習者を対 象とする研究はほとんど見当たらない。中国の一部の大学において実施されている双学位 制度は、学士課程において主専攻と異なる専攻で二年間程度の課程を修了した者に、別の 学位記が授与されるという制度である。この制度を利用して、日本語を勉強している学習 者数が少なくない。日本語専攻学習者も日本語双学位学習者も、規定のカリキュラムに従 い日本語学習を行っているため、中国の高等教育機関におけるこれらの日本語学習者の学 習状況を把握することは、カリキュラムの改善や学習者の日本語習得の推進につながるも のであり、非常に有意義であると考えられる。 また、学習者が学業成績を努力して上げるための一手段として、我々の普段の生活でも よく見かけることができる、成績優秀者から学ぶ、という方法が挙げられる。成績優秀者2 から学習することは多少なりとも有意義であるとされているが、問題となるのは、我々が 成績優秀者からその成功要因について、十分に正確かつ豊富なディテールを獲得できるか どうかである。単発的な観察などから得られた印象ではなく、科学的手法に基づく長期間 にわたるデータ収集と分析によって、優秀な日本語学習者の学習動機や学習行動を解明す ることが重要であると思われる。 以上のことを踏まえて、本研究では、中国人日本語学習者、特にその中の優れた日本語 学習者の学習動機と学習行動の解明を目的とし、下記のように研究課題を設定した。 ① 中国の大学における日本語専攻学習者は学習期間中、日本語の学習動機と学習行動 に変化があったか。ある場合、どのように変化していったか。 ② 中国の大学における優れた日本語専攻学習者の学習動機は何か。どのように変化し たか。如何に日本語学習に取り組んでいたか。 ③ 中国の大学における日本語双学位学習者は学習期間中、日本語の学習動機と学習行 動に変化があったか。ある場合、どのように変化していったか。 ④ 中国の大学における優れた日本語双学位学習者の学習動機は何か。どのような変化 したか。如何に日本語学習に取り組んでいたか。
2 先行研究と研究方法
本研究で設定した上記の研究課題を解決するために、これまでの学習動機及び学習行動 に関連する先行研究を概観する必要がある。本研究では、学習動機をめぐる三つの理論 ――Deci & Ryan (1985)の自己決定理論、Weiner(1972)の原因帰属理論、Bandura(1977)の自 己効力感についての理論を紹介し、日本語教育分野で行われた学習動機についての研究を まとめ、学習行動(学習ストラテジー1)に関する先行研究を紹介した。 日本語教育分野における学習動機についての先行研究を概観し、下記のような問題点が あることが分かった。 (1)世界各地で、ある地域、ある集団の日本語学習者の学習動機の変化を明らかにし、そ れに影響を与える要因を探求した研究がほとんどであり、中国大陸の日本語学習者を 対象とした学習動機の変化についての調査があまり見当たらない。 (2)データ収集においては、飯塚(2005、2006)を除き、一回限りの回想インタビュー(半 構造化、構造化)がほとんどであった。 (3)学習者の学習動機を把握するために、学習者だけではなく、第三者(教師や友人)の視 点も考慮に入れている研究が少ない。 (4)学習動機が高くなる、または低くなる要因がどのようなものであるかを究明するもの 1 本研究では、「学習行動」と「学習ストラテジー」の両方の用語を使用した。本研究における「学習行 動」はマクロ的な面の行動を指し、「学習ストラテジー」はミクロ的な面の行動を指すこととする。優 れた学習者の学習行動を解明する際には、ミクロの面から学習者を分析するため、学習ストラテジーと いう用語を使用する。3 がほとんどで、動機の高低には触れているが、動機そのものがどのように変化してき たのかについては、言及している研究が少ない。 これらの問題点を解決するために、本研究では、中国人日本語学習者を研究対象とし、 学習動機及びそれに伴う学習行動の変化に重点を置いて、第三者の視点も考慮に入れつつ、 調査を行うこととした。 本研究の調査校は中国の武漢市にある華中科技大学(以下では、K 大学と略す)である。 K 大学は中国教育部直轄の国家級重点大学で、理工学が強いというイメージを世間の受験 生とその保護者に与えている。理工学が強い K 大学の場合、理工学関連の専攻は人気があ るが、点数の低い理系学習者が文系専攻に配属されることがある。しかし、転専攻制度に より、希望していない専攻に配属された学習者にも入学後に希望する専攻へ転専攻する機 会がある。