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空気吹 き付 けによる熱応力割断の き裂進展制御

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Academic year: 2021

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(1)

長崎大学工学部研究報告 第

30

巻 第

55

号 平成

12

7

155

空気吹 き付 けによる熱応力割断の き裂進展制御

本 村 文 孝 *・今 井 康 文 * 才 本 明 秀 *

Co n t r o lo fac r a c kpa t hbya i rbl o wl n gi n血et he m a ls t r e s sc l e a v l ng

by

FumitakaMOTOMURA*,YasufumiIMAI* AkihideSAIMOTO*

InthecaseofunsymmetriCal thermalstresscleavlng,Crackswillnotgrow straightbecausemixedmodeofstress intensityfactorsarisesITorealizethethermalstresscleavingaSaStandardcuttingprocess,thispointhastobeovercome.

Onesolutionmaybecoolingbytheairblowcombinedwithheating.Coolingreducedbothofstressintensityfactors,KI andKII.Butthelatterreductionismorethan theformer.Inthispaper,stressintensltyfactorsareestimatedforunsym‑

metricallyedgeCrackedrectangularglassplatesbyFEM andthevariationoftheratioofKII/KIisdiscussedasafunc tionof仙ecoolinglocation,Coolingareaandinitialplatetemperature.

1

緒 首

ガラスの ようなぜい性材料 の加工法 として熱応力割 断が使用 され る ようになった。液 晶や

PDP

基板 と し て利用 され るガラス薄板 は大型化 してお り、生産性 の 面か らも新 しい加工法の研究が なされている。従来の 面落 し等 にはガラス切 りが使用 されてお り、引 っか き 時お よび曲げ負荷時のチ ッピングによる傷が品質上問 題 となっている。その点熱応力割断 は非接触 であ り、

切 り屑 を生 じないので歩留 ま りの向上が期待 で きる。

但 し、熱応力割断において も克服すべ き課題があ り、

端面近傍の割断はその一つである。非対称線 の割断で は、 き裂進展が混合モー ドにな り進展経路 は湾 曲す る。

研究室では単一加熱源 による端面 と平行 な割断 を試み てお り、熱源 を直線上ではな く曲線上 に移動 させてみ たが、湾 曲を抑 えるのは困難であった。そ こで、加熱 す る と同時 に空気吹 き付 けによる冷却 を行 った ところ、

き裂の湾曲を抑 える可能性があることが分かった。 こ れは常 に非定常状態 を作 り出す ことに等 しく大 きなモ ー ドⅠの熱応力拡大係数が期待 で き、極端 な温度上昇 が制限 される場合 に も利用 される と考 え られる。

本研究では、 まず始めに端部近傍 に自由縁 と平行 な 静止 き裂の先端近傍 に点加熱がある場合 に、任意位置 に空気吹 き付 け された ときの混合モー ド下の応力拡大 係数 を有限要素法 によって評価 し、吹 き付 け流量お よ び吹 き付 け開始時間について検討 した後、実際の加熱 条件 となる領域加熱 した場合 において、吹 き付 け面積、

初期 ガラス温度の影響 について述べ る。

2

解析方法

解析モデルを図 1に示す。長手側線 と平行 な縁 き裂 を有す る矩形薄板 を考 え、 き裂前方

5 [mm]

に点加熱 あるいは円加熱が作用す る とき、 き裂延長線上 よ り縁 側 に空気吹 き付 け中心がある場合の

2

次元非定常熱弾 性解析 を行 った。

計算 に使用 した強制対流熱伝達係 数

(1)

は、予加熱 さ れたガラスに衝突噴流がある ときの ガラス表面温度の 温度測定 よ り、数種 の体積流量 について求めた。解析 に際 し、熱的条件 は次の もの を使用 した。

1.空気吹 き付 けが無い場合の 自然対流熱伝達係数 は 両面か ら生 じる。

平成

124

21

日受理

*機械 システム工学科 (DepartmentofMechanicalSystemsEngineering)

(2)

2.

空気吹 き付 けによる強制対流熱伝達係数は片面か ら作用す る。

3.

端面か らの放熱は無視する。

4.

