青少年非行 の地域 的考察
一 青 森 市 の場 合 一
釜 滝 恭 子
I
序都市発展 と共 にデ′1㌧ ト・商店 ・飲食店 ・パチンコ店等の消費地味 ・歓楽地域 も都市周辺部 へ と膨脹 していき,又急激 な都市発展 にとり残 されたスラム的不良住宅密集地域 も市街地周辺 に残存するようになる。それ らは.非行少年 の発生 と関連す る地域 で,青森市 に限 らず全国的 な傾向 として都市周辺の非行 が目立 ってきてい る。そ こで
44
年 と45年の非行少年の居住地 と非行発生地分布 をもとにして青森市にお ける非行 を地域的 に分析 し考察 してみた。皿
刑法犯少年第
1
表 刑法犯少年年令別比較14
才未満14‑15
才16‑17
才18‑19
才 不 明 計昭和44
45
年年63(18 72(22. . 9 )91(29 1 7 0)69(19 .
.8)0) 73(23 115(33
..
2)0)101(29ユ) 1(0 77(24 . 6) . 3)348(100 314(100 . . 0) 0)
年令別にみると第
1
表 のように14‑15
才 が1070
増 で,15
才以下で全刑法犯少年の半 数以上 を占 めて いる。逆に16‑17才が10
70
減で犯罪 の年令低下環象 をおこしてい る。聴 業別 では学生生徒 の増加 が激 しく, 中でも中学生 は第2
表 のよ うに青森市 の在籍生徒数千人当第
2
表 在籍生徒数1000
人当非行少年数在 籍 敦 刑法犯少年 不良行為少年 非 行 少 年
44
年′ ト 45 24 24 , , 560 537
人1 1 . . 3 4
人/1000
人1 1. . 9 1
人3 2 . . 1 5
人中
:≡ 1之787 12, 638 6 9 . . 7 7 15 20 .
.9
422. 30 . 6 1
高
44 45 12 , 580 4. 5 24. 6 29. 1
6 . 7
人か ら9. 7
人‑と急激な伸び を示 している。罪種別 では44・45
年共 に窃盗が全刑法犯 の75
70以上 も占め,次いで傷'S,暴行の順 とな ってい る。生活程度 も両親が揃 い経済的に中 程度の家庭 に 刑 盗 犯 少年がふえてきているということは全国的傾向でもあ り, ス リル を味わうとい うような 〝遊び 〝としての犯罪 が多 くな ってきてい る。
1 ) 居住地分布
全体的にみると駅西胤 旧東北線沿線 奥羽廉 と東北線分岐点 の南部,堤川沿岸が比寂的多
‑60
‑い。市街地 を大きく東部 ・中部 ・西部 ・南部 に分けてみ るとその卓界地区,つまり旧市内地 の はずれ と郊外 との接触地域 に集中がみられる。
44・45
年共に千苅 ・滝内地区 が上位1 ・2
位 を占めてい るがやや減少の傾向を示 し,宅地化が盛 んで世帯数 ・人口共に伸び市街地 の拡大している歳内 ・片岡 ・大野 ・を原地区が増加 している。
2)
発生地分布居住地分布より明確な分布 を示 してお り,青森市の繁華街である新町一 ・二丁目両地区で総 数 の
30
70
近い高い発生率を出 している。都市禎能 と共に居住地分布が市街地周辺‑ と遠心的 に広が っているのに対 し発生地 はまだ商業的 .歓楽的要素の強V,、市街地中心部に集中 している。3)
接客業分布第
1
図のように接客業分 布は東北線 と境川 にはさま れた中部地区に集 中性 がみ られ 新興住宅地の捻原勝 田地区 を除いては発生地分 布 と接客業分布は新町一 ・ 二丁 目 ・古川一 ・二丁 目を は じめ安方,堤地区 とほぼ 一致 している。 しか し発生 数が比較的多か った駅西側 の篠田 ・小浜地区 ・南の北 金沢 ・長島地区での接客業 分布 は低 く非行‑の誘因を複雑 にしてい る。皿