K 大学の場合、一学期終了時に転専攻試験が行われ、それに合格し、かつ元の 専攻の期末試験に合格してはじめて、転専攻ができる。 本研究では、2011 年度に入学した日本語専攻学習者 15 名を対象とし、これらの学習者 の卒業までの四年間の学習動機と学習行動の変化について調査した。K 大学の日本語学科 に 2011 年に入学した 15 人の学習者中、日本語科を第一志望にした学習者は 2 人(高校文 系)で、第二・三・四・五志望にした学習者は 6 人(高校文系 5 人、高校理系 1 人)で、日本 語専攻を志望していないにもかかわらず、配属された学習者は 7 人(高校理系)であった。 一方、日本語双学位学習者については、「七校聯合」に参加している K 大学の 2012 年 度のクラスを対象とする。1999 年より中国武漢市において、華中科技大学、武漢大学、華 中師範大学、武漢理工大学、中南財経政法大学、中国地質大学、華中農業大学という 7 つ の大学が相互に提携をしてマイナー・ダブルディグリープログラム、通称「七校聯合」を 開始した。この 7 つの大学は中国教育部直轄の重点大学であり、ある程度学習者の質を確 保でき、ほぼ同じレベル授業で新たな専攻を同じ教室で受講できる。2012 年に K 大学の日 本語双学位課程において履修を開始した学習者は 4 つのクラスに分けられている。本研究 では、その中の 2 クラスを選び、日本語双学位学習者 69 名を研究対象とし、二年間にわた る調査を行った。 学習者のプライバシーを保護するために、日本語専攻学習者は「A+数字」、日本語双 学位学習者は「B+数字」で表記することとした。調査方法としては、自由記述式質問紙 調査、インタビュー調査、授業観察、学習日記などの調査法を使用した。分析方法として は、それぞれの研究課題に応じて、質的記述的研究法、修正版グラウンドデッドセオリー アプローチ(M-GTA)という分析法を用いた。異なった分析法を採用したのは、それぞれ の対象から収集したデータの質と量が違ったためである。日本語専攻学習者の調査では、 一人一人についての追跡調査を行うことができたのに対し、日本語双学位学習者のほうで は、プログラムの性格に起因する諸事情により、学習者一人一人に対する追跡調査ができ なかった。そのため、日本語専攻学習者の分析では、個々の学習者のディテールを豊富に
4 描写できる質的記述的法を用いたが、日本語双学位学習者の分析では、学習者の学習動機 の変化の傾向を一度に分析することができる M-GTA を利用することにしたのである。
3 結果と考察
3.1 日本語専攻学習者における学習行動と学習行動の変化(研究課題①) この研究課題については、質的記述的分析法を用いて、時間を追って日本語専攻学習者 一人一人の学習軌跡を記述し、分析した。研究対象とした学習者は、日本語専攻に入学し た直後は好奇心で日本語を面白く感じていたことが明らかになった。その後、学習者毎に 異なる様々な要因の影響により、それぞれ異なる日本語の学習動機の変化の軌跡を見せ、 また、異なる学習行動を取っていた。対象とした学習者の例を見ると、学習者が自分の日 本語力を向上させたい、日本語の成績を良くしたいという考えは、日本語学習のプロセス において、度々湧いてきていたのであるが、それが考えにとどまり、行動に移さない学習 者もいれば、結局は長続きしなかったが、1、2 週間ほどはそれまでより日本語を学習して いた学習者もいた。日本語学習をきちんと行いたいという考えに留まっている場合は学習 行動につながらないものであるため、学習動機と認定しないこととした。また、短期間(本 研究では一学期四ヶ月の内半分の二ヶ月に満たない期間とする)に発生した学習動機と学 習行動は、四年間における学習者の日本語の学習動機の傾向から学習者のパターンを見出 す際、考慮に入れないこととした。 以下では、学習動機の内容に関係なく、学習動機と学習行動の変化の様態により、クラ スの日本語学習者を学習動機不変型、学習動機上昇型、学習動機下降型という三つのパタ ーンに分ける。なお、この動機の型の分類は、一年生から三年生までの三年間における学 習者の学習動機の変化に基づいて行う。学部四年生時においては、日本語専攻の大学院に 推薦進学が決まった A01、A03、A09 の 3 人以外の学習者は、就職活動や(双学位専攻) 大学院試験準備のため、日本語学習を最低限しか行っていなかったためである。 3.1.1 学習動機不変型 このパターンに属する学習者は二種類に分けられる。一種類目は終始日本語学習に興味 を持っている学習者である。一種類目には A03 が該当する。A03 は日本のアニメが好きで、 日本語専攻を第二志望として選んだ。