• 検索結果がありません。

学位記番号学位授与の日付学位授与の要件

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "学位記番号学位授与の日付学位授与の要件"

Copied!
7
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

氏 名 (本籍)

学位の種類 学位記番号

学位授与の日付 学位授与の要件 学位論文題名

論文審査委員

ふく  やま  たみ   お

福 山 民 夫(東:京)

獣医学博士

乙 第 85号 昭和5ユ年6月21日

学位規則第5条第2項該当

タイワンコブラ(Naja naja at鵜)毒のトキソイド化に関する実験的研

(主査)総勾鋤信粟・9 ∫「幽即∵・・

(副査) 教授 古 泉   巌  教授 山 、田、俊 雄

      論文内容の 要.旨

 地球上に棲息する蛇の種類は,およそ2,800種目されこのうち約400種が毒蛇であるが,実際に人畜に被害 を与えるのは150種あまりである。世界におけるこれらの毒蛇による咬症患者の正確な数字を把握すること は,極めて困難であるが,WHOの統計によると年間の死亡者数は30,000〜40,0QO入にのぼるものと推定 されている。この大部分(25,000〜30,0DO人)は東南アジアにおけるものであり,中でもインド,パキスタ ン,ビルマ地方に多い。コブラは東南アジア,.中近東,アラリカに亘る広い地域に分布しており,沢井等に よる東南アジア諸国における蛇咬症の調査研究においても,最:も高い致命率を示すのはコブラ咬症患者であ り,治療血清の注射を受ける以前に死亡する者の多いことが報告され,予防接種の必要性が指摘されてい る。コブラ咬症の臨床回状及州旗の毒性について簡単に述べると,受傷後の比較的早期にねむけ,言語障 害,えん下困難,流灘,意識障害,呼吸困難等の神経麻痺性の全身症状が主微としてあらわれることが特徴 で,嘔吐,腹痛などを伴うこともあり,激烈な症例では受傷後1時間以内に死亡することもある。このよう にコブラ毒は神経毒ではあるが,多くの咬症患者の受傷局所には限局性の壊死がみられ,中には機能障害を 残した症例も報告されている。コブラ毒には壊死因子も存在することが知られている。以上のごとくコブラ 咬症における症状は,.神経麻痺と局所壊死である。今までにも高力価の治療用抗毒素血清をつく.る目的で1、.

馬の免疫を行なうために種々なコブラ毒のトキソイド化の研究が行なわれてきたが,その無毒化や免疫原性 に関してに一様に満足すべき成績は得られなかった。特に無毒化剤としてホルマリンを用いた場合にはコブ ラ毒の無毒化は非常に困難であり『ホルマリンでは無毒化されない』とまで言われ,且つその免疫原性も弱 いごとなどから,ホルマリンによるトキゾ才寛化注ボ訂能ぞあると思わ三七いた二ま穂ご耗碧あ薪究におい ては,トキソイドの無毒化試験や免疫原性については,コヅラ毒の毒性のうち致死についてのみ検討され,

壊死については全く調べられていなかった。しかし壊死活性も見逃すことができない重要な因子であるの で,トキソイド化の研究で最も重視される毒の無毒化においては,致死のみならず壊死因子も充分にその1毒 性を失活ざせなければならない。またトキソイド接種匠よる免疫の効果については,コブラ毒の強い致死作 用を防御することが第一に要求される母も重要なことではあるが同時に局所の壊死も防御できることが望ま しい。しかしながらこれまで,コブラ毒による局所病変に注目した研究報告は少なく,それも筋肉内注封に よるもので咬症患者に見られるものとは全く異なったものであった。このような理由から壊死について検討        一23一

(2)

を加えるためには,まず適当な実験方法を開発する必要がある。著者はこのような観点から,咬症患者に見 られるものと同様な病変をウサギやモルモットに再現すべく研究を試みたところ,後に述べるようにその方 法を見出すことができた。

 ・そこで今回は実験動物に作られた局所壊死の性状について詳しく検討を加え,且つ人体接種が可能なタイ ワ.ンコブラ毒トキソイドを試作するため,ホルマリンによる無毒化の条件及びその致死あるいは局所の壊死 に対する抗原性について検討した結果,確実に無毒化され,しかも優れた免疫原性を有するなど、人体に応 用することが期待できるトキソイドを作ることに成功し,かっこの駅究にかかわる一連の実験から2、,3の 新知見を得たので以下これらの概要について述べる5