不良行為少年刑法犯少年同鼠
42
年 をピークに漸減 しているが,44・45
年共刑法犯少年の8
倍近い 講導人数 である。職業別で畔刑法叔とちがい,有城少年 が
50
70
,学生生徒が35
70とな ってお り,高 ・中の 占める割合 はやは り大 きいが今後,中 ‑ト学生 の補導款 もふえてくるものと思 われ る。行為別 では喫塵が40
70
も占め,不産金娯楽 .家出 ・夜違びが続いてお り,盛 り場俳風 夜遊びの増 加 と関連 して歓楽街の発展が大いに不良行為 を誘発 している。発見場所 も街頭 ‑ 〈チンコ店 ・ 映画館 などの接客業 との関連がみ られ,パチンコ店 で喫煙 とい うケ ースが最 も多 く,最近海岸 公国 ・待合室など人気の少 ない所 での集繭非行 も目立 ってきてい る。1)
居住地分布‑61‑
44・45
年 と平均 して多い地区は千苅 ・滝内 ・油川 ・新城 ・小浜 ・奥内 ・篠 田でこれ らの 地区は刑法犯少年 の上位地区 と痛似 してお り青森市 の非行地域 を形成 してい る。第2園 をみ ても集中のみ られ る地区は, やは り市街地外縁部に多い。
2 ) 刑法犯少年居住地 との関連
市街地 の境界付近に集 中性 がみ られ ることは両者 とも同 じくいえるが,刑法犯少年 は一般 に 旧市内に居住する少年数が多 く,滝 内 ・薪奴などの例外 もあるが不良行為少年ほ ど新市内に分 散 はしていない。 しかし不良行為 が今後犯罪 ‑ と発展 してい く可能性 も十分あ り,刑法犯少年 居 住地分布 は不良行為少年居住地分布 の方向‑と拡大変化 していくものと思われ る。
Ⅳ
非行少年 と非行化率非行少年 とは刑法犯少年 と不良行為少年 のことをいい,
45
年 の居住人 口千人当た りの非行 少年数の割合, いわゆる鞘
刊ヒ率 をみ ると実数で多か った千苅 ・滝 内地区は居住人口の密集 さからそれぞれ千人当た り6
. 5
人7. 5
人 と低 くな ってい る。高 い値 を出 している地区は市街地 では臨港地区に多 く安方一 ・二丁 目 。本町三 ・四丁 目 ・港町二 ・三 丁 冒,その他,碍川東岸, 青森威付近 の新町‑丁 目 。古川一 ・二丁 目 と実数共 に高い地域 があげ られる。居住人口の少 な い塩梅 の高率地区 を鹸いては,安方 ・新町 ・古川 ・堤 と疲事業分布 と非行化率には相関蘭孫が みられる。各支所 でみ ると45年 に不良行為少年 が3
倍近 く沖びた横内地区は千人 当た り17. 9
人 と支所円で最高 で,人 口が5年間で1 . 5
倍に虚頗 しているのにもかかわ らず,それ以上 に非 行 少年が増力口してい るもの と思 われ,東岳 ・浜魂 ・原別 ・後潟 ・動 II地 区 も居住人 口比 か らい‑62‑
うと問題地区 とな っている。
Ⅴ
不良住宅密集地戒 と非行都市 の敢 張が無計画に急速 になされ ると市街地はずれ に環黄未盛膚 のまま不良住宅 として戎・
存 し準 スラム的景虎 を示す地域 がみ られ る。 これ らは市街地周辺の商業地域 ・工業地域 にと り 残 された長屋式的住宅又 は店親 又,戦後相ついで建 て られた被災者 のための木造バラ ックの 老朽化 しT=住宅地域 で,青森市では東部工業地域の港町 の一画,駅前 の長屋方式 の店簸 駅西 口裏の昭和町, もと遊郭 があ った旭町 通称十軒町長屋 とよばれ る堤東部 の茶通 町 ・浪打 の海 岸地帯 の一画等
