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Eyeclosure が不快な情動場面前後の記憶成績に及ぼす影響 [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)Eyeclosure が不快な情動場面前後の記憶成績に及ぼす影響 キーワード:閉眼,記憶,認知的負荷,目撃証言,モダリティ. 行動システム専攻 内山 朋美. 問題と目的 想起時に目を閉じると,目を閉じなかった時よりも想起. り,そのためには情動場面を,情動を喚起する場面そのも のと,その他の場面に区別すべきである。. 成績が高くなる。このことを eyeclosure 効果と言う。これま. そこで,本研究では,これまでの eyeclosure 研究では比較. での記憶に関する eyeclosure の研究では,エピソード記憶. されていなかった情動場面と中性場面の比較を行った。具. や日常記憶,情動記憶 (e.g., Perfect, Andrade, & Eagan, 2011;. 体的には,情動場面をより詳細に区別し,eyeclosure が情動. Vredeveldt, Hitch, & Baddeley, 2011; Wagstaff et al., 2004) など,. 場面の想起にどのように影響するのかを実験により明らか. 様々な場面の想起においても eyeclosure 効果が生起し,想起. にした。そして,その影響の仕方が中性場面とどのように. 時に目を閉じることが記憶成績の促進や,誤答の減少に大. 異なるのかを分析した。. きく貢献すると述べられている。Vredeveldt et al. (2011) は, eyeclosure が生起する理由に 2 つの仮説が考えられることを. 方法. 示している。ひとつはモダリティ固有性干渉仮説 (the. 実験参加者 福岡市内の大学に通う男女 36 名 (男性 11 名,. modality-specific interference hypothesis) であり,もうひとつ. 女性 25 名; 平均年齢 = 21.17 歳,SD = 2.89 歳) を対象とし. は認知的負荷仮説 (cognitive load hypothesis) である。. た。. Vredeveldt et al. (2011) によると,モダリティ固有性干渉仮説. 材料 実験刺激は情動条件または中性条件の動画の 2 種類. は,周囲の環境からの視覚的干渉を遮断することで,視覚. であり,実験参加者はいずれかの動画を見た。両動画は大. 情報の想起を促進することができる (e.g., Wagstaff et al.,. 上・箱田・大沼・守川 (2001) で使用されたものを,本実験. 2004) という仮説である。また,認知的負荷仮説は,目を閉. のために再編集したものであった。大上ら (2001) の研究に. じることによって使える認知資源を増やし,想起を向上さ. よって,この情動動画は十分に情動を喚起するものである. せる (e.g., Natali, Marucci, & Mastroberardino, 2012; Vredeveldt. ことが明らかにされている。. et al., 2011) という仮説である。モダリティ固有性干渉仮説. 動画は,3 つのフェーズに分けることができた。フェーズ. では,eyeclosure は聴覚情報ではなく,視覚情報の想起にの. 1 およびフェーズ 3 は情動条件でも中性条件でも同じもの. み影響すると考えられており,認知的負荷仮説では,. だった。フェーズ 2 は情動条件と中性条件では動画の内容. eyeclosureは視覚情報と聴覚情報の両方の想起を促進すると. が異なっており,情動条件では女子高生が男に刃物で刺さ. 考えられている。. れる場面であった。一方,中性条件では女子高校生が男に. しかし,これら先行研究で共通的に行われていたのは,. 紙を見せられる場面であった。動画は,コンピューター. 日常記憶,情動記憶それぞれにおける eyeclosure 効果の検証. (MITSUBISHI Diamondcrysta RDT195LM) のディスプレイ. であった。そのため,日常記憶と情動記憶とでは同様な. 上に提示した。. eyeclosure 効果があるかどうかの検討はなされていない。ま. 実験の前に,手がかり再生で参加者に尋ねる目安となる. た,情動場面にどのような情報が含まれているかは記憶成. 項目を作成するため,本実験とは別の 7 名の参加者に予備. 績に影響を及ぼす(e.g., Heruer & Reisberg, 1990) はずである. 実験を行った。まず,3 名の参加者には情動条件の刺激動画. が,先行研究では情動場面の内容について具体的な区別は. を,4 名の参加者には中性条件の刺激動画を見せた。その後,. なされていなかった。しかし,情動場面には情動を喚起す. 想起の方法として面接を行った。面接では,初めに自由再. る場面そのものと,その前後の情動を喚起しない場面があ. 生を行い,その後に手がかり再生を行った。自由再生では,. り,情動の喚起によって情動場面前後の記憶成績が,中性. 参加者に対し,見た動画について覚えていることをできる. 場面前後の記憶成績と異なる場合もある (e.g., Loftus &. だけ多く想起して話すことを求めた。その時,実験者があ. Burns, 1982) ことから,eyeclosure が情動場面の記憶成績に. らかじめ用意していた項目リストに沿って,参加者が再生. どのような影響を及ぼすのかを正確に知ることが必要であ. した項目を記録した。自由再生後,参加者は手がかり再生.