き裂面 は断熱である。

X

Fig.1 Analyticalmodel

次 に要素分割 について、図

2

にき裂長 さ

50 [

皿]の 場合の分割例 を示す

。 8

節点 アイソパ ラメ トリック要 素 を使用 し少 ない要素数で精度 を保 てるように工夫 し た。図

2

の例 では総要素数

828

、線節点数

3431

になっ た。

また応力拡大係数は変位外挿法 を利用 し、時間ステ ップ

(0.1 [sec])毎 の温度場解析 お よび応力場 解析

よ り求めた。図

1

の座標系 では、正 の

&

.に対 して き 裂 は 自由縁側 に屈 曲す る 。

が大 き く 、

が小 さい 程、 き裂進展の湾 曲が抑 えられると考える。

訂 ● 壷

●tlJIgpen8○It5mt5 】nZn也

0

50 100 150 200

Fig.2 FEM model

解析 に使用 したガラスの材料定数 を表

1

に示す。

Table.I MaterialpropertleS Thermalconductivity 九【W/mK] 1.03 Poissonratio V 0.3

3

解析結果

3.1

点加熱 と空気吹 き付 けの壌合

点加熱の場合、空気吹 き付 けの影響 を受ける範囲が ガラス全体 に及ぶ場合 について解析 を行 った。

まず、加熱 と同時 には空気吹 き付 けを行わず、ある 程度時間が経過 した後 (

5[sec],10[sec],15[sec])

空気吹 き付 けを始める。 この場合、吹 き付 け位置 によ って Kl , / K,の値 は変化 す る。図

3

はその 中で最小 の

KII/

K,を与 える吹 き付 け位置 に対 して、吹 き付 け後

の &′ /

の時間的変化 を示 した ものである。

全ての加熱経過時間について、吹 き付 け時間が長 く なるにつれて 、& /

は減少 してい る。 これ よ りき 裂進展進展 に必要 な 応 が与 え られ さえす れば、空気 吹 き付 けによって、 き裂進展直進性は高 まると言 える。

さらに、同 じ吹 き付 け経過時間ならば、加熱経過時 間が短い程小 さな億 を示 しているので、 自由縁近傍の ような混合モー ド状態下では、十分 に加熱するのでは な く、加熱 と同時 に、吹 き付 けを開始す ることが有効 であると思われる。

Y'yl0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

airblowkeepingtimelsec]

Fig

.

3 Airblowtimlng 3.2

領域加熱 と空気吹 き付 けの壌合

点加熱の場合の結果 を踏 まえた上で、今後の解析 は 加熱開始 と同時に吹 き付 けを開始 した場合について行

う。 またガラス全面 に吹 き付 けの影響が反映 される と、

加熱源 自身のエネルギーも奪 って しまうので、吹 き付 け面積 に制限を設けた場合 も検討する。

解析条件 は次の通 りである。

(3)

空気吹 き付 けによる熱応力割断の き裂進展制御

加熱源半径

1.5[皿]

加熟量

15[W]

き裂長 さ

100 [皿]

加熱源中心位置

105[皿]

自由縁か らの距離

10[m]

3.2.1

吹 き付 け経過時間について

図 4は吹 き付 けの有無 による応力拡大係数の時間的 変化の違いについて示 してい る。吹 き付 け半径 は

1.5

[nm]

、吹 き付 け 中心位 置 は

x‑8.5、Y‑104.5

で あ る。

2 4 6 8 101ユ14161820

beatingtime【sec

Fig.4 K',K"vsheatingtlme

0.10

0.08

b

二 0・06

■l

bd O.04 0.02 0

0 2 4 6 8 101ユ14161820

heatingtimelsec]

Fig5繁 vsheatingtlme

空気吹 き付 けが無い場合 に比べて、同 じ加熱量

15W

で は

、K",K

,共 に減 少 してい る。 しか し、加 熱量 を

157

増加す ることで、 き裂進展 に必要な レベル まで高める ことは可能である。そ こで、混合モー ド下 における き 裂の直進性 を議論 す るには任意時間 にお け る K

,I/

K,

の値 が大切 となる。図

5

に K" /K Iの時 間的変化 につ いて示す。

吹 き付 けが無い場合 は時間 と共に単調増加傾向にあ り、時間をかけないで割断す る、つ ま り高い加熱量 を 瞬時に与 えることて、 き裂の屈折 を抑 えることになる が、材料表面の溶融 は避け られず最適 な方法 とは言 え ない。一方、加熱 と同時 に吹 き付 けを開始 した場合は 吹 き付 け直後か ら減少 していることがわかる。 また、

ガラスの初期温度 と周囲温度 との差 を

0 [K]

か ら

100 [K]

に高めることで

0 [K]

の時 よ りも減少量 が増 した。 これ よ り初期温度 を高めに設定 し、 よ り局所的 な温度勾配 を与 えることで、 き裂湾曲を抑 える効果が 十分期待で きる。

(a)1.