本格的に日本語学習を開始した後、単語や文法など の反復練習で無味乾燥だと思い、日本語が前より美しく聞こえなくなったが、日本語を学 習することは義務だと認識したこともあり、四年間を通して勤勉に日本語を学習していた。 暗誦などの反復練習に飽きることがあったが、日本のアニメや文学などを楽しんでいた。 二種類目の学習者のおおよその特徴としては、四年間を通して、日本語学習にさほど興 味を持っていなかったが、日本語が専攻であるため学習しなければならないという義務感 から生じる動機に支配されることが多かったことが指摘できる。二種類目に属する学習者5 は学習動機に変化はないが、学習行動によりさらに二つのタイプに分けられる。一つ目の タイプには A02、A04、A06 が該当する。これらの学習者は日本語学習のプロセスの中で、 アニメやドラマ、日本文学などの日本語関連のコンテンツで自分に日本語への興味を持た せようとしていたが、失敗に終わっていた。また、「高校時代と同じで、ただの科目とし て」日本語を学習していたが、日本語学習に対して強い責任感を持ち、自分の主たる任務 であると認識していた。このパターンの学習者の日本語学習の原動力の多くは外にあった ため、教師に与えられた宿題を完成することを目標とし、それ以外で日本語を学習しよう とは思わなかった。もう一つのタイプには A10、A11 が該当する。このタイプの学習者は、 一年生の上半期では、転専攻試験の受験準備を行っていたが、当面の専攻が日本語であっ たため、転専攻試験の試験準備より日本語を優先的に学習していた。転専攻試験に失敗し た後、日本語を専攻として受け止めた。日本語の宿題を完成させることが当面の日本語学 習の目標であったが、締切日(授業日の前日)に急いで行うことが多かった。 3.1.2 学習動機下降型 この種の学習者の日本語の学習動機は四年間を通して下降していた。該当者は A08、A12、 A13 である。これらの学習者は日本語学習の時間が長くなればなるほど、日本語学習にネ ガティブな心情を持ち、卒業証書の取得のみが日本語学習の目的となった。A08 は大学入 学前、学校で三ヶ月ほど日本語を学習していたため、今後の日本語学習もよくできるとい う期待があった。A12 と A13 は大学入学当時、転専攻する気持ちがあったが、皆が同じス タートから開始した日本語学習では、自分もよくできるという自信があった。しかし、彼 らは日本語学習を良く学習したいという願望があったが、繰り返し暗記することが嫌いな ため、授業外では、やりたいことが全て終わった後に日本語学習をしていた。宿題の完成 度は高くなく、日本語の成績も常にクラスの下位にあった。期末試験の良くない成績に刺 激を受け、よく学習しようと思い短期間頑張ったが学習効果が見られなかった。日本語の 基礎がしっかりしていなかったからであると反省したが、継続する原動力はなくなってい き、日本語学習の目的が卒業証書を取得すればよいということに変わっていった。 3.1.3 学習動機上昇型 この種の学習者は日本語学習の過程において、学習動機が強くなり、自ら進んで日本語 を学習するようになったタイプである。該当者は A01、A03、A07、A09 である。その中で、 A01、A07 は一・二年生時には日本語の成績が良くなかった。A01 は推薦入試での大学院 に進学を希望していたため、三年生になって日本語の成績を良くしたいという気持ちが強 くなり、様々な工夫をしてその目標を実現した。A07 は、クラスで下位の成績だと日本語 専攻として失格であると考えたため、日本語がよくできない自分と向き合うようになった。 日本語力を向上させたいという考えだけではなく、それにつながる学習行動を実際に取っ
6 た。四年生になり、上半期には他専攻の大学院入学試験のため、一時的に日本語学習を負 担であると感じたが、下半期では三年生と同様の動機に戻った。A03 と A09 はそれぞれ努 力と興味(大量のアニメ鑑賞)を通して、良い日本語の成績を獲得した。それが原因で日 本語学習への自信とつながり、日本語学習が進むにつれ、今後の日本語学習もうまく行く と予想するようになり、日本語学習への原動力も強まっていったのである。 3.1.4 四年生 本研究では、日本語専攻学習者を学習動機上昇型、学習動機不変型、学習動機下降型と いう三つの型に分類した際、大学四年目への分類は除外した。その理由は、大学四年目に なると日本語学習が非日常的になるためである。四年生では、学習動機不変型(A03 は日 本に交換留学しているため、除外する。)と学習動機下降型の学習者の日本語の学習動機 が減退していた。