(2) を受けた。実験者は参加者に対して,リストにある項目で. 参加者は実験の目的について説明を受けた。実験は全体を. 自由再生において再生されなかった項目について尋ねた。. 通して 30 分程度であった。. 予備実験の成績を参考に,誰も回答できなかった項目を除. コーディング データのコーディングは,実験者を含む 3. き,また新たに再生された項目を追加し,本実験での手が. 名の採点者が行った。自由再生および手がかり再生で得ら. かり再生時の質問や分析のためのデータコーディングの基. れた項目を,チェックリストに沿って加点方式で集計した。. 準を設けた。. 得られた報告の中に正答項目があれば,一つの項目につき 1. 手続き 実験は実験室で個別に実施した。実験参加者を,. 点とした。 「わからない」 や回答なしについては0 点とした。. 情動刺激を見て想起時に目を閉じる群 (10 名),情動刺激を. 誤った情報が含まれていれば,一つの項目につき誤答を 1. 見て想起時に教示を受けない群 (7 名),中性刺激を見て想. 点とした。たとえば,黒いショルダーバッグを右肩にかけ. 起時に目を閉じる群 (9 名),中性刺激を見て想起時に教示. た男性について,参加者が「ショルダーバッグを持ってい. を受けない群 (10 名) にランダムに振り分けた。情動条件. た。色は黒だった。肩にかけていた。右肩だった」と回答. の実験参加者には,不快な情動を喚起する場面を含む動画. した場合は,正答が 4 点であった。参加者が, 「黒いショル. であることを伝え,同意を得た上で実験を行った。情動条. ダーバッグを斜めに掛けて持っていた」と回答した場合は,. 件の参加者には,動画の再生中に気分が悪くなったら動画. 正答が 2 点,誤答が 1 点であった。. を見ることを止めてもかまわないことを条件とした。. リストの項目を,上位項目および下位項目の 2 つのカテ. 本実験の課題は 3 段階あった。まず,実験参加者に刺激. ゴリーに分類した。上位項目は「ジャケットを着ていた」. 動画を提示した。次に,フィラータスクとして,5 分間の計. や「髪を結んでいた」などの大まかな内容であり,下位項. 算課題を行わせた。課題は,3 桁の数から 2 桁の数を引く引. 目は「それは白だった」や「ポニーテールだった」など上. き算であり,動画が提示されたディスプレイ上に提示した。. 位項目についての詳細に関する内容であった。採点者は,. 最後に,自由再生および手がかり再生の面接を行った。. 符号化を行った後,各項目が上位項目または下位項目のど. 自由再生において,実験者は参加者に対し,見た動画に. ちらに関するものであるのかを判断した。. ついて覚えていることについて,できるだけ多くのことを. フェーズ 1 の内容について,実験参加者の 56 パーセント. 想起して話すことを求めた。その時,実験者はあらかじめ. が,2 人の人物を 1 人の人物と認識していたため,冒頭の約. 用意していた項目リストに沿って,参加者が再生した項目. 45 秒間に関する報告は符号化の対象から除外した。. を記録した。参加者の想起を妨害しないために,参加者が 話している間,実験者は話した内容について聞き返すこと はしなかった。. 結果 実験に参加した 36 名の参加者のうち,無効回答者 4 名を. 自由再生後,参加者は手がかり再生を行った。実験者は. 除く,32 名が分析の対象となった。フェーズ 1 とフェーズ. 参加者に対して,リストにある項目で自由再生において再. 3 の正答項目について,それぞれ 2 (刺激:情動,中性) × 2 (想. 生されなかった項目について質問した。たとえば,自由再. 起方法:EC, EO) の 2 要因実験参加者間分散分析を行った。. 生で参加者が,動画に出てくるある男性の持ち物について. フェーズ 2 については,刺激動画の内容が異なり刺激条件. 述べていなければ,男性が何を持っていたか尋ねた。そし. 間で比較することができないため,刺激の種類ごとに 1 要. て,男性がバッグを持っていたと答えた場合,バッグの形. 因実験参加者間分散分析を行った。その結果を Table 1 に示. 状や色,持ち方などの詳細を尋ねた。自由再生で,その男. す。ただし,フェーズごとの最大項目数は異なるため,フ. 性のことを「バッグを持った男性」と述べていれば,手が. ェーズ間では比較できない。フェーズ 1 の項目数は,25 項. かり再生ではバッグの詳細を尋ねた。参加者は,質問の内. 目であった。フェーズ 2 の項目数は,情動条件では 10 項目. 容について覚えていないという回答もできた。手がかり再. であり,中性条件では 6 項目であった。フェーズ 3 の項目. 