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第 1 章 犯 罪 被 害 の 実 情 と 暗 数 1. 犯 罪 被 害 の 経 験 自 分 や 同 居 の 家 族 の 中 で この 1 年 間 ( 平 成 15 年 10 月 1 日 から 平 成 16 年 9 月 30 日 まで)に 犯 罪 の 被 害 にあったことがあるかを 尋 ねたところ

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第Ⅲ部 結果の分析

第Ⅲ部は、第1章から第9章までの9つの章によって構成されている。各章は署名 入りの論述であり、第Ⅱ部での設問項目と重複するものの、それとは異なる独自の分 析となっている。

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第 1 章 犯罪被害の実情と暗数

1.犯罪被害の経験 自分や同居の家族の中で、この1 年間(平成 15 年 10 月 1 日から平成 16 年 9 月 30 日 まで)に、犯罪の被害にあったことがあるかを尋ねたところ、何らかの犯罪の被害を受け たことがある世帯は540 世帯(30.3%)であり、被害を受けたことがないのは 1,242 世帯 (69.7%)であった。 表Ⅲ-1-1は、過去 1 年間における都市規模別の犯罪被害の有無をみたものである。 都市規模別にみると、大都市で被害を受けたことがある世帯の割合が高くなっている。大 都市のうち政令指定都市での被害率が最も高く、東京都区部では、被害を受けたことがあ る世帯の割合が最も低い。 表Ⅲ―1-1 都市規模別の被害の有無 区 分 総 数 あ り な し 大都市(計) 東京都区部 政令指定都市 人口10 万以上の市 人口10 万未満の市 町 村 401 108 293 690 334 357 134(33.4) 30(27.8) 104(35.5) 209(30.3) 95(28.4) 102(28.6) 267(66.6) 78(72.2) 189(64.5) 481(69.7) 239(71.6) 255(71.4) 総 数 1782 540(30.3) 1242(69.7) 表Ⅲ-1-2は、警察管区別の犯罪被害の有無をみたものである。被害を受けたことの ある世帯の割合は、中部管区が35.5%と最も高く、以下、近畿管区 32.9%、中国管区 32.6%、 九州管区30.7%の順となっている。これに対して、被害を受けたことのある世帯の割合が 最も低いのは北海道(23.8%)、次いで四国管区(26.4%)、警視庁(28.2%)、東北管区 (28.7%)の順となっている。関東管区以北に被害世帯の割合が低く、四国管区を除けば、 中部管区以西にその割合が高いという傾向がみられる。

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表Ⅲ―1-2 警察管区別の被害の有無 警察管区 総 数 あ り な し 北海道 東北管区 警視庁 関東管区 中部管区 近畿管区 中国管区 四国管区 九州管区 84 157 156 513 214 286 95 72 205 20(23.8) 45(28.7) 44(28.2) 148(28.8) 76(35.5) 94(32.9) 31(32.6) 19(26.4) 63(30.7) 64(76.2) 112(71.3) 112(71.8) 365(71.2) 138(64.5) 192(67.1) 64(67.4) 53(73.6) 142(69.3) 総 数 1782 540(30.3) 1242(69.7) 次に、どのような犯罪の被害を受けたことがあるか聞いたところ、図Ⅲ-1-1に示す ように、「自転車盗」の被害を挙げた者の割合が 13.2%と最も高く、次いで「自宅や自動 車などに落書きされたり、壊されたりした」(4.5%)、「自宅や敷地に無断で侵入された」 (3.9%)、「自宅にどろぼう(空き巣など)に入られた」(3.5%)、「悪質商法などの詐欺犯 罪」(3.4%)、「自動車内の金品を盗まれた」(2.9%)などの順となっている。「その他(交 通事故を除く)」の被害で最も多かったのは、「振り込め詐欺、架空請求などの詐欺犯罪(未 遂を含む)」で0.6%(11 世帯)であった。 表Ⅲ-1-3は、都市規模別の被害の回数を示したものである。全体的に見ると、この 1 年間に何らかの犯罪被害にあった世帯は、被害1件が 369 世帯(20.7%)、2件が 108 世帯(6.1%)、3 件以上が 63 世帯(3.5%)である。都市規模別にみると、複数回被害に あった世帯の割合は、人口10 万以上の市(10.7%)で高く、東京都区部(8.3%)と人口 10 万未満の市(8.4%)で低い。 図Ⅲ-1-2は、犯罪被害の経験について、2002 年 1 月に(財)社会安全研究財団が 実施した調査(以下、「前回の調査」という)と今回の調査(2004 年 10 月実施)の結果 を比較したものである。前回と今回の調査とでは犯罪の種別が異なるため、同じ罪種の被 害経験のみを比較した。ただし、前回の調査では「痴漢・ストーカーなどの性的な犯罪」 の被害経験について尋ねているため、今回調査の「痴漢にあった」と「他人につきまとわ れたり、覗かれたりした」を合わせて「痴漢・ストーカーなどの性的な犯罪」とした。ま た、前回の調査では、「すり・ひったくり」の被害経験を尋ねているため、今回調査の「す り」と「ひったくり」を合わせて「すり・ひったくり」とした。 1 年間に 1 回以上犯罪被害にあったことのある割合(被害率)は、全体的に、前回の調 査時に比べて約10%増加している。罪種別にみると、「自動車内の金品を盗まれた」被害