特に、四年生の上半期では、日本語の授業と大学院試験や就職活動が重 なった際、学習者は強制的に日本語学習をさせられていた。下半期になって、日本語の授 業がほとんどなくなり、学習者は日本語専攻の義務として卒業論文を完成させていた。日 本語学習に対する抵抗は上半期ほどではなかったが、最低限の日本語学習しか行っていな かった。学習動機下降型は前の三年間でもほとんど最低限の日本語学習しか行っていなか ったが、四年生では、日本語の授業の減少や、日本留学や就職活動により、さらにその下 降の度合いが増したのである。ここで言及した学習動機は半年間を単位に観察したもので ある。四年生という学習過程においては、就職の面接などのために、一時的にそれに関連 する内容(日本語での自己紹介など)を学習した学習者はいたが、それはごく短期間に行 われたものであるため、本研究では特に取り上げないこととした。 3.2 優れた日本語専攻学習者の学習軌跡(研究課題②) 対象者 A03 と A05 は成績優秀で、かつ調査に協力的で、学習状況をよく自分で把握して いる。 しかも、自分の学習状況について詳細かつ客観的に表出することができる。そのた め、優れた日本語専攻学習者として選定し、質的記述的分析法を用いて、その学習軌跡を 究明した。 A03 も A05 も大学入学時、第一志望ではない日本語専攻に配属された点は同様であるが、 2 名の学習者に積極的な影響を与えた要因は、学習者 A03 では成功した学習経験と就職に 有利なことであるのに対し、学習者 A05 ではアニメが好きなことであった。その後の学習 過程において、学習動機はそれぞれ変化していることが分かった。また、これらの学習者 は四年間の日本語学習期間における成功者であるとはいえ、当初日本語を第一志望として いなかったことから当時の学習動機がそれほど強くなかったと推察できる。つまり、成功 する日本語学習者は必ずしも最初から強い動機を持っているとは限らないことが分かる。 学習ストラテジーについて、2 名の学習者は日本語学習に時間を大量にかけている。最
7 も力を入れているのは文法学習で、メモした学習内容を自分で再度整理する方法を取って いる。授業内容を整理することによって知識をまとめ、これにより問題点を見出すことが 重要であるとし、この方法による学習が毎日の日課になっている。単語学習では、教科書 CD の単語を聞き、復唱して紙に書き、中国語訳と日本語の単語を対照しながら暗記して いる。聴解学習では基礎段階において、正しい回答を選び出すだけではなく、文章の中の 分からない単語や文法なども把握するようにしている。 高学年に入ると、授業外のリソー スを利用し、それぞれの弱点強化のために、トレーニングを行っていた。会話学習におい ては、外国語の学習環境では日本人と接する機会が少ないため、会話文の暗記を通して、 自然な日本語を身につけようとしていた。学習者 A03 と A05 においては、直接ストラテジ ー以外に、日本語学習に自己モニターを働かせ、学習上の問題点を見出し、それなりの解 決策を練り出すという間接ストラテジーの使用が目立っている。 3.3 日本語双学位学習者における学習行動と学習行動の変化(研究課題③) この課題については、人間の行動、とりわけ他者との相互作用の変化を説明できる動態 的説明理論として活用されてきた理論――修正版グランデッド・セオリー・アプローチを 用いて、分析した。生成したカテゴリー、サブカテゴリーと概念を図 1 に示す。【 】はカ テゴリー名、《 》はサブカテゴリー名、〈 〉は概念名である。【学習動機の変化】と【日 本語双学位の困難さ】という二つのカテゴリーが生成された。学習者は〈就職〉、〈興味〉、 〈興味+就職〉、〈充実+興味〉、〈興味+習得容易〉、〈主専攻の補助〉〈競争+興味、 就職〉、〈大学院受験〉、〈周囲からの影響〉、〈実用+習得容易〉、〈好奇心+習得容 易〉、〈外国語+習得容易〉、〈留学〉、〈留学+興味〉といった《双学位開始時の学習 動機》から日本語学習を開始し、履修開始後一年目の前半、意欲的に授業に参加していた。 しかし、日本語を学習していくうちに、新鮮味が次第に減少し、【日本語双学位の困難さ】 故に、大部分の学習者は日本語双学位の学習動機が減退した。学習動機が減退した学習者 の中では、〈独学で学習したほうが効率的〉、〈双学位証書を重視しない〉、〈将来的に 役に立たない〉という理由で履修放棄した学習者がいる一方、〈双学位証書を取得したい〉 という理由で二年間履修した学習者もいた。そして、二年間履修した学習者の中にも学習 動機が減退していた学習者がいる一方で、日本文化などに〈興味〉を持ち続けていた学習 者もいた。 また、学習者の動機減退につながる【日本語双学位の困難さ】は《授業関係の困難さ》 と《制度利用上の困難さ》という二つの概念からなる。《授業関係の困難さ》では、勉強 していくうちに内容が多くなり、〈授業の進み方が速い〉こと、そして「日本語は難しい。 日本語の漢語は中国語のものと意味が違う、中国語との語順も違う。(B27/質問紙調査 /20121118)」とあるように、日本語が思った以上に〈難しい〉ことに気づき、〈学習の時 間がない〉と感じていた学習者が多い。平日は主専攻の学習で忙しく、授業外で日本語学