 1)タイワンコブラ毒による致死及び局所壊死に関する実験成績

 マウスを用いて50%致死量及び最小致死量の粗毒を筋肉内,腹腔内及び静脈内にそれぞれ三三し.・その生 死を経時的に観察した結果,静脈内あるいは腹腔内に注射した動物のうち死亡したマウスは全て毒の注射後

2時間以内であった。また筋肉内注射によるものでは大部分が2時間以内に死亡したが,4時間程度生き延 びたものも若干認められた。ここで発症はしていても,この時間を耐過したマウスはその後症状は漸次消退 して元気に生存する現象が観察された。このようにコブラ毒を注射された動物の生死は注射経路や毒量の相 違にはあまりかかわらずに,毒の注入後短時間内に決定されることが明らかになった。

 次に筋肉内注射準び皮内注射の二つの方法を用いて,温血経路による局所壊死の差異について検討を行な った。筋肉内注射を行なった場合には,外部からの観察では皮膚表面の変化は全く認めら乳なかったが,皮 内注射では皮膚表面に注射部位を中心として,円形に近い健康部とり境界が明瞭な壊死が認められた。この 病変は臨床報告例や沢井らによる調査研究で観察された咬症患者にみられる壊死と酷似していた。コブラ粗 毒300mcgをウサギの背部皮内に注射して24時間目の局所病変を病理組織学的に観察したところ,表皮は萎 縮して皮下に好中球の限局的滲出がみられた。また皮下は「般に水腫性で皮下筋層の融解壊死が認められ た。このような組織学的変化は,200mc9をモルモジトの皮内に注射してから2時間後の比較的早期の病変 においても同様であった。これらの組織にはいずれも出血は全く認められなかった。種々な毒量をウサギや モルモヅトの皮肉に注射して,その大きさを経時的に測定した成績においても,、注射後1〜2時間で形成さ れた壊死は,時間が経過してもその大きさはあまり変らない傾向がみられ,局所の壊死は毒の注入後の早い 時期に形成されることが明らかにされた。またこのような組織の障害は,タイワンコブラ毒の主要な致死活 性物質として精製されたコブ戸トキシンでは全く観察さ・れなかった。以上のようにコブラ咬症愚者にみられ る局所壊死と酷似した壊死を毒の皮内注射法により,実験動物に容易につくることがでぎ,その性状を明ら

・が酵るごと面乱ぞ。で今までδ一一麹・、キ,イ 回議融蔽}ま.鯖化試験や・トギ・イ

ドの免疫原性に関する試験はいずれも致死毒性についでのみ追究されてきたが,回報においては壊死毒性に ついても検討が加えられた。       ・

 2) タイワンコブラ毒の無毒化に関する実験成績

 ここではタイワンコブラの粗素を用い1毒濃度を1%としてホルマリンによる無毒化の条件について検討 した.灘液に。.4%にホ・レマ〃勧ロえ,pH7.6で37・cにおいて購イヒした場舘,7日目には完全に 無毒化したが,0.2%ではやや遅れユ4日自であった。またO.1%以下では無毒化されなかった。次にO.2%の ホルマリンを含む毒溶液のpH:を変えて行なった実験について述べると,溶液のpHが8,0のアルカリ側で        一24一

(3)

は5日目でその毒{生は完全に失なわれたが,・pHが7.0では14日目・でもまだ若干の毒性が残されており,21 日目で鰯化さ批・これに対してpHが5・α6・0の酸i生干で嫁ホルマ を添加した当初こやや毒性9 低下がみられたにすぎず,5週後でも無毒化されなかった。しかしながらこのような場合でも、ホルマリン 濃度を高くすれば無毒化を促進させることができた。すなわちpH 6.0の毒溶液にホルマリンを0.8%に添 加すると,5週後には無毒化されたが,0.4%の濃度ではまだかなりの毒性が残されていた。このようにタ イワンコブラ毒をホルマリンで処理する場合には,粗毒溶液のpHとホルマリンの濃度が相互に密接な役割

