平成25年 度 修 士学位 論文
環境 要 因 としての保 護 者 の食 生活 と 児 童 との 関係 につ いての検 討
首都大 学東京 大学院
人間健 康科学研 究科 人 間健 康科学専攻 ヘルスプロモーシ欝ンサイエンス学域
柳 奈津代
別紙様式1
修 士 学 位 論 文
環 境 要 因 と して の保 護 者 の食 生 活 と 児 童 との 関係 に つ い て の 検 討
平 成26年1.月7日 提 出
首 都 大 学 東 京 大 学 院
人 間健 康 科 学 研 究 科 博 士前 期 課 程 人 間健 康 科 学 専 攻 ヘ ル ス プ ロモ ー シ ョンサ イ エ ンス 学域 学修 番 号:12899612
氏 名:柳 奈 津 代
別紙様式3
平成25年 度 博士前期 課程学位論 文要 旨
学位 論 文題 名(注:学 位論文題名が欧文の場合 は和訳 をっ けるこ と) 環 境 要 因 と して の保 護 者 の食 生活 と児 童 との 関係 に つ い て の 検 討
学 位 の種 類;修 士(健 康 科 学)
人 間 健 康 科 学 研 究 科 博 士 前 期 課 程 人 間 健 康 科 学 専 攻
ヘ ル ス プ ロ モ0シ ョ ン サ イ エ ン ス学 域 学 修 番 号12899612
氏 名:柳 奈 津 代
(指 導 教 員 名:稲 山貴 代)
【背 景 ・目的 】
児 童 を と りま く環 境 の 中 で 、 家 庭 環 境 は 最 も重 要 な 因 子 で あ る。 児 童 の 栄 養 ・健 康 状 態 に は 、 そ の 保 護 者 の 食 生 活 や 家 庭 の環 境 が 影 響 す る とい わ れ る も の の 、 わ が 国 で は 児 童 と 保 護 者 の 関 連 を み た 報 告 は 限 られ て い る。 検 討 課 題1で は 、 わ が 国 で の 児 童 の食 生 活 要 因 に 関連 す る保 護 者 の 要 因 を 検 討 す る こ と を 目的 と し、 検 討 課 題2で は 、 児 童 の食 生 活 と保 護 者 自身 の 食 生 活 要 因 との 関 連 を み る こ と を 目的 と した 。
【検 討 課 題1:方 法 】
日本 の 小 学 生 と保 護 者 を対 象 と し、 栄 養 ・食 生 活 に お け る 関連 を み た 過 去20年 間 の 国 内 論 文 に 関 して 、 医 学 中 央 雑 誌 の デ ー タベ ー ス と栄 養欄 係 主 要6雑 誌(栄 養 学 雑 誌 、 日本 栄 養 ・食 糧 学 会 誌 、 日本 健 康 教 育 学 会 誌 、 日本 公 衆 衛 生 雑 誌 、 学 校 保 健 研 究 、 民 族 衛 生)か
ら系 統 的 に レ ビュ ー を 行 っ た 。 得 られ た 論 文 の 児 童 と保 護 者 の 関連 を み た 変 数 を 枠 組 み の 要 因 で 分 類 、 整 理 した 。
【検 討 課 題1:結 果1
20件 の 論 文 が 抽 出 され た 。 保 護 者 の 要 因 との 関 連 を み た 児 童 の 栄 養 ・食 生 活 の 要 因 は 、
「食 関連QOL」5件 、 「栄 養 ・健 康 状 態 」20件 、r食 物 摂 取 状 況 」8件 、r食 行 動11件 、
「食 態 度 」1件 、 「食 環 境 」1件 で あ っ た(の べ 件 数)。 児 童 の 要 因 に 関 連 す る保 護 者 の 要 因 は 様 々 で あ り、系 統 立 て て 分 類 、 整 理 をす る こ とは 難 しか っ た。 ま た 、3件 の 論 文 は 枠 組 み で は分 類 で き な か っ た 。
【検 討 課 題2:方 法 】
山梨 県 の 小 学4年 生142名 とそ の保 護 者(解 析 対 象 者:児 童102名 、 母 親102名 、 有 効 回 答 率72%)を 対 象 と した 。 児 童 と保 護 者 に 、食 関 連QOL、 健 康 状 態 、 食 物 摂 取 状 況 、食 行 動 、 中 間 要 因 、 準 備 要 因 、 属 性 、 食 環 境 の 各 要 因 か らな る 自記 式 質 問 紙 調 査 を そ れ ぞ れ 行 い 、 児 童 自身 が 回 答 した 。 保 護 者 に は 、 保 護 者 自身 の 食 生 活 につ い て 尋 ね た 。 児 童 の食 生 活 の 要 因 に 関 連 す る 保 護 者 の 要 因 の 検 討 は 、 二 項 ロ ジ ス テ ィ ッ ク 回 帰 分 析 を 行 っ た 。
【検 討 課 題2:結 果 〕
児 童 の 「食 関 連QOL」 と 腱 康 の た め に 栄 養 と食 事 に 実 際 に 気 を つ け て い る 食 行 動 を 従 属 変 数 と し、 母 親 の 食 生 活 の 要 因 を 独 立 変 数 と して 関 連 をみ た 結 果 、 関 連 す る 要 因 は み
られ な か っ た 。
【考 察 ・結 論 】
検 討 課 題1で 抽 出 され た 論 文 は20件 で あ り、わ が 国 で の 児 童 と保 護 者 の 食 生 活 に 関 す る 研 究 は 多 い と は い え ず 、 枠 組 み に よ る分 類 で は 要 因 間 の 関 連 を 見 出 す こ とは で き な か っ た 。 検 討 課 題2の 結 果 よ り、 小 学 校 高 学 年 で は 、 児 童 の 食 生 活 と母 親 自身 の 食 生 活 の 関 連 が 必
ず し も高 くな い 可 能 性 が 示 唆 され た 。 今 後 の 課 題 と して 、 縦 断 的 研 究 が 望 ま れ る。
目次
1.緒 言
1.背 景
1‑!,わ が 国 の 子 ど も に お け る 健 康 課 題 1‑2.
1‑3.
子 どもの食生活習慣形成 における家庭環境の重要性 食 生 活 に お け る 子 ど も を と りま く環 境
2.当 該 分 野 の 課 題 ll.研 究 小 史
1,子 ど も と保 護 者 の 栄 養 ・食 生 活 の 関 連 を み た 調 査 ・研 究 1‑!.海 外 で の 調 査 ・研 究
!‑2.
2.親 子 の 食 生 活 に 関 す る 環 境 要 因 2‑!.海 外 に お け る 環 境 要 因 」 2‑2.
2‑3.
2‑4.社 会 的 認 知 理 論 に お け る 2‑5.
本 研 究 の 目 的
わ が 国 に お け る 子 ど も と保 護 者 の 食 生 活 に 関す る 調 査 ・研 究
わ が 国 の 身 体 活 動 分 野 に お け る 「環 境 要 因 」 わ が 国 の 栄 養 ・食 生 活 分 野 に お け る 環 境 要 因 」
環 境J 海 外 で の 「環 境 要 因 」 へ の 介 入 研 究 皿,
IV研 究 課 題1
1ーマー22904447778900!1壌まー
国内文献 による 「小学生 と保護者 の栄養 ・食生活 に関す る論文」の調査 と 食生活の理論枠組みによる分類での関連要因の検討!2
1,緒 言12
2.方 法
2‑1.論 文 の 抽 出 方 法
2‑1‑1,デ ー タ ベ ー ス に よ る 検 索 2‑1‑2.ハ ン ド サ ー チ
2‑2.
3.結 果
3‑1.検 索 結 果 3‑2.
3‑3.
4.考 察 4‑1.