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を除く全ての罪種において、前回の調査と比較して被害率が高くなっている。前回の調査 と比較して、過去1 年間に、自転車盗の被害にあった世帯は、11 世帯に1世帯から8世帯 に1世帯に増加、自宅にどろぼうに入られた世帯は、38 世帯に1世帯から 29 世帯に 1 世 帯に増加、悪質商法などの詐欺犯罪にあった世帯は、143 世帯に 1 世帯から 29 世帯に 1 世帯に増加していることになる。また、痴漢・ストーカーなどの性的な犯罪、暴行・傷害 などの暴力的な犯罪、すり・ひったくりといった個人被害犯罪についても、被害率の増加 がみられる。 図Ⅲ-1-1 犯罪被害の経験(複数回答) 30.3 2.8 0.1 0.8 0.9 1.1 1.2 1.4 1.5 1.9 2.4 2.9 3.4 3.5 3.9 4.5 13.2

0

5

10

15

20

25

30

35

被害あり(計) その他(交通事故を除く) 凶悪犯罪(殺人、放火、強盗など) ひったくり すり 暴行や傷害などの暴力的な犯罪 インターネットを利用した犯罪 子どもが不審者に声をかけられた 他人につきまとわれたり、覗かれた 痴漢にあった 自動車やオートバイが盗まれた 自動車内の金品を盗まれた 悪質商法などの詐欺犯罪 自宅にどろぼうに入られた 自宅や敷地に無断で侵入された 自宅や自動車などに落書きされたり、壊された 自転車が盗まれた %

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表Ⅲ―1-3 都市規模別の被害の回数 区 分 総 数 1 件 2 件 3件以上 被害なし 大都市(計) 東京都区部 政令指定都市 人口10 万以上の市 人口10 万未満の市 町 村 401 108 293 690 334 357 98(24.4) 21(19.4) 77(26.3) 135(19.6) 67(20.1) 69(19.3) 25( 6.2) 7( 6.5) 18( 6.1) 48( 7.0) 15( 4.5) 20( 5.6) 11( 2.7) 2( 1.9) 9( 3.1) 26( 3.8) 13( 3.9) 13( 3.6) 267(66.6) 78(72.2) 189(64.5) 481(69.7) 239(71.5) 255(71.4) 総 数 1782 369(20.7) 108( 6.1) 63( 3.5) 1242(69.7) 図Ⅲ-1-2 被害経験についての前回調査(2002 年 1 月調査)との比較 30.3 13.9 1.7 1.1 3.4 2.4 2.9 3.4 3.5 13.2 20.1 6.2 1.3 0.3 1 2.3 3.6 0.7 2.6 8.7 0 10 20 30 40 被害あり(計) その他の犯罪被害 すり・ひったくり 暴行や傷害などの暴力的な犯罪 痴漢・ストーカーなどの性的な犯罪 自動車やオートバイが盗まれた 自動車内の金品を盗まれた 悪質商法などの詐欺犯罪 自宅にどろぼうに入られた 自転車が盗まれた 前回の調査 今回の調査 %

