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細則様式第1-2号

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Academic year: 2021

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細則様式第1-2号

学位請求論文の内容の要旨

領 域 健康支援科学 分 野 老年保健学

氏 名 葉 清規

(論文題目)

頸椎変性疾患に対する McKenzie 法に基づく治療

:改善不良に関連する因子と頸部深層筋エクササイズを併用した効果

主 査 石川 玲

副 査 伊藤 巧一

副 査 若山 佐一

副 査 對馬 栄輝

【はじめに】

頸椎変性疾患とは,頸椎の椎体変形,椎間板高の低下,骨棘形成,椎間孔の狭小化等 の変性所見により,局所症状として頸部痛,肩甲骨周囲痛,頸部可動域制限や,神経障 害として神経根圧迫による神経根症や脊髄圧迫による頸髄症をきたす疾患である.臨床 では保存療法により,頸部障害の症状改善が得られる場合があることを多々経験する.

しかし,本邦では,どの治療により短期的に効果が得られるのか,予後として長期的に 再発予防につながっているのか,といった保存療法の有効性について明確な見解は示さ れていない.頸部障害に対する運動療法の一つに, McKenzie 法( The McKenzie Met hod of Mechanical Diagnosis and Therapy :以下, MDT )が挙げられる. MDT の主 な特徴は,簡便であること,患者教育による能動的治療が中心であること,痛みの軽減 にエクササイズを活用すること等である.本邦では,頸椎変性疾患に対する治療として,

薬物,装具,物理療法等の 3 ヶ月程度の治療報告がみられるが, MDT をはじめ運動療法 の効果についての報告は少ない.頸椎変性疾患は,疼痛や痺れの訴えが多いことから,

MDT は患者の継続的な運動療法という点において,有効となる可能性がある.また,

患者教育による能動的治療が中心であることから,医療費の抑制という医療経済学の観 点からも,有効な運動療法の可能性があると考える.さらに頸部障害については,個人 的,身体的,心理社会的側面など,様々なリスク因子が報告されていることから,多面 的な評価が必要である.よって,頸椎変性疾患に対する,運動療法の治療経過を多面的

(注)論文題目が外国語の場合は,和訳を付すこと。

(2)

【細則様式第1-2号続き】

に評価し,どのような因子が関連しているか否かを検討することは重要と考える.先 行研究(葉ら, 2016 )において,頸椎変性疾患患者に対する, MDT に基づいた運動療 法の治療効果について調査し,治療開始 1 ヶ月程度で,症状面,所見面,心理面におい て改善が得られることがわかった.しかし,治療の継続期間,予後については不明で あり,頸部障害に効果があると報告されている他の運動療法を実施した場合や対照群 を設定しての比較検討を行っていない.頸部障害に対する理学療法による保存療法に ついて,各種治療を組み合わせたアプローチが効果的であり,治療の組み合わせに関 してはエクササイズが重要であることが報告されている.

本研究では,頸椎変性疾患患者に対する MDT に基づいた運動療法の効果を検証す るため,その治療経過における改善や不良の因子について調査した.また, MDT に,

その他の運動療法として,頸部深層筋エクササイズを併用し,物理療法を対照群とし て設定して,その効果について多面的に分析することを目的とした.

【方法】

本研究は,前向き研究である.検者は理学療法士 13 名,作業療法士 2 名とした.対 象は, 2013 年 7 月より 2017 年 4 月までの期間で,頸部痛及び上肢帯の疼痛,痺れ等の症 状で来院し,医師より頸椎疾患の診断を受けた症例とした.

1 . 対象のうち, MDT を実施し,本研究での評価において追跡可能であった保存治療 例は 51 例( 49.9±11.9 歳,男 32 例,女 19 例)であった.改善度の判定は, JOACMEQ の頸椎機能スコアを用いて,リハ初回時,開始 1 週間後, 1 ヶ月後, 2 ヶ月後, 3 ヶ月後,

5 ヶ月後に評価した.