12
ヶ所が指定 され,都市計画に よ って絵去 ・転居 ・改築 など頻発改善 がなさ れてい る。一般 にスラムは犯罪非行 の多発生地戒 といわれている。青森市においても非行グル ーー70の大小にかかわ らず瑠和町 ゲル ‑プ,原別 ブル ‑ブ,片岡 グル ープ, その血 堤 ・千苅地 区での不良 グル ープの存在 と密集地域 が関連す る地域 がみ られ,住居頚卓 の不良性が非行 の誘 発妻国 をともない非行隠蔽,悪質化等に影響 を与 えているものと思われ るQ
Ⅵ 都市藩道と非行
最 も関連 が深い商業地域 につい ては接 客業分布で述べたように,駅から東へま っす ぐにのぴ た新町通 りかメインス トリートで,卸売店が多い古川一 ・二丁目 ・市役所付近 までの国道沿線, 新町 と国道 を結ぶ柳町,又交通 の結節点にあT=る凄付近 も駅前 中心商店街 と東部 ・南部 にのぴ
る住宅地 との中間に位置 し副中心商店菊的要素 をも って盛 り蕩化 してい る。中心藤 吉:高は人 口 流勤 が戚 しく当然飲食店や,娯楽‥讃項が伴 ってきて軟禁衝 を超成するので商業地域 と非行発生
‑6 3
‑地 は必然的に‑敦する地区が多 い。
青森市においては典型的な工業地域はみられず,木材加工 ・水産‑/]日工の工湯が立地 Ltい る 臨海地区は非行‑の場所箆供の形 とな っている。
国道沿いに東西に帯状に並んだ官庁街 は,人口 ・世帯数,そして商店数 ・工湯数 ・接客業数 も他の周辺地区 よ り‑投 と低 く帝 に長島二丁目,新町二丁 目の非行多発地区に囲まA,又堤方 面の東西の涜九 を断ち切 って非行地境の谷間 を形成 している。
国勢請査 による40‑45年の人口 ・世帯数 の増減 をみ ると,堤以南 の旧東北鹿北側 の中部 地 区ではそろ って人口の増加はみ られず人口流出による市街地の拡大そして都市特有 の ドーナ ツ化現象が明 らかにわか る。東北線南方移転に伴 って伸びてきているを原勝田 ・奥野,松森地 区 は市街地外縁部 の住宅街 としてめざましく変化 してお り,人 口 ・世帯数共に3倍以上 と飛躍 的増加 をみせた桜川 ・小柳地区,その他横内の幸畑 団地 ・大野 ・軌 l卜 薪城 など宅地造成ブ ー ムがもた らした都市化現象 の一つ とみなされ る。又非行少年款 が多か った篠田 ・小浜 ・北金沢 地 区はもはや人口は飽 和状態 に達 している。西部 の西滝 ・石江地 区は中央 自動車産業の進出にl よ って近郊遵村地帯から自動車会社街 ・住宅街 にその景観 を一変させた地 区で,社会黄境 の急 激 な変化 と交通条 件の良さか ら千苅に弊按する最大の非行地域 とな ってい る。
Ⅶ む す び
少年非行 は社会の変動 を鋭敏 こ反映 してお りしかも都市的性格 が強 くなればなるほ ど,た と えば商業地域 と歓楽地域 と非行発生地 の関連 など社会轟境 が与える影響 が大 き くな ってい く。
非
行少年の居住地分布 は市街地外縁部 に集中性がみ られ今後,都市発展 と共に,非行少年発生 の危険性は次第に市内全域 に,遠心的に広 がるもの と思われ る。最後に本論文作成にあた って助言,御指導下さい ました東 山先生 ・水野先生に深 く感謝鼓 し ます。
参 考 文 献 樋 口 幸 吉
「
少年非行 」柴 田 徳 衛 「都市の回復 」 山 鹿 誠 次 「都市調査法 」 青森県防犯協会連合会痛
「少年非行
」44
年・45
年中 村 母美江 「弘 前市 の少年非行に娼する地選挙的研究 」