エ ビデ ン ス テ ー ブ ル の 作 成 と要 因 間 の 関連 の検 討
抽 出論文の概要 枠組みによる分類
研 究 デ ザ イ ン,解 析 デ ザ イ ン,回 答 者
33345555677唖!11憾!悪!1嘘!唖圭壌まづ主‑
4‑2,栄 養 ・食 生 活 の 理 論 枠 組 み に よ る分 類 に 関 す る評 価 4‑3.本 研 究 の 限 界 と課 題
5.結 論
000蓬!19倫(∠
V研 究課題2小 学生児童 の栄養 ・食生活 の要因に関連す る保護者 の要因を検討するため の調査研究
1,緒 言 2.方 法
2‑1.対 象 者 な ら び に 調 査 方 法 2‑2.調 査 項 目
2‑3.解 析 方 法 3.結 果
4。 考 察
駈1.児 童 の 特 性 4‑2,母 親 の 特 性 4‑3.
4‑4.
4‑5.本 研 究 の 限 界 と 課 題 5.結 論
22
児 童 自身 の 栄 養 ・食 生 活 の 要 因 間 の 関 連
児 童 の 栄 養 ・食 生 活 の 要 因 と 関連 す る 母 親 の要 因 の 検 討
VI.総 合 考 察
23344600144562222223333333
37
冊.結 論 39
順.文 献 40
IX,図 表 44
表1.医 学 中 央 雑 誌 を 用 い た 小 学 生 と 保 護 者 の 関 連 を み た 論 文 の 抽 出 … ◎ …45 図1「 栄 養 ・食 生 活 に お け る 小 学 生 と 保 護 者 の 関 連 を み た 論 文 」 の 検 索 過 程 ・ …46 表2‑1〜4,小 学 生 と 保 護 者 の 関 連 を み た 論 文 ・ ・ ・ ・ ・ … ◆ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …47 表3。 児 童 と 保 護 者 の 関 連 を み た 要 因 の 主 な 結 果 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …5!
図2.解 析 対 象 者 選 定 の 流 れ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …e・ ・ ・ ・ …...52 表4,児 童 の 身 体 特 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …...53
表5,児 童 の 食 関 連QOLと 健 康 状 態,健 康 意 識 …ee…a・ ・ ・ ・ ・ …54 表6.児 童 の 食 行 動,食 事 づ く り 行 動,食 べ る 行 動,食 情 報 交 換 ・活 用 行 動 ・ …55 表7,児 童 の 食 行 動 の 行 動 変 容 段 階 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …56 表8.児 童 の 準 備 要 因 と し て み た 食 知 識,食 態 度,意 思 ・意 欲,食 ス キ ル ・ ◎ …57
表9.児 童 の 自 分 の 健 康 に と っ て 重 要 と 思 う 食 行 動 の 結 果 期 待 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …58 表10.児 童 の 自 分 の 健 康 に と っ て 自 信 を も っ て で き る と 思 う 食 行 動 の
セ ル フ ・エ フ ィ カ シ ー ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …59 表11,児 童 の 食 環 境 と し て み た 周 囲 か ら の 支 援,食 物 へ の ア ク セ ス な ら び に
食 情 報 へ の ア ク セ ス ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …60 表12.母 親 の 身 体 特 性 と 属 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …6!
表13.母 親 の 食 生 活 の 満 足 度 と 健 康 状 態 な ら び に 健 康 意 識 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …62 表!4.母 親 の 朝 食 ・昼 食 ・夕 食 別 に み た 主 食,主 菜,副 菜 の1週 間 あ た り の
摂 取 状 況 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …63 表!5.母 親 の 食 行 動,食 事 づ く り 行 動,食 べ る 行 動 な ら び に 食 情 報 交 換 ・活 用 行 動 ・64 表!6.母 親 の 食 行 動 の 行 動 変 容 段 階 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ … ◎ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …65 表!7.母 親 の 準 備 要 因 と し て み た 食 知 識,食 態 度 意 思 ・意 欲,食 ス キ ル ・ ・ …66 表18.母 親 の 自 分 の 健 康 に と っ て 重 要 と 思 う 結 果 期 待 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …67 表19.母 親 の 自 分 の 健 康 に と っ て 自 信 を も っ て で き る と 思 う 食 行 動 の
セ ル フ ・エ フ ィ カ シ ー ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …68 表20.母 親 の 食 環 境 と し て み た 周 囲 か ら の 支 援,食 物 へ の ア ク セ ス な ら び に
食 情 報 へ の ア ク セ ス ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …69 表21‑1.児 童 の 「食 関 連QOL」 を 従 属 変 数,児 童 の 「準 備 要 因(食 態 度,意 思 ・意 欲,
食 ス キ ル)」 を 独 立 変 数 と し た 二 項 ロ ジ ス テ ィ ッ ク 回 帰 分 析 ・ ・ ・ ・ ・ ・ …70 表21‑2.児 童 の 「食 関 連QOL」 を 従 属 変 数,児 童 の 「結 果 期 待,
セ ル フ ・エ フ ィ カ シ ー 」 を 独 立 変 数 と し た 二 項 ロ ジ ス テ ィ ッ ク 回 帰 分 析 …7!
表22‑1.児 童 の 腱 康 の た め に 栄 養 や 食 事 に 実 際 に 気 を つ け て い る 食 行 動 」を 従 属 変 数 児 童 の 「食 事 づ く り 行 動,食 べ る 行 動,食 情 報 交 換 ・活 用 行 動 」 を 独 立 変 数 と し た 二 項 ロ ジ ス テ ィ ッ ク 回 帰 分 析 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …s・ ・ ・ ・ …72 表22‑2,児 童 の 「健 康 の た め に 栄 養 や 食 事 に 実 際 に 気 を つ け て い る 食 行 動 」を 従 属 変 数,
児 童 の 「食 行 動 の 行 動 変 容 段 階 」 を 独 立 変 数 と し た 二 項 ロ ジ ス テ ィ ッ ク 回 帰 分 析 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ … ◎ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …73 表22‑3.児 童 の 「健 康 の た め に 栄 養 や 食 事 に 実 際 に 気 を つ け て い る 食 行 動 」を 従 属 変 数
児 童 の 「結 果 期 待,セ ル フ ・エ フ ィ カ シ ー 」 を 独 立 変 数 と し た 二 項 ロ ジ ス テ ィ ッ ク 回 帰 分 析 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …a...74