統計解析は, JOACMEQ の規定に従い,改善群,改善不良群に群分けし, 5 ヶ月後 の頸椎機能改善群と改善不良群の違いに対して,リハ初回時の状態において影響する 要因について,多重ロジスティック回帰分析で解析した.

2 .対象は, MDT と物理療法を併用した群( MDT 群) 51 例, MDT と頸部深層筋エク

ササイズと物理療法を併用した群( Deep Cervical Muscle Exercise : DCME 群) 32

例,物理療法のみ施行した群(物理療法群) 5 例とした.評価項目は,頸部自動 ROM ,

Neck Disability Index( 以下, NDI) , JOACMEQ ( VAS を含む), SF8 とし,リハ初

回時,リハ開始 1 週間後, 1 ヶ月後, 2 ヶ月後, 3 ヶ月後, 5 ヶ月後, 12 ヶ月後に評価を

実施した.

(3)

【細則様式第1-2号続き】

統計解析は,治療経過の差の検定には,線形混合モデルによる反復測定の分散分析 を適用し,有意な差のあった水準に対しては多重比較法を実施した.

解析には R2.8.1 ( CRAN , freeware )及び SPSS version 21.0 を用い,有意水準は 5%

とした.

【結果】

1 . JOACMEQ の結果より, 36 例が統計解析の対象となった. 5 ヶ月後の頸椎機能改善 不良群は 6 例であった.改善群と改善不良群の比較では,改善不良群が初回時の頸椎機 能は有意に高値を示し, 5 ヶ月後は有意に低値を示した. 5 ヶ月後の頸椎機能改善不良 に対して,罹病期間(オッズ比: 1.113 ),初回頸椎機能(オッズ比: 1.079 )が危険 因子であった.

2 . MDT 群, DCME 群において,頸部自動 ROM , NDI , JOACMEQ ,上肢症状の VA S , SF8 は短期経過,長期経過ともに有意な改善がみられた. 12 ヶ月後の長期的な経過 では, MDT 群, DCME 群の大きな差はみられなかった.効果量(差の程度)は,早期 より MDT 群が高値であった.頸部症状の VAS は, MDT 群, DCME 群,物理療法群と もに改善が得られたが,効果量は, MDT 群, DCME 群は物理療法群と比較して高値 であった.

【結論】

頸椎変性疾患患者に対して MDT を用いた運動療法の治療経過において,罹病期間の 長期化,リハ初回時の頸椎機能が高値であることが症状の改善不良の危険因子であっ た.また,頸椎変性疾患患者に対して,運動療法は物理療法と比較して,多面的な改 善を得ることができる.さらに,運動療法の選択肢として,長期的な結果は, MDT 群,

DCME 群で明らかな差はみられなかったが, MDT を実施することで,早期から高い改

善度を得ることができる.

(4)

【細則様式第1-2号続き】

学位論文のもととなる研究成果としての筆頭著者原著

論 文 題 目

The reliabilities of several measurement methods of cervical sagittal alignment in cases with cervical spine rotation using X-ray findings in cervical spine disorders

頸椎疾患における X 線所見を用いた頸椎矢状面アライメント測定に おける複数の測定方法と頸部回旋を伴う症例の信頼性

著 者 名

Kiyonori Yo, Eiki Tsushima, Yosuke Oishi, Masaaki Murase, Shoko Ota, Yoko Matsuda, Yusuke Yamaoki, Rie Morihisa, Takahiro Uchihira, and Tetsuya Omura

葉 清規,対馬栄輝,大石陽介,村瀬正昭,大田昇子,松田陽子,

山沖裕介,森久梨絵,内平貴大,小村哲也

掲載学術誌名 Spine Surgery and Related Research 巻,号,項 未定(DOI:10.22603/ssrr.2017-0060)

掲載年月日 2018 年 3 月掲載予定( accept:5-Oct-2017 )

参照

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