0 [K]heatingtime2sec]aJier

24

1

8

○ 9

i;

.71

l K tll t I ′ K t I

. . , . ○ ○

.

○ 0

7 7

7

150

(b) 10‑ 0 [K]

h e a t i n g t i m e l O l s e c l a P e r

(4)

(C)i.‑100 lK]heatingtime2lsec]ajier

Y 喝 p''' (d)to‑100 [K]heatingtimelOlsec]after Fig・6 ThetrajectoryofairblowcenterglVlngthe

same&′/

&

3.2.2

吹 き付 け面積 の影響

6

Kll/K

Iの同一値 を与 える吹 き付 け中心位 置 を結 んでで きた等強度線である。吹 き付 け条件 はガラ ス全面 に吹 き付 けの影響が及ぶ場合である.(

aXb)

は初 期温度 と周囲温度 との差 が

0 [K]、(CXd)

100 [K]

、 吹 き付 け経 過 時 間

2 [sec]

10 [sec]

であ る。共 通 して言 えることは、初期温度 と吹 き付 け経過時間に関 わ らず

、KlI/K

l が小 さ くなる範 囲 は き裂 先 端 と加 熱 源の間の加熱源か ら離れた 自由縁側 にあることである

初期温度

0 [K]

につ いて は、時 間経過 に よ り

、KII/

凡 の小 さ くなる範囲が絞 られて きている。

次 に、図 7は吹 き付 け半径 を変化 させ た時 に、最小 の

&

ノ 凡 を与 える最適吹 き付 け中心位 置 の移動 化 に つ いて示 してい る。吹 き付 け経 過 時 間 は

2 [sec]

ぐ \r=○○

5 43.5 32.52

cheraCatsktoiurp&ee

01 2 3

45

6 78 9 10

X

Fig・7 Theoptimalairblow centerglVlngthe minimun

K

,I/K

l

(a) to

0 lK]cooLingradiu5‑5.0lJnm]

(b) t00 lK]cooLingradius‑2.5 lm]

Fig.8 ThetrajectoryofairblowcenterglVlngthe sameKll/K

I

(5)

空気吹 き付 けによる熱応力割断の き裂進展制御

であ る。 まず、Y方 向位 置 は常 に1

0

4 [ m]で あ った。

吹 き付 け半径 が小 さ くなるにつ れ て、最適 位 置 の

X

座標が加熱源 に近付 いてお り、各半径 における

K"/K

l

の最小値 も小 さ くなる傾 向にある。

8

は吹 き付 け半径が

5

[ n m]

、2.5

[ n m]の ときの、

K"/K

lの 同一値 を与 える吹 き付 け中心位置 を結 んで で きた等強度線 である。 これ らよ り、吹 き付 け領域 の 外周が加熱源 中心 を通 過す る ような位 置 に K

"/

Klを 最小 とす るような吹 き付 け中心位置があることがわか る

実用 的 には吹 き付 け面積 を小 さくし、加熱源 と隣 り 合 うように配置す ることで、

種 々の 自由境界 に対応 した き裂進展経路の制御 に適用 で きるのではないか と考 える。

4

結 言

1.空気吹 き付 け に よって

K"/KI

が減少 す る ことが 明 らか にな り、空気吹 き付 けが端部 に平行 な熱応力 割断 に有効であることが分かった。

2.

周囲温度 よ り初期 ガラス温度 を高めることで

、K /

& をよ り減少 させ ることがで きる。

3.

空気吹 き付 け面積 を狭 め る こ とで

、KIl/K

Iは減 少 し、最適吹 き付 け中心位置は加熱源 に近づ くこと が分か った。

参考文献

( 1 ) 本村 、今 井 、才本 、長 崎大 学工 学部研 究 報告

、29

52、(1999)ll.

159

参照

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