を灘溶液の・砺る嚇ボ熊,シの濃脚争いほど・鱗化の時間鞭妖なる・拶鵬旅舘

た。しかしいずれめ場合でも無毒化の途中で,その溶液中に多量の白色の沈降物があらわれること.が特徴的 であったが,コブコトキシンでぽこのような沈澱物が生じないことから,粗塗によって生ずる沈澱物は,致 死因子とは無関係なものと思われた。一方ではコブラ毒には致死以外に壊死を起す因子も含まれていること から,毒素の一部に変性をもたらすような無毒化の方法は,ζれらの免疫原性をできるだけ損なわないため にも避けた方がよい。そこで蛋白保護剤として各種のアミノ叛すなわちグリシン,グルタミン酸,アラニン

『アルギニン,リジン等について検討した。.1%の粗毒溶液にアミノ酸を0.05Mに加え,毒溶液のpHを6.5 としホルマリンを0.2劣ずつ4〜5日間隔で徐々に加え,37。Cにおいて無毒化したところ,リジン塩酸鹿ま たはアルギニンを含む溶液には沈降物は全く出現しなかったが,その他のアミノ酸を加えたものには.無添 加の対照と同様に多量の粗い沈澱物が形成された。

 次にリジン塩酸塩を0.05Mの濃度に含む1%粗毒溶液に最初0.2%にホルマリンを加え,以後5日間隔で 3回添加して,溶液の頭を6・5に保ちながら37。Cで無毒化したところ,壊死活性は13日目で消失し,致 死活性も20日目には完全に不活化された。従来タイワンコブラ毒のホルマリンによる無毒化は,非常に困難 であるとされていたが,無毒化の条件について種々検討した結果,比較的緩和な条件のもとでも,致死因子 のみならず壊死因子も確実に再現性よく無毒化することができた。

 3) コブラ毒ホルマリントキソイドの免疫原性に関する実験成績

 タイワンコブラ粗毒をホルマリン処理すると多量の沈降物が生ずるが,コブ戸トキシソではあらわれない ことから,致死因子の主要な免疫原は上清に存在することが示唆された。そこでこの沈澱及び上清部分を免 疫原としてもモルモットに接種し,両分画の免疫原性の比較を試みたところ,,上清を注射したモルモットが 沈澱を免疫原としたものに比較して血中抗毒素価も高く,直接毒の攻撃に対してもよりよい致死防御や延命 効果を示した。しか.しながら沈澱物で免疫したモルット群も無処理対照群に比較して救命効果や延命効果が 認められ,若キの菟疫原ぬ沈巌義歯にも移行していることが示された。・ ・避・∵

 次にアミノ酸を添加して沈澱の形成を防いだ粗毒及び精製毒トキソイドの免疫原性について検討した。精 製は硫安分画法で行なった結果精製毒の比活性は4.6倍に上昇した。そこで1%の粗毒及び0.5%の精製毒 落勢をつくり,それぞれの毒液にO.05Mにリジン塩酸塩を加え,「さらにホルマリンを0.2%ずつ4〜6日間 隔で5回添加し,pHを6.5に保ちながら無毒化して沈澱のない透明なトキソイドを得た。そこでユ回の接種 量を2㎎と定め,3週間隔で4回転サギの皮下に注射した。両トキソイドの免疫群の血中抗致死価の平均値

を血清 0.4mZが中和した毒量であらわすと粗毒トキソイドは23.3mcg(3.3MLD)であったが,精製毒トキ  ソイド免疫群では42.5mcg(6.1MLD)で前者に比して約1・8倍高い抗体髄を示した。次に粗毒及び精製毒  トキソイド群の中から比較的高い血中抗毒素価を示したウ サギを,それぞれ2匹ずつ選び,抗壊死価の測定       一25一

(4)

を行なったが,いずれのウサギからも壊死中和抗体は検出されなかった。次にこれらのウサギに1.8㎎から 最高14mgの粗毒を筋肉に注射し池内防御効果を観察したが,全てのウサギは生残った。これに対してユ.3㎎