表23.児 童 の 「食 関 連QOLjを 従 属 変 数,母 親 の 「食 物 摂 取 状 況 」 を 独 立 変 数 と し た 二 項 ロ ジ ス テ ィ ッ ク 回 帰 分 析 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …75 表24.児 童 の 「健 康 の た め に 栄 養 や 食 事 に 実 際 に 気 を つ け て い る 食 行 動 を 従 属 変 数,
母 親 のr食 物 摂 取 状 況 」 を 独 立 変 数 と し た 二 項 ロ ジ ス テ ィ ッ ク 回 帰 分 析 …76 議寸舌辛 ・ 。 。 。 。 。 … 。 ・ ・ ・ ・ … 。 ・ … 。 。 。 … 。 ・ 。 。 ◎ 。 。 ・ ・77
1.緒 言
わ が 国 で は,子 ど も の 食 生 活 に お い て,偏 っ た 栄 養 摂 取 や 不 規 則 な 食 事 な ど の 食 生 活 の 乱 れ に よ る 肥 満 や 痩 身 傾 向 な どが み られ,基 本 的 な 生 活 習 慣 の 乱 れ が 体 力,気 力 低 下 の 要 因 の 一 つ と して 指 摘 され て い る(内 閣 府,2013)。2005年 に 食 育 基 本 法(内 閣 府,2005)が 制 定 され,都 道 府 県 の 食 育 推 進 計 画 の 作 成 や 実 施,学 校 や 保 育 所 等 に お け る食 育 の 進 展 等 食 育 は 推 進 され て い る も の の,子 ど もの 朝 食 欠 食 や 家 族 と一 緒 に 食 事 を と る機 会 が少 な い こ とな ど,多 くの 課 題 が 残 っ て い る 。第2次 食 育 推 進 基 本 計 画(内 閣 府,2011)で は,生 涯 に わ た る食 育 や 家 庭 に お け る 共 食 を通 じた 子 ど もへ の 食 育 が 推 進 され て い る。2013年4月 に は,健 康 日本21(第2次)(厚 生 労 働 省2012) が ス タ ー トし,子 ど も の 食 生 活 に お い て も,食 事 を 一 人 で 食 べ る子 ど も の割 合 の 減 少, 朝 ・昼 ・夕 の 三 食 を必 ず 食 べ る こ とに 気 を つ け て食 事 を して い る 子 ど も の 割 合 の増 加 な どの 目標 が か か げ られ た 。 こ の よ うな 国 レベ ル で の健 康 施 策 が 行 わ れ て い る も の の, 家 庭 や 保 護 者 の 影 響 は 大 き く,第2次 食 育 推 進 基 本 計 画(内 閣府,2011)で は,食 生 活 にお け る家 庭 で の教 育 力 や 生 活 力 の 低 下 も 指 摘 され て い る こ とか ら,子 ど も の食 習 慣 を 改 善 す る た め の保 護 者 の 関 わ り方,家 庭 環 境 の あ り方 を検 討 して い く こ と は 重 要
とい え る。
1.背 景
1‑1.わ が 国 の 子 ど も に お け る 健 康 課 題
近 年 の 子 ど も を と り ま く 健 康 課 題 に は,朝 食 の 欠 食,一 人 で の 食 事 栄 養 の 偏 り, 不 規 則 な 食 事,小 児 肥 満 ま た は 過 度 の や せ 志 向 等 が あ る 。
平 成22年 度 の 調 査(日 本 ス ポ ー ツ 振 興 セ ン タ ー,2010)で は,朝 食 を ほ と ん ど食 べ な い 小 学5年 生 は 男 児1 .8%,女 児1.2%で あ り,男 児 は 平 成19年 度 の1.6%か ら 増 加 し て い る 。1週 間 に4日 以 上 朝 食 を 食 べ な い 男 児 は3.2%,女 児 は1.8%で あ る 。 主 な 理 由 と し て,「 食 べ る 時 間 が な い 」 は,男 児39.8%,女 児40。3%で あ り,平 成19 年 度 よ り増 加 し て い る 。 「食 欲 が な い 」 を 理 由 に あ げ た 男 児39.5%,女 児37.6%は, 前 回 調 査 よ り減 少 し て い る 。 朝 食 を 一 人 で 食 べ る 小 学 生 は15.3%で あ り,平 成19年 度 の11.4%よ り増 加 し て お り,家 族 そ ろ っ て 食 べ る の は26.6%で,平 成19年 度 の 29.4%よ り減 少 し て い る 。 朝 食 を 家 族 そ ろ っ て,ま た は お と な の だ れ か と食 べ る 割 合
が 減 っ て お り,一 人 で 食 べ る,ま た は 子 ど も だ け で 食 べ る 割 合 が 増 加 し て い る 。 平 成24年 度 学 校 保 健 統 計 調 査(文 部 科 学 省,2012)に よ る と,小 学 校 高 学 年 に お け る 肥 満 傾 向 児 は,男 児 で9%,女 児 で7%で あ り,算 出 方 法 が 変 更 さ れ た 平 成18年
度 以 降 で は,児 童 ・生 徒 全 体 で み る と減 少 傾 向 に あ る。 痩 身 傾 向 児 は,高 学 年 で は 男 女 児 と も1〜3%と な っ て お り,児 童 ・生 徒 全 体 で は 概 ね 増 加 傾 向 と い え る。 子 ど も の 肥 満 は,将 来 の 肥 満 や 生 活 習 慣 病 に 結 び つ き や す い(Vanhalaetal.,1998)こ とか ら, 健 康 日本21(第2次)(厚 生 労 働 省2012)で も,子 ど も の肥 満 減 少 が 目標 と して あ げ られ て い る。
平 成25年 度 全 国 体 力 ・運 動 能 力,運 動 習 慣 等 調 査 結 果(文 部 科 学 省,2013)に よ る と,小 学 生 の 体 力 合 計 点 は 過 去5年 間 で は ほ と ん ど変 化 は み られ な か っ た が,男 児 の ボ ー ル 投 げ は 昭 和60年 度 の 水 準 を80%が 下 回 っ て い た 。1週 間 の総 運 動 時 間 が60 分 未 満 の 男 児 は9.1%,女 児 は21.0%で あ り,運 動 習 慣 の な い 小 学 生 が 多 い とい え る。
1‑2、 子 ど も の 食 生 活 習 慣 形 成 に お け る 家 庭 環 境 の 重 要 性
子 ど も た ち が 健 や か な 生 活 習 慣 を幼 少 時 か ら身 に つ け,生 涯 に わ た っ て健 康 な 生 活 習 慣 を継 続 で き る よ うにす る こ とが 重 要 で あ る とい わ れ て い る(厚 生 労 働 省,2012)。
な か で も,学 童 期 は 栄 養 を 食 生 活 と い う大 き な枠 組 み の 中 に 位 置 づ け る こ と が 必 要 に な っ て く る 時 期 で あ る 。 「対 象 特 性 別 健 康 づ く りの た め の 食 生 活 指 針 」(厚 生 省(旧), 1997)で は,学 童 期 は 食 習 慣 の完 成 期 で あ り,食 習 慣 の 自 立 期 で あ る 思 春 期 に む け て 家 庭 や 学 校 で の 正 しい食 習 慣 を身 につ け る こ とが 重 要 と され て い る。 「学 童 期 の 食 生 活 指 針 」(厚 生 省(旧),1997)に は,バ ラ ン ス の とれ た 規 則 正 しい食 事,野 菜 と果 物 や 乳 製 品 の 十 分 な 摂 取 加 工 食 品 や イ ン ス タ ン ト食 品 の 正 しい 利 用,食 べ す ぎや 偏 食 の な い 食 習 慣 の 他,一 家 団 ら ん で 食 事 を 楽 しむ こ と,学 校 給 食 を 通 し て食 生 活 を 考 え る
こ と,外 で 体 を動 か す 習 慣 を つ け る こ と,な どが 取 り上 げ られ て い る。
食 育 基 本 法 第2次 食 育 推 進 基 本 計 画(内 閣 府,2011)の 重 点 課 題 の ひ とっ と して,
「家 庭 にお け る共 食 を 通 じた 子 ど も へ の食 育 」 が 推 進 され て お り,学 童 期 に お け る 望 ま しい食 生 活 習 慣 の 形 成 の た め に は,学 校 で の 給 食 の 他,家 庭 環 境 が 大 き な 影 響 を及 ぼ す と考 え られ て い る。
1‑3。 食 生 活 に お け る 子 ど も を と りま く環 境