8 習に時間がかかりすぎると感じはじめていたため、土日の授業以外の日にはほとんど日本 語学習をしないようになった。学習効果が良くなかったため、授業中では、先生に〈質問 されるのは怖い〉と感じ、授業にも出たくなくなり、〈試験のプレッシャー〉を感じてい た。このように、学習効果が良くない学習者は、次第に自信がなくなり、日本語双学位へ の動機も減退していったのである。一方、双学位課程の後半では、学習効果の良い一部の 学習者が〈授業の進み方が遅い〉と感じ、あまり授業に出てこなくなった。その代わりに、 授業外で独学で日本語教科書や日本語能力試験の受験勉強をするようになった。 また、 教科書通りに教える先生もいるため、多くの学習者が〈授業が無味乾燥〉と感じていた。 日本語学習開始時 二年目 〈大学院受験〉 〈実用+習得容易〉 〈興味〉 〈就職〉 〈興味+習得容易〉 〈主専攻の補助〉 〈留学〉 〈競争+興味、就職〉 〈双学位証書を取得したい〉 〈興味〉 〈双学位証書を 重視しない〉 〈将来的に役 に立たない〉 《制度利用上の困難さ》 《授業関係の困難さ》 《双学位を放棄した理由》 《双学位を継続した理由》 《双学位開始時の学習動機》 〈難しい〉 〈授業が無味乾燥〉 〈質問されるのは怖い〉 〈授業の進み方が遅い〉 〈授業の進み方が速い〉 〈試験のプレッシャー〉 〈学習の時間がない〉 〈通学が大変〉 〈学費〉 〈孤独〉 〈休みがほしい〉 〈大学院の受験勉強〉 〈インターンシップ〉 【日本語双学位の困難さ】 【学習動機の変化】 時間経過 働きかけ 影響を受け、減退 した学習動機 〈周囲からの影響〉 〈興味+就職〉 〈充実+興味〉 〈好奇心+習得容易〉 〈外国語+習得容易〉 〈留学+興味〉 〈独学で学習したほうが効率的〉 変化 図 1 日本語双学位学習者の学習動機の変化に関する結果図 《制度利用上の困難さ》では、週末に休みがない生活に慣れていないため、単純に〈休 みがほしい〉という気持ちが強くなった学習者が少なくなかった。特に、K 大学以外の大 学の学習者は早起きしなければならない上に、学習者によってはバスの乗り換えが多かっ たため、〈通学が大変〉と感じている学習者が多かった。また、土日の授業日にしか会わ ないクラスメートと一緒に学習することや、授業外では一人で日本語学習を行うことに〈孤 独〉を感じた者もいた。特に、一学年が終了して履修放棄者が出たため、その影響により クラス再編が行われ、新しいクラスに振り分けられた学習者は孤独を感じて履修放棄した ケースも見られた。その他、家族から支持を得られなかったことで生じた〈学費〉問題や、 〈インターンシップ〉への参加、〈大学院の受験勉強〉で、日本語双学位の授業に時間的
9 に参加できなくなったことなどが挙げられる。 双学位履修開始後一年が経ち、【日本語双学位の困難さ】 に直面した双学位学習者はそ れぞれ《双学位を継続した理由》、《双学位を放棄した理由》により履修継続者と履修放 棄者に分かれた。《双学位を放棄した理由》で履修を放棄した学習者には、〈独学で学習 したほうが効率的〉であると感じていた者が多かった。また、日本語が進路とは関係ない、 または学習効果が良くない学習者は、現在のレベルでは〈将来的に役に立たない〉と思う ようになっていた。そして、これらの学習者は〈双学位証書を重視しない〉ため履修を放 棄した。履修放棄者の中には、日本語双学位を中止しても、日本語能力試験の受験準備を する学習者もいた。また、日本語双学位学習動機が双学位学習の困難さにより減退してい る学習者の中には、双学位証書が将来自分の学習経歴の一種の証明になると考え、〈双学 位証書を取得したい〉ため、日本語双学位を継続して履修していた者もいた。しかし、二 年目に入ると、こういった学習者は欠席が多くなり、その代わりに独学で日本語学習して いた。その種の学習者には、双学位証書の取得のみを目標とし、双学位証書の取得条件で ある日本語能力試験の N3 または中国教育部が主催する大学日本語 4 級試験や授業の試験 に合格することを目標として最低限の日本語学習以外は行わないパターンと、日本語能力 試験の N1 と N2 合格を目指し、授業外でも受験勉強をしていたパターンが見られた。