の毒を注射した対照のウサギは全部死亡した。このように優れた致死防御能を示したウサギも,毒の直接皮 内への攻繋に対しては壊死の発生を防ぐことはできなかった。

 これまで述べた免疫原性に関する実験においてはいずれも初回接種時にフロイントφアジュバソドを用い たが,ここでは沈降トキソイドの免疫原性について述べる。ユ%粗画溶液にリジン塩酸塩を加え,前に述べ たと同様な条件で無毒化したトキソイド溶液に,塩化アルミニウム及びリソ酸ナトリウムを加えてユ雄Z中に

一㌍・儀㌘離弊97哲言、艶細砂降トキソイドを黙した・1回の接鶴を2m・・Q・5皿9と定1

,あ,1群7羽のウサギに3週聞隔で4回皮下注射して,血中の抗毒素価を調べた。その抗体価は,血清が1 mg原:毒を中和する致死活性であらわすと,その平均値はそれぞれ10,8,ユ0.4,5.2LD5。の掛算を中和した。、

またこれらのウサギに直接2曙〜16田gの粗画を筋肉内に攻撃して,致死防御ならびに延命効果などを観察す ると同時に,血中抗体価とこれらとの関連について検討したところ,血清ユ㎎が5LD5。の毒力を中和すれ ばそのウサギは2〜4㎎の攻撃に耐え,また血清がユQLD5・を中和した場合には,4MLDに相当する8㎎

の毒の攻撃にも耐えることが明らかにされ,優れた致死防御と延命効果が観察された。

 以上のようにロブラ咬症による死亡や局所の壊死を最小限に留めるための予防を目的と して,タイワンコ ブラ毒トキゾイドを開発すべく実験を行なった結果,本研究によりはじめて人体接種が可能なトキソイドを 得ることができた。・

 またこの研究を進める過程で明らかにされた主な新知見を説明すれば次のように要約することができる。

 ωタイワンコブラ毒のホルマリンによる無毒化では,毒素溶液のpHやホルマリンの濃度が,重要な役 割を演じていることを明らかにすることがでぎた。

 (2)粗毒をホルマリンで無毒化する場合には,その毒性が完全に失われるまでにその溶液中に多量の沈降 物を生ずるのが常であったが,タイワ ソコブラ毒の致死因子であるコプロトキシン溶液には現れないこと,

またこのような沈降物はリジンあるいはアルギニンを添加することにより,,防止することができることを明 らかにした。

 (3)粗i毒溶液中にリジン塩酸塩を加え,37。CでlpHを6・5に保ちつつ,ホルマリンを0・・2進ずつ4〜6日 間隔で添加し,徐々に増量するなど比較的緩和な条件の下でトキソイド化を行なっても,致死,壌死の両因 子とも確実に無毒偵できることを実証し,その免疫原性も高いことから,タイワンコブラ毒ホルモールトキ

ソイドを得るたやの,..トキソイド化の一つの:方法を提示することができた。

 ⑳直攣毒の攻撃に対1じて1致死防御に必要な免疫動物の血中抗毒素簡を知ることができた。

 ⑤ タイワンコブラ毒の致死作用の特徴を明らかにした。

 ⑥ コブラ咬症愚者にみられる壊死と酷似した壊死をウサギやモルモジ.ト等の実験動物に容易に作る方法 を見出し,今までほとんど知られていなかった局所壊死の特徴を明らかにすることができた。

 特に局所壊死に関する実験方法を開発したことにより,この面での研究が大いに進展することが期待され る。一方では優れた免疫原性を保持するトキソイドが作られたことにより,高単位の治療用抗血溝を得るた あの馬の免疫が容易に行なわれるばかりでなく,将来トキソイドの人体接種が有望である。これらのことから

本研究はタイワンコブラのみならず他のコブラ咬症の治療や予防の前進に大きく貢献するものと信じる。

      一26一

(5)

       論文審査の結果の要旨

 本論文の骨子は次の通りである。

  1 タイワンコブラ毒の毒性(致死および局所壊死の作用)の検査法。

  豆 タイワンコブラ毒の無毒化(トキソイド化)に関する試験。       .   瓜 タイワンコブラ毒のホルマリン加トキソイドの免疫原性に関する試験。

 以下,本研究の内容,成果につき概説し,講評する。

タイワン ブラ甑が嘱幡蛇としての輔モであP・ラ嘩飛脚鏑警報玉響.興,を

て,㌔1とめ蛇の常在地方においては例年可成り多数の蛇咬症患老の発生ぷ別ちれる。このような特殊な蛇毒に よる人体の畿害は,この毒 (Veno搬)の特異的な神経麻痺作用に原因するものと認められ,往々にしで短・