「環 境 」 と は,広 辞 苑(第 四版)に よ る と,「 ① め ぐ り囲 む 区域 。 ② 四 囲 の 外 界 。 周 囲 の 事 物 。 特 に,人 間 ま た は 生 物 を と りま き,そ れ と相 互 作 用 を及 ぼ しあ うも の と
して み た 外 界 。」 と説 明 され て い る。
食 生 活 に お け る子 ど も を と りま く環 境 に は,一 番 身 近 な と こ ろ に保 護 者,家 族 を含 む 家 庭 環 境 が あ り,そ の ま わ りに は 友 達 や 先 生,学 校 で の ラ ン チ や 学 校 種 を含 む 学 校
が あ り,さ ら に レ ス トラ ン,ス ー パ ー マ ー ケ ッ トな ど を 含 む 地 域 が あ る(Safroneもal., 2011)。 そ の 周 り の マ ク ロ な 環 境 で は,食 品 を 製 造 す る 食 品 工 場,テ レ ビ な ど の 飲 食 物 の 宣 伝 を 含 む フ ー ドマ ー ケ テ ィ ン グ 部 門 な ど も 食 生 活 に お け る 環 境 因 子 と し て 考
え ら れ て い る(Swinburnetal.,2004)。
2.当 該 分 野 の 課 題
子 ど も の 正 しい 食 習 慣 の 形 成 に は 学 校 な らび に 家 庭 で の 食 育 が 重 要 で あ る。子 ど も の食 生 活 に 保 護 者 は 大 き な 影 響 を も た らす こ と か ら,子 ど も と保 護 者 の 食 生 活 に お け る 関連 を 明 らか に す る こ とが 必 要 で あ る。 しか し,わ が 国 で の 両者 の 関連 を み た研 究 は 限 られ て お り,子 ど も と保 護 者 に 関 して,栄 養 ・食 生 活 の 現 状 の 把 握,整 理,お よ び 子 ど もの 食 生 活 に 関 連 す る保 護 者 の食 生 活 の 要 因 の 検 討 が 課 題 とな る 。
1.研 究 小 史
1.子 ど も と保 護 者 の 栄 養 ・食 生 活 の 関 連 を み た 調 査 ・研 究 1‑1.海 外 で の 調 査 ・研 究
海 外 で は,子 ど も の 肥 満 が 大 き な 問 題 とな っ て お り(WHO,2013),子 ど も の 肥 満 に 関 連 して 子 ど も の 食 生 活 に 関 す る多 く の研 究 が な され,親 子 の 関 連 を み た 研 究 の 系 統 的 レ ビ ュ0が 複 数 存 在 す る。
VandefHo翌stら(vandezIlorstetal.,2007)は,若 者 に お け る肥 満 に 関連 した 食 行 動 と環 境 の 関連 を み た 論 文 で シ ス テ マ テ ィ ック レ ビ ュ ー を 行 っ て い る。3〜!8歳 に お け る子 ど も と青 年 の エ ネ ル ギ ー 摂 取 脂 質 摂 取 果 物,野 菜,ス ナ ッ ク,フ ァ ス
トフー ド,ソ フ ト ドリ ン ク の 消 費 量 を ア ウ トカ ム と し,介 入 研 究 や 肥 満 の 子 ど も た ち だ け の 論 文 は 除 い た 。 抽 出 され た 論 文 は58件 で あ り,55件 が 横 断 的 研 究 で あ っ た。
4〜12歳 の 子 ど も を対 象 に した もの は29件,13〜18歳 の 青 年 を対 象 に した も の は 27件 で あ り,1件 は 年 齢 の 不 明 な 集 団 で あ っ た 。 国 別 で は,子 ど も を対 象 に した もの は,25件 が 北 ア メ リカ,!0件 が ヨー ロ ッパ で あ り,青 年 を対 象 に した もの で は,北 ア メ リカ が20件,ヨ ー ロ ッパ が16件 で あ っ た 。 ア ウ トカ ム で 分 類 す る と,果 物,野 菜 の 摂 取 量 は34件,脂 質 摂 取23件,フ ァ ス トフ ー ド21件,エ ネ ル ギ ー 摂 取17件,
ソ フ ト ド リン ク10件 で あ っ た 。子 ど も のエ ネ ル ギ ー 摂 取 と負 の 関 連 が み られ た の は, 食 事 中 の食 物 摂 取 増 加 に 対 す る親 の励 ま し,支 援 ほ の め か しで3研 究 の うち2研 究 で あ っ た。 脂 質 の 摂 取 と正 の 関 連 が み られ た も の は,親 の脂 質 摂 取 過 量 摂 取 へ の 親 の コ ン トロー ル で あ り,負 の 関 連 が み られ た の は 親 の 教 育 歴 で あ っ た 。果 物/野 菜 の 摂 取 で は,果 物/野 菜 の 食 べ や す さが 高 摂 取 量 と 関連 し,入 手 しや す さ は 正 の 関 連 が み ら れ た。 親 の 行 動 を み る こ とや 親 の 摂 取 も正 の 関 連 を示 して い た 。 ス ナ ッ ク と フ ァ ス ト フー ドの 摂 取 は 関 連 が み られ た も の は な か っ た 。 子 ど も の ソ フ ト ド リン ク摂 取 は,親 の ソ フ ト ド リン ク摂 取 と正 の 関連 を 示 した 。 青 年 にお い て は,エ ネ ル ギ ー 摂 取 と脂 質 摂 取 に 正 の 関 連 が み られ た も の は,い ず れ も親 の 摂 取 と兄 弟 姉 妹 の 摂 取 で あ っ た。 果 物/野菜 の 摂 取 と家 族 関 係 の 強 さ,高 圧 的 な親 の 態 度,親 の 教 育 レベ ル が 正 の 関 連 を 示 した 。 ス ナ ッ ク と フ ァ ス トフー ドに つ い て は,子 ど もの 結 果 と 同 様 に 関 連 が み られ た も の は な か っ た。青 年 で は,ソ フ ト ドリ ン ク も 関 連 が み られ な か っ た 。著 者 ら(vander HOfSむeta1.,2007)は,多 くの 研 究 結 果 か ら一 貫 した エ ビデ ン ス とみ な せ る も の に, 親 の 摂 取 と子 ど も の 脂 質 な らび に果 物/野 菜 摂 取 親 な らび に 兄 弟 姉 妹 の 摂 取 と青 年 の エ ネ ル ギ ー と脂 質 の 摂 取 親 の 教 育 レベ ル と青 年 の果 物/野 菜 摂 取 を あ げ て い る。今 後,
介 入 研 究 に 生 か す に は,縦 断 的 研 究,妥 当 性 の 確 認 され た 尺 度 を 用 い た 研 究 が 必 要 と しな が ら も,環 境 要 因 が 主 に 家 庭 環 境 レベ ル で 研 究 され て い る こ と を 報 告 して い る。
Clafkら(Clarketal.,2007)は,子 ど も の 食 物 摂 取 と体 重 に影 響 を及 ぼ す 保 護 者 の食 行 動 を み た 論 文 に っ い て レ ビ ュー して い る。 主 に ア メ リカ で行 わ れ た26件 の 調 査 ・研 究 の う ち,横 断 研 究 が11件,縦 断 研 究 が6件,実 験 研 究 が4件,観 察 研 究 が 2件,質 的 研 究 が2件,後 ろ 向 き の 回 想 法 が1件 と な っ て い る。 保 護 者 の子 ど もの 食 に 対 す る行 動 の うち 「監 視 す る 」 「強 制 す る」 「制 限 す る 」 の3つ に注 目 し,① 子 ど も の 食 物 摂 取 ② 子 ど も の 体 重 に及 ぼ す 影 響 に つ い て,ま とめ て い る 。 結 果 の 主 な もの と して,保 護 者 が み て い る と こ ろ で は,子 ど も は 砂 糖 の 少 な い も の,カ ロ リー や 塩 分 の低 い も の を選 ぶ 傾 向 に あ る が,保 護 者 が み て い な い と砂 糖 の 多 い 食 物 を 選 ぶ こ とが 多 い,保 護 者 が 強 制 す る こ とで 果 物 を 多 く食 べ た り,脂 肪 を少 な くす る とい っ た 良 い 効 果 が あ る 反 面,そ の こ とが ネ ガ テ ィ ブ な イ メ ー ジ とな り,大 人 に な っ て か ら も好 き で は な い,な どの マ イ ナ ス 効 果 も あ る こ と,普 段 ス ナ ッ ク を 制 限 す る こ とで,食 べ る チ ャ ン ス が あれ ば食 後 で も食 べ て しま う,と い っ た こ とが み られ る こ と,な ど を あ げ て い る。 子 ど も の 体 重 増 加 に 対 して は,保 護 者 が 子 ど もの 食 事 を 「制 限 」す る こ とが 影 響 が 大 き く,監 視 」 や 「強 制 」 は研 究 に よ っ て 異 な っ た 結 果 が 得 られ て い る と報 告 して い る。