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以下では、被害率の比較的高い罪種について、都市規模別等の主要な結果についてみて いく。 表Ⅲ-1-4は、過去1 年間における自転車盗の被害の有無を、都市規模別にみたもの である。本調査では、自転車を保有していない世帯も含まれているため、自転車を保有し ている世帯の被害率はさらに高くなる。自転車盗の被害にあった世帯を都市規模別にみる と、最も被害の少ないのは東京都区部(8.3%)である。最も被害の多かったのは、政令指 定都市(16.7%)で、次いで多いのが人口 10 万以上の市(14.9%)である。東京都区部 を除けば、規模の大きい都市ほど被害を受けた世帯の割合が高い。 表Ⅲ-1-4 都市規模別にみた自転車盗の被害 区 分 総 数 あ り な し 大都市(計) 東京都区部 政令指定都市 人口10 万以上の市 人口10 万未満の市 町 村 401 108 293 690 334 357 58(14.5) 9( 8.3) 49(16.7) 103(14.9) 38(11.4) 37(10.4) 343(85.5) 99(91.7) 244(83.3) 587(85.1) 296(88.6) 320(89.6) 総 数 1782 236(13.2) 1546(86.8) 表Ⅲ-1-5は、警察管区別の自転車盗の被害の有無と、平成 14 年における自転車 1 台あたりの保有人口をみたものである。まず、管区別に被害状況をみると、最も被害が多 いのは中国管区で18.9%の世帯が被害にあっており、以下、近畿管区の 15.7%、中部管区 の15.0%の順となっている。これに対して最も被害世帯が少ないのは警視庁で、10.9%で ある。東京都の自転車保有台数は1.6 人に 1 台で、全国で最も人口当たりの保有台数が多 い。表Ⅲ-1-4の結果と併せてみると、東京都、特に東京都区部における自転車盗の被 害率は全国で最も少ないといえよう。

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表Ⅲ―1-5 警察管区別にみた自転車盗の被害と自転車の保有台数 警察管区 総 数 あ り な し 自転車保有台数 (人口/台数) 北海道 東北管区 警視庁 関東管区 中部管区 近畿管区 中国管区 四国管区 九州管区 84 157 156 513 214 286 95 72 205 10(11.9) 18(11.5) 17(10.9) 63(12.3) 32(15.0) 45(15.7) 18(18.9) 9(12.5) 24(11.7) 74(88.1) 139(88.5) 139(89.1) 450(87.7) 182(85.0) 241(84.3) 77(81.1) 63(87.5) 181(88.3) 2.40 2.35 1.60 2.18 2.23 1.78 2.18 2.00 3.48 総 数 1782 236(13.2) 1546(86.8) 自転車の保有台数(人口/台数)は、自転車産業振興協会「自転車統計要覧」 の平成14 年都道府県別自転車保有台数に基づいて作成した。 表Ⅲ-1-6は、過去1 年間に自宅や自動車などに落書きされたり、壊されたりした被 害の有無を都市規模別にみたものである。都市規模別にみると、被害にあったことのある 世帯が最も多いのは、人口10万未満の市の 5.7%であり、逆に最も少ないのは東京都区 部の3.7%であった。 表Ⅲ-1-6 都市規模別にみた自宅や自動車などに落書きされたり、 壊されたりした被害 区 分 総 数 あ り な し 大都市(計) 東京都区部 政令指定都市 人口10 万以上の市 人口10 万未満の市 町 村 401 108 293 690 334 357 17( 4.2) 4( 3.7) 13( 4.4) 31( 4.5) 19( 5.7) 14( 3.9) 384(95.8) 104(96.3) 280(95.6) 659(95.5) 315(94.3) 343(96.1) 総 数 1782 81( 4.5) 1701(95.5) 表Ⅲ-1-7は、過去1年間に自宅や敷地内に無断で侵入された(以下、「不法侵入」と いう)被害の有無を、都市規模別にみたものである。不法侵入の被害にあった世帯が最も 多かったのは、東京都区部の6.5%であり、次いで人口 10 万未満の市 5.4%、町村 4.2%