時間内の致命的転帰が生ずるものであり,また一方,咬傷部皮膚における壊死巣ならびに機能障害が特徴的 病変であると見受けられる。著者は,今回の試験の目的として,このような危険な蛇咬症の予防を意図する 見地から,まずタイワンコブラ毒の本性に関する実験すなわち毒素作用の再現性を観察し,とくに毒の:量的 関係,毒素作用の時間的関係などを精査した。ついで,この毒のトキソイド化の方法を著者独自の立場で開 発した。その成績は次の通りである。

1 タイワンコブラ毒による致死ならびに局所壊死に関する実験

 (a)この蛇毒の毒作用を観察する方法として,実験動物にマウスを使用して,無毒(Crude toxin)を筋 肉内、腹腔内および静脈内にそれぞれ注射し,その経過を観察したところ(但し,毒量は5Q%致死量あるい は最小致死量)静脈内あるいは腹腔内注射の場合には全マウスが注射後2時間以内に死亡した。一:方,筋肉 内注射を受けたものはその大半が2時間以内に死亡したが,4時間程度生き延びた例も若干見受けられた。

また,一旦発症したが,このよ 、な時間を耐過するマウスは,その後に症状が漸次消退して元気に生存する 事実力観察された。このようにコブラ毒の特徴としては,注射された動物の生死は注射経路や毒量の相逮に はほとんど関係なく,毒の津入後短時間内に決定されることが明らかとな つた。

 ⑥ 次に,改めて筋肉内注射および皮内注射という2つの方医を用いて,注射経路による『局所壊死』の 差異について検討した。その結果.として,毒の筋肉内注射では,外部からの所見としては皮膚表面の変化は 全く認められなかったが,皮内注射では皮膚表面に注射部位を中心として,、円形に近い健康部との境界が明 瞭な壊死(旦eCr。sis)が認められた。この変状は,臨床報告例や沢井らによる調査研究で観察された蛇咬症 患者に見られる壊死ξ酷似していた。

 .さらに,ウサギを使用し下,その背部皮内に=ブラ粗毒筆OOmc9を注射し覧鋭時閻目ρ局所癖変な癩理 組織学的に観察したところ,表皮は萎縮して,皮下に好中球の限局的滲出が見られた。また皮下は一般に水 回性で,・皮下筋層の融解壊死が生じていた。

 このような組織学的変化は,粗挺200n:1cgをモルモットの皮内に注射してから2時間後の比較的早期の病

警おいでも同様であ・た・・紡の繍セ・はげれも舳は全く齢られ加・た・

無極傭量をウサギやモルモ。トの皮障注射して,その朗変化の大きさを経時的に測定し鳩、

合にも,注射後1〜2時時間で形成された壊死は,時間が経過してもその大きさはあまり変らず,局所の壊 死は毒の注入後の早い時期に形成されるこ≧が明らかにされた。しかし,このような組織の障害は,タイワ

ンロブラ毒の主要な致死活性物質として精製されたコヅロトキシン(Cobrotoxin)では全く見受げられなか       一27一

(6)

つた。

 以上のようにコブラ咬聖画渚に見らるれ局所壊死.(locahecrosΣs)と酷似する壊死を案験的に毒の皮内 注射法により容易に実験動物に作ることができ,その性状を明らかにすることができた。すなわち,従来の

コブラ毒のトキソイド化の研究においては,その無毒化試験やトキソイドの免疫原性に関する試験は,いず れも致死毒性(1ethaRoxicity)についてのみ追究されてきたのに過ぎないので,著者はとくに壊死毒性

(necrotic toxicity)についても検討を行なったのである。

∬ タイワンコブラ毒の無毒化に関する実験成績

.(a)鉱毒を供試してr,そp濃度を1%ζしてホルマ リγによる無毒化」(トキソイド化)の条件について検 討した成績である。すなわち,毒溶液に0.4%にホルマリンを加え,pH=7.3で37。Cにおいて無毒化を試 みた揚合には,7日目には完全に無毒化するが,0.2%ホルマリンでは14日目に無毒化し,0,1%以下のホル マリン濃度では無毒化されなかった。