Pearsonら(Pearsonetal,2008)は,6‑II歳 の 子 ど も を対 象 と した25論 文(33 研 究),12‑18歳 の 青 年 を対 象 と した38論 文(55研 究)に 関 して,野 菜 と果 物 の 消 費 量 を ア ウ トカ ム に した 家 庭 環 境 との 関 連 を,正 の 関 連 が み られ た も の,負 の 関連 が み られ た も の,関 連 の み られ な か っ た も の で 整 理 し,検 討 した 結 果 を 報 告 して い る。 子 ど も を対 象 に した 研 究 の 論 文 は,25件 の うち24件 が 横 断 的 研 究,国 別 で は11件 が ア メ リカ,U件 が ヨー ロ ッパ で あ っ た 。21件 は 男 女 一 緒 に 関 連 を み て お り,半 数 以 上 の13件 が 自身 で 回 答 した も の だ っ た 。 子 ど も の 果 物 ・果 汁 ・野 菜 の 消 費 を ア ウ ト カ ム に した 場 合,正 の 関連 が み られ た も の は親 の行 動 をみ る こ と(モ デ リン グ)や 親 の 果 物 や 野 菜 の 摂 取 で あ っ た。 ま た,子 ど もの 果 物 ・野 菜 の 消 費 と関 連 が み られ た の は 家 庭 で の 果 物 や 野 菜 の 食 べ や す さ,家 族 のル ー ル(食 べ た い だ け 食 べ て よい か 等), 親 の 励 ま しで あ っ た 。 青 年 に 関 す る38の 論 文 の うち,35件 が 横 断 的 研 究 で あ り,国 別 で は17件 が ア メ リカ だ っ た 。20件 で は 男 女 一 緒 に 関 連 を み て お り,17件 は 男 女 別 に み て い た 。33件 が 自身 の 回 答 に よ る も の で あ っ た 。 青 年 に お い て 正 の 関 連 が み られ た も の は,青 年 の 果 物 ・野 菜 の 消 費 量 と親 の 果 物 ・野 菜 の 摂 取 青 年 の 果 物 の 消 費 と親 の 職 業 的 地 位,青 年 の 果 物 ・果 汁 ・野 菜 の 消 費 と親 の教 育 歴 で あ っ た。 子 ど も
の 果 物 の 消 費 が 家 族 と の 朝 食 頻 度 に 正 の 関 連 を 示 して い た もの の 青 年 で は 関 連 が み られ な か っ た と報 告 して お り,子 ど も と青 年 の 健 康 的 な 食 行 動 を す す め るに は 家 庭 環 境 に注 目す る 重 要 性 を述 べ て い る。
Chengら(Chengetal.,2008)は,香 港 の広 東 語 を 話 す 小 学 校 の6年 生426人 に お い て,朝 食 の 欠 食 と子 ど もか らみ た 両 親 の 食 態 度 の 認 識 が 関 連 して い る こ と を報 告 して い る。 教 室 で の 自記 式 質 問 紙 調 査 が 行 わ れ,過 去1週 間 に 朝 食 を 欠 食 し た 日数 欠 食 が あ る 場 合 は そ の 理 由,習 慣 的 に 朝 食 摂 取 で き る方 法,自 分 の 体 重 の認 識 等,ま た,朝 食 摂 取 に対 す る考 え(授 業 中 の集 中 力 を 向 上 させ る,学 校 生 活 や 運 動 の パ フ ォ ー マ ン ス を 向 上 させ る,体 重 の減 量 を困難 にす る,健 康 的 な 体重 の た め,1日 のエ ネ ル ギ ー を得 る)お よ び 両 親 の 朝 食 摂 取 に 対 す る態 度,そ の 他 属 性 に つ い て 尋 ね て い る。
最 近1週 間 の う ち,朝 食 を1回 で も欠 食 した児 童 は 約30%お り,毎 日摂 取 して い た 児 童 と朝 食 へ の 認 識 を 比 較 した 場 合,集 中力 ・学 校 で の パ フ ォ ー マ ン ス ・健 康 的 な 体 重 ・エ ネ ル ギ ー 摂 取 ・両親 の 朝 食 に対 す る 態 度 で 有 意 な 差 が み られ た 。 ま た,朝 食 欠 食 の リス ク フ ァ ク タ ー を 多 重 ロ ジ ス テ ィ ッ ク 回 帰 分 析 で み た と こ ろ,両 親 の 朝 食 に 対 す る認 識 の 欠 如,集 中 力 に 寄 与 す る と考 え な い こ とが 関 連 要 因 と して 抽 出 され,子 ど
も,両 親 学 校 の 三 者 が 朝 食 に 対 す る ポ ジ テ ィ ブ な 認 識 を も つ こ と の 重 要 性 が 示 唆 さ れ て い る。
Fulkez°son(Fulkersonetal.,2006)は,ミ ネ ソ タ 大 学 で のEAT(十 代 の若 者 の 食 に 関 す る)プaジ ェ ク トの 一 環 と して,家 族 の 共 食 に お け る 生 徒 と 両 親 の 見 解 に つ い て 報 告 して い る。7‑12年 生902名 が 参 加 し,学 校 で 社 会 的 認 知 理 論 に基 づ い て 開 発 され た221項 目 の調 査 とフ ォ ー カ ス ・グル ー プ ・デ ィス カ ッ シ ョ ン が 行 わ れ た 。 そ の 後,各 々 の 生 徒 の 養 育 者 ま た は 両 親 の うち 一 人 に 対 して,電 話 で イ ン タ ビ ュ ー して い る 。 最 近1週 聞 の 家 族 で の 共 食 頻 度 は,「 一 度 も な い 」 と答 え た 生 徒 と保 護 者 が い た も の の,5回 以 上 は 生 徒 で 半 分 近 く,保 護 者 で は57%で あ っ た 。 半 数 以 上 の 生 徒 と ほ と ん ど の保 護 者 は,食 事 を 一 緒 に食 べ る こ と は重 要 と考 え て お り,保 護 者 の方 が,ス ケ ジ ュー ル 調 整 が 一 緒 に 食 べ る の を 困 難 に して い る と感 じて い る。!0‑12年 生 は,7・9 年 生 に 比 べ て ス ケ ジ ュ ー ル 調 整 が 難 し く,女 子 生 徒 は,男 子 生 徒 よ り多 く家 族 と食 べ て い る。 家 族 で の 食 事 は,生 徒 も保 護 者 もポ ジ テ ィブ に と らえ て お り,家 族 の 連 帯 感 を 高 め る た め,ま た保 護 者 が 生 徒 に よ い 習 慣 を学 ば せ る た め に も有 用 と思 わ れ る と述 べ て い る。
Brownら(Brownetal.,2004)は,間 食 に焦 点 を あ て て 子 ど も の 食 態 度 ・食 行 動 にお け る保 護 者 の 影 響 を み る た め に,南 イ ギ リス の9‑13歳 の 子 ど も と保 護 者 の112
組 に 同 じ質 問 紙 を用 い た 調 査 を 行 っ て い る。 属 性,昨 日ま た は 普 段 の 間 食 の食 品別 摂 食 頻 度,外 的 ・内 的 動 機 づ け,体 格 満 足 度,ボ デ ィ シル エ ッ トを 用 い た 調 査 を 行 い, 保 護 者 に は,さ ら に 子 ど も の 食 行 動 へ の コ ン トロー ル に つ い て,食 物 を 用 い て 子 ど も を コ ン トロー ル す る か,と い っ た こ と を尋 ね た。 調 査 後,間 食 に つ い て,健 康 的 な 食 品(果 物,ヨ ー グル トや トー ス トな ど),不 健 康 な 食 品(チ ョコ レー ト,ア イ ス ク リ ー ム,ケ ー キ な ど)に 分 類 して 親 子 で 比 較 した と こ ろ,子 ど も よ り親 の 方 が 健 康 的 な もの を 摂 取 して お り,不 健 康 な食 品 で は,昨 日 と普 段 の 摂 取 で 親 子 間 に 有 意 な 相 関 が み られ た 。 結 論 と して,子 ど も の食 生 活 を コ ン トmル す る よ り も,ポ ジ テ ィブ な保 護 者 の モ デ ル の 方 が 子 ど も の 食 事 の 改 善 に つ な が る だ ろ う と述 べ て い る。