この 他に、《双学位を継続した理由》で日本語双学位を継続して学習した学習者の中で、終始 双学位の学習動機に変化がない者がいる。この種の学習者は常に日本文化などへの〈興味〉 を持っており、日本語能力試験に合格するのが目標ではなく、日本語の学習過程に喜びを 感じ、日本語が身につくことに満足していたため、授業を楽しんで、出席良好であった。 3.4 優れた日本語双学位学習者の学習軌跡(研究課題④) この研究課題については、質的記述的研究法を用いて、優れた学習者の学習動機と学習 行動を分析した。本研究では優れた中国人日本語双学位学習者について以下の 2 つの条件 を設けた。(1)2 年間の学習期間内に N1 に合格していること、及び(2)調査に対して協 力的であり、日本語学習について豊富なディテールを提供可能であることである。本研究 ではこの 2 つの条件をともに満たした学習者 B01 と B02 が研究対象として選ばれた。 優れた日本語双学位学習者 2 名の特徴は主に三つある。第一に、はっきりとした学習動 機を持っていたことである。二人の学習者は学習目標を設定していないが、日本語が好き という明確な動機から日本語を学習していた。第二に、毎日日本語と接する時間を確保し ていたことである。B01 は課外時間のほとんどをアニメ鑑賞などの日本語関係に使用し、 B02 は課外時間の約 2 分の 1 を日本語学習に充てていた。それだけではなく、主専攻の授 業中の効率的ではない時間まで日本語学習のために使っていた。第三に、学習者がそれぞ れ自分に合った学習方法を持っていた点である。二人はそれぞれマクロタスクとしてアニ メ観賞と教科書学習を行い、それぞれにとって最も効率的な方法を採用していたと考えら
10 れる。 本研究の優れた双学位学習者に関する部分の従来の研究と異なる点は、日本語学習をプ ロセスとして捉え、学習ストラテジーと密接に関連する学習動機も考察したこと、及びマ クロレベルという全般的な面からマクロストラテジーを調査したことである。先行研究で 挙げられた優れた学習者の特徴の一部は、上記の 3 点のように、本研究でも確認された。 本研究では顕著ではなかったが、その他に観察された点としては 3 点ある。(1)失敗するこ とを恐れずに、積極的に目標言語を使用し、コミュニケーションしていたこと、(2)目標言 語である日本語に好感を持ち、日本に友好的な態度であったこと、(3)能動的にタスクをや り遂げていたことである。(1)について、口頭での交流の機会はごく少なかったが、文章で 意欲的に日本語で日常の出来事や心情を書いていた(コミュニティーグループや中国のツ イッターなど)。(2)について、B01 は元々日本のアニメから日本社会に憧れるようになり、 B02 は双学位履修後日本についての知識を深め、日本旅行など考えるようになった。(3)に ついて、教科書中心の日本語学習を行ってきた B02 が能動的だったことは言うまでもない が、B01 も授業外での教科書学習を好まないものの、宿題などをきちんと完成させていた。
4 おわりに
本研究では、日本語専攻学習者を対象とした調査では四年間、日本語双学位学習者を対 象とした調査では二年間にわたり、それぞれ日本語の学習動機と学習行動の変化について 明らかにした。それらの学習者を対象に、本研究は最終の学年が終了するまでに学習動機 と学習行動がどのように変化してきたのか、その変化を引き起こした要因は何かを明らか にした。 日本語専攻では、多くの学習者が日本語にそれほど興味を持っていなかった現象が目立 っている。これらの学習者は志望していないにもかかわらず日本語学科に配属されていた ため、大学入学当時から学習動機は強くなかったのである。大学の専攻の配属制度は見直 されるべきである。また、学習者の就職状況は芳しくなかった。要因として、四年生にな ってなお授業数が多く、就職活動や大学院試験の試験準備に集中することができなかった ことが挙げられる。四年生の授業を三年生、二年生に移行することを提案する。また、学 習者が積極的に企業などへの応募にチャレンジできるような環境と、学習者自身の継続的 な努力、良い就職のための良い環境づくりが日本語学科と日本語教師に求められる。 日本語双学位では、対象とした学習者の 80%以上の者の日本語双学位の学習動機が減退 していた。その原因として、環境の要因と生徒自身の要因、教授の要因という三つの面で の困難が挙げられる。