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の順に多い。逆に、最も被害世帯が少ないのは、政令指定都市の 2.0%であり、東京都区 部を除けば規模の大きい都市ほど被害世帯の割合が少ない傾向がみられる。 表Ⅲ-1-7 都市規模別にみた不法侵入の被害 区 分 総 数 あ り な し 大都市(計) 東京都区部 政令指定都市 人口10 万以上の市 人口10 万未満の市 町 村 401 108 293 690 334 357 13( 3.2) 7( 6.5) 6( 2.0) 24( 3.5) 18( 5.4) 15( 4.2) 388(96.8) 101(93.5) 287(98.0) 666(96.5) 316(94.6) 342(95.8) 総 数 1782 70( 3.9) 1712(96.1) 表Ⅲ-1-8は、過去1年間に自宅にどろぼう(空き巣など)に入られた(以下、「住宅対 象の侵入窃盗」という)被害の有無を、都市規模別にみたものである。被害にあった世帯 は政令指定都市(4.4%)、町村(4.2%)に多い。逆に、東京都区部での被害率(2.8%) が最も少ない。 表Ⅲ-1-8 都市規模別にみた住宅対象の侵入窃盗の被害 区 分 総 数 あ り な し 大都市(計) 東京都区部 政令指定都市 人口10 万以上の市 人口10 万未満の市 町 村 401 108 293 690 334 357 16( 4.0 ) 3( 2.8) 13( 4.4) 21( 3.0) 10( 3.0) 15( 4.2) 385(96.0) 105(97.2) 280(95.6) 669(97.0) 324(97.0) 342(95.8) 総 数 1782 62( 3.5) 1720(96.5) 表Ⅲ-1-9は、過去1年間に悪質商法などの詐欺犯罪の被害の有無を、都市規模別に みたものである。被害を受けたことがあると回答した世帯の割合は、町村(4.5%)で最も 高く、次いで人口10 万以上の市(4.1%)で高くなっている。これに対して、大都市での 被害率(2.0%)が最も低く、特に、東京都区部での被害率(0.9%)が極めて低い。

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表Ⅲ-1-9 都市規模別にみた悪質商法などの詐欺犯罪の被害 区 分 総 数 あ り な し 大都市(計) 東京都区部 政令指定都市 人口10 万以上の市 人口10 万未満の市 町 村 401 108 293 690 334 357 8( 2.0 ) 1( 0.9) 7( 2.4) 28( 4.1) 8( 2.4) 16( 4.5) 393(98.0) 107(99.1) 286(97.6) 662(95.9) 326(97.6) 341(95.5) 総 数 1782 60( 3.7) 1722(96.6) 表Ⅲ-1-10 は、過去1年間に自動車内の金品を盗まれた(以下、「車上狙い」という) 被害の有無を、都市規模別にみたものである。被害を受けたことがあると回答した世帯の 割合は、人口10 万以上の市(3.6%)と町村(3.4%)で多く、大都市(1.5%)での被害 の割合が最も少ない。 表Ⅲ-1-10 都市規模別にみた車上狙いの被害 区 分 総 数 あ り な し 大都市(計) 東京都区部 政令指定都市 人口10 万以上の市 人口10 万未満の市 町 村 401 108 293 690 334 357 6( 1.5 ) 0( 0.0) 6( 2.0) 25( 3.6) 8( 2.4) 12( 3.4) 395(98.5) 108(100.0) 287(98.0) 665(96.4) 326(97.6) 345(96.6) 総 数 1782 51( 2.9) 1731(97.1) 表Ⅲ-1-11 は、過去1年間に自動車やオートバイが盗まれた(以下、「自動車・オー トバイ盗」という)被害の有無を、都市規模別にみたものである。被害を受けたことがあ ると回答した世帯の割合は、人口10 万以上の市(3.5%)で高く、人口 10 万未満の市(1.2%) と大都市(1.7%)で低い。