生の際も,参加者が話している間は,実験者は内容につい. 数は,14 項目であった。. て聞き返さなかった。手がかり再生後,全体を通して,言. 自由再生の正答項目. い忘れたことや思い出したことがあるかを尋ねた。リスト. 自由再生時に実験参加者が正しく想起した項目について,. に載っている項目が得られた場合は,その項目に関する質. 分析を行った。. 問を行った。EC 条件の参加者には面接の間,目を閉じるこ. 項目全体 フェーズ 1 は,刺激の主効果 (F(1, 28) = 0.02, p =. とを求めた。EO 条件の参加者には,何の教示も行わなかっ. n.s.),想起方法の主効果 (F(1, 28) = 1.35, p = n.s.) および交互. た。面接中の音声は,参加者の同意を得て,デジタルボイ. 作用 (F(1, 28) = 0.54, p = n.s.) はいずれも有意ではなかった。. スレコーダーに録音した。すべての手続きが終了した後,. フェーズ 2 は,情動条件で想起方法の主効果が有意傾向で.

(3) Table 1. 実験参加者が報告した自由再生および面接全体の平均正答項目数と,面接全体の平均誤答項目数 (括弧内は標準偏差) 平均報告項目数 情動 フェーズ1 フェーズ2. 中性 フェーズ1. フェーズ3. フェーズ2. フェーズ3. 正答項目数 自由再生 EC条件. 上位項目 下位項目 合計. 2.25 (1.67) 0.50 (0.76) 2.75 (2.05). 1.00 (0.00) 1.75 (1.28) 2.75 (1.28). 1.63 (1.06) 2.88 (2.10) 4.50 (3.07). 1.75 (0.89) 0.63 (0.74) 2.36 (1.41). 0.25 (0.46) 0.25 (0.46) 0.50 (0.93). 0.88 (0.64) 1.00 (1.07) 1.88 (1.46). 上位項目 下位項目 合計. 1.14 (1.21) 0.71 (1.50) 1.86 (2.54). 1.00 (0.00) 0.43 (1.13) 1.43 (1.13). 1.00 (1.00) 2.29 (1.80) 3.29 (2.69). 1.78 (1.20) 0.33 (0.71) 2.11 (1.62). 0.22 (0.44) 0.11 (0.33) 0.33 (0.71). 1.11 (0.78) 1.33 (1.22) 2.44 (1.81). 9.63 (4.14). 6.13 (2.53). 7.50 (2.27). 11.63 (3.11). 3.25 (1.49). 6.75 (3.15). 10.00 (1.73). 5.43 (1.27). 7.29 (2.06). 9.44 (3.13). 2.44 (1.94). 6.33 (2.00). 面接全体 EC条件. 1.88 (1.73). 1.13 (1.36). 0.00 (0.00). 2.63 (1.30). 0.63 (0.92). 0.25 (0.71). EO条件. 1.57 (0.98). 0.57 (0.54). 0.00 (0.00). 1.56 (1.24). 0.11 (0.33). 0.22 (0.44). EO条件. 面接全体 EC条件 EO条件. 誤答項目数. あり (F(1, 28) = 4.41, p < .10),EC 条件が EO 条件より成績が. いて分析を行った。しかし,いずれのフェーズおよび実験. 高かった。中性条件での想起方法の主効果は有意ではなか. 条件においても有意差はなかった。. った (F(1, 28) = 0.18, p = n.s.)。フェーズ 3 は,刺激の主効. 面接全体の誤答項目. 果が有意であり (F(1, 28) = 4.44, p < .05),情動条件の方が中. 自由再生および手がかり再生時に,実験参加者が誤って. 性条件よりも成績が高かった。 想起方法の主効果 (F(1, 28) =. 報告した項目について分析を行った。しかし,いずれのフ. 0.15, p = n.s.) および交互作用 (F(1, 28) = 1.17, p = n.s.) は有. ェーズおよび実験条件においても有意差はなかった。. 意ではなかった。 上位項目 いずれのフェーズおよび実験条件においても有 意差はなかった。. 考察 本研究の実験の主な目的は, eyeclosure が情動場面やそ. 下位項目 フェーズ 1 は,刺激の主効果 (F(1, 28) = 0.14, p =. の前後の出来事に対しても,想起促進の効果があるのかに. n.s.),想起方法の主効果 (F(1, 28) = 0.01, p = n.s.) および交互. ついて分析することであった。. 