これらの学習者の困難を解決するために、それぞれ次のような提案 をしたい。①学習者が新しい環境やクラスメートに対して、開放的、かつ包容的な態度で 接していく心構えが必要であると考えられる。②双学位制度の指導システムを整備し、直 面する可能性のある困難を事前に告知し、かつ学習過程で困難を抱えている学習者に迅速11 な対応や適切な指導を行い、学習者が順調に学位を取得できるようにサポートするという 解決方法を提案したい。③事前にプレースメントテストを行い、学習者のレベルに応じて クラス分けをするべきであろう。 本研究では、学習動機を動的視点から捉え、学習者の日本語の学習過程における変化に 関する追跡研究を行った。中国の日本語専攻学習者を扱う先行研究はあるが、そのほとん どは量的研究であり、質的に変化を記述したものはなかった。また、日本語双学位学習と いう形式の日本語学習に焦点を当てた研究もこれまでなかった。1980 年代に中国国家教育 部(日本の文部省に相当する機関)が双学位に関する綱領を出し、大学または大学間で自 主的にこの学習制度を取り入れ、その後、多くの学習者がこの制度を利用するようになっ た。しかし、研究者が日本語双学位学習者に目を向けることはなかった。さらに、中国大 陸の学習者の長期にわたる学習過程を質的研究法を用いて分析したのも本研究が初めてで ある。これまでの学習動機に関する先行研究では、このような全期間を対象とした、学習 段階ごとの系統的な追跡調査は極めて少なく、ある学習段階での一回限りのインタビュー 調査が主流であった。本研究で行ったような学習の全期間の追跡調査によってこそ、学習 者の学習状況を正確に把握することができると思われる。 引用文献
Bandura, A.(1977)Self-efficacy: Toward a Unifying Theory of Behavioral Change. Psychological Review,84, 191-215.
Deci, E. L., & Ryan, R. M. (1985) Intrinsic Motivation and Self-determination. NY: Plenum. Weiner, B. (1972) Theories of motivation: From mechanism to cognition. Chicago : Rand McNally. 飯塚往子(2005)「日本語学校に通う留学生の動機づけの要因ー半年間のネットワークの 変化からー」『小出記念日本語教育研究会論文集』13, 39-52. 飯塚往子(2006)「日本語学校に通う学生の学習動機と生活での問題点の関係―1 年間の 縦断調査の結果より―」『留学生教育』11, 179-187. 国際交流基金(2013)『海外の日本語教育の現状‐2012 年度日本語教育機関調査より』く ろしお出版 浜田麻里(2004)「研究の理論的枠組み」文野峯子『日本語学習者と環境の相互作用に関す る研究』科学研究補助金基盤研究(C)(2)研究成果報告書,3-10. 林さと子(1998)『第二言語としての日本語学習および英語学習の個別性要因に関する基 礎的研究』平成 8 年度~9 年度科学研究費補助金研究報告書 林さと子(2006)「第二言語習得研究から見た第二言語学習/習得の個別性」津田塾大学 言語 文化研究所 言語学習の個別性研究グループ(編)『第二言語学習と個別性-こ とばを学ぶ一人ひとりを理解する-』第二部Ⅰ,48-58. 春風社
別 記 様 式 博在-Ⅶ-2-②-A 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 学 位 の 種 類 博 士 ( 国 際 文 化 ) 氏 名 王 俊 学 位 論 文 の 題 名 学 習 動 機 と 学 習 行 動 の 変 化 ― 中 国 の 大 学 の 日 本 語 学 習 者 を 中 心 に ― 論 文 審 査 担 当 者 氏 名 ( 主 査 ) 佐 藤 勢 紀 子 , 江 藤 裕 之 , 副 島 健 作 , 川 平 芳 夫 , 張 立 波 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 ( 1,000 字 内 外 ) 本 研 究 は 、 中 国 に お け る 日 本 語 専 攻 学 習 者 お よ び 日 本 語 双 学 位 学 習 者 ( 非 専 攻 学 習 者 の 一 部 ) を 対 象 と し 、 日 本 語 の 学 習 過 程 に お け る 学 習 動 機 と 学 習 行 動 の 変 化 の プ ロ セ ス と 、 そ の 変 化 の 要 因 を 明 ら か に す る こ と を 目 的 と し た も の で あ る 。 