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表Ⅲ-1-11 都市規模別にみた自動車・オートバイ盗の被害 区 分 総 数 あ り な し 大都市(計) 東京都区部 政令指定都市 人口10 万以上の市 人口10 万未満の市 町 村 401 108 293 690 334 357 7( 1.7 ) 2( 1.9) 5( 1.7) 24( 3.5) 4( 1.2) 7( 2.0) 394(98.3) 106(98.1) 288(98.3) 666(96.5) 330(98.8) 350(98.0) 総 数 1782 42( 2.4) 1740(97.6) 2.犯罪被害の警察への届出 図Ⅲ-1-3は、過去1 年間に何らかの犯罪の被害にあった世帯について、警察に事件 を届け出た届出率を罪種別に示したものである。総数は、事件数を表している。過去1 年 間に、複数回被害にあった世帯があるため、事件数は被害世帯の総数よりも多くなる。 犯罪被害全体でみると、犯罪被害を警察へ届け出たのは44.6%であり、51.0%が届け出 なかった、4.4%が無回答であった。届出率が高いのは、ひったくり(86.7%)、自動車・ オートバイ盗(71.4%)、住宅対象の侵入窃盗(71.0%)、すり(68.8%)であり、いずれ も 60%を超えている。他方、痴漢(8.8%)、つきまとい・覗き(11.1%)、住居・自動車 損壊(24.7%)、不法侵入(25.7%)、インターネット犯罪(27.3%)、悪質商法などの詐欺 (35.0%)の被害では、届出率がいずれも 40%を下回っている。全体的にみると、財産犯 罪の届出率が高く、悪質商法などの詐欺犯罪を除けば、性的犯罪、器物損壊、不法侵入な どの非財産犯罪の届出率が低いといえる。

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図Ⅲ-1-3 犯罪被害の警察への届出 40 50 86.7 68.8 57.9 27.3 40 11.1 8.8 71.4 58.8 35 71 25.7 24.7 52.2 44.6 36 50 6.7 31.2 42.1 68.2 56 77.8 88.2 23.8 41.2 63.3 25.8 72.9 75.3 45.3 51 0% 20% 40% 60% 80% 100% その他(50件) 凶悪犯罪(2件) ひったくり(15件) すり(16件) 暴行・傷害等(19件) インターネット犯罪(22件) 子どもに対する追回し等(25件) つきまとい・覗き(27件) 痴漢(34件) 自動車・オートバイ盗(42件) 車上狙い(51件) 悪質商法などの詐欺(60件) 住宅対象の侵入窃盗(62件) 不法侵入(70件) 住居・自動車損壊(81件) 自転車盗(236件) 総数(812件) 届け出なかった 届け出た 無回答 3.暗数 ここでは、本調査の結果と前回の調査、法務総合研究所が実施した「第1 回犯罪被害実 態(暗数)調査」および警察白書(警察庁編)の統計資料から犯罪の暗数について検討す る。ただし、本調査には刑法犯以外の犯罪も含まれているため、刑法犯全体の暗数を推定 することはできない。そこで、刑法犯のうち比較的被害率の高い自転車盗、住宅対象の侵 入窃盗および車上狙いについて検討することとする。各罪種の暗数は、基本的には、図Ⅲ

(12)