1‑2.わ が 国 に お け る 子 ど も と保 護 者 の 食 生 活 に 関 す る 調 査 ・研 究
わ が 国 に お い て は,子 ど も と保 護 者 の 食 生 活 の 関 連 を み た 系 統 的 レ ビ ュ ー は み られ な い 。
冨 岡 ら(冨 岡 ら,1997a)は,食 生 活 に お け る親 子 の か か わ りに 関 す る研 究 で,母 親 の 食 意 識 態 度 な らび に食 教 育 態 度 と,小 学 生 の 食 意 識 態 度 の 関 連 に っ い て 報 告 して い る 。 母 親 の 食 意 識 態 度 と の 関連 で は,お い しい 食 べ 物 に 興 味 ・関 心 が 高 く,よ い も の で あれ ば 市 販 品 で も 外 食 で も取 り入 れ る 母 親 の 態 度 は,子 ど も の 食 べ 物 へ の 関 心 を ひ き だす こ と,母 親 の食 教 育 態 度 と の 関 連 で は,食 卓 で 子 ど も の 食 べ 方 や 食 事 作 法 に 気 を 配 り注 意 す る母 親 の 子 ど も ほ ど,嫌 い な も の も 栄 養 に な る か ら食 べ よ う,食 事 は 残 さず 食 べ よ う,食 べ 物 に つ い て も っ と知 りた い な ど健 全 な 食 事 観 を もつ こ と,母 親 が 食 事 を 楽 し い 家 族 団 ら ん の 場 にす る よ うに 心 が け れ ば,子 ど も は 母 親 の 手 づ く り料 理 に こ だ わ らず 市 販 品 で も 不 満 を もた な い こ と を示 した と述 べ て い る。
2.親 子 の 食 生 活 に 関 す る環 境 要 因 2‑1,海 外 に お け るr環 境 要 因 」
Swinburnら(Swinburnetal.,2004)は,人 の 住 む 環 境 は 複 合 体 で あ り,そ の個 々 の 構 成 要 素 や 組 み 合 わ さ っ た 構 成 要 素 は 人 の 行 動 と食 物 摂 取 に著 しい 影 響 が あ る と 述 べ て い る。 そ れ を と りか こむ ミクaな 環 境 と して 学 校,職 場,家 庭,レ ス トラ ン, フ ァ ス トフー ド店 が あ り,さ らに 広 く影 響 を 受 け て い る マ ク ロ な 環 境 と して 食 品 工 場, 様 々 な レベ ル の 政 府 関 連 機 関,社 会 情 勢 や 信 条 な ど が あ る と述 べ て い る。 環 境 要 因 の
一 つ に 社 会 経 済 的 環 境 が あ り,個 人 所 得 や 教 育 状 況 で 測 られ る こ と の 多 い 社 会 経 済 状 況 は社 会,経 済,職 業,教 育 方 針 な ど と結 び つ い て い る と い わ れ る。 学 校 や 他 の 教 育
環 境 は,子 ど もへ の 影 響 が 大 き い 要 因 と して 重 要 で あ る。 家 庭 環 境 は,子 ど も の栄 養 や 運 動 行 動 と関 連 す る最 も重 要 な 因子 で あ る こ とは 明 らか で あ る が,特 異 的 な 家 庭 環 境 の 要 因 は ほ と ん ど知 られ て い な い と述 べ て い る。
環 境 要 因 と子 ど も の 食 物 摂 取 と の 関 連 を み た シ ス テ マ テ ィ ッ ク レ ビ ュ ー(vander Igorstetal.200r,Peazsonetal,2008)に お い て,調 査 で 関連 をみ た 環 境 要 因 は, 食 べ 物 が 家 庭 に あ る か な ど の 入 手 の しや す さ,果 物 や 野 菜 が カ ッ トして あ る な ど の食 べ や す さ ,食 事 中のテ レビ,親 を行動 のモ デル にす る,親 の摂 取 母 親 の食 べ も の の 好 み,親 が コ ン トロー ル す る こ とや プ レ ッ シ ャ ー を か け て食 べ させ る 行 動 食 行 動 の 制 限 を す る こ と,親 の す す め や 励 ま し,家 族 で の 朝 食 や 夕 食 の 頻 度,母 親 の 食 知 識, 健 康 づ く りへ の 母 親 の 態 度,家 庭 の 教 育 歴,世 帯 収 入,貧 困 の ス ケ ー ル,社 会 経 済 的 地 位,父 の 職 業,友 達 の 摂 取 な どが あ っ た 。 しか し,研 究 や ア ウ トカ ム に よ っ て 関 連 の 有 無 が 異 な っ て い る も の も あ る。
2‑2.わ が 国 の 身 体 活 動 分 野 に お け る 「環 境 要 因 」
わ が 国 で は,環 境 要 因 に 関 す る研 究 は,身 体 活 動 の 分 野 で 主 に報 告 され て い る。
田 中 ら(田 中 ら,2011)は,幼 児 に お け る 日常 の 身 体 活 動 量 と生 活 環 境 の 関 係 を み て お り,「 環 境 要 因 」 と して,居 住 形 態,庭 の 有 無,自 宅 周 辺 の 歩 道 の 有 無,公 共 交 通 機 関 の 利 用 の しや す さ,天 候 や 季 節,幼 稚 園 な ど の施 設 問 の 差,家 庭 で の 過 ご し方, な ど を と りあ げ て い る。 自宅 お よび 自宅 周 辺 の 生 活 環 境 に っ い て 検 討 した 結 果,自 宅 周 辺 に犯 罪 が な く安 全 で あ る こ とは,低 強 度 活 動 時 間 を短 く し,中 強 度 以 上 の 活 動 を 行 う機 会 を作 っ て い る こ とが 明 らか とな っ た と報 告 して い る 。
岡 ら(岡 ら,2011)は,成 人 の身 体 活 動 に 影 響 を 及 ぼ す 環 境 的 要 因 と して,自 宅 に 運 動 をす る た め の 用 具 や 機 器 が そ ろ っ て い る か,近 所 に 運 動 す る場 所 や 施 設(遊 歩 道, 公 園,フ ィ ッ トネ ス ク ラ ブ な ど)が あ る か,自 宅 周 辺 に 運 動 しや す い 安 全 な 環 境(十
分 な街 灯 や 歩 道 が あ る)が 整 っ て い る か,景 色 を 楽 しみ な が ら運 動 す る こ とが で き る 場 所 が あ る か,運 動 して い る人 を よ くみ か け る か,な ど を調 査 し,そ れ らが 運 動 セ ル フ ・エ フ ィ カ シー,運 動 ソー シ ャ ル サ ポ ー トな ど を介 して 身 体 活 動 に 影 響 を 与 え て い る こ と を 明 らか に して い る。
石 井 ら(石 井 ら,2012)は,小 学 生 に お け る 近 隣 身 体 活 動 環 境 尺 度 の 開 発 と して, 自宅 近 隣 で の 働 き か け を 行 うも の が い な くて も身 体 活 動 が 推 進 され る こ と が で き る よ う,尺 度 開 発 の必 要 性 を 述 べ て い る。 道 路 が 安 全,近 所 に 自然 が あ る,静 か で い い 場 所 が あ る,落 書 き が た く さ ん あ る,ご み が た く さん あ る,歩 い た り自転 車 に 乗 る の
に 安 全 な 地 域 で あ る,怪 しい 人 が い な い か 心 配 だ,な ど4因 子13項 目か ら な る尺 度 を 開発 し,近 隣 環 境 を 良 い と評 価 して い る者 は,学 校 外 で の余 暇 身 体 活 動 実 施 時 間 お
よび 通 学 中 の 歩 行 時 問 が 長 い こ と を 示 した と報 告 して い る。
い ず れ の 報 告 も環 境 と身 体 活 動 の 関 連 を認 め,身 体 活 動 の推 進 の た め に 環 境 が 重 要 で あ る こ と を 述 べ て い る 。 石 井 ら(石 井 ら,2012)の 働 き か け な く て も環 境 を 整 え る こ とで 身 体 活 動 を推 進 で き る よ うに とい う環 境 整 備 の 考 え方 は,栄 養 ・食 生 活 分 野 に 応 用 で き る と考 え られ る。
2‑3,わ が 国 の 栄 養 ・食 生 活 分 野 に お け る 「環 境 要 因 」