作用 (F(1, 28) = 0.56, p = n.s.) はいずれも有意ではなかった。. まず,自由再生における eyeclosure 効果を調べた。その結. フェーズ 2 は,情動条件での想起方法の主効果が有意傾向. 果,情動条件のフェーズ 2 において自由再生時に EC 条件の. であった (F(1, 28) = 4.41, p < .10)。中性条件での想起方法の. 方が EO 条件よりも成績が高くなる傾向がみられたものの,. 主効果は有意ではなかった (F(1, 28) = 0.51, p = n.s.)。フェー. すべての条件において有意な eyeclosure 効果はみられなか. ズ 3 は,刺激の主効果が有意であった (F(1, 28) = 6.32, p. った。また,フェーズ 3 については,情動場面を見た後の. < .05)。想起方法の主効果 (F(1, 28) = 0.05, p = n.s.) および交. 方が中性場面を見た後よりも想起成績が高くなっていた。. 互作用 (F(1, 28) = 0.67, p = n.s.) はいずれも有意ではなかっ. これは,情動の喚起により,情動場面後の自発的な想起が. た。. 促進されたためであると考えられる。しかし,フェーズ 3. 面接全体の正答項目. でも,想起方法間で成績に差はみられなかった。このこと. 本実験では,実験参加者が自由再生で報告しなかった項. から,eyeclosure 自体は情動場面の前後の記憶成績に影響せ. 目についての追加情報を得るために,手がかり再生を行っ. ず,中性場面の想起時と同様の結果になることが示唆され. た。そのため,自由再生の成績に手がかり再生の成績を合. た。. わせた面接全体で,実験参加者が正しく想起した項目につ. 次に,自由再生と手がかり再生を合わせた面接全体にお.

(4) ける eyeclosure 効果について調べた。その結果,いずれのフ. より大まかな情報よりも詳細情報に集中できたのではない. ェーズおよび条件にも有意な差はみられず,eyeclosure によ. かと述べている。本研究の自由再生時における情動場面自. る想起促進の効果はなかった。面接全体における誤回答は,. 体の成績を見ると,詳細情報の再生成績は EC 条件の方が. どのフェーズ,どの実験条件間でも差がなく,また誤回答. EO 条件よりも高い傾向がみられる。このことから,本研究. 自体が少なかった。これらのことから,本研究では,情動. においても,目を閉じて想起を行うことによって詳細情報. 場面および中性場面やその前後場面への想起促進効果も誤. に注意が向いたため,自発的な回答が増加した可能性があ. った回答への抑制効果が起こらないことが示唆された。. る。そのため,認知的負荷が少なく eyeclosure 効果が起きに. しかし,先行研究では情動場面においても中性場面にお いても,正しい記憶成績の促進や誤答の減少など,eyeclosure. くい状況下においても,eyeclosure による想起促進の傾向が 得られたと考えられる。. 効果が表れている (e.g., Natali et al., 2012; Perfect et al., 2011;. 本研究の結果から,eyeclosure は視覚的刺激だけでなく,. Vredeveldt, Baddeley, & Hitch, 2012)。本研究で eyeclosure 効果. 聴覚的刺激の存在によって認知的負荷が高い場合に生起し,. が起こらなかった理由の一つに,想起時の認知的負荷の量. 認知的負荷が少ない場合には生起しないことが示唆される。. の違いが考えられる。先行研究では,いずれにおいても刺. そのため,聴覚的刺激の有無によって eyeclosure による記憶. 激内容に聴覚情報が含まれていた。刺激内容に含まれてい. 成績への影響に変化があるのかについても,今後さらなる. た聴覚情報を想起成績のひとつとして示している研究もあ. 検討が必要である。. れば,聴覚情報は想起の指標としていない研究もあった。 いずれにしても,音声付きの動画や実際に体験した出来事. 主要引用文献. を刺激としていたため,聴覚情報は存在しており,想起時. Heruer, F., & Reisberg, D. (1990). Vivid memories of emotional. にも聴覚情報については再生されていたと考えられる。し. events: The accuracy of remembered minutiae. Memory &. かし,本研究では,音声などの聴覚情報が存在しない刺激. Cognition, 18, 496–506.. を実験参加者に提示し,それについての想起を行わせた。. Loftus, E. F., & Burns, T. E. (1982). Mental shock can produce. そのため,他の研究と比べて認知的負荷が少なかった可能. retrograde amnesia. Memory & Cognition, 10, 318–323.. 