-1-3に示した犯罪の被害を警察に届けなかった割合ということになる。 図Ⅲ-1-4は、自転車盗の認知件数の推移と平成11 年および平成 15 年における暗数 の件数を示したものである。平成11 年の暗数については、法務総合研究所が実施した「第 1 回犯罪被害実態(暗数)調査」における、被害を警察に届けなかった比率から算出した (以下同様である)。本調査では、平成15 年 10 月から平成 16 年 9 月までの犯罪被害につ いて尋ねているが、平成15 年中の認知件数に基づいて暗数を算出した。平成 11 年の推定 暗数は約261,000 件(約 64%)であるのに対して、平成 15 年は約 214,000 件(約 45%) に減少している。被害率についてみると、平成11 年は 7.9%(法務総合研究所の前掲調査 による。ただし、この調査では自転車を保有している世帯を調査対象としている。平成11 年のデータについては、以下同様である)、平成 13 年は 8.7%(社会安全研究財団の前回 の調査による)、平成15 年は 13.2%である。平成 15 年の被害率は平成 13 年に比べて 4.5% 増加しているが、認知件数は 8.7%減少している。この原因として考えられるのは、本調 査は、平成15 年 10 月から平成 16 年 9 月までの間の被害経験であり、平成 16 年 1 月か ら9 月までの間の被害率または警察への届出率が減少したことである。 図Ⅲ-1-4 自転車盗の認知件数の推移

認知件数

推定暗数

0

100,000

200,000

300,000

400,000

500,000

600,000

平11

平12

平13

平14

平15

件 図Ⅲ-1-5は、住宅対象の侵入窃盗の認知件数の推移と平成11 年および平成 15 年に おける暗数の推定件数を示したものである。平成11 年の暗数は約 52,000 件(約 39%)で あるのに対して、平成15 年は約 49,000 件(約 26%)に減少している。被害率について みると、平成11 年は 1.2%、平成 13 年は 2.6%、平成 15 年は 3.5%と、漸増している。

(13)

図Ⅲ-1-5 住宅対象の侵入窃盗の認知件数の推移 推定暗数 認知件数 0 50,000 100,000 150,000 200,000 平11 平12 平13 平14 平15 件 図Ⅲ-1-6は、車上狙いの認知件数の推移と平成11 年および平成 15 年における暗数 の推定件数を示したものである。平成11 年の暗数は約 172,000 件(約 58%)であるのに 対して、平成15 年は約 171,000 件(約 41%)に減少している。被害率は、平成 11 年が 1.6%、平成 13 年が 3.6%、平成 15 年が 2.9%となっている。 図Ⅲ-1-6 車上狙いの認知件数の推移 推定暗数 認知件数 0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 平11 平12 平13 平14 平15 件

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4.まとめ 過去1 年間(平成 15 年 10 月から平成 16 年 9 月まで)に、自分や同居の家族が何らか の犯罪の被害にあった世帯は30.3%であり、被害にあったことのない世帯は 69.7%であっ た。特に、大都市において被害世帯の割合が高い傾向がみられるが、東京都区部における 被害世帯の割合は低い。警察管区別にみると、関東管区以北に被害世帯の割合が低く、四 国管区を除けば、中部管区以西にその割合が高い。罪種別にみると、「自転車盗」の被害率 (13.2%)が最も高く、次いで「住居・自動車損壊」(4.5%)、「不法侵入」(3.9%)、「住 宅対象の侵入窃盗」(3.5%)、「悪質商法などの詐欺犯罪」(3.4%)、「車上狙い」(2.9%) などの順となっている。被害率を前回の調査(2002 年)と比較すると、全体的に、約 10% 増加している。罪種別に被害率をみると、「車上狙い」を除く全ての罪種において、前回の 調査時よりも高くなっている。 犯罪の暗数は、被害全体でみると 51.0%である。暗数が多いのは、痴漢(88.2%)、つ きまとい・覗き(77.8%)、住居・自動車損壊(75.3%)、不法侵入(72.9%)、インターネ ット犯罪(68.2%)、悪質商法などの詐欺(63.3%)などの被害で、いずれも 60%を超え ている。暗数が比較的少ないのは、ひったくり(6.7%)、自動車・オートバイ盗(23.8%)、 住宅対象の侵入窃盗(25.8%)、すり(31.2%)であり、いずれも 40%を下回っている。 全体的にみると、財産犯罪の暗数が少なく、悪質商法などの詐欺犯罪を除けば、性的犯罪、 器物損壊、不法侵入などの非財産犯罪の暗数が多いといえる。

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平成25年3月1日 東京都北区長.. 第1章 第2章 第3 章 第4章 第5章 第6章 第7 章

となってしまうが故に︑