栄 養 ・食 生 活 分 野 に お け る 環 境 要 因 と して,「健 康 日本21」 で は 周 囲 の 人 々 の 支 援, 食 物 へ の ア クセ ス,情 報 へ の ア クセ ス の よ うな 食 環 境,社 会 環 境 が あ げ られ て い る(厚 生 労 働 省,2004)。 食 物 へ の ア クセ ス とは,食 物 が ど こで 生 産 され,ど の よ うに加 工 さ れ,流 通 され,食 卓 に 至 るか とい う食 物 生 産 ・提 供 の シ ス テ ム 全 体 を意 味 し,情 報 へ の ア ク セ ス と は,地 域 に お け る栄 養iや食 生 活 関 連 の 情 報 健 康 に 関 す る 情 報 の 流 れ, そ の シ ス テ ム全 体 を意 味 す る 。そ して,提 供 され る 食 物 や 食 事 そ の もの が 情 報 に な り 得 る こ と,食 物 や 食 事 に 情 報 が付 随 して 人 々 の 手 元 に 届 け られ る こ と,ま た,情 報 を 求 め な い 人 で も食 物 を 入 手 し な い 人 は い な い こ とな どか ら,こ れ ら 両 者 は 統 合 して 整 備 が す す め られ る こ と が 国 民 の 健 康 づ く り,QOLの 向 上 に 重 要 で あ る とい わ れ て い
る 。
高 村 ら(高 村 ら,2010)は,子 ど も を対 象 と した 家 庭 の 果 物 入 手 可 能 性 と摂 取 行 動 と の 関 連 に お い て,家 に 果 物 が お い て あ る と い っ た 「入 手 可 能 性 」 は,子 ど も 自身 の 果 物 摂 取 量,果 物 を 食 べ る こ とへ の 重 要 性 の 認 識 な らび に セ ル フ ・エ フ ィカ シ ー,家 族 の果 物 摂 取 頻 度 と正 の 関 連 が認 め られ た と報 告 して い る。食 環 境 と食 行 動 に 関 連 が
み られ た 例 と い え る 。
白木 ら(白 木 ら,1994)は,小 学 生 の 食 品 の摂 取 頻 度 に及 ぼ す 生 活 習 慣 の1つ と し て テ レ ビ の視 聴 時 間 との 関 連 を み て い る。 「テ レ ビの 視 聴 時 間 が30分 以 内 」は 栄 養 バ ラ ン ス得 点 を あ げ る方 へ 関 連 し,「3時 間 以 上 の視 聴 」 は 得 点 を 下 げ る 方 へ 関 連 した
と報 告 して い る 。 テ レ ビ の 視 聴 は,海 外 で は 家 庭 の 環 境 要 因 と して 研 究 され て い る (Pearsonetal,2008)o
2‑4.社 会 的 認 知 理 論 に お け る 「環 境 」
Banduraに よ っ て 提 唱 され た 社 会 的 認 知 理 論 に は,相 互 決 定 主 義 と い う概 念 が 含 ま れ る。 これ は,人 の 行 動,個 人 的 要 因(認 知),環 境 の3つ は 互 い に 関 連 し合 っ て い る とい う考 え方 で あ り,行 動 が 変 わ っ た 後 に 認 知 が 変 わ る 可 能 性 も あ り,環 境 を 変 え る こ と で認 知 や 行 動 が 変 わ る こ と も あ る(赤 松,2009)。
會 退 ら(會 退 ら,2012)は,幼 児 の栄 養 教 育 に お い て,幼 児 の 環 境 要 因 で あ る保 護 者 を対 象 とす る こ とが 重 要 で あ る との 考 え か ら,保 護 者 と幼 児 の 両 方 を 対 象 と した プ ロ グ ラ ム を行 っ た 。 統 計 的 な 変 化 は み られ な か っ た も の の,保 護 者 が 食 卓 で と る行 動 で 一 部 に 変 化 が み られ た,参 加 者 か ら参 考 に な っ た と の コ メ ン トが 得 られ た と報 告 し て い る。
2‑5.海 外 で の 「環 境 要 因 」 へ の 介 入 研 究
海 外 に お い て は,子 ど も の 食 事 の 改 善 の た め に 保 護 者 へ 介 入 し た 研 究 の シ ス テ マ テ ィ ッ ク レ ビ ュ ー が あ り(Dingleetal.Bozo),24件 の 研 究 に っ い て 直 接 的 な 介 入 と 間 接 的 な 介 入 に わ け て 効 果 の 結 果 を ま と め て い る 。
Hendrieら(llendrieetal。,2013)は,家 庭 の 食 環 境 の 関 連 を み る た め に,4〜13 歳 の 子 ど も を 対 象 と し,そ の 保 護 者 に12週 問 の 介 入 を 行 い,両 親 の 食 態 度 や モ デ リ ン グ,テ レ ビ,家 族 や 食 物 の 関 与 と子 ど も の 食 物 摂 取 量 の 変 化 を み た 。 飽 和 脂 肪 酸 の 摂 取 減 少 に 関 連 が み られ た の は,両 親 の 食 知 識,責 任 の 認 識,摂 取 の 制 限 で あ っ た と
報 告 し て い る 。
皿.本 研 究 の 目 的
子 ど も の 不 規 則 な 食 事 な ど 基 本 的 な 食 習 慣 の 乱 れ が 指 摘 さ れ て い る(内 閣 府,2013)。
子 ど も の 食 習 慣 向 上 に は 保 護 者 の 関 わ り方 が 影 響 す る こ と か ら,食 生 活 に お け る 親 子 の 関 連 に 関 す る 現 状 の 把 握 が 必 要 で あ る 。 肥 満 が 主 な 健 康 課 題 と な っ て い る 海 外
(WHO,2013)に お い て は,親 子 の 関 連 を み た 研 究 は 多 く 行 わ れ,複 数 の シ ス テ マ テ ィ ッ ク レ ビ ュ ー が あ る(vanderHorstet.al.,2007,Clarket.al.,2007,Pearson
et.al.,2008,Dingleet.al,,2010,Kr②lne艶 も。al.,201)が,わ が 国 で は 子 ど も の 栄 養 ・食 生 活 に お い て,保 護 者 と の 関 係 を み た 研 究 は お こ な わ れ て い る も の の,そ れ ら の 関 連 を 系 統 的 に み た 論 文 は な い 。
そ こ で,研 究 課 題1で は,国 内 文 献 に 関 す る レ ビ ュ ー に よ り,子 ど も と保 護 者 の 栄 養 ・食 生 活 に お け る 関 連 の 実 態 を 把 握 ・整 理 す る こ と を 目 的 と す る 。
子 ど も の 食 習 慣 の 形 成 に は 家 庭 や 保 護 者 が 重 要 で あ る(内 閣 府;食 育 基 本 法)。 保 護 者 に は,食 生 活 の 管 理 者,栄 養 ・食 生 活 の 教 育 者 と し て の 立 場 と,保 護 者 自 身 と そ の 食 生 活 が 子 ど も に 影 響 を も た らす と考 え ら れ る 立 場 が あ る 。 そ れ ら を 区 別 す る た め に,後 者 の 場 合 に 環 境 要 因 と し て 」 と 書 き 添 え る こ と が あ る 。 子 ど も を と り ま く 環 境 に は 様 々 な 環 境 要 因 が あ る も の の(田 中 ら,2011,石 井 ら,2012,v蝕deyHorst
et.al.,2007,Pearsonet,al.,2008),わ が 国 で は,栄 養 ・食 生 活 に お い て,保 護 者 を 家 庭 に お け る 環 境 要 因 と し て み た 場 合 の 子 ど も と の 関 連 に つ い て の 研 究 は 限 られ て い る 。
研 究 課 題2で は,児 童 の 栄 養 ・食 生 活,お よ び 環 境 要 因 と し て み た 保 護 者 の 栄 養 ・ 食 生 活 を 包 括 的 に 評 価 し,子 ど も の 食 生 活 に 関 連 す る 保 護 者 自 身 の 食 生 活 要 因 を 検 討 す る こ と を 目 的 と し た 。
W研 究 課 題1:国 内 文 献 に よ る 「小 学 生 と 保 護i者 の 栄 養 ・食 生 活 に 関 す る 論 文 」 の 調 査 と 食 生 活 の 理 論 枠 組 み に よ る 分 類 で の 関 連 要 因 の 検 討