 次に、0.2男のホルマリγを含む毒溶液のpHを色々に変えて試験するとpH=8.0では5日目にその毒性が 完全に失なおれたが,pH:雷7,0では14日霞にも依然として若干の毒性が残っており,21日目に完全に無毒化

した。これに原して,毒溶液のpH=5.0ある、いは6.0のような酸性側では,ホルマリン添加の初期にやや毒 性の低下がみられたのにすぎず,5遍後に至るも無毒化していなかった。しかし,このような場合でもホル マリン濃度を高めれば,無毒化を促進させることができた。

 このように,タイワンコブラ毒をホルマリン処理する場合にはr粗毒溶液のpH』と『ホルマリンの濃度』

が相互に密接な役割を演じ,溶液のpHあるいはホルマリンの濃度が高いほど,無毒化の時間が短縮するこ とが明らかとなった。しかし,いずれの場合でも無毒化の途中で,その溶液中に多量の白色の沈降物が現わ れることが特徴的であったが,コプロトキシンではこのような沈澱が生じないことから,粗毒によって生ず る沈澱は致死因子とは無関係なものと思われる。

 (b)一:方では,コブラ毒には致死以外に壊死を起す因子も含まれていることから,毒素の一部に変性をも たらす零うな無毒化の方法は・これらの免疫原性(imm瓢ogenicity)をなるべく損わないためにも避けた 方が良い。そこで蛋白保護剤として各種のアミノ酸,すなわちグリシン,グルタミン酸,アラニン,アルギ

ニン,リジンなどについてこれらの効果を検討した。すなわち1%の粗毒溶液にアミノ酸を0.5Mに加え,

毒溶液の歯を9.5とし,ホリマリγを0.2%ずつ4〜5日間隔で徐々に加え,37。Cにおいて無毒化したとこ ろ,,リジン塩酸塊またはアルギニンを含む溶液には沈降物は全く出現しなかったが,その他のアミノ酸を加 えたものには,、』無添加の対照と同様に多量の強記な沈澱が形成された。

(・)次に・警塩醜を螂M嚥聯倉む・%面訴灘最雛謄ホ・幼・を餓 以後・日商』

隔で3回添加して,溶液のpHを6.5に保ちながら37。Cで無毒化したところ,.壊死活性は13呂目に消夫し,

致死活性も20日目には完全に消壷した。従来,タイワンコブラ毒のボルマリソによる無毒化は極めて困難と されていたが,無毒化の条件について種々検討した結果,著者は比較的緩和な条件のもとで,『致死因子』

のみならず『壊死因子』も確実に再現性よく無毒化することができた。

皿・ブラ毒ホルマリン加陸ソイドの免疫原性に関する実験瀬

 (a)タイワンコブラ粗塗をホルマリン処理すると多量の沈降物を生ずるが,コブ軍トキシンではこれが出 現しないことから,『致死因子』の主要な免疫原は上清に存在することが示唆された。そこでこの沈澱およ        一28−r

︑鱗 灘・

  

@ 

@ 

@ 

蜊u

(7)

灘灘搬︻甥べ犠q緯灘懲齢妻難盤灘熱描懸婆垂隷気無乱造︑ガ蟻封卍

び上清部分を免疫原としてモルモットに接種し,両分画の免疫原性の比較を試みたところ,上清を津射した モルラット.の方が沈澱を免疫原としたのに比して血中抗毒素価も高く,.直接に毒の攻撃に対しても,より良

い致死防御や延命効果を示した。しかし沈澱物で免疫したモルモッ.ト群も無処理対照群に比較して救命効果『

が認められ,若干の免疫原は沈澱分画にも移行していることが示された。

 (b)次にアミノ酸を添加して沈澱の形成を防いだ粗毒および精製毒の各トキソイドの免疫原性について検 討した。その結果として,精製法としては硫安分画法によったが,精製毒の比活性は4.6倍に上昇した。そ こで1%の三三および0.5%の精製毒溶液を作り,それぞれの毒液に0.05Mにリジン塩酸塩を加え,さらに