本 研 究 で は 、 華 中 科 技 大 学 の 日 本 語 専 攻 学 生 15 名、同大学で実施された双学位プログ ラ ム 参 加 者 69 名を対象に、自由記述式質問紙、インタビュー、授業観察、学習日記など の 調 査 方 法 を 用 い て デ ー タ を 収 集 し 、 そ れ ぞ れ 質 的 記 述 的 研 究 法 、 修 正 版 グ ラ ウ ン デ ッ ド セ オ リ ー ア プ ロ ー チ (M-GTA)によって分析し、長期間にわたる学習動機と学習行動の変 化 の 様 態 を 明 ら か に し た 。 ま た 、 そ れ ぞ れ の 学 習 者 の 中 か ら 優 れ た 学 習 者 を 選 び 、 そ の 学 習 動 機 と 学 習 行 動 の 特 徴 を 究 明 し た 。 研 究 結 果 の 新 規 性 を 示 す も の と し て 、 次 の 3 点 が 挙 げ ら れ る 。 1 ) 学 習 動 機 を 動 的 視 点 か ら 捉 え 、 長 期 間 に わ た る 学 習 動 機 お よ び 学 習 行 動 を 、 学 習 段 階 ご と の 多 様 な 調 査 を 通 じ て 継 続 的 か つ 多 角 的 に 観 察 し 、 そ の 変 化 の 様 相 と 要 因 を 具 体 的 に 記 述 す る こ と に 成 功 し て い る 。 そ の 中 で 、 中 国 の 大 学 に お け る 専 攻 配 属 制 度 の 問 題 点 や カ リ キ ュ ラ ム 策 定 上 の 課 題 も 浮 き 彫 り に さ れ て い る 。 2 ) 中 国 の 大 学 の 日 本 語 学 習 者 の 過 半 数 を 占 め る に も か か わ ら ず 、 従 来 ほ と ん ど 研 究 対 象 と さ れ て い な か っ た 非 専 攻 学 習 者 の 学 習 動 機 と 学 習 行 動 の 実 態 が 解 明 さ れ 、 学 習 動 機 減 退 を 防 ぐ た め の 方 策 が 検 討 さ れ て い る 。 3 ) 中 国 の 日 本 語 学 習 者 の 長 期 間 の 学 習 過 程 の 研 究 と し て は 初 め て 質 的 研 究 法 を 採 用 し 、 と り わ け 新 し い 分 析 方 法 で あ る 質 的 記 述 的 研 究 法 を 用 い る こ と に よ っ て 、 量 的 研 究 法 で は 十 分 に 解 明 で き な か っ た 個 々 人 の 学 習 動 機 お よ び 学 習 行 動 の 変 化 の プ ロ セ ス の 詳 細 が 明 ら か に さ れ 、 学 習 者 や 教 育 担 当 者 の 参 考 に な る 数 多 く の 事 例 が 提 供 さ れ て い る 。 審 査 会 で は 、 日 本 語 専 攻 学 習 者 と 非 専 攻 学 習 者 で 異 な る 研 究 手 法 を と っ た こ と 、 論 文 の 総 合 的 考 察 の 部 分 で 再 び 調 査 方 法 に 言 及 し て い る こ と な ど に つ い て そ の 理 由 を 問 う 質 問 が な さ れ た が 、 論 文 執 筆 者 か ら は 納 得 の い く 回 答 が 示 さ れ た 。 本 研 究 は 、60 万人以上に及ぶ 中 国 の 大 学 の 日 本 語 学 習 者 に 着 目 し 、 従 来 ほ と ん ど 研 究 さ れ て い な い 非 専 攻 学 習 者 を も 含 め 、 そ の 学 習 動 機 と 学 習 行 動 の 長 期 間 に わ た る 変 化 の プ ロ セ ス を 質 的 研 究 法 に よ っ て 調 査 ・ 分 析 し 、 新 規 性 に 富 む 研 究 結 果 を 導 き 出 し て お り 、 中 国 に お け る 日 本 語 教 育 に 貢 献 す る の み な ら ず 、 日 本 語 学 習 者 の 学 習 動 機 お よ び 学 習 行 動 に 関 す る 研 究 の 新 し い 方 向 性 を 示 す も の で あ る と 考 え ら れ る 。 以 上 よ り 、 本 研 究 成 果 は 、 論 文 執 筆 者 が 自 立 し て 研 究 活 動 を 行 な う に 必 要 な 高 度 の 研 究 能 力 と 学 識 を 有 す る こ と を 示 し て い る 。 よ っ て 、 本 論 文 は 、 博 士 ( 国 際 文 化 ) の 学 位 論 文 と し て 合 格 と 認 め る 。