性がある。先行研究で示されているように,eyeclosure は想. Natali, V., Marucci, F. S., & Mastroberardino, S. (2012).. 起時の認知的負荷を減らすことで想起を促進すると考えら. Long-term memory effects of eye closure on children. れる (e.g., Natali et al., 2012; Vredeveldt et al., 2011) ため,本研. eyewitness testimonies. Applied Cognitive Psychology, 26,. 究では刺激に含まれるそもそもの認知的負荷が少なく,想. 730–736.. 起促進の効果や誤答の減少が起こらなかったと考えられる。. 大上 渉・箱田裕司・大沼夏子・守川伸一 (2001). 不快な. Vredeveldt et al. (2011) では,認知的負荷が少ない環境では. 情動が目撃者の有効視野に及ぼす影響 心理学研究,. eyeclosure 効果が起こりにくいことが示唆されている。この. 72, 361–368.. ことから,eyeclosure 効果は,視覚的な情報というよりも,. Perfect, T. J., Andrade, J., & Eagan, I. (2011). Eye closure reduces. 聴覚的な情報との結びつきに,より強い傾向があることが. the cross-modal memory impairment caused by auditory. 考えられる。. distraction. Journal of Experimental Psychology: Learning,. 本研究の刺激は,認知的負荷が総合的に少なく eyeclosure. Memory, and Cognition, 37, 1008–1013.. 効果が生起しづらかったはずである。さらに,自由再生時. Vredeveldt, A. H., Baddeley, A. D., & Hitch, G. J. (2012). The. には中性条件や情動条件のフェーズ 1 およびフェーズ 3 で. effects of eye-closure and “ear-closure” on recall of visual. は再生成績が低かった。しかし,情動条件におけるフェー. and auditory aspects of a criminal event. Europe's Journal of. ズ 2 の自由再生については,目を閉じると自発的な回答が. Psychology, 8, 284–299.. 増加する傾向がみられた。考えられる理由の一つに,動場. Vredeveldt, A., Hitch, G. J., & Baddeley, A. D. (2011). Eyeclosure. 面を見た際に注意の方向性の変化があり,詳細情報の想起. helps memory by reducing cognitive load and enhancing. が促進されたことが挙げられる。聴覚的な妨害のない状況. visualisation. Memory & Cognition, 39, 1253–1263.. で情動場面の想起時に目を閉じると,目を閉じなかったと. Wagstaff, G. F., Brunas-Wagstaff, J., Cole, J., Knapton, L.,. きと比較して詳細情報の再生成績が増加する (Vredeveldt et. Winterbottom, J., Crean, V., & Wheatcroft, J. (2004).. al., 2011)。このことについて Vredeveldt et al. (2011) は,目を. Facilitating memory with hypnosis, focused meditation, and. 閉じなかった条件では視覚や聴覚に対する妨害情報があっ. eye closure. International Journal of Clinical and. たため詳細情報に集中できなかったが,目を閉じることに. Experimental Hypnosis, 52, 434–455..

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