ホノ剛脚r箔ず?1ツ6日間髄回漁し pHを6・5に保ちなが撫毒㌣飾澱のなし騨勧

ギシイドを得た。

 この両トキソイドの1回の接種量を2㎎と定め,3週間隔で4回目サギの皮下に注射した。両トキソ イド の免疫群の血中抗致死価の平均値ぽ血清0.4mJが中和する毒量であらわすと,二二トキソイドの方は23.3mcg

(3..R嫉LD)であったが,精製毒トキ・ソイド免疫群では42.5mcg(6.1MLD)であり,前者に比して約ユ.8 倍高い抗体価を示した。

 (c)次に,これら粗毒および精製毒の各トキソイド免疫群の中から比較的高い血中抗毒素価を示したウサ ギをそれぞれ2匹ずつ選び,r抗壊死価』の測定を行なったが,何れのウサギにも壊死中和抗体は検出され なかった。しかしこれらのウサギにL8mgから最高1如gの粗毒を筋肉内に注射し,致死防御効果を観察した が,全てのウサギが生残った。これに反して,1.3㎎の毒を注射した対照のウサギは全部死亡した。結局、

以上のように優れた致死防御能を示したウサギも毒の直接皮内への攻撃に対しては壌死の発生を防ぐことは できなかった。

 (d)既述の免疫原性に関する実験においては,いずれも初回接種時にフ召イシト・アジニパソドを用いた が,改めて『沈降トキソイド』の免疫原性について試験結果を述べる。すなわちユ%粗面溶液にリジン塩酸 塩を加え,前述と同様な条件で無毒化したトキソイド溶液に,.塩化アルミニウムおよびリソ酸ナトリウムを 加えて,1臨月に2㎎のコブラ毒と1㎎のアルミニウムを含む『沈降トキソイド』を作製した。このトキソ イドの1回目接種量を2略ユmg, O、5㎎と定あ,1群7匹のウサギに3週間隔で4回皮下注射して,回申の 抗毒素価を調べた。その抗毒素価を表現するのには,血清1mJが原毒を中和する致死活性を以ってすると,,

その平均値はrそれぞれ10.8,10.4および5.2LD5。の毒力を中和した。また,これらのウサギに直接に2㎎〜

16曙の粗毒を筋肉内に攻撃して,致死防御および延命効果などを観察すると同時に,血中抗体とこれらとの

「関連性を検討したところ,血清ユ皿1が5LD巨。の毒力を中和すればそのウサギは2〜4㎎の毒攻撃に耐え,

・ま,た血清が:10LD』;二を中和ずる場合鞘懸4MLDに相当する8㎎の毯の攻撃にも耐えるごとが明らかとな∴・一 り,優れた致拓防御力と延命効果が観察された。

 以上,コブラ咬症による人体の死亡や局所壊死を最少限に留めるための予防方策を目的として,タイワシ コブラ毒トキソイドを開発すべく実験を行なった結果本研究により:初あてこの種のトキソイドの人体への応 用の可能性が期待できることになった。

 著者のこのような研究は,極めて独創的であり,蛇毒のトキソイド化の方法に新たな道を拓いた点に,学 術上の意義も充分に認められ,獣医学樽士の学位を受けるのに値するものと認める。

一29一

参照

関連したドキュメント

By performing spectral analyses for spectral energy distribution of 9 short GRB afterglows, we also investigated a ratio of the equivalent hydrogen column density to the

氏名 学位の種類 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学位授与の題目

In this paper, to investigate the unique mechanical properties of ultrafine-grained (UFG) metals, elementally processes of dislocation-defect interactions at atomic-scale

学位の種類 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学位授与の題目

氏名 学位の種類 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学位授与の題目

Upon exposure to a catalytic amount of Rh I , homopropargylallene-alkynes 5 effected a novel cycloisomerization accompanied by the migration of alkyne moiety of

18 で示すように,進行が遅く黄変度の増加やグロス値の低下も緩 やかで衝撃試験では延性破壊を示す ductile fracture

Using a suitable discrete L 2 inner product and fractional powers of a discrete approximation of the Laplace operator, we give a new mathematical formulation of the discrete