音楽科の主張
雑誌名 教育研究協議会要項 : 共に創りあげる授業 : 資質
・能力を育みながら,「教科ならではの文化」を味 わう子どもたち
巻 令和元年度
ページ 60‑60
発行年 2019‑10‑17
出版者 静岡大学教育学部附属静岡中学校
著者版フラグ publisher
URL http://hdl.handle.net/10297/00026829
音楽科主張
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田 楽 科 の 主 張
1 教科で育みたい人間像
私たちは, 音や音楽のよさや美しさに, 感動を覚えることがあります。 音や音楽に感動を覚える経験を重ねてい くと, 人々は音や音楽による感動をますます味わいたくなるでしょう。 自ら感動を求めていくことは, 生活を, さ らには人生を明るく豊かなものにしていくことにつながります。
また, 私たちは, 生み出され, 育まれてきた背景の異なる様々な音や音楽それぞれに, 固有の価値があることに 気づくと, それぞれのよさや美しさを尊重していこうという思いを抱くことがあります。 音や音楽の多様性や固有 性に気づき, それぞれのよさや美しさを味わう経験を重ねていくと, 人々は様々な価値観を尊重していく姿勢をさ らに養っていくでしょう。 自らの感性を大切にしつつ, 他者の思いや意図をくみ取ったり, 様々な文化を尊重した りしていくことは, 自らの感性をさらに豊かにしていくことにつながります。
音楽科では, 教科で育みたい人間像を「様々な音や音楽のよさや美しさを味わい, 分かち合う人」としました。
音や音楽には, 人々の心を動かし,豊かにしていく力があります。 音や音楽のよさや美しさを味わうことを通して,
子どもたちに豊かな情操が培われていくことを願っています。
2 教科ならではの文化
「様々な音や音楽のよさや美しさを味わい, 分かち合う人」を育むことをめざす音楽科では, r音楽科ならではの 文化」を 「音楽に対する感性を豊かに働かせながら, 表現や鑑賞を深めていくこと」と考えています。
音楽は, rつくる人J r演奏する人J r聴く人」による, 音を媒体としたコミュニケーションです。 そして, それ ぞれの立場の人が, 様々な思いや意図を抱きながらそのコミュニケーションに携わっています。 もちろん, rつく る人」同士, r演奏する人」同士, r聴く人」同士のコミュニケーションも大切ですし, 尊いものです。 しかし, そ ういった立場の枠を越えたコミュニケーションを充実させていくことが, 表現や鑑賞をさらに深めていくことにつ ながるでしょう。
例えば, r演奏する人」たちは, íつくる人」が音や音楽にこめた思いや意図をくみ取り, それらを音楽で表現し ようとしたときに, あるいは「聴く人」たちの心の動きに思いを馳せたときに, 音や音楽をより深く味わっていき ます。 そして, 自らが奏でる音楽を通して, íつくる人」がこめた様々な思いや意図を「聴く人」と分かち合うこ とができたときに, より大きな感動を味わっていきます。
音を媒体としたコミュニケーションの中核には, 音楽に対する感性, つまり音や音楽のよさや美しさなどの質的 な世界を価値あるものとして感じ取るときの心の働きがあります。 音楽に対する感性を豊かに働かせながら, 音を 媒体としたコミュニケーションを充実させていくことこそが, í様々な音や音楽のよさや美しさを味わい, 分かち 合う姿」と言えるでしょう。
3 授業づくりで大切にしていること
子どもたちの 「様々な音や音楽のよさや美しさを味わい, 分かち合う姿」につながるような思いに寄り添いなが ら, 授業づくりをしていくことを心がけています。
まず大切にしたいのは, í取り組んでみょうかな」と「頑張ればできそう」という子どもたちの思いです。 なぜ ならば, これらは初めて出会う音や音楽についても主体的に味わおうとする姿勢を育むことにつながる思いだから です。 これらの思いは, 音楽経験の異なる子どもたち全員が, ためらうことなく積極的に音楽活動に携わることの できる雰囲気の中で生まれていきます。 表現や鑑賞'を深めていくうえで必要な知識を適宜確認したり, 活動に必要 な技能を無理なく身につけたり, 視点を共有して知覚・感受したことを深めたり, 互いのよさを認め合いながら励 まし合って取り組んだりすることのできる授業は, そのような雰囲気を醸成していくでしょう。 そのために, 子ど もたちが見通しをもち, スモールステップを踏みながら学ぶことができたり, 表現や鑑賞を協働的に深めていくた めの対話を生み出したりすることのできる題材構想の工夫をしていきます。
このような授業で学びを積み重ねていった子どもたちは, 表現や鑑賞を深めることのできた達成感や, 音や音楽 のよさや美しさを味わったり, 音や音楽に価値を見いだしたりした充実感などによって, r取り組んでよかった」
という思いを抱くでしょう。 そして, その思いは「もっと様々な音や音楽のよさや美しさを味わいたし、」という思 いにつながっていくのです。
以上のことから,子どもたちの「取り組んでみょうかなJí頑張ればできそうJí取り組んでよかったJíもっと様々 な音や音楽のよさや美しさを味わいたLリといった思いを大切に, 授業をつくっていきます。
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