• 検索結果がありません。

再生医療と歯科治療

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "再生医療と歯科治療"

Copied!
1
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

関節ライフ https://kansetsu-life.com/saisei/6_01.html より引用 図 1

図1 関節ライフ https://kansetsu-life.com/saisei/6_01.html より引用

図2 歯科口腔先端医療センター

   http://www.ncgg.go.jp/dental/saiseishika/ より引用  iPS細胞に代表されるような医療分野における

細胞培養に関するニュースを目にしない日々がな いほど細胞培養による疾病の治療が身近なものに なりつつある時代です。細胞培養あるいは組織培 養を治療に応用する技術やその分野を近年では再 生医療とよぶことが多くなりました。ではここで 再生医療に利用される細胞についておさらいをし てみます(図1)。いろいろな細胞や組織に分化 できる細胞「幹細胞」,我々の体内にもわずかに は存在しており,これを「体性幹細胞」といい,

実用化の主流となっています。また従来より研究 がなされてきたのが,受精卵由来の「ES細胞」

であり,もう一つが「iPS細胞」です。

 iPS細胞を用いた治療は解決されるべき問題が 残っているため未だ臨床研究レベルにあるのが現 状で,今のところ実用化されているのが,体性幹 細胞を用いた再生医療です。現在,健康保険適応 が認められたものは,自家培養表皮「ジェイス」,

自家培養軟骨「ジャック」(いずれもジャパン・

ティッシュ・エンジニアリング社製),骨髄移植 時の合併症治療に使う「テムセルHS注」(JCR ファーマ社製),自家心筋シート「ハートシート」

(テルモ社製)が挙げられます。一方で海外では,

皮膚,靭帯,角膜,心膜,骨,軟骨,神経,血管,

肝細胞などと70種類にせまるほどの再生医療製 品が認可使用されています。また日本でも保険適 応外であるがんの培養免疫細胞療法や培養血小板

からのPRP(多血小板血漿)療法はスポーツ選

手の治療で有名となりましたが,歯科領域でもす でに用いられています。

 さて,狭義の再生医療という観点からは歯科で はやはり歯の再生と考えてしまいますが,マウス 歯胚からは2009年に東京理科大学チームが培養 と再植に成功し,2017年には岡山大学でイヌの 再生歯胚の作製と顎骨に移植による構造的・機能 的に完全な再生歯を作ることに成功したという ニュースは画期的なものでありますが,この技術

のヒトへの応用にはもう少し時間がかかるものと 思われます。国立長寿医療研究センター内の歯科 口腔先端医療センターでは歯髄再生療法の臨床試 験が行われています(図2)。

 新年号にかわる本年,歯科治療も大きく変わる 時代がきています。

図 2

歯科口腔先端医療センター http://www.ncgg.go.jp/dental/saiseishika/ より引用

親知らずなどの

いらない歯 歯髄幹細胞採取 細胞培養

虫歯

抜髄 細胞移植 象牙質・歯髄再生

感染根幹治療

( 18 )

2019

18

再生医療と歯科治療

奥羽大学歯学部生体構造学講座口腔組織学分野 中川 敏浩  ト ピ ッ ク ス

参照

関連したドキュメント

 スルファミン剤や種々の抗生物質の治療界へ の出現は化学療法の分野に著しい発達を促して

本研究は、tightjunctionの存在によって物質の透過が主として経細胞ルー

しかしながら生細胞内ではDNAがたえず慢然と合成

、術後生命予後が良好であり(平均42.0±31.7ケ月),多

RNAi 導入の 2

長期入院されている方など、病院という枠組みにいること自体が適切な治療とはいえないと思う。福祉サービスが整備されていれば

   遠くに住んでいる、家に入られることに抵抗感があるなどの 療養中の子どもへの直接支援の難しさを、 IT という手段を使えば

3  治療を継続することの正当性 されないことが重要な出発点である︒