1.緒 言
近 年 の 子 ど も を と り ま く健 康 に は,偏 っ た 栄 養 摂 取 や 不 規 則 な 食 事 な ど の 食 生 活 の 乱 れ に よ る 肥 満 や 痩 身 傾 向 な ど が み ら れ,基 本 的 な 生 活 習 慣 の 乱 れ が 体 力,気 力 低 下 の 要 因 の 一 つ と し て 指 摘 さ れ て い る(内 閣 府,2013)。 子 ど も の 健 全 な 発 育 に は 健 康 的 な 食 習 慣 は 欠 か せ な い も の で あ り,家 庭 環 境 や 保 護 者 は 子 ど も の 食 生 活 に 大 き な 影 響 を 及 ぼ す 。
肥 満 が 子 ど も の 社 会 問 題 と な っ て い る 海 外(WHO,20z3)で は,肥 満 に 関 連 して 子 ど も と 保 護 者 の 食 生 活 や 食 習 慣 に 関 す る 多 く の 研 究 が あ り,複 数 の シ ス テ マ テ ィ ッ ク レ ビ ュ ー(van.derForstetal.,2007,Clarketal.,2007,1)earsonetal.,2008,
H海gleetal.,2010,KrOlneretaL,2011等)が 報 告 さ れ て い る 。 例 え ば,家 庭 環 境 が 子 ど も と 青 年 の 果 物 ・野 菜 の 消 費 状 況 に 影 響 し て い る と い うPearsonら の シ ス テ マ テ ィ ッ ク レ ビ ュ ー(Pearsonetalli)で は,デ ー タ ベ ー ス と し てScienceDirect, PubMed,PsychlNFO,Medune,WebofSciexlceを 用 い,ハ ン ドサ ー チ を 併 用 し て 検 索 を 行 っ た 。6‑11歳 の 子 ど も を 対 象 と し た25論 文(33研 究),12‑18歳 の 青 年 を 対 象 と し た38論 文(55研 究)に お い て,検 討 し た 結 果 を 報 告 し て い る 。子 ど も の 「果 物 ・果 汁 ・野 菜 の 消 費 」 を ア ウ トカ ム に し た 場 合,正 の 関 連 が み ら れ た も の は 親 の 行 動 を み る こ と(モ デ リ ン グ)や 親 の 果 物 ・野 菜 の 摂 取 で あ っ た 。 ま た,子 ど も の 「果 物 ・野 菜 の 消 費 」 と 関 連 が み ら れ た の は 家 庭 で の 果 物 や 野 菜 の 食 べ や す さ,家 族 の ル ー ル(食 べ た い だ け 食 べ て よ い か 等)
,親 の 励 ま し で あ っ た 。 青 年 の 場 合,正 の 関 連 が み ら れ た も の は,「 果 物 ・野 菜 の 消 費 量 」 と 親 の 果 物 ・野 菜 の 摂 取 「果 物 の 消 費 」 と親 の 職 業 的 地 位,「 果 物 ・果 汁 ・野 菜 の 消 費 」 と親 の 教 育 歴 で あ っ た 。 家 族 と の 朝 食 頻 度 は 子 ど も の 「果 物 の 消 費 」 と 正 の 関 連 を 示 し て い た も の の,青 年 で は 関 連 が み
られ な か っ た 。 著 者 ら(Pearsonetali!)は,子 ど も と 青 年 の 健 康 的 な 食 行 動 の た め に は 家 庭 環 境 に 注 目す る 重 要 性 を 述 べ て お り,レ ビ ュ0の 結 果 を 今 後 の 介 入 に い か す こ と を 勧 め て い る 。 し か し,海 外 で の 結 果 を 社 会 環 境 や 健 康 課 題 食 文 化 の 異 な
る 日 本 に あ て は め る こ と は で き な い 。
一 方,国 内 で の 子 ど も に 関 連 した シ ス テ マ テ ィ ッ ク レ ビ ュ ー の 例 で は,子 ど も の 「や せ 」 の 現 状(金 田 ら,2004)a乳 幼 児 の 食 事 摂 取 量 を 報 告 し た 論 文 に お け る 記 述 状 況 と 活 用 可 能 性 の 検 討(佐 藤 ら,2012),小 児 に お け る 咀 噛 に か か わ る 食 育 の 効 果 を 評 価 す
る た め の 指 標(佐 藤 ら,2011)が あ る 。 金 田 ら は 「や せ 」 に 関 し て,ハ ン ドサ ー チ(14
雑 誌)と 医 学 申央 雑 誌(以 下,医 中誌 と略 す)で の 検 索 に よ り,21件 の 論 文 を抽 出 した 。 「や せ 」 の 評 価 方 法 が研 究 に よ っ て 異 な っ て い た た め に 統 合 的 に 定 量 的 解 析 を 行 う こ とは 困 難 で あ っ た と報 告 して い る。 佐 藤 らは,乳 幼 児 の 食 事 摂 取 量 関連 の論 文
(佐藤 ら,2012)で は 日本 人 乳 幼 児 を対 象 とす る 栄 養 素 お よ び/ま た は 食 品 群 別 摂 取 量 を 定 量 的 に報 告 し て い る論 文 を ハ ン ドサ ー チ,医 中誌 お よびMEDLINEで 検 索 を行 っ た 。 系 統 的 に収 集 整 理 した も の の 最 終 的 に抽 出 され た の は25件 の み で あ り,学 術 雑 誌 に 掲 載 され た 当該 論 文 が 少 な か っ た こ とか ら,デ ー タ を収 集 ・統 合 して 活 用 可 能 な シ ス テ ム の構 築 が 必 要 と結 論 づ け て い る。 ま た,日 本 人 小 児 に お け る咀 噛 行 動 に か か わ る食 育 の効 果 を評 価 す る 指 標 を 明 らか にす る こ と を 目的 と した 論 文(佐 藤 ら, 2011)で は,医 中 誌,MEDLINEか ら13件 の 論 文 を 抽 出 して い る。
こ の よ うに,わ が 国 に は子 ど も と保 護 者 の食 生 活 に 関 す る研 究 の シ ス テ マ テ ィ ック レ ビ ュー は み られ て お らず,そ れ らの レ ビ ュー が 望 ま れ る。 そ の 場 合,子 ど も の 対 象 年 齢 に 関 して 考 慮 が 必 要 で あ る。幼 児 期 は 食 物 摂 取 の た め に 親 の 励 ま しや 支 援 が 行 わ れ る こ と で調 査 結 果 に矛 盾 が 生 じ る とい う報 告 が あ る(vanderHorsteも.al.,2007)。
一 方,学 童 期 は 食 習 慣 の完 成 期 とい わ れ て お り(厚 生 省(旧),1997),親 子 の食 生 活 要 因 の 関 連 が 重 要 と な る 時 期 で あ る と考 え られ る。
そ こで,わ が 国 で の 小 学 生 と保 護 者 の 栄 養 ・食 生 活 の 関連 要 因 を 明 らか にす る こ と を 目的 に,国 内 で 報 告 され た 論 文 を検 索,収 集 し,関 連 す る小 学 生 と保 護 者 の 変 数 を 食 生 活 の 理 論 枠 組 み で 分 類 して 検 討 を 行 うこ と と し た。
2.方 法
2‑!.論 文 の 抽 出 方 法
1993年 〜2012年 の 過 去20年 間 に 国 内 で 発 表 され た 文 献 に 関 して,デ ー タベ ー ス
「医 学 中 央 雑 誌Web版,Ve浦 」 を 用 い て 検 索 を 行 っ た 。 医 中誌 に は1983年 以 降 の 国 内 文 献 デ ー タ が 約825万 件(2013年3.月 現 在)収 載 され て い る が,栄 養i分野 に お い て は 検 索 の 限 界 の 可 能 性 が 報 告 され て い る(菅 野 ら,2003)こ とか ら,栄 養 関 係 や 児 童 にお け る 論 文 が 掲 載 され て い る 国 内 主 要6誌 に つ い て,ハ ン ドサ ー チ に よ る検 索 を併 用 した 。
2ヨ ー1.デ ー タ ベ ー ス に よ る 検 索
研 究 目的 に沿 っ た 検 索 語,検 索 式 を検 討 す る た め に,次 の よ うに 構 造 化 して 作 業 を 行 っ た。 保 護 者 と小 学 生 児 童 の 両 者 の調 査 結 果 の あ る論 文 を 抽